平成23年11月29日(火曜日)午前10時から午後12時まで
文部科学省3階 3F1特別会議室
安西 祐一郎、片峰 茂、栗原 敏、黒岩 義之、真田 弘美、妙中 義之、竹中 登一、丹生 裕子、永井 和之、中川 俊男、中村 孝志、西村 周三、濵口 道成、矢崎 義雄、山本 修三(敬称略)
森文部科学副大臣、磯田高等教育局長、村田医学教育課長、渡辺医学教育課企画官、玉上大学病院支援室長、小野医学教育課長補佐
(厚生労働省医政局)田原医事課長
【安西座長】 それでは、第9回になりますけれども、今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会を開催させていただきます。御多忙のところ、おいでくださいまして、誠にありがとうございます。
会議に入ります前に御報告でございますけれども、この会議は冒頭から公開とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
議事に先立ちまして、文部科学省で副大臣の交代がございました。この検討会担当の副大臣として森ゆうこ副大臣が就任されておられます。森副大臣から一言御挨拶をお願いいたします。
【森副大臣】 皆様、おはようございます。このたび文部科学副大臣を拝命いたしました森ゆうこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様方におかれましては、本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、それぞれのお立場から、日頃より医学教育の振興に御尽力を賜りまして本当にありがとうございます。心から厚く御礼(おんれい)を申し上げたいと思います。今、本格的な高齢社会の到来ということで、医療提供体制の充実というのが国民の皆様の大きな関心、また、期待を寄せられているところでございます。そのような中で、この本検討会におきましては、昨年12月の第1回から数えて本日が9回目の会議になります。
これまで中長期的な医学部入学定員の在り方等について、地域医療の観点や、研究医の養成、国際的な視点での医師養成など、多岐にわたる視点から御意見を伺ってまいりました。前回の8回目の会議におきましては、これまでの御意見をもとに論点整理の素案を提示し、その内容や今後の進め方について、様々な御意見を頂いたと聞いております。本日は、前回の会議で頂きました御意見を踏まえた修正版の素案を用意しております。昨年12月から検討会を開始いたしまして、約1年が経過しておりますので、私といたしましては、一つの区切りをつけることができればと思っておりますので、委員の皆様におかれましては、どうぞ御忌憚(きたん)のない御意見をお述べいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。今日は、本当にありがとうございます。
【安西座長】 副大臣、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
今日は、自由討議とさせていただきます。これまで論点整理の素案を事務局から出させていただきました。それにつきまして各委員からいろいろな御意見を頂いておりますし、素案が出た後も委員からの御意見を多々頂いております。それに基づきまして事務局に論点整理の素案の修正を依頼してまいりました。この修正案を本日はこれから事務局から説明してもらいまして、それについていろいろ御意見をいただければと思います。この論点整理につきましては、今、森副大臣もおっしゃいましたように一つの区切りとしてパブリックな所に出していくということになるかと思います。そのことも申し上げておければと思います。まだ論点整理ということでございますので、何かを決めたということでは全くございません。これからの議論の一つの中間的な土台になると思っております。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、事務局から資料1の説明をお願いします。
【渡辺企画官】 配付資料の確認と併せてさせていただきたいと思ってございます。配付資料、資料1-1が論点整理の素案で見え消し版、資料1-2が論点整理の素案で溶け込み版。資料2-1が第8回検討会後に提出された委員の御意見で、この素案を事前送付する前の御意見。資料2-2が第8回検討会後に出された意見で、この検討会の資料案を事前送付した後というようなことで配付しているところでございます。もし不足等ございましたら、お申し付けください。よろしいでしょうか。
そうしましたら、今、座長からお話がございましたように資料1-1、見え消し版の方を中心に10分程度で私から前回との変更点を中心にざっと御説明をさせていただきたいと思います。資料1-1をごらんいただきまして、1ページ目でございます。初めに右のあたりに3点ほど丸がございまして、まず、これを御説明させていただきます。総論的に「全体的な修正内容」というふうにございます。3点ほどこのような形で修正を8月からしているところでございまして、まず、前回、下線を引いてあったと思うのですけれども、下線を取りました。下線部につきましては、御議論としては出ていたものの、十分に文書化されていないという段階で事務局で肉付けしたものなのでございますけれども、委員の皆様方の意見をもとに表現を整理いたしまして、意見そのものを引用している部分については、「こういう意見がありました」、委員の意見から導かれる内容を記述したようなものにつきましては、このような意見を踏まえると、「こういったことが必要」、「こういったことが望まれる」というようなことを明確にしたというような対応をさせていただきました。
2点目でございますが、全体の章立てを整理しております。そして3点目は全般でございますけれども、順番の整理、趣旨の明確化、表現の適正化などの見直しをこの素案全般にわたりましてさせていただいたものでございます。そのような観点を踏まえて中身の御説明をさせていただきたく思ってございますので、よろしくお願いいたします。
初めに、「はじめに」のところでございますけれども、ここにありますように論点整理の構成の趣旨が分かりやすくなるよう説明を記述いたしました。最後の4行を少し見ていただければと思います。ざっとなぞらせていただきますが、「そして、医学部入学定員の在り方や医学部新設の是非など、本検討会として議論を行っていく点については、広く国民的議論を期待するとともに、政府の関係審議会等においても本検討会での問題提起に関連した議論が行われることが必要である。」というような形で位置づけについて少し詳しく書いてある案としているところでございます。
ページをめくっていただきまして1番、医師の配置やキャリアパス等についてという部分についてでございますけれども、皆様方の御意見を踏まえ、産科についての記載等々を入れているところでございます。
更にページをめくっていただきまして4ページ目になります。医師派遣等の支援システムについての再構築についてというような観点につきましても若干の修正をしてございます。内容としてはそこにあるとおりなのですけれども、地域医療の人材の確保等々については、大学及び都道府県が連携をしながらしっかりと支援していくというような趣旨のことを強調して書いている案にしてございます。それと、そこのあたりで地域医療支援センターについての記述について若干変更をさせていただいてございます。まだこの取り組みについては、始まって緒についたばかりというようなことなので、飽くまで取り組みの例示だというような色彩を少し強調するような形の書き方としているところでございます。
次に5ページになりますけれども、赤で冒頭いろいろ書いてございますけれども、各委員の御意見等々を踏まえまして、臨床研修に関する提案等々につきまして追加をしているとか、順番を若干入れ替えるといった対応をしているところでございます。そのページの下のあたり、医師の勤務・診療に関する環境整備と女性医師の活躍の支援についてということで、女性医師という言葉を、前回の案では特に入れていなかったのですけれども、委員の先生方の御意見を踏まえまして女性医師の支援についての文言を幾つか書きましたので、題名にも女性医師の活躍支援ということで入れさせていただいているところでございます。産科の現状についても委員の意見発表等々も踏まえて、記載を幾つか入れ込ませていただいているところでございます。
先に進めさせていただきます。6ページ目、次が地域枠の活用等による地域医療の充実についてというところでございますけれども、ここは大きな変更はございませんけれども、7ページ目につきましては、これも大きな変更はないのですけれども、若干内容を整理して明確にしたというようなことでございます。特に大きな内容の変更はございません。
そのページの4番、基礎研究、イノベーションを担う医師の養成の充実についてというところでございます。
本検討会におきまして研究医の養成について議論した趣旨を明示したということと、委員の御意見を踏まえまして研究者になりたいというような動機づけが必要という意見をしっかり書き込んだ方がいいのではないかという意見がございました。8ページの10行目、11行目あたりに、そのような委員の御意見を入れ込ませていただいているところでございます。その下の5番、国際貢献等グローバルな視点で活躍する医師の養成の充実について、というところでございますけれども、ここについても大きな変更はございませんが、少し内容を充実したような書き方とさせていただいているところでございます。
8ページのところで少し補足いたしますと、最後の33行、35行あたりですけれども、我が国においては大学教育全般に係る認証評価制度はあるものの、医学教育に特化したものはないので、そういったことにつきましても実施を検討していくことも望まれるという、委員の御意見を入れ込ませていただいているところでございます。
次が9ページになりまして6番、総合的な診療能力を持つ医師の養成についてというところでございます。ここのところは委員の意見を踏まえまして、幾つか修正してございます。いろいろ書いてございますけれども、大きく2点ほどございまして、6.[1]の最後のポツのあたりになりますけれども、「なお、総合医、プライマリ・ケア医などの定義については、統一された定義がないことから、今後、学会等の見解を踏まえて検討することが必要であるという意見があった。」と定義といいますか、そもそもこの言葉をどう認識するのかということについても引き続き議論が必要だというようなことで書かせていただいております。
それと、6番の総合的な診療能力を持つ医師の養成について、では、全体的に皆様方の御意見を踏まえているのですけれども、総合的な診療を専門とする医師というのが必要であると同時に、一定の専門性を持ちつつ、総合的な診療ができる医師も必要であるというような、2パターンの必要性があるのではないかというような書き方にしているところでございます。
7番、医学教育の改革について、10ページ、11ページについてでございますけれども、大きなところの変更はございません。文言を若干整理、修正をさせていただいたというところでございます。枝番といたしましては、[1]カリキュラム改革の必要性について、[2]各大学の特色ある教育について、[3]一般教養の在り方について、[4]診療参加型臨床実習の充実についてというような項目立てで書いているところには変わりはないところでございます。
ページをめくっていただきまして12ページになります。[5]地域病院等と連携した教育の充実について、というようなところにつきましても書いてございますけれども、他の部分と内容が重複するためにそこを整理したというようなところでございまして、特段の大きな変更はないと思ってございます。[6]が大学入学から卒業までを見通した教育の充実というところで言いますと、後段の方ですけれども、委員の御意見を踏まえまして、また、知識や技能を磨くことはもとより、卒前・卒後を通じて医師としての社会的責任感やプロフェッショナリズムを培うような教育が必要という意見もあった、という委員の御意見を入れ込ませていただいているところでございます。
8番が今後の医師養成体制の充実についてというところでございます。ここにつきましては14ページに1点、委員の皆様の御意見を入れさせていただいてございます。一つ目のポツに赤で書いております。特に地域枠の学生に対して義務年限を超えてやりがいや使命感を与えるよう教育体制への投資が必要であるという意見もあった、という御意見を入れさせていただいているところでございます。
9番、最後の項目立てになりますけれども、この医学部入学定員の在り方についてというところは、これまでも三つのパーツから構成していたものには変わりないのですけれども、それぞれのパーツについて、修正、修文等をしていってございます。一つ目のパーツにつきましては、題名のところで意見の内容に即して表題を修正させていただいてございます。需給の推計に直接言及するというような意見だけでなくて、今後の予測において考慮すべき要素ですとか、また、データの可視化などについても幅広く委員から御意見があったため、表題をそのような形で変えているところでございます。
そして、赤でいろいろ入ってございますけれども、各委員の方からの御意見を入れ込ませていただいているところでございます。15ページの下からですけれども、ここのところの一つのまとめとして、今後の医師数について需給と供給の正確な長期的推計を行うことは困難であるが、今後の需要と供給、偏在等に影響を与える要素としてどのような要因があって、どの程度の影響があるかというようなことを整理、検討していくことが必要ではないかという記述とさせていただいているところでございます。
この9番の項の[2]の既存の医学部の入学定員増についてというところでございますけれども、これも委員の御意見を入れ込んでいるところでございます。赤で書いてあるとおりでございまして、御確認をいただければと思います。
[3]になりますけれども、医学部の新設による対応についてというところでございます。ここのところで前回いろいろと委員から御指摘がございました。前段のところは、委員の御意見をストレートにそのまま箇条書に十数点程度書かせていただいているところでございます。それに続いて、こちらで書き込ませていただきました、新規の御意見を御確認いただければと思っています。
そういった委員の御意見が幾つか続いた後、18ページ、最後のページになりますけれども、座長のコメント等も踏まえまして書き足しているところでございます。8行目からになりますが、新設を行うべきという意見についてはこうこう、新設ではなく既存の医学部の増員に対応するべきという意見についてはこうこうと。そして16行目からまた、新設・増員のいずれについても医師の絶対数を増やすだけでは直ちに地域や診療科間の偏在の解消にはならず、増加した医師が偏在解消に寄与できるような仕組みや方策を講じることは共通の課題であるというような書き方としております。続いて少しなぞらせていただきますけれども、「このため、当面は提案された医師不足の解消のための取組、地域医療に従事する人材の育成の取組を実行に移しつつ、これらの取組やこれまでの増員スキームの効果を継続的な検証と、医師需給や偏在に影響を与える要因についての分析を行い、需給にかかる諸状況の変化を随時見極めながら、本検討会として議論を行っていくことが必要である。」ということで、最後の締めといたしまして、本検討会で引き続き議論していく、そしてまた国民的議論が行われるよう促す、そしてまた政府の関係審議会や検討の場等においても関連した議論が行われることが必要である、というようなことで、一応の締めとさせていただいているところでございます。
少し説明が長くなったかもしれませんけれども、現時点における論点整理は以上でございます。
【安西座長】 ありがとうございました。
それでは、自由討議に移らせていただければと思います。森副大臣、お忙しい中いらしていただいていると伺っておりますので、副大臣も入っていただいて、どなたでも結構でございますので、御自由に御発言いただければと思います。この論点整理の案、固まりましたら、パブリックコメントにかけさせていただくという予定でございます。そのことも踏まえて、いろいろ忌憚(きたん)のない御意見をいただければと思います。
どうぞ、永井委員。
【永井委員】 まず一般的なことなのですけれども、1ページにあります、今、訂正された赤の下から三つ目のところですか、医師養成の絶対数の増加について意見を整理している。この検討会でこういう視点だったのか。また、その二つ目にありますような地域偏在や診療科偏在を踏まえた地域医療の充実とか、基礎研究、イノベーションを担う医師の養成とか、グローバルな視点で活躍する医師の養成、総合的な診療能力を持つ医師の養成、こういった視点で、それらの分が足らないから、それらをつくるためにはどうしたらいいかということで、その結果として全体の医学部定員増などが図られるのなら分かるのですけれども、こういう絶対数の増加という視点でここの議論がなされていたかどうか少し疑問に思っています。その点が最後の医学部の入学定員増だとか、医学部の新設などにおいては、こういうふうに全くまだ十分に詰められているような議論がなされていないわけですから、この最初の冒頭のところで絶対数の増加がこの目的にあったような、この論点整理の目的であるかのような書き方がいいのかどうか少し疑問に思いました。
【安西座長】 それはごもっともな面もあると思います。ただ、ある意味、結果的には医師数についての議論はするのだということは共通了解になっていると思いますので、こういう書き方がされているのだと思いますけれども、今の点でも結構でございますけれども、御意見がおありになれば頂きたいと思います。私としては、やはり医学部の教育の在り方も含めて、医学部、学生の定員の問題を検討しようというのがここでの大きな課題だと思われます。ただ、それがやはりいろいろな波及効果として、あるいは我々の考える視野としては、今、永井委員がおっしゃったような相当大きな範囲を占めることになると思いますので、書きぶりにつきましては検討させていただければと思います。
どうぞ。
【中川委員】 今、座長がおっしゃったことと私もほぼ同じ意見です。まず、この検討会は医師不足について絶対数の不足と偏在だという認識はみんな共通だと思うんですよ。特に医師不足についてどうしたらいいのか。既存の医学部の入学定員の増でいいのか、新設なのかという議論がまず第一で、新設ではないという意見について私はそうですが、偏在の解消ということも併せて議論することが必要だといってこういう論点整理になっていると思うので、私はこの書きぶりはいいのではないかと思います。
【安西座長】 ありがとうございました。
私自身は中立でございますので、いろいろな意見をいただければと思います。矢崎委員、どうぞ。
【矢崎委員】 この会、しばらく休んでいて、論点整理で個々の項目云々ではなくて、全体についてよろしいでしょうか。
【安西座長】 どうぞ。
【矢崎委員】 今回の論点整理は大変恐縮ですけれども、議論が盛りだくさんに組み込まれておりまして、結局、今までどおりにこのまましばらく様子を見ようとの方針でまとめられているように思っていて、何かメッセージ性が明確でないような感じがしました。両論併記というような言葉も見えていますけれども、確かに従来どおりの方針で変えない形で進めるということであれば、お役所や大学の方々、あるいは医師会の方々にとっては楽な決着になるかもしれませんが、地域医療のセーフティネットの病院を担っている者にとっては、更にお困りの地域住民の方々には大きな失望を与えてしまうのではないかと危惧されています。そもそもこの検討会は崩壊する地域医療にどう対応するかの議論で始まったと思います。
私は、地域医療をつぶさに現場で見ている感じでは、人材育成の中心的な役割を担うはずの大学が、その存在が危ぶまれているほど、失礼ですが、やせ細った状態で、地域で人材を育成する中核を担う役割が果たせなくなった状態になっているように見受けました。そして、大学の先生方も余裕を持って日本全体の医療を考えるという姿勢が持てない状態にあるのではないかと思いました。その要因となるのは、大学は卒業生に対して求心力が著しく弱まっていることではないでしょうか。そして、研修病院に流れた人材がキャリアパスが描けないために大学に戻っているということがない。そういうような対策を抜きにして定員のみを増加させたことによって、大学のスタッフの負担が更に過重となり、研究はもちろん、教育や臨床研究にも十分に手が届かず悪循環になっているものではと、はたから見ても危惧されています。
地域枠の活用で地域の偏在が解消されるのかと思いますと言われていますが、私は地域枠の活用での大学の復権には余り期待できないと思います。大学の求心力を高めて地域で人材を育成する中核となる機能を回復することが、この危機を救う唯一の方法ではないかと思います。そこで第一に、定員増に見合う以上に財政措置を行うということをやっぱり国民の皆さんに理解していただいて、その必要性をしっかり簡潔にこの報告書に述べるべきであって、きれいごとで済まされる問題ではないということであります。そして、その明記すべき提言ですけれども、大学での100年以上にわたる基本が変わっていない医学教育と実習、そして臨床実習について、今までの枠を超えた、抜本的に変えて、それにより従来のような求心力を回復させるような実験をされてはどうでしょうかという提案であります。
例えば臨床講義では診療科別の縦割り制ではなくて、総合内科、総合外科としてまとめて選択性を高める。あるいは基礎医学は生命科学を基盤として医学の基本となる概念である例えば生理学とか薬理学、組織、病理学については、包括的にしっかり協力してリサーチマインドをしっかり教育する、そういう医学教育をする。それから、大学病院での実習と臨床研修はチーム医療を徹底させて、医師をみんなで育てるという共通意識を持って、雑用を研修医とか、あるいは若手医師に押しつけないで、可能な限り、そういう雑用を負わせないシステムの構築が大学病院で特に求められているのではないかと思います。臨床研修病院では、そういう雑用をチーム医療でなるべく研修医、若手医師に負荷がかからないような工夫をしているので、やはりみんな集まってくるのではないかと思います。
従来のシステムをこのように変革することが大学で困難な場合には、医師需給に関する今までのエンドレスな議論に逃れるということではなくて、モデル事業として実験的にこのような医学教育が可能となる新構想の医学部の新設、私は最初から提案していますけれども、これを正面から取り組んで政策提言すべきではないかと思います。これは必ず医学部を活性化することに資すると思います。そして医学部新設に当たっては、適当につくるということでは語弊がありますけれども、そうではなくて、既に教育や財政の基盤が充実していることが絶対条件ではないかと思います。
その結果、総合大学に附置し、年間授業料は少なくとも300万円以下にするということを条件にして、医学への進学の門戸を広く確保して、社会と時代のニーズに合った使命感が高く、病院に勤務する医師の育成がこれから努めていかなければいけないのではないかということで、この論点整理がまとまった後で、そういうことを申し上げて恐縮ですけれども、しっかりメッセージ性を立てて、やはり大学の活性化なくしては、我が国の医療の崩壊を抑制できないので、活性化するには繰り返しになりましたけれども、今までの枠組みを離れて少し自由な発想で社会とニーズに合った教育体制を敷いて、求心力を回復してもらいたい。もしできなければやはり新設にそういうような実験的なモデル事業としてつくって、うまくいくかどうか試してもらう。そういうことも必要ではないかということで、今日考えてきましたので述べさせていただきました。
【安西座長】 ありがとうございました。
矢崎委員の最初の方のことに一応自分の理解を申し上げますけれども、論点が整理されているだけに見えるかと思いますけれども、自分の理解ではやはりこの1年、こういう非常に重い、今、矢崎委員が言われたような大変深くて重い問題だと、自分も問題点は非常に深いととらえておりまして、これに対して委員の皆様がそういうことなのだということを共有してくるのには1年間を要したということではないかと思います。それはそれで、今までかけてきた時間のもとで、これからこの検討会がどういう方向を持っていくのかという、そういうフェーズになってくると思いますので、そこは是非御理解いただければと思います。だんだん本音が出てきたというか、そういうところではないかと思っております。
矢崎委員の本論のところ、あるいはこれまで中川委員、また、永井委員の御意見、大変貴重なものでございます。それらについてでも結構でございますので、どうぞ。山本委員、それから、中川委員。
【山本委員】 この論点整理を全般的に見ますと、今、矢崎委員も少しおっしゃいましたけれども、本当に論点整理になっているのかということですが、いろいろな立場で主張されたことを集約する形にはなっていない。しかし、委員のいろいろな御意見がほぼ含められているという意味で、論点整理にはなっているのかなと思います。その中で、共通認識として医師の不足とか、地域偏在とか、専門科の偏在ということがございましたけれども、その解決には数だけの問題ではないということも整理されていると思います。
大学の機能を考えたときに、私はやはり今、大学は原点に戻るべきだと考えております。その原点に戻るという意味は、大学の医学部、あるいは大学の病院の本来の役割は、いかに良い医師を養成するのか、リサーチマインドを持った若い研究者を養成するのか。教育と研究、そして大学病院でやる医療の中心は高度先進医療の開発と推進だと思います。というのも、現在のように医療が非常に細かい分野まで進化し、分化された段階では、大学病院の先進医療に関するレベルは非常に高いし、安心できるし、それに期待をしています。しかし、その一方で、common diseaseに関する医療に関しましては、今、臨床研修を引き受けているような一般病院では、高いレベルでcommon diseaseを扱っております。これは現状の大学病院では、いろいろな要件から十分に対応できない状況があるように思います。救急で言えば2次救急がだんだんできなくなってきたという状況の中で、改めて大学の機能とこれからの方向というものを考えていくべきではないかと私は思っています。
そして、矢崎委員のおっしゃる大学の求心力というのは、若い医師をどう研究方向に向けるのか、あるいはどうやって良い臨床医に育てていくのかという方向に向けてのベースを教育する意味で求心力というのは非常に大事だと思います。従来のようではなくて、これから新しい意味でそういう方向に向かうべきだろうと、考えているわけでございます。
【安西座長】 ありがとうございます。
中川委員、どうぞ。
【中川委員】 矢崎委員、何回か欠席されたときに私がお話ししたのでしょうか、医師養成についての日本医師会の提案(第2版)というのを説明させていただきました。それは医学部教育から臨床研修の在り方、偏在の解消につながる第一歩として提案させていただいて、今までと同じということでは全くないんですよ。大学医学部の復権ということも目指した提案をさせていただいたんです。今のままでいいのであれば、日本医師会が楽かもしれないという発言がございましたが、それは是非訂正していただきたいなと思います。その意味でも私は、ここの場で運営費交付金を減額しないでもとに戻すべきだとか、私学助成金ももとに戻して医学部の学生の教育、それから、先進医療、開発、研修、それを十分にやる時間を確保するべきだと提案してきているんです。決して医学部を新設しないなら今までと同じだという議論はこの1年間してこなかったと私は思っています。
【安西座長】 いかがですか。どうぞ。
【矢崎委員】 私は大学の問題はやっぱりちゃんと財政措置をして、経済的な余裕をちゃんと持つようにするというのが大前提だと思います。しかし、大学、従来、今までどおりというのは、私、今までどおりというのは今の状態ではなくて、昔ですね、昔はやっぱり大学に求心力があって、そこで勉強すれば、医学博士とかそういうことではなくて、自分のプロフェッショナルとしての知識、技能が蓄積できるという修練の場ではあったんですね。ところが、今、要するに大学の中でやっているのではなくて、直接な原因としては要するに社会と時代が求めた制度なのですが、医師臨床研修制度が入って、研修先が自由競争になったんですね。ですから、そのときに大学が求心力が低下したというのは、私としては、自由競争に負けてしまったのではないか。その、6年間本当は教育しているのだから、ちゃんと分かっていれば大学に戻るわけなので、それが大学から外へ出ているというのは、大学の求心力がなくなっている。
それは体制とかお金の問題ではなくて、学生を育て、研修医をどう育てたらいいかということを診療部だけではなくて、縦割り制でもなくて、全体で育てて、そして看護部とも協力しながら、ともかく雑用を若い医師、研修医に押しつけない。ある大学病院で聞いたところですけれども、手術に患者さんを運ぶときに医療安全を確認するために医者がやっていますと言うんですね。医者がやっていますといったって、医者ではなくて研修医にやらせているんです。だから、そういうところに研修医が行くかというと、やっぱり難しいと思うんですね。だから、やっぱり大学全体で人を育てるという対応を是非大学でも病院でも考えていただければと思っています。
【安西座長】 ありがとうございました。
ほかの方。栗原委員。
【栗原委員】 矢崎委員は大学におられたこともあって、昔の教育事情をよく御存じと思います。今、委員がおっしゃった大学の求心力の一つは学部教育のことを御指摘になったと思うのです。もう一つは臨床研修制度で、卒後教育ということになります。特に臨床研修制度改革によって大学の求心力が低下しているというようにお考えになっていることが大きいのだと思うのです。この制度をまず見直して、多くの病院で臨床研修医がきちんとした教育を受けられるようにした方がいいと思います。
と申しますのは、今の臨床研修病院で、確かにcommon diseaseを数多く診られるかもしれないけれども、適切な指導者がきちんといるかどうか、患者数がちゃんと確保されているかどうかということに関しては、いろいろ問題があると思うのです。現行の制度は、一度見直されましたが、今後も研修制度の見直しがありますから、そのときに地方で人材が不足しているような大学にも十分研修医が行けるような改革にまず取り組むということが先決ではないかと思います。
それから、医学教育も昔とは違って多くの疾患について、総合的な診療能力を涵養(かんよう)した上で更に専門性を学ぶというように改革されているわけですので、そのカリキュラムの改善については、今後も継続的に取り組まなくてはいけないと思います。医師国家試験の在り方、共用試験の合格基準について、どうしたら良医を育成できるかという視点から検討していくことが必要ではないかと思います。
【安西座長】 どうぞ。
【矢崎委員】 すみません。栗原委員のところの東京慈恵会医科大学は非常に開明的にいろいろ工夫されて研修病院との連携とか、いろいろ考えておられる。ですから、そのようにすればやはり大学の求心力というのは増してくると思うんですね。何も大学の手元に置かなくても、地域でみんなで人材を育てるということになれば、それは大学の求心力と同じことですので、ですから、そういうものを全国に均てん化していただくということで、是非そういう方面も御努力いただければ大変有り難いと思います。
【栗原委員】 それに関連したことなのですが、確かに国立、公立、私立といろいろあります。附属病院を一つしか持っていないところもありますし、いわゆる分院を複数持っているところもあります。本院は多分どこの大学でも高度先進医療を目指していると思いますが、いわゆる分院と言われる病院では地域の方とずっと距離が近いわけですから、そういうところでこそ、common diseaseの研鑽(けんさん)ができればいいのではないかというように考えています。
それから、例えば研修で学外に出ていっても帰学率がどうかがもう一つの問題です。要するに専門を学ぶところで、いい卒後教育をやっている大学の帰学率は非常に高いと思います。改善すべき点は多々あると思います。
【安西座長】 そうですね。一般的に見て臨床研修制度が敷かれたために医学生といいますか、若い医師が大学病院に残らずに外へ出ていってしまうということに対して、大学の方は出ていってしまうから大変だ、大変だというふうに言われているように聞こえるところはあるんですね。そこは大学側が、じゃあ、元へ戻せ、臨床研修制度をやめてもとへ戻せと言っているように聞こえるところは比較的一般人にとってはありますので、それを超えて若手医師のキャリアというのをどういうふうに積んでいってもらおうかということに対して真剣に取り組んでもらう必要は大学側には極めて強くあるのではないかと思いますね。
どうぞ。
【濵口委員】 矢崎委員のお話を伺っていて、大変現状を憂いておられるお気持ちとか、同感する部分も前半はあるんですけれども、3点ほど申し上げたいのですが、1点目は栗原委員と同じポイントですけれども、今の医学教育はかなり改善してきているように思うんですね。OSCE、CBTの導入を始めて、なるべく早く臨床現場へ出す。あるいは総合医学の概念の導入、それから、医学入門等、6年制一貫教育で1年生の段階から早い医学を目指した教育、一般的な教育も入れておりますし、臨床研修はそれの延長線上にあったことだと思うんですね。
臨床研修全体が問題、問題ということは、かなり議論はされてきていますけれども、これはかなり個別的な問題かもしれないんですけれども、2番目の問題として名古屋大学は、実は臨床研修に似た制度を40年前からやっております。私たちも40年前に大学を卒業したときに、非入局ローテート研修というのを一般市民病院で1年ほどやったんですね。それから私は基礎研究へ入ったのですが、大体、うちの大学ですと一般市民病院で四、五年働いた後、後期もかなりやってから大学へ戻ってきて、そのときに戻ってくる人材が名古屋大学の場合ですと関連病院が多いせいもありますが、250名ほど戻ってくるんです。卒業生よりずっと多い数が戻ってきます。卒後、5、6年の人が大学の診療の最前線で動いておりまして、研修医はあくまでも研修医として扱っている状態です。ですから、今の研修制度そのものが全部が悪いというわけではなくて、一つは改革の道筋をしっかり出すということと、一定の期間しっかり育ててくれば、大学病院の質はむしろ上がってくると思うんですね。研修医主体の診療ではなくて、卒後5、6年から7、8年経(た)った人たちが第一線に立って大学病院を運営するというシステムができ上がると思います。
それから、3番目の問題として、その地域偏在等の問題は、学部教育の問題だけでは解決できないように思うんです。むしろ、卒後5年から10年たったところでキャリアアップをして、プロフェッショナルをしっかりつくり上げて、それから自分が働く場合、またしっかりと適切につけていくシステムを日本全体が獲得しないと、地域偏在なり診療科の偏在なりが起きてくるのではないか。そこの議論が少しまだ足りないように思っております。それから、個人的に思いますのは、地域枠、これはやっぱり13大学分増やしているわけですから、この養成を余り曖昧にするべきではないと。ここの検討会では、はっきりした、その問題に関してはこういう方針でと、矢崎委員はそれでは解決しないとおっしゃられていますが、確かにその部分はかなりあるのですけれども、少なくともこの1,300人をどう生かすかという議論はきっちりまとめる必要があるのではないかと私は思っております。
【安西座長】 一々介入して申し訳ありません。名古屋大学あるいは東京慈恵会医科大学等々は大変よくやっておられることは私も理解しております。ただ、ここでの議論は御自分の周りの大学がどうかということではなくて、日本全体の医学教育の問題だと思いますので。
【濵口委員】 ですから、申し上げたいことは、よく方針を煮詰めて対策を立てていけば、解決策はあるはずだと思うんですね。現状の、今の臨床研修制度全てを否定するのではなくて、そこに何らかのヒント、現状を改革するヒントはあるはずですので、そこをもっと議論した方がいいという意味で一般論です。
【安西座長】 ありがとうございました。
私、中央教育審議会大学分科会の会長をやっておりまして、大学がいかに変わらないかということは身にしみて感じております。これは、大学人は一生懸命努力しているのだ、変えていくのだといって、周りでは変わっていっている面はあるんですね。しかし、本当にこれからの医学教育を変えていくのであれば、今、千何百人とおっしゃるとおりなのですけれども、じゃあ、その千何百人分の医学教育に対して、外から手を突っ込めるのかという問題になります。
それはやはり大学自治ということもあって、極めてスピード感としては遅いというんでしょうか、そういう可能性がございまして、そこは千何百人分については完全に別のカリキュラムで、全く新しい方法でやることができるのだとおっしゃるのであれば、それは可能性はあると思うんですけどもね。強く申し上げて申し訳ありませんが、大学がいかに変わらないかということは、本当に長い間やってきておりますので、一応、申し上げておきます。
どうぞ。
【中川委員】 座長の御意見、そうかもしれませんが、医学部は今回の医師臨床研修が始まって医師がいなくなって、自分の大学の卒業生も戻らなくて本当に目が覚めたと思います。全国医学部長病院長会議の先生方とも頻繁に会議をしていますが、本当に努力されていると思いますよ。このことはやはり一定の評価をしてあげなければいけないなと常々思っています。更にそのためにはどうしたらいいか。名古屋大学のようにうまくいっているところをお手本に、どういうふうに地域の特性を勘案してやるべきか。全国の医学部は頻繁にネットワークをつくって、うちは、こううまくいったんだということで意思疎通をして、必ずいい意味で、昔と違う復権ができるのだろうと思うんです。おっしゃっていただいたように直近の4年間で1,300人の定員を増やしたということは非常に重いことだと思います。また来年度も増やすという予定だそうですから、このことを十分に生かすべきだなと思っています。
【安西座長】 いや、でも、いつ変わるんだろうか。
【中川委員】 座長、我々が提案した臨床研修予定者数と募集定員数がほぼ一致するという、これはものすごい難しい、ハードルが高い問題ですが、これを来年度からでもやれば、すぐ効果が2、3年のうちに出てくると思います。
【安西座長】 中川委員が前にこの会合で提案されたのは、一つの具体案だと考えております。
どうぞ。
【矢崎委員】 今、医学部の変革というのは、これは中からやらないとできないことなんですね。それからもう一つは、どこか見本をつくる。非常に目の覚めるような見本をつくるということがあると思うんですね。中から変えるのはものすごく大変で、枠組み全体を変えるような、そういう自分たちが変えるのだということがない限り、やっぱり難しい。
中から、人がいないから大変だから、一生懸命合理化しようというのではなくて、やっぱり理念を持って、しっかりしたシステムをつくることが大事だし、それがどうしてもできないのなら、私が言うように新構想の、少しモデル事業をやってみたらどうか。だから、チョイスは限られていると思うので、これで医学部定員数が増えたからといったって、大学は負担ばかり増えるわけですよね。それで、どんどんよくなるということは、僕は中川委員みたいに楽観的には見られないんです。
【安西座長】 私自身はどっちにつくということでは全くございませんので、ただ、大学についてはかなり、多少辛口でございまして、それは今、医師の偏在といいましょうか、地域によってはかなり不足しているということに対して、本当に大学医学部関係者が目を開いてくれてきたのかということですね。その偏在というのは目に見えていたわけです。それに対してこれからやるのだというふうに言われたときに、じゃあ、いつまでに、その中からというのは、大学というのはやはり、私、自治が大事だと思うのでおっしゃるとおりだと思うんですけれども、中からと言われると一体いつになったらできるのかなというところは多少ある、ということは申し上げておければと思います。だからどっちにつくということではございません。
【栗原委員】 今日、皆さんに机上資料としてお配りした「醫學振興」日本私立医科大学協会の広報誌なんですけれども、ここに例えば地域医師の確保とについて、論壇で北里大学副学長の相澤先生がお書きになっています。31ページです。いろいろなやり方があると思うのですが、外国の例を見ると三つのぐらいのやり方があるということが要約されています。公務員としての医師は、これはある程度強制的に地方に行かせる。それから、ある一定期間、地域医療に貢献した者については、例えば専門医をとるときとか、認定医をとるときにそれを考慮するというような報奨による自発的な配置。それからもう一つは報奨がない義務的配置。このようなやり方があると書いてありますが、何か大学の教育そのものだけではなくて、その後の地域医療を担う人たちが偏在しているわけですから、それを解消する何らかの方策をつくらなくてはならないと思います。それは大学が中心になってやるのか、例えば日本医学会がやるのか、いろいろなやり方があると思いますが、国としてもそういうことも考えて制度化していくことも一つのやり方ではないかと思います。そうでなければ、幾ら医科大学を創っても結局、強制力がないから、なるべく労力を使わないで、それなりの報酬を得られる自分が行きたい病院に若い人が行ってしまうというのが現状だと思います。制度を見直すということも必要ではないでしょうか。
【安西座長】 ありがとうございました。その議論も必要だと思っております。
どうぞ。
【山本委員】 今の栗原委員の御意見に賛成でございます。地域医療をどう再生するかという課題については、今までいろいろな御意見がございましたけれども、最近のIT化の進歩の関係から、地域における医療ニーズというものが把握できるようになってきた。それに対して今度は地域に対して適正に医療資源が配置されているかどうかということも把握ができるようになってきました。そうしますと、今までなかったことができるようになるわけです。そうした中で新しい形の地域へ適正に必要な医療を配分する、配置するような仕組みをつくるということは、私はこれからの地域医療を考える上では絶対的なことだと思っています。そういう意味で、このことは非常に重要なことで賛成したいと思います。
【安西座長】 ありがとうございました。
その制度論も医療費の問題とも関係しますけれども、今までここで、まだ具体的に白熱した議論というレベルには達しておりません。これから必要なことだと思います。ほかに。まだ御発言のない方も多々おられますが。今日はこの論点整理をどう思うかということが一応メインでございますので、論点整理のこの案の内容についてでも結構でございます。
どうぞ。
【竹中委員】 論点整理の方に戻らせていただきます。ページ7の基礎研究、イノベーション云々という項目の34段目でございますが、ここに行政機関、あるいは製薬企業において医師が非常に必要であるということを記載していただいております。しかしながら、ここに少し加えていただきたいのは、グローバルな視点で活躍する医師と言う文言です。こういう方々がドラッグラグを埋めることができます。次のページにグローバルという項目がございますが、そこには行政機関、あるいは製薬企業で働く医師のことは記載されていませんので、ここに頭づけで少し入れていただけたらと、思います。
ただし、そうしますと文章が少しうまくいきませんので、行政機関、製薬企業においては、欧米では多くの医師が働いているが、日本ではグローバルな視点で活躍する医師がなかった云々(うんぬん)と、これで続けられたら文章としては読みやすくなるのではないかと思いました。一つお願いしたいと思います。
【安西座長】 ありがとうございます。
今の点はよろしいですか。よろしければ、どうぞ。
【妙中委員】 私もそこの段、基礎研究、イノベーションを担う医師のところで少し、それに付け加えての意見ということになると思うのですが、一つは最近、臨床研究の活性化、それから、医師主導の治験等もどんどん始まってきている。この状況からしてやはり行政の部分だけではなくて、最近出てきた言葉でレギュラトリーサイエンスという言葉があると思うんですけれども、そういうところの知識とか分野で活躍する医師というのが必要かなと思います。
具体的に言いますと、7ページの一番下から8ページの頭のところに当たるところで、例えば「研究や開発、あるいはレギュラトリーサイエンス等の領域で活躍するような」とか、そういうようなことを入れていただけたらいいと思います。これまで薬学部等ではあったのですけれども、医師がそういうところの分野に関与してくるところは非常に多くなってきていますし、その言葉を入れていただきたい。
それともう一つは、私が関連している分野のことで恐縮なのですが、製薬企業だけではなくて医療機器企業等も入れていただけたらと思います。最近、これまでは医薬品等でくくられていたのが医療機器というのが結構、ものづくり日本というところからも非常に大事になってきておりますので、そのあたりを入れていただければなと思います。
以上です。
【安西座長】 ありがとうございました。
今の竹中委員、また、妙中委員の御意見はよろしゅうございますか。
【矢崎委員】 我が国でドラッグラグがすごく問題になって、特にがんの治療薬がニーズが高いと思うんですけれども、この間の資料では、要するに余りドラッグラグがこの4年間変わっていないのではないかということなんですけれども、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の審査期間というのが3分の1ぐらいに短くなっているんですね。問題はメーカーさんによる、エントリーに非常に時間がかかる。エントリーラグがなぜかかっているかというと、何か報道では英語のいろいろな問題が、要するに日本で翻訳しないといけないということで、それがものすごく時間がかかるというような話を聞いていて、実際にその審査期間というのはどんどん少なくなっているということで、ここに書くのは大事ですけれども、現在はそういう方面はどんどん進んでいるということは、決してさぼっていないということを少し申し上げたかったんです。
【竹中委員】 よろしいですか。
【安西座長】 はい。
【竹中委員】 PMDAの最近の活動につきましては、私も時にはアメリカ食品医薬品局を超えるほどのスピードでいろいろな審査をしていただいていることと十分理解しております。それから、今の言葉の問題で、私、委員のおっしゃっているのは、日本語で書かれたのを英語にするのに時間がかかっているんでしょうか。英語で書かれたものを日本語に。
【矢崎委員】 英語で書かれたのを細かいいろいろな領域の法律も関与するので、それが大変だという話ですね。
【竹中委員】 企業の方では翻訳することは慣れております。ただ、問題点は、それが量が多いので、時間がとられるだけだと思います。御存じのように日本では英語で書かれた文章は法令で受け付けられませんので、全部翻訳しなければいけないという規制にとらわれております。
【安西座長】 今の修文自体はよろしいですか、その御提案の。それでは、事務局で検討していただきます。
では、中村委員。
【中村委員】 今のレギュラトリーサイエンスの問題についてなのですけれども、確かにドラッグラグに関しては、統計的にもう欧米とほとんど差がなくなってきたというデータは出ているんですけれども、ただ、メディカル・デバイスに関しては、まだ依然として大きな差があるんですね。そういう意味で非常にレギュラトリーサイエンス的な、PMDAのような意味でのレギュラトリーサイエンスに関しては少し人が出てきたんですけれども、レギュラトリーサイエンスといった場合には、大学におけるレギュラトリーサイエンスをどういうふうにやっていくかということや各病院でレギュラトリーサイエンスができる人が必要という意味では、僕はレギュラトリーサイエンスの人材を育成するということは、もう少し広い意味で入れておいていいのではないかと思います。新しい領域としてこれからメディカルイノベーションを推進する意味で必要なことだろうという感じがしていますので、言葉として入れることについては賛成です。
【安西座長】 どうぞ。
【妙中委員】 私もレギュラトリーサイエンスと申したのは単純に規制という意味で申したのではなくて、委員が言われているような、もう少し新しいサイエンスレベルでのという意味で言わせていただいたつもりです。
もう一つ、ドラッグラグの話が出ましたけれども、それだけではなくて、海外から入ってくるだけではなくて、国内の、あるいは大学でできてきた、今、委員が言われましたようにトランスレーショナル・リサーチレベルから本当に製品化につながるところというのを支援するような医者というのはすごく重要だと思って、そういう意味で医療機器も含めて入れていただけたらなというふうにお話ししたわけです。
【安西座長】 ありがとうございました。
【竹中委員】 一つ付け加えさせていただいてよろしいですか。
【安西座長】 はい。
【竹中委員】 今のレギュラトリーサイエンスについては、私も全く規制ではなくて、標準・基準作りだと考えています。日本がこれから医療やデバイスでグローバル的にビジネスをするに当たっては、基準がアメリカンスタンダードであっては、なかなか成長できません。したがいまして、日本発のレギュラトリーサイエンス、即ち、日本発のスタンダードというものが、特に再生医療におかれては必要になるかと思います。幸い今日厚生労働省からも御出席であられるので、そういうことは一番御理解いただいていると思っております。
【安西座長】 ありがとうございました。
【中村委員】 レギュラトリーサイエンスという言葉がまだそれほど一般化しておらず医学界の中でも知っている人と知らない人がいるぐらいになりますので、文章にするときには少し、探索的能力を持つとか、レギュラトリーを括弧つけるような形でしないと、誤解を受けるのではないかなという感じがしています。
【安西座長】 よろしいでしょうか。地域の偏在、国民が本当にいい医療が受けられるように、そのための医学教育はどうあるべきか、その規模はどうあるべきかという議論だと思いますが、その先、大きくとらえると今言われたような、これからの世界における医学部卒業生のいろいろなキャリアパス等々をかなり広くとっておくことは大事だと思いますので、そういう意味ではいろいろ入っていますけれども、今の御意見、とらえさせていただければと思います。
永井委員。
【永井委員】 簡単に。今、座長の言葉でありますと4ページの10行目、弾力性あるというのがいいのか、魅力あるという方がいいのか、ここではもっと魅力ある地域医療システムというものを目指すという方が、単に弾力ではないのではないかなという感じがしました。
【安西座長】 それは、弾力性があるというのは少し官僚言葉のような感じはします。もう少し考えてもらえば。どうぞ。
【中川委員】 9ページなのですが、6.の[1]の三つ目、「更に東日本大震災においても、全国の大学や都道府県から、災害派遣医療チーム(DMAT)が応援に駆けつけた一方で、慢性的な疾患への対応、複数の診療科にまたがる対応が必要となった」とありますが、これ、DMATは普通、2日ぐらいの急性期の対応で、その後、私どものJMAT(日本医師会災害医療チーム)が延々と被災地にはオーバーフローするぐらい行って頑張ったんですよ。被災県で、地元でもう大丈夫だということで引き上げたというぐらい全国の先生方にも、診療を投げ打って駆けつけてくれた医師会の関係の先生方、病院も含めておりますので、これは記載を修正していただきたいなと思います。
【安西座長】 分かりました。それは皆様、よろしいでしょうか。JMATのことは事務局の方にお願いします。
どうぞ。
【片峰委員】 何点か申し上げたいと思います。安西座長からは、既存の大学に対して非常に辛口のコメントを頂きましたが。
【安西座長】 ごめんなさい。大学応援団だからそう申し上げているのでございますので。
【片峰委員】 最初の点は矢崎委員の御意見と関連するのですが、論点整理の中に出ている医学教育の改革の観点、たくさん出ています。地域枠の話、総合医の話、あるいは診療参加型実習をもっと充実しようという話、更にリサーチマインドとかの話ですね。こういう論点に関しましては、既存の大学も改善のために一生懸命努力しているんです。そして、それらの点に関しましては、スピード感の観点からは問題があるかもしれませんが、恐らく既存の医学部でも対応できるのではないかという手応えを感じています。
その中で、それでもなおかつやはり新しいモデルをつくるべきであるということであれば、そこは何をどう変えるのか、具体的にどういう新しいシステムなのか、それを提示していただければ、既存の医学部でできること、できないことという整理ができると思うんですね。いずれにしろ、既存の数十の医学部、あるいは医科大学が変わらなければ、日本の医療は変わらないんですよね。そこの観点が一つあると思います。
今、大学の求心力という観点でずっと話をされていましたが、もう一つはやはり地域偏在の問題は最初から議論になっていますようにシステムの問題がもう一つある。医師の配置のシステムの問題ですね。恐らくこの観点はこの検討会のミッションではないのだろうと思います。しかしながら、基本的にはお医者さんというのは、これだけの国民の税金を使って育てられているわけですから、これは公益に資するべきなんですよね。そういった意味では、ある仕組みの中で地域医療をきちっと守っていく、要するにある意味少し義務づけるみたいなことも含めまして、そういう新しい仕組みを提言するということが重要なのではないかなと思います。
それからもう1点、15ページあたりに今後の医師の需給予測のシミュレーションの話が出ています。この話は、この検討会の最初の頃の議論で終わってしまったような気がするのですが、今後の医師数の絶対数をどうするかという議論をする場合に、基本的なシミュレーションがないと、議論ができないのだろうと思うんですね。そこで要するに最初の頃の議論で、シミュレーションは不可能であるというのが結論づけられてしまって、それが基本的な意見として書いてあるのですが、ここまで強く書いてしまうと、医師数の絶対数に関する議論というのが成り立たないのではないかなと。正確な予測というのは難しいかもしれないけれども、あるいは長期的な予測というのは難しいかもしれないけれども、短期的、あるいは大きなトレンドの予測というのは可能。それがないと医師数の議論はできないので、ここら辺の書き方を少し注意した方がいいのではないかなと思いました。
以上です。
【安西座長】 今、片峰委員がおっしゃった中のシミュレーションは、もう不可能だということをここで結論づけたということはないと思います。一意見として、そういう意見があったということは書いてあるとは思いますけれども、論点整理ですので、今、片峰委員がおっしゃったことはちょっと違うかなと。私自身はシミュレーションは非常に大事だととらえておりまして、そこは共通理解にしていただけないでしょうか。
どうぞ。
【中川委員】 18ページ、最後のページなのですが、12行目、「一方で、新設ではなく既存の医学部の増員で対応すべきという意見については、増員の効果が出るまでの間、当面の医師不足の状況をどう改善するのかという問題について」というのがありますけれども、これ、新設だったらもっとその効果が出るまで長いわけですから、定員増だけの問題ではないので、この書きぶりは少し修正していただきたいなと思います。
【安西座長】 論理的に中川委員の言われるとおりだと思いますね。ここに書いてあることとは違うかもしれませんが、既存の医学部の増員の面で対応ということにつきますと、先ほどから申し上げていますように本当に医学部が増員分を新しい教育の仕方に変えてくれるのかという問題があり、一方で新設する場合には、もっと長時間かかるということは、両方そういう問題点はあると思います。
先ほどのシミュレーションの件なのでありますけれども、私自身は大変大事なことだと捉えておりまして、例えば将来、医療、特に終末医療等々が病院でなく在宅でかなりできるようになってきた場合とそうでない場合、それから、患者さんの高齢化とともに医師の高齢化、それから、労働条件、特に若手勤務医の労働条件、病院勤務医の労働条件の問題、そういったこと、あるいは女性医師の問題、それから、もちろん医学教育の改革も絡んでいると思いますけれども、そういったことのいろいろな基本条件があるわけで、その条件を変えますとかなり結果が当然変わってくるわけですね、シミュレーションモデルというのは。その結果の変わり方が自分の直感的に言ってかなりドラスティックに変わるので、したがって、その条件としてどういう条件を考えるかということが極めて大事になってまいります、というふうに思います。
その医師の人数、あるいは地域偏在の解消の仕方等々考えるに当たっての、いろいろ考えるべき条件をちゃんとリストアップして、それについて議論をするということが今まではっきりとは行われてきておりません。そのことをできれば今後課題にさせていただければと思っております。このことについても、今日のこの論点整理の後の段階になると思いますので、御意見いただければと思います。また、そのシミュレーションモデルに対しても、さっきありました制度論、それから、医療費の負担、そういうことの条件も考えなければならないと思いますので、そういうことがいろいろ今までは錯綜(さくそう)して、御自分の背景をもっていろいろ御意見をおっしゃってくださっていると思います。それは貴重な蓄積であったのですけれども、これからは是非そういったいろいろな必要条件といいますか、前提条件、そういったことについて広く議論できればと思っております。途中で申し訳ありません。
どうぞ。
【矢崎委員】 私が厚生労働省で医師の需給の検討会で座長声明を出して、病院の医師が足りない、その時点で既に5万5,000人足りないというデータがちゃんと出ているんですね。ただ、座長がおっしゃるように、じゃあ、医師と医療需要がどう変わるのか。人口構成とか、そういうものをきっちり立てて、今いろいろな県単位とか、いろいろな単位のデータがそろっていますから、是非西村委員あたりに中心になって、その辺、曖昧模糊(あいまいもこ)となっているのではなくて、大体こういう趨勢(すうせい)だということを教えていただくと非常にベースになると思います。
それから、先ほど医師養成に10年かかるから駄目だというお話ですけれども、医療というのは急激に変化はできないものであって、大体10年単位で変わっているんですね。ですから、皆さん、明日よくなるとか、明日地域医療がよくなるという妄想ではなくて、やっぱり地域の方も今度の震災は別にして、医療事情というのは10年単位で動くのだ、気の長い話であるということで、中長期的な課題と短期、中期的な課題と分けて考えないといけないのではないかと思います。
ですから、医学教育のことは、2、3年で結論を出すとか、そういうことではなくて、本当に10年間のスパンで抜本的な改革をして、例えばあんなに苦労した思いで第1内科、第2内科、第3内科というのを変えてから、もう13年たっているわけです。私どもの方はね。だから、そういう意味で、あっという間に過ぎますから、大学の先生方もしっかり考えていただいて、この際、抜本的な改革をすれば、5年、10年たったときにその果実が生まれるということで、余り短期的なことで考えないで中長期的なことで医療というのは考えていただければ大変有り難い。
【安西座長】 ありがとうございます。でも、だから早くやらなければいけないということですよね。
【矢崎委員】 そうですね。それはそうですね。
【安西座長】 地域による偏在というのは、もう分かっていたことで、それに対してやっぱり医療、医学の関係者がどう対応してこられたのかということは、自分としては本当は問いたいところなんですね。10年かかるのであれば、今すぐに始めないといけないのではないかと思いますけれども。
どうぞ。
【西村委員】 今、矢崎委員がおっしゃった話で2点。1点、もう一度、矢崎委員の御意見を伺いたい。片峰委員がおっしゃった話に対して、どうお考えか伺いたい。矢崎委員の御意見は一考に値すると思います。というのは、日本全体が今閉塞状況にある中で、何かやっぱり医師の確保についても思い切ったやり方をすることによって希望が出てくるのではないかというイメージを皆さん持っていると思うので、今の矢崎委員のお話は、片峰委員の御質問に答えていただくような形で、もう少し具体的に今までとどこが違う、どういうイメージの新しいシステムをつくるといいのだという話は是非伺いたいというのが一つ。
それからもう一つ、今の矢崎委員のお話を受けてというわけではないのですが、実は国土交通省は2050年までの「国土の長期展望」というのを出していまして、私、余り強調しませんが、高齢化が進む中でやっぱり、この町の在り方は相当事態は深刻になるというふうに、例えば北海道では2050年、まあ、50年ですので、30年ぐらいが本当はいいと思うんですけれども、2050年に関して言うと、北海道の誰も住まなくなる町が40%ぐらい、要するに減るというような予測もしているんですね。そうすると、実は医療の提供の在り方もそれを見越して考えると、相当思い切った予想をやらないと難しい。具体的に申し上げると、御承知と思いますが、先だってから相馬の震災地区で、どういう津波の影響があるかというのをGISデータというのを使ってかなり1軒1軒のところの影響をシミュレーションするというのがございました。
先だってから、この会議でも主に医学部の方でいろいろな教室の方が、医師の需給に関する予測をしていただきました。私は、今、チラッと矢崎さんが私の顔を見ておっしゃったのですが、医学部の方が予測をできる体制を整える。つまり、教室単位の予算は全く違う。文部科学省関係と、あるいは私どもの予算は全く違いますので、医学部で本気になってその1個1個の、アメリカで例えば心筋梗塞になった患者さんが病院に行くまで、それぞれ何分かかるか。何分かかるかによって死亡率がどのように違うかという詳細な調査研究がございます。本当は日本でもそういう、例えば産科で、あるところに住んでいる妊産婦が急に必要となった場合、医療機関まで何分かかるかというようなシミュレーションまでできるような状況になっております。そこを相当踏まえてやらないと、先ほどのシミュレーションは実は今回の委員会で外部委員からお話になったときに、もう予測は難しいというふうにおっしゃったので、こういう表現があったかと思いますが、かなり突っ込んだことをやらないと、従来型の単純な頭数という表現は恐縮ですが、頭数の予測ではほとんど意味のあることはできないと考えております。
【安西座長】 ありがとうございます。
【栗原委員】 矢崎委員、具体案を是非お願いします。
【矢崎委員】 僕がしゃべっていいのかな。座長が医師の偏在、この近年、起こって、医学部は何をしていたというお話なんですけれども。
【安西座長】 言い過ぎかもしれませんので、申し訳ありませんが。
【矢崎委員】 ええ。だけど、医師の偏在が起こったとき、確かに医師臨床研修制度の導入、これは何も医学界がそうしようということよりも、むしろ世の中がやっぱり国民とか、時代のニーズで、大学の中で医者をそのまま育てて外へ出すよりは、いろいろな領域の診療の現場を見て、そして一人前の医者に出してほしいという全体的な要望で、むしろ医学部は、僕が学部長のとき、それは絶対反対したんですね。そういうことをしてもらっては困ると。だから、そういう意味で、我々が是非こうしてくださいということではなくて、世の中のニーズでそうなって導入されたということは確かです。
それと同時にやっぱり、人口の少子高齢化が起こって、それと人口の大移動が起こったんですね、地方から都市に。そういう社会的な状況と経済的にはやはりグローバル化で産業構造も変わってきた。医療というのは社会とか、文化とか、経済とか、行政とか、いろいろなところから影響を受けるものなんですね。それで影響を受けて、我々独自でそういう方向でやっているというのとはちょっと違うので、大変申し訳ないんですけれども、世の中の大きな流れの中で、医療においてはそういうように偏在になったと。人口の流れに沿って医者はそっちに行かなくてはいけない、何かそういう逆流するようなインセンティブをやっぱりやらないといけない。それから、医療の提供体制、これは国がグランドデザインを書いてやるんですけれども、医療というのは地域に根差したものですから、地域ごとで医療計画をやっても、これは大学を中心にやっていただかないといけないのですけれども、その大学を中心に人材の育成とか、医療提供体制をやったボトムアップで、国全体で調節していただくという方向が必要だと思うんですね。
ですから、そういう意味で、座長、きついお言葉で、何をやっているんですかと言うんですけれども、確かにそう言われれば、そこだけ言われればそうなんですけれども、少しほかの世界を見ますと、大きく日本の世の中が動いていく。その中に確かに大学の先生方はやっぱり、情報に疎いために、僕はそのときに臨床研修制度が入りますからと2年前から大学の先生方にオルグに回ったんですけれども、大学の先生方は、今の先生方は全然違いますけれども、その当時は、6年間、私たちが手塩にかけて育てたので、そんなのが研修病院に行くわけないですよと、2年間、そういうふうに言っておられたんですよ。だから、それで初めて逆転して驚かれたので、ですから、そういう意味では大学の先生方が少し情報に薄かったというところは否めないと思います。
【安西座長】 ありがとうございます。私は基本的に大学の応援団でございますので、今、大学の先生はこっち側に座っている方が多いと思うんですけれども、比較的黙られてしまっているんですけれども、むしろ逆に大学はこういうふうにしていきたい、しているということをおっしゃっていただきたいなと思うぐらいで、医療はいろいろな世の中の影響を受けるとおっしゃいますけれども、ほかの分野だって影響を受けているんですね。自分の分野でもそうです。それに対してやっぱり、学問をきちんとやりながら、世の中に貢献するように対応してきているんですよね。そういうことはやっぱり医学の世界も、医学教育の世界もやってきているはずだと思うんですね。今むしろ、そこのところが問題になっているということだと思いますので。
【栗原委員】 今のことにも少し関係するのですが、多分、研修制度が始まる前は大学が中心となって、それぞれの関連病院に人を出したり、それぞれの講座主任が卒後教育カリキュラムを作っていたと思うのです。それぞれの若手医師の力量に見合った病院に派遣し、そこから帰ってきたらば、また更にキャリアアップするためには、どこの病院が適切かということを考えていました。それぞれの大学が関連病院を持っていて、そことの連携がある程度うまくいっていたと思うのです。ところが、新しい研修制度で研修指定病院が増えたので若い人が分散してしまったということだと思うのです。卒後の教育カリキュラムのところで、大学の求心力がなくなってしまい、現在のような地域医療の崩壊に拍車がかかったのではないかと考えられます。
例えば今日お配りしたこの資料の10ページを御覧いただくと、私立医科大学も相当数関連病院に医師を出していることがお分かりいただけると思います。29大学で5,000病院にドクターを出しています。大学の人材が豊富であれば、こういう地域病院を今までのように支えてこられたわけですが、そこが崩壊しというところに大きな問題があると思います。座長がおっしゃったように大学ももちろん、いろいろ改善しなくてはいけないこともありますが、それ以前はそれなりの卒後教育カリキュラムがあり、それの一端を医師の派遣が担っていたと思います。そこにはいろいろな問題があり、それが改善されると同時に、このシステムが崩れてしまい、今の大きな医師偏在に拍車がかかったというように私自身は理解しております。
【安西座長】 そうなんですけれども、だから、それをどうすればいいのかということを議論させていただきたいんです。
【栗原委員】 今、それぞれの病院の臨床研修医の採用の数が決まっていますが、もう少し地方に厚くしてそれぞれの地方に若い人が地域医療を経験できるようなシステムを少し強力に推し進めるというように何か強制力を持たせない限り、この問題は解決しないのではないかと私は考えていますが。
【安西座長】 中村委員。
【中村委員】 今の問題、研修制度が変わる前に大学の医局運営がうまくいっていたかどうかということに関する評価というのは、客観的に出ていなかったんですね。その中で若い人たちが、本当にハッピーだったのかどうかということは分からないけれども、一応、形としては保たれていました。要するにプライマリ・ケアからやるような形がきちっと教育できていないから、それをさせようということで新研修制度にしたことは一つ大きな国からの方針で、政策的な問題であったと思うんですね。それで動かされて、その中で大学が大きな影響を受けた。その前から大学というのは、学園紛争があったりいろいろなことで変えようとしてきたんだけれども、医局制度の大きな変化はなかった。それが新研修制度という制度をつくることで大きく影響を受けた。この7年間それぞれの大学が医療制度に対応しようとして、非常に頑張っている。今の大学の医学部が医師養成の基本で、ここが変わらない限り、医学教育の改善はない。だからそうなってくると、基本的に今の大学を変革していくことが第一で、それをできるだけ支援するような形が必要になってくるだろうと。ただ、それは前に書いてみたように大学の自主性の問題などではなくて、制度的な形で、例えばへき地医療に関して1,000名を超える入学定員が増えたんだけれども、それを大学と、医学部の力でそれをへき地に送り込むなんていうのは、基本的にはできないだろうと。それには制度的な何かが必要です。要するに教育で一部の人を行かすなら、2割とか3割の人は地域に行かすことはできるけれども、1,000名、それをきれいに行かせて医師不足の解消をやるためには、それをレギュレーションするための法的なものとか、政治的なものが必要なのだと思うんですね。そういうことをしないで大学で、1,000名増えたから、それが医師不足の地域に来るかということにはならない。だからそれに対するきちっとした政策的なもので人を動かせるようなもの、先ほど言ったような、制度的なものがないとコントロールできないだろうというものがあるのだろうと思っています。その辺のところがどうか。
それから、今、並列的な論点整理が、結論がなくて並べただけだとなるんですけれども、それが今の大学の置かれている現状なのだろうと思うんですね。それで、それがこれからディスカッションして、この中である一つの方向性みたいなのが出てくるかということについては、僕はよく分からないのですけれども、今の現状がまさにこの並列的な状況になっているのではないかというような印象を持っています。
【安西座長】 いわゆるへき地医療に千何百人というよりは、私の理解では若手医師がなぜ大都市圏にいたいかというと、やはり患者さんを多く見て自分のスキルを上げたいといいましょうか、そういうことが非常に強いと思うので、彼らは本当に真剣な気持ちから大都市圏にいたいという、そういう部分が非常に大きいというふうにとらえております。そうなるとやはり医師のローテーションということを、ただ千何百人どうすればいいかという問題ではなくて、医師のローテーションを大学が中心になってどうやっていただけるかという、そういう問題に当然なるわけで、ところが、臨床研修制度に対してやっぱり、外から見ますと大学の医局側は、これでは医局が崩壊してしまう、そういうことはおっしゃるのだけれども、もっとそれを前向きに、じゃあ、その研修制度をどういうふうに使って、今後、医師のローテーションとネットワークをどうつくっていくのかということについての議論というのは、むしろマイナーではないかなというふうに見てまいりました。そういうところを本当に私は大学が中心といいましょうか、大学が本気でやれるかどうかというところがやはり一つの理念的なものかもしれませんけれども、ポイントになってくるのではないかと思いますので、それがなかなか、じゃあ、本当にできるのかなというところなんですよね。
どうぞ。
【中村委員】 それで補うと、多分、大学の先生方は地域的なネットワークをかなり考えながらローテーションできるだろうと考えていると思うんですね。だけど、それで最終的にうまくいくかどうかということについては、大学の先生方は自信を持って、これでうまくいくという形で出せるところは少ないだろうと思うんですね。それに関しては、制度的なものがもう一つ次の段階、研修制度の次の後の段階というのは、ほとんどレギュレーションできる形になっていないので、制度的なものとして専門医制度的な先について、もう少し制度をつくらないと、それは大学だけでは対応できないのではないかというのが印象です。
【安西座長】 今、中村委員がおっしゃったような、先ほど栗原委員も言われたような制度的な仕組みというんでしょうか、それはここで議論する必要はあると思います。
ほかに。こちら側に座っている委員がなかなか見えないので申し訳ないんですけれども。
【山本委員】 今日、臨床研修制度のことが非常に問題になりましたけれども、今までのお話は大学側から見た臨床研修制度という御意見が多かったと思います。私は大学を出てかなり長くなりますが、現場にいてそうした臨床研修の医師を引き受けている立場で申し上げますと、大きく変わった点があります。
以前、大学から派遣という形で関連病院に来た研修医と、今、自分で選んで、この病院に来たという研修医は全くモチベーションが違います。現場の指導者が何か言ったときに聞き方が全く違います。大学から来た人たちの場合は、大学からそんなことをやってはいけないと言われていますとか、自分は好きでここに来たわけではないとかいろいろな抵抗があったわけです。しかし、今は自分で選んできた。ここで勉強したいんだ。それをちゃんと認識して、しっかり現場が一生懸命指導しますと非常によく伸びます。ここは非常に大きく変わっているところで、やはり同じ臨床研修制度でも大学から見た形と、こちらから見た結果はやはり大きく違う。一般病院からみると、良い制度であると感じています。
【安西座長】 ありがとうございます。ただ、臨床研修制度の見直しというのはかかってきているわけですよね。
【山本委員】 それはそうだと思います。はい。
【安西座長】 そうなんですよね。いろいろなことが文部科学省以外でもいろいろ並行して走っている状況で、そういうことも考え合わせていかないといけないと思いますけれども、そろそろと思いますが、この論点整理の案につきましては改めていかがでしょうか。
どうぞ。
【中川委員】 最後のページなのですが、26行目と28行目、国民的議論というのが2回出てくるんですね。
【安西座長】 そうですね。
【中川委員】 1ページ目、ここの41行目にも国民的議論と出てくるんですよ。これは一体何かなと思うんですけれども、これはどういう意味ですか、事務局。
【村田医学教育課長】 これについては、御議論の中でも、例えば医療のアクセスの問題、あるいは医療提供体制の問題、それに伴う負担の問題とか、いろいろな面については、必ずしも医療の関係者だけで決めればいいという話ではないと御意見が出ておりました。それはまさに幅広い議論と理解を頂かないと進められないだろうという中で、こういう表現を使わせていただきました。ですから、具体的に何を聞けばいいのかということが決まっているわけではございませんけれども、一つは先ほど座長からもお話がございましたパブリックコメント的なことをさせていただくというのは一つだと思いますし、それ以外にもいろいろな場面でこの御議論というのを参考にしながら、いろいろ討議をしていただければと思っているところでございます。
【中川委員】 いろいろな方の御意見を聞くのはそのとおりですけれども、これだけ検討会で議論して論点をまとめて、最終的には国民的議論ですよ。国民的議論というと、やっぱりどこかに丸投げしたというふうに見えるんですよ。これは表現、何とかなりませんか。国民的議論と普通一般的に言うと国会の議論ですよ。
【安西座長】 どうぞ。
【真田委員】 今の国民的議論のお話で、私、日本看護協会の副会長代表で出てきておりますけれども、実は1回しか出ていなくて、交代したもので、私の今申し上げる視点というのは、ある意味で国民的視点、パブリックコメントになるかもしれませんけれども、この素案を見せていただいて、国民というのは、今、医療の崩壊と医師の偏在で大変困っているから、医師を増やしてほしいという気持ちはどこかにきっとみんなが持っているものだと思います。
先ほどのパブリックコメントというのは、医療を必要とする国民がどのようにこれを読んで理解できるかというところだと思うんですけれども、大体、大枠を読ませていただいて、一つ最初に疑問に思ったことは、なぜ今後、中期的な視点に立って必要な医師の数を見積もれないのだろうかというところが、不思議だなと国民が思うのではないか。それに関しての記述がまずないのではないかと思って読みました。
それから、最後に二つ、論点整理、併記されていますけれども、この併記のことによって、じゃあ、この18ページの19行目からのこの論点整理をした後に何が行われるのかということに対しての御提案というものは、何ら今までと変わっていない御提案だと読めてしまいます。つまり、もう少し明確に論点整理をした後に、どのような検討事項が必要なのか、具体的にリストアップしていただくと国民が理解できるのではないかと思って、まず読ませていただきました。それが一つ。
それからもう一つは、日本看護協会の立場で、看護の立場で言わせていただくと、大変よくまとめていただいて、私たち看護師がうれしかったところは、5ページ目のところから6ページにかけてで、どのような医師の勤務、診療に関する環境整備が必要かというところの6ページの2段落目に、専門的な看護師や保健師などの人材活用ということが言われていまして、ここに関しては新しい取り組みを入れていただいたと思っております。ただ、できたら是非今後の医学教育の在り方に対しての中の部分にも、チーム医療に関しての必要性を強調していただいたらよろしいかなと思いました。すみません、2点ぐらい追加させていただきました。
【安西座長】 ありがとうございます。ごもっともだと思います。一応、このあたりまでにさせていただければと思いますが、今日頂いた御意見はもちろん踏まえまして、事務局でもう一度論点整理の文面について検討していただきます。そして、その間に今日言えなかったということがありましたら、事務局へどうぞ御提出ください。今日、御発言されなかった方もおられるかと思いますので、どうぞ事務局に御提出いただければと思います。
それで、一度事務局側でまとめて、それで皆様にその案をもう一度回させていただいて、集まれないと思いますので申し訳ありませんが、書面で送らせていただきますので、それに対して、もし御意見があれば、あるいはいいということであれば、そういうことをレスポンスいただければと思います。それで、書面で回させていただくのは申し訳ありませんが、一度にさせていただいて、その後は私の方へ一任させていただければと思いますが、そういうやり方でいかがでしょうか。
どうぞ。
【西村委員】 1点だけ。今の国民的議論のところで最後に「政府の関係審議会等においても」ということが書いてあるので、私、国民的議論を期待というのは中川委員がおっしゃったようなイメージではなくて、いろいろなところでいろいろな意見ということを集約して書いていると理解しておりました。しかし、今、中川委員のお話で、少し長くなって恐縮ですが、是非とも都道府県の、例えば医療計画策定等、そういう場所の議論もやっぱり積み上げて参考にすべきではないか。
私、さっき申しましたように、都道府県、市町村が将来人口が減るということは、ある種タブーになっております。つまり、我が市は減らない。それをみんな足し上げると私どもの国立社会保障・人口問題研究所の予測の20%増ぐらいになります。ですから、そういう各都道府県で医療計画を策定されるわけですから、それは現状だけではなくて、10年後、20年後を見越した議論をそこでお願いしたい。是非これは医師会でも各都道府県で、どういう医師がどの程度これから必要かということを積み上げていただきたいと思うので、今回に関してはここに都道府県の委員会というのも追加していただけないかと思います。よろしくお願いします。
【安西座長】 分かりました。それも文章は別として、検討させていただければと思います。国民的議論、国民的議論といっぱい書いてあったのはおっしゃるとおりで、やはりここの委員会の責任もあると思いますので、その辺の文面も検討させていただければと思います。
それでは、よろしいでしょうか。論点整理、さっき申し上げたような手続でもってお認めいただければ、パブリックコメントにかけさせていただいて、やはり広く、私は国民の多くの方々の声を聞くべきだと思うんですね。議論ということではないかもしれませんけれども、この検討会の委員の皆様には有識者、また、大変豊富な経験をお持ちの方ばかりにお集まりいただいているわけでありますが、やはり多くの国民の声というのを真摯に聞くということも必要ではないかと思いますので、その点は是非御理解くださいますようにお願い申し上げます。よろしいでしょうか。
それでは、いろいろ貴重な御意見を頂きました。ありがとうございました。最後になって恐縮ですけれども、森副大臣にお話しいただければと思います。
【森副大臣】 本日もたくさんの御意見、大変ありがとうございました。様々なこの間の医師養成制度、特に臨床研修制度の問題点、あるいは今後の様々な改革の論点、それから、チーム医療の問題についても入れるべきである等々、様々な御意見を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。座長の安西先生におかれましては、本当に多様な御意見がある中で論点を的確におまとめいただきまして、ありがとうございました。本日頂きました御意見を踏まえまして、至急、修正等をさせていただきまして、準備ができたところで迅速に国民の皆様の御意見を幅広く伺っていきたいと思いますし、また、提示されました論点について文部科学省としてできることについては、これは迅速に取り組んでまいりたいと思います。
冒頭も申し上げました本格的な高齢社会、もちろん少子高齢化ではございますけれども、特に高齢化の問題、今後20年、30年、医療提供体制の充実が望まれている。これが本当に国民の大きな関心であり、そしてまたその提供体制を充実させていく、医師不足を解消していくということが国民の皆さんの大きな要望であります。これは私は政治家の立場として、これを実感しているところでございまして、様々な論点があり、いろいろな問題点もございますけれども、最後は政治の決断も必要になると思います。今後とも委員の方々におかれましては、いろいろな御意見をお寄せいただきますようお願い申し上げます。この検討会につきましては、本日、とりあえず一つの区切りということで論点整理を行っていただきましたことに心から感謝を申し上げ、これまでの先生方、委員の皆様の御尽力に厚く御礼(おんれい)を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。本日は、誠にありがとうございました。
【安西座長】 副大臣、ありがとうございました。
それでは、ここまでにさせていただきますけれども、私の方も多少言い過ぎたところがあったかと思いますが、御寛容にお願い申し上げます。ここでの議論を多少加速しなければいけないと思いますので、どうぞ御理解くださいますようにお願い申し上げます。
では、最後に日程等を。
【渡辺企画官】 今後の日程等々につきましても、所要の手続を踏まえました後、また座長と相談しながら皆様方に御連絡させていただきたいと思います。
【安西座長】 それでは、よろしゅうございますね。御多忙のところ御出席くださいまして、貴重な御意見、ありがとうございました。ここまでにさせていただきます。
医師養成係
電話番号:03-5253-4111(内線3683)