「論点整理」用語の説明

○ 昭和57年及び平成9年の閣議決定(P1)

 昭和57年9月閣議決定の「今後における行政改革の具体化方策について」において「医師については、全体として過剰を招かないように配意し、適正な水準となるよう合理的な養成計画の確立について政府部内において検討を進める」とされたことを受け、昭和61年6月厚生省「将来の医師需給に関する検討委員会」最終意見では、平成7年を目途として医師の新規参入を最大限10%削減すべき」とされた。
 また、平成9年6月閣議決定の「財政構造改革の推進について」においては、「大学医学部の整理・合理化も視野に入れつつ引き続き医学部定員の削減に取り組む」こととされた。
 これらの決定を受け、平成18年度までに医学部入学定員は7.9%の削減が行われた。

○ メディカル・スクール(P1)

 日本の医師養成が6年制の医学部で行われているのに対し、米国の医師養成は、学部教育(学部の種類は問われない)を修了した者が入学する、4年制のメディカル・スクールにおいて行われている。

○ 臨床研修制度(P3)

 診療に従事しようとする医師は、二年以上、医学部を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。(医師法第十六条の二)
 臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。(医師法第十六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令第二条)
 臨床研修制度自体は、昭和43年に実地修練制度(いわゆるインターン制度)に替わり制度化されたが、当時は努力義務であり、必修となったのは平成16年からである。

○ WFMEグローバルスタンダード(P6)

 WFME(WORLD FEDERATION FOR MEDICAL EDUCATION)はWHO(国際保健機構)関連の非政府組織。WFMEグローバルスタンダードは、2003年にWFMEが作成した医学教育に関する基準。

○ 医学教育モデル・コア・カリキュラム(p8)

 医学生が卒業時までに身につけておくべき到達目標を示したもの。各大学におけるカリキュラム作成の参考となる位置づけの教育内容ガイドラインを提示。このモデル・コア・カリキュラムに示された内容だけで医学教育が完成するものではなく、6年間の医学教育課程のうち2/3程度の時間数でモデル・コア・カリキュラムに示された内容を学習し、残りの1/3程度で個性ある各大学独自の学習プログラムを準備することとしている。

○ リベラル・アーツ(p9)

 特定の職業のためではない,一般的な知力を開発する学芸を意味し,言語・数学系の諸科と人文科学,社会科学,自然科学の諸学芸を指す。
(中央教育審議会大学分科会「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」用語解説より)

○ ECFMG(p9)

 Educational Commission for Foreign Medical Graduatesの略。
 米国において医師国家試験(USMLE;United States Medical Licensing Examination (USMLE))を受験する資格を審査する機関。

○ 共用試験(p9)

 学生が患者に直接接する診療参加型の臨床実習を開始する前に、学生が備えるべき必要最低限の態度、基本的診療能力、知識の総合的理解力及び問題解決能力を適正に評価する試験。医系全80大学(防衛医科大学校を含む)からなる社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構が実施している試験。以下に説明するCBTとOSCEの2つの試験方式からなり、医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠した内容で行われる。

○ CBT(p9)

 Computer Based Testingの略。コンピュータを使用した択一型の問題で知識理解を問う試験形式。共用試験においてOSCEと併せて実施されている。

○ OSCE(p9)

 Objective Structured clinical Examination(客観的診療能力試験)の略。模擬患者に対する実技試験により、基礎的な診療能力を問う形式。CBTと併せて、臨床実習前の共用試験において実施されている。また、臨床実習終了段階で、学生の到達度を評価するために実施している大学もある。 

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