薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第15回) 議事録

1.日時

平成25年7月22日(月曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

三田共用会議所 第3特別会議室

3.議題

  1. 薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に向けた作業について
  2. フォローアップワーキング・グループについて
  3. その他

4.出席者

委員

永井良三座長、市川厚副座長、井上圭三副座長、稲垣美智子委員、乾賢一委員、生出泉太郎委員、太田茂委員、勝野眞吾委員、北澤京子委員、野木森雅郁委員、橋田充委員、平井みどり委員、望月正隆委員、森山芳則委員

文部科学省

中岡大臣官房審議官、村田医学教育課長、丸岡薬学教育専門官、日下部技術参与ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省 医薬食品局総務課  田宮課長補佐

5.議事録

【丸岡薬学教育専門官】  それでは定刻より少し前ではございますけれども、皆様おそろいでございますので、これより薬学系人材養成の在り方に関する検討会の第15回を始めさせていただきます。
 このたびは委員として御就任いただきまして、また、御多忙の中出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、文部科学省医学教育課薬学教育専門官の丸岡と申します。よろしくお願いいたします。今回は再開されてから第1回の会議ですので、座長をお決めいただくまでの間、司会を務めさせていただきます。
 会議に先立ちまして、中岡審議官より御挨拶を申し上げます。
【中岡審議官】  ただいま紹介がありました、文部科学省の大臣官房審議官、高等教育担当で、医学教育の担当でもございます、中岡でございます。8日付けで前任の山野審議官の後任ということで着任してございます。
 本日は大変御多忙の中、本検討会の委員を引き続き、あるいは新たにお引き受けいただきまして、ありがとうございます。
 この検討会は平成18年度から、新制度の下における薬学系大学の人材養成の在り方に関する専門的事項について検討を行い、必要に応じてその都度報告を頂くということで、平成21年2月に設けられたということでございます。
 これまでの検討会では、特に薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂や、あるいは6年制学部教育における質の高い入学者の確保に向けたフォローアップ、また、4年制の博士課程における研究教育などの状況に関する自己点検評価などにつきまして、精力的な御議論を頂戴したところでございます。引き続き御検討をお願いしたいと考えております。
 平成18年に開始されました、この6年制の学部教育でございますけれども、関係各位の御努力によりまして、本年3月までに2期の卒業生を送り出したところでございます。引き続きまして、医療人として質の高い薬剤師、あるいは薬学研究を推進する人材など、質の高い卒業生を輩出していくことが期待されているところでございます。
 このため、委員の各位、先生方におかれましては、質の高い入学者の確保、あるいは入学後の教育体制、教育内容の充実、さらには薬学教育のあるべき姿につきまして、高い識見を踏まえた様々な御議論を頂戴したいと思っております。
 それではどうぞよろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  会議に入ります前に御報告させていただきます。これまでと同様、本会議は冒頭より公開とさせていただいておりますことを御了承いただきたいと思います。
 今回新たに御就任いただいた委員もいらっしゃいますので、会議資料1に基づき、委員を紹介させていただきます。会議資料1の順に沿って紹介させていただきます。
 まず、市川委員でございます。
【市川委員】  市川でございます。よろしくお願いします。
【丸岡薬学教育専門官】  稲垣委員でございます。
【稲垣委員】  稲垣です。どうぞよろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  乾委員でございます。
【乾委員】  乾でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  井上委員でございます。
【井上委員】  井上です。よろしくお願いします。
【丸岡薬学教育専門官】  生出委員は少し遅れてこられるということでございます。
 続きまして、太田委員でございます。
【太田委員】  太田でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  勝野委員でございます。
【勝野委員】  勝野です。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  北澤委員でございます。
【北澤委員】  北澤です。よろしくお願いします。
【丸岡薬学教育専門官】  倉田委員は本日御欠席とのことです。
 続きまして、永井委員でございます。
【永井委員】  永井でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  野木森委員でございます。
【野木森委員】  野木森です。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  橋田委員でございます。
【橋田委員】  橋田でございます。よろしくお願い申し上げます。
【丸岡薬学教育専門官】  平井委員でございます。
【平井委員】  平井でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  松原委員、それから村上委員につきましても本日御欠席でございます。
 続きまして、望月正隆委員でございます。
【望月(正)委員】  望月でございます。どうぞよろしくお願いします。
【丸岡薬学教育専門官】  望月眞弓委員は本日御欠席でございます。
 森山委員でございます。
【森山委員】  森山でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  続きまして、事務局関係者を紹介させていただきます。
 先ほど御挨拶申し上げました中岡審議官でございます。
【中岡審議官】  よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  医学教育課の村田医学教育課長でございます。
【村田医学教育課長】  村田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  医学教育課の平子企画官でございます。
【平子企画官】  平子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  それから、医学教育課で技術参与をしております日下部参与でございます。
【日下部技術参与】  日下部でございます。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  それから、オブザーバーとしまして、厚生労働省医薬食品局総務課から田宮補佐にお越しいただいております。
【田宮課長補佐】  田宮と申します。よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  それでは、形式的ではございますけれども、改選後第1回の会議ということで、座長と副座長をお決めいただきたいと思いますが、これにつきましては事務局からでまことに恐縮ではございますが、前回まで座長をお務めいただいた永井委員に座長を、それから副座長についても、市川委員と井上委員のお二人にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
( 拍手 )
【丸岡薬学教育専門官】  それでは、これからの議事進行は永井座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  永井でございます。御指名でございますので、座長を務めさせていただきます。これまで先生方にいろいろな案を作っていただきましたけれども、もう一歩更に議論を深めたいと思います。円滑な議事進行に御協力いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず事務局から配付資料の確認についてお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  配付資料について確認をさせていただきます。机上にお配りさせていただいております、まず会議次第が1枚ございます。
 その後、資料1として、検討会の委員名簿。資料2としまして、薬学教育モデル・コアカリキュラム中間まとめの冊子でございます。それから資料3としまして、今後の想定される検討スケジュールという1枚のものがございます。資料4としまして、薬学教育モデル・コアカリキュラム(中間まとめ)の修正方針についてという文章、2枚物でございます。資料5としまして、第9回専門研究委員会で確認された事項、1枚のものでございます。資料6としまして、薬学教育モデル・コアカリキユラム中間まとめ(修正案)、A基本事項、B薬学と社会という表紙のものがございます。続きまして資料7としまして、薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について(案)でございます。それから資料8こちらは見え消し修正になっているものでございます。それから資料9としまして、新制度の薬学部及び大学院における研究・教育等の状況に関するフォローアップワーキング・グループの設置についてという文章でございます。
 それから、参考資料としまして横の表になっているものがございます。参考資料1が、全体に対する意見というもの。参考資料2が、基本理念と利用上の留意点に対する意見。参考資料3としまして、「薬剤師として求められる基本的な資質」に対する意見。参考資料4として、大項目(A~G)に対する意見。それから参考資料5というのは、紙ファイルで別途置かせていただいております。右上に参考資料5と書かれているものでございます。それから参考資料6としまして、A3判の資料で平成21~25年度の入学状況等の資料でございます。
 配付資料は以上でございますので、不足等がございましたらおっしゃっていただければと思います。
【永井座長】  ありがとうございます。
 それでは議事に入りますが、前回の会議以降、薬学教育モデル・コアカリキュラム中間まとめと、薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点中間まとめについて、各大学と関係団体にアンケート調査を実施いたしました。その調査結果を文部科学省で取りまとめていただいております。先ほどの確認資料の中にございます。その関係資料につきまして、事務局から内容の御説明をお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  まず、資料2でございます。これは本年3月までに日本薬学会を中心にまとめていただいたコアカリキュラムの中間まとめでございます。この中間まとめを各大学に配布しまして、これを基にアンケートの回答をしていただきました。
 続きまして資料3でございます。こちらはスケジュールでございますけれども、コアカリの改訂につきましては、平成23年度から検討を続けておりますけれども、現在はアンケートを踏まえた修正作業を行っている段階でございます。今後、薬学会でアンケートを踏まえた具体的な修正作業を行っていただきまして、その後、文部科学省でパブリックコメントの手続を行います。今年度中にはコアカリの改訂版を確定していただくということを考えております。確定していただいた後に各大学で準備していただきまして、平成27年4月から各大学でコアカリに基づいた教育を始めていただくことを想定しております。また、コアカリの改訂後、最初の共用試験は平成30年度、それから平成31年度から新しい薬学実務実習が始まるという予定でございます。
 続きまして資料4でございます。こちらにつきましては、先日、薬学教育モデル・コアカリキュラムに関する専門研究委員会が行われまして、こちらで修正の方針をまとめまして、それを日本薬学会の作業チームに文書で伝えるというものの資料でございます。
 続きまして、資料5でございます。今、資料4で申し上げたこと以外に、専門研究委員会で確認されたものについて、大きく三つまとめさせていただいたものでございます。
 それから参考資料でございますが、こちらは各大学からアンケートで出された意見をまとめたものでございます。今回のアンケートにつきましては、大きく分けて三つの段階に分けておりまして、一つは全体に対する意見、もう一つは大項目のAからGに対する意見、それからもう一つは、個別の一つ一つの事項に対する意見で出していただいております。
 参考資料1から3につきましては、全体に対する意見をまとめたもので、事項ごと、内容ごとに分けてまとめております。それから参考資料4は、大項目のAからGに対する意見をまとめたものです。それから、紙ファイルでお配りしています参考資料5については、細かい事項に対してそれぞれ頂いたものを全部並べたものでございます。
 資料の説明は以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。専門研究委員会におきまして、アンケートを踏まえたコアカリキュラムの修正の方針及び関連して必要となる事項について、整理を頂いております。専門研究委員会座長の市川先生から御報告をお願いいたします。
【市川副座長】  それでは、ただいま丸岡専門官から説明がありましたように、資料4と5、それから参考資料2というところでありますけれども、それらに基づいて、修正作業について検討した結果をここで御報告したいと思います。修正作業そのものは薬学会にお願いすることになるかと思いますけれども、その前に少し修正の方針について、専門研究委員会でこの7月8日に検討したというのが内容でありまして、それを文書にして薬学会に伝える資料、それが資料4になります。それについてまず御説明をして、それから後で資料5についても説明するという手順にしたいと思います。
 資料4にありますように、これは薬学会の方に文書でお渡しするものでありますけれども、そこに専門委員会の名前で、このような最初の頭書きにありますように、別添のとおり修正を行いましたということで、修正の方針を作成しましたので、それに基づいて検討を行っていただきたいと書き出してあります。
 「記」にありますところ、これについても簡単に御説明いたしますと、修正の方針としてそこに何点か挙げております。
 アンケートは、全国の大学からコメントがございました。それらの内容を薬学会で検討していただく場合には、実際に事項を追加する必要が出てくる。要するに全体のサイズとして大きくなる可能性があるということを少し考慮いたしまして、そういうことが起きたときは表記の工夫とか、あるいはアドバンスカリキュラムでの追加、ほかの部分での削減などの工夫を加えていただいて、この検討そのものが、スリム化ということが一番大前提になっておりますので、その原則を守るような形でやっていただきたいということが第1のところであります。
 第2番は、表記を簡潔にするという、GIOについてのことでありますけれども、GIOは学生の方が、何々をするために何々を修得するという一般目標になっているわけですけれども、そのときに何々をするためにというニーズの部分というのが、中項目、大項目、それぞれによってたくさん出てくることがあります。そうすると非常に内容的に多くなってしまうということもありますし、また重複するコメントもたくさんありましたので、何々を修得するという、その具体的なところで学生が理解する、簡単に言うとGIOの何々をするためにというところを削減していいという点の依頼であります。
 それから第2点の依頼としては、大項目のGIOのところに、薬剤師としての基本的な資質につなげて、そう記してほしいという依頼だったんですが、必ずしもそれは全部統一されていないので、この点に関して、基本的な資質に結び付くような表現で少し直してほしいというのが2番目であります。
 3番目のところですけれども、これは関係ある内容ではありますけれども、お互いの分野間の連携というものが、結果的に余り十分でないということが読み取れますので、そのあたり、大項目作業グループ間で連携をとって、重複その他、あるいは表現の仕方の統一をしていただきたいというお願いであります。
 4番目でありますけど、ここはかなりたくさんのコメントがあったんですけれども、日本薬局方についてです。薬局方の内容はいろんなSBOに分かれて三つ、四つあったんですけれども、実際として学生の方は日本薬局方の全体像というか、概説できるというところの言葉がないと、やっぱり薬剤師としての一番基本的なところにおいて困るんじゃないかということで、個々の内容に関してはもう既にSBOではあるんですけれども、それをA若しくはBに追加願いたいという文章です。
 それから5番目のところが、薬剤師として医薬品開発・創薬の基本を少し知っておく必要があるということで、そういう意味合いの内容を少し入れてほしいということ。少なくともアドバンスカリキュラムの方においてはしっかり捉えてほしいという依頼であります。
 この5点を修正の方針としてお願いするということであります。
 それから2番目は、作業のめどでありますけれども、先ほどの大きな流れというか、平成27年度での使用を考えた場合に、今年の8月末をめどにコアカリキュラムの修正を行っていただきたいということを依頼しております。
 それから、その他のところでありますけれども、各分野においてSBOを検討する際に、薬学準備教育ガイドラインというのは、今使用しているものですが、平成14年8月の日本薬学会の薬学教育カリキュラムを検討する協議会のものがコアカリの後ろの方についているわけですけれども、それをもう一度検討してほしい、内容を確認、整理していただきたいということで、これも併せ薬学会に依頼するという内容であります。
 次に資料5をごらんください。これは専門研究委員会で確認された事項ということです。
 一つはその確認事項で、1番目が大項目の名称というものを次のように変更する、修正するということであります。これはC、D、E、Fというのに、薬学基礎教育、衛生薬学教育、医療薬学教育、薬学臨床教育と、今までこういう項目名称があったわけですけれども、そこから「教育」という言葉を外して、右のような薬学基礎、衛生薬学、医療薬学、薬学臨床という項目名に修正した方がいいという確認をいたしました。
 この理由は、モデル・コアカリキュラムが学生の目線というか、学生中心の学修という観点にあるということと、及び表現をシンプルにすることによって分かりやすくするということであります。大項目の名称については「教育」を取ることを確認したということです。
 それから、2番目、3番目については、モデル・コアカリキュラムの改訂後に対応が必要になってくる内容について行ったものでありますけれども、2番目が薬学共用試験の範囲について検討しました。モデル・コア改訂後において、薬学共用試験の範囲を明確にする必要があるということであります。今は6年間の教育カリキュラムになっておりますけれども、そのときに4年次までに学修すべき事項というものを明確にする必要があるということで、そこをどのような場所でどのようにするかということを少し検討いたしました。
 今、共用試験センターの所轄をしております全国薬科大学長・薬学部長会議と、それから実際に行っている薬学共用試験センターを中心に検討していただくというのが一番妥当ではないかということで、その際に改訂内容に精通しています日本薬学会の委員にも協力していただくということです。これが一つ。
 もう一つの点は、実務実習についての確認でありますけれども、これはモデル・コアカリキュラム改訂に伴いまして、新しいコアカリの実務実習の分です。これはFという項目ですけれども、そのところの実施に際して、いろんなことで、問題が出てくるかと思います。その検討を行うための組織を新たに設けて、そこで詳細に検討する必要があるということであります。
 その組織として、例えばということで、2行目のところに書いてあります、そこのモデル・コアカリキュラム改訂の専門研究委員会、若しくは薬剤師養成問題懇談会、通称六者懇談会というものの下に、専門研究委員会委員とか、あるいは大学関係者、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、それから文部科学省、厚生労働省等関係者が集まって検討する場を設けるのがよいのではないかという結論を得ました。
 ただし、今後どのようにしていくか、その体制については更に検討する必要があると考えております。
 この2番、3番に関しては、モデル・コアカリキュラムの改訂後に対応が必要となってくる話ということであります。7月8日の委員会としては、こういう内容を検討しました。
 以上であります。
【永井座長】  ありがとうございます。それではただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ありましたら御発言お願いします。はい、どうぞ。
【野木森委員】  野木森でございますけれども、1点御質問がありまして、私は今日初めてということと、不勉強ということと、もう一つ分かっていないものですから、この略語の意味が分からなくて、GIO、SBOというのは、多分皆さんよく使われている用語だろうとは思いますけれども、私は全く知りませんので、少しどういうものが御説明いただけたらと思いますが、よろしくお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  資料7の3ページのところに、一般目標と到達目標ということで簡単な記載をさせていただいております。
【野木森委員】  これがあれば結構です。ありがとうございます。
【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。
【乾委員】  よろしいですか。
【永井座長】  はい、どうぞ。
【乾委員】  乾でございます。各大学にアンケートをされて、そしてそれをここにも提出していただきました。今までのコアカリをできるだけスリムにするということで、3割削減ということを大前提としてやられたけれども、全般的にSBOは減ってもくっつけて、それで中身は結局増えているんじゃないか、そういう意見がたくさんあったと思います。この専門研究委員会の方で、そういう点についての議論はなされたのでしょうか。薬学会に修正の方針として、なるべく全体の量が増えないような配慮をしていただきたいとお書きになっていますが、当初の目的を大体これでもう達成している、拡大とかいろいろ言っているけれども、これで行くということなのでしょうか。スリム化に関するその後の議論はどうだったのかなと思ってお伺いします。
【市川副座長】  余り細かい議論はしておりませんけれども、基本的には最初に作られた量が妥当と考えています。その理由は作成された段階で、スリム化ということを前提に作業がなされている。その中に、SBOの表現上の質的なものからすれば、重みが高くなっているものは幾つかあると思います。しかし、それらは各大学が方略を作成する段階において、また実際の授業の際にどういう教育の仕方をするかということで工夫されればいいのではないかと思います。全体のコンセンサスではないけれども、このまま意見を薬学会の方にお渡しすることになっています。特に、もっと減らしてくださいとかいうことの議論はしておりません。
【太田委員】  太田でございます。薬学会における作業部会も担当しておりますので、若干追加をさせていただきますと、先生御指摘のとおり、アンケートの中には、幾つかのSBOを一つにして、形式的に数が少なくなっているように見えるだけではないかという御指摘を頂いたSBOが幾つかございます。ただ全体で見ますと、やはりボリュームは少なくなっているのではないかと考えて、薬学会としてもこちらの専門委員会の方に提出をしたという経緯がございまして、ボリューム感に関しては、薬学会としても検討はしております。
 ただ、見解の分かれるところは、その一つのSBOの深さに関しては、先ほど市川先生がおっしゃったように、運用というか、幅の出てきてしまうところではあろうかと思いますけれども、それは確かに否めないところはあると思います。これは薬学会の作業部会に持ち帰りまして、更にブラッシュアップするときに徹底的に、その辺はもう一回再度考えさせていただくということでいかがでしょうか。
【乾委員】  ありがとうございます。
【永井座長】  よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。もし御意見がございませんでしたら、修正のポイントを専門研究委員会から日本薬学会にお伝えいただくということにしたいと思います。ありがとうございます。
 続いて、Aの基本事項とBの薬学と社会の修正案について、事務局から御説明お願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  資料6をごらんいただければと思います。資料6につきまして、基本事項と薬学と社会のところの修正でございますけれども、具体的なコアカリの改訂案の作成は薬学会で行われておりまして、アンケートを踏まえた具体的な修正作業も、薬学会で行っていただくというところで、先ほど来お話は出ておるかと思いますけれども、コアカリのうち、Aの基本事項とBの薬学と社会の部分につきましては、薬学会で作成していただいたものに対して、この検討会において追加、修正を行っていただいております。
 この資料6をおめくりいただきまして、それぞれの項目の左側にアスタリスクを付けているところが、この検討会で追加、修正していただいたところでございます。この追加、修正していただいたところにつきましては、アンケートの結果をそのまま薬学会で検討してもらうということではなくて、まずはこの検討会において確認をしていただく必要があるかと思います。
 そこで事前に専門研究委員会の座長、副座長を中心に、このアンケートを踏まえて修正案を作成していただきました。それがこの資料6の見え消しになっているところでございます。作業につきましては、なるべくその原案どおりに実施できるようにしようということと、ただし大学関係者から見て分かりにくいところは、表現などを工夫するという修正を行っていただいております。
 具体的なところを説明させていただきますけれども、まず2ページのところ、A基本事項の(1)最初の医療人としての5番ですけれども、「死を通して」という表現に違和感があるというような意見等が寄せられましたので、アンケートの意見を参考にして、「生」というものを入れたというものでございます。
 それから、その次の薬剤師が果たすべき役割という項目の中で、3のところの「薬剤師が医療品の適正使用における」という意見と、その下、1個挟んで4の「患者中心のファーマシューティカルケアにおいて」という項目について、これは内容がちょっと重複しているということでいろいろ検討した結果、3と4は一つにまとめるという修正を行っております。
 それから、「医薬品の効果が確率論的である」については、次の3ページの一番上の薬学の歴史と未来、考え方の項目の2番に入っていましたが、これにつきましては歴史のところに置くのはなじまないのではないかという意見が出されまして、いろいろ検討しました結果、もう少し上の項目である、この薬剤師が果たすべき役割の項目に移動してはどうかということになりました。
 続きまして、3ページのところの(2)薬剤師に求められる倫理観でございますが、これについては、生命倫理から研究倫理まで四つ並んでおりますけれども、これは元は医療倫理から始まって患者の権利という順番であったものについて、アンケートではこの順番を変えた方がいいという意見もありましたので、これは入れ替える案を作成しております。
 続きまして、6ページに移りまして、(1)人と社会に関わる薬剤師で、2番と3番ですけれども、この「理解する」ですとか、「考察する」というところについて、このあたりの語尾が適切ではないのではないかという意見がありましたので、それぞれ語尾のところを修正させていただいております。
 修正は以上ですけれども、この資料の最後に別紙というものを付けさせていただいておりまして、これはこのAとBに主に関係するんですけれども、このところについて薬学会で検討していただけないかという依頼でございます。一つは、「患者安全」に関する事項について盛り込んでいただけないかということ、もう一つは、医療機器ですとかレギュラトリーサイエンスのことについて、もう少し文言、あるいは内容を入れることを検討していただきたいというものでございます。
 説明は以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。それではただいまの御説明につきまして、御質問、御意見を頂きたいと思います。
【勝野委員】  よろしいですか。
【永井座長】  はい、どうぞ。
【勝野委員】  勝野ですが、私はこの会議に初めて参加させていただきますけど、今の修正のところではないのですけれども、非常に気になりますのは、GIOというのは教育上の到達目標ということですね。その語尾が「身に付ける」とか、そういうのはよく分かるのですけれども、語尾が「学ぶ」というところがかなりありますよね。到達目標があって、それで評価ということに対応すると思いますけれども、ちょっと「学ぶ」という語尾というのは、やっぱりGIOとしては適切な表現ではないのじゃないかなと思うのです。
【永井座長】  GIOは一般目標ですね。一般目標と到達目標を少し言葉を使い分けて。
【市川副座長】  もう少し、ここを例えば「学習する」とかはっきりした方がいいという表現でしょうか。
【勝野委員】  「身に付ける」とか「認識する」とか、要は一般目標であっても、その人がどこまでできるようになったかということですよね。ところが「学ぶ」ということになると、学べばいいのかという話ですよね。何か所かあるのですけど、例えば6ページのところの薬剤師と医薬品に関する法規というのは、意義について学べばいいかということですよね。学んだ上でこういうものに対して、法規制についてきちっと理解できるとか、そういうことが目標になるんじゃないですか。学ぶことが目的ということになると、学べばいいということになりますよね。つまり表記の問題だけなのです。中身の問題じゃなくて。
【市川副座長】  それはまた薬学会に、コメントとして少し整理をするようにというところの中に、太田先生がその委員でもいらっしゃるわけだから、ちょっと記憶しておいていただいて。よろしいですね。こういう表現は薬学会では使っていますね。
【太田委員】  はい。現モデル・コアにも、実はGIOに「学ぶ」、そういう書きぶりのところがあると思います。先生の御指摘に関して、薬学会の作業部会で。「学ぶ」を例えば「理解する」とか、あとは「認識する」とか、そういう形の方がいいという御意見ですよね。
【勝野委員】  そうですね。全体として統一されていない。「身に付ける」とか「理解できる」というのと、「学ぶ」とごちゃまぜになっているので、やっぱり統一した表記がいいと思います。
【永井座長】  日本語に訳しても一般目標と到達目標というのはどう違うのか、部外者から分かりにくいですね。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしますと、今の御意見を踏まえまして、修正につきましては、原案を座長と副座長に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。また薬学会にも、ただいまの御意見をお伝えいただければと思います。
 それでは次に、基本理念と利用上の留意点、薬剤師として求められる基本的な資質の修正案につきまして、市川委員から御説明をお願いいたします。
【市川副座長】  資料7と、それからその基になりました資料8、赤が入っているものですけれども、この二つについて、資料7で説明をさせていただきます。資料8にありますような形の赤字の部分、それを訂正したということでありますけれども、これは先ほどありました参考資料2の利用上の留意点というところで、いろんなアンケートを頂きまして、少し分かりにくいとか、少し表現がどうであろうかということで、そういう表現上直した部分というのが資料8にそのまま、ここを直しましたという表現になっています。
 特に基本理念の頭のところで、少し言葉が分かりにくいということもありましたので、少し赤字が多くはなっております。
 それから、3ページのところで少し赤字が入っています。これは表現上「スパイラル」という言葉が分かりにくいということで、これを取ったために赤字が増えている。
 それから更に5ページのところで少し赤字が多いですけれども、この部分はそれぞれの実習に関しての内容、例えば、薬学の基礎の実習とか、薬学臨床実習とか、体験実習とか、そういう字句が、1年次から2年次の実習とか、3年次、4年次の実習と区別されて記載されていました。しかし、それは必ずしも全大学の共通した年限ではないということで、全部その字句を取りました。そういうことで、ここは赤字が増えているということであります。
 あとは少し文言の整理ということになっています。いずれにしても、資料7に基づいて説明をさせていただきます。
 この資料7で1番の基本理念、それからその下に位置づけがございまして、まず大きなポイントになった部分だけ御説明しますと、2ページのところです。下から、2ポイントというのがありますけど、その上のところの1段落です。ここに「各大学の教育カリキュラムが薬学共用試験や薬剤師国家試験に合格することのみを目標とする教育に過度に偏ることのないよう留意すべきである」という文言がありまして、この文言に対しては、参考資料2の3/7ページのところを開いていただくと分かりますけれども、そこに、この最後の文章というのは必ずしもなくてもいいのではないかというコメントがございました。
 これをどうするかということを専門委員会で検討しましたけれども、今の薬学教育の現状といいますか、この委員会のもう一つのフォローアップの方の委員会でも大分検討した結果、薬学教育というのを質的に非常に上げていくためには、やはりこういう表現は残しておいてもいいのではないかということで、専門委員会としてはこれを残す状態でここに置いてあります。
 それからもう一つのポイントは、真ん中あたり、1段落ずれているそのすぐ上の方のところに、「スリム化されていることもあり、およそ教育課程の時間数の7割を、モデル・コアカリキュラムに示された内容の履修に充てることが妥当」という表現、その下の段落のところに、「モデル・コアカリキュラムに示された内容を確実に修得した上で、残りの3割程度の時間数で個性ある各大学独自のカリキュラムを準備することが必要である」という表現があります。
 要するに7割・3割という考えで、7割をモデル・コアカリキュラム、3割を大学独自のカリキュラムにしたらいかがという表現をしたわけですけれども、これについても先ほどのコメントの中の参考資料2の2/7ページのところにも少しありますけれども、必ずしもこれは要らないんじゃないかという意見もありました。
 しかし3割・7割というのは、基本的にはここにありますように、全体のカリキュラムを10割と考えた場合にモデル・コアが7割であるということで、それ以外には当然準備教育も入りますし、それからアドバンス教育も入りますし、その他ということは各大学独自での、いわゆるこのモデル・コアを更にブラッシュアップしたような形のものも出てくるだろうし、そこにおいて初めて大学の特徴が出るということで、3割というのはそうすべきであるという提案をしたいので、これは残すことで置いてあります。
 このアドバンスカリキュラムに関しても少しコメントがございましたけれども、4ページのところで、今申し上げたアドバンスカリキュラムの表現があります。アドバンスカリキュラムの設定というのがありますけれども、これは各大学が特色ある教育をするときの参考になるような内容を薬学会が作業している過程で、これはモデル・コアよりもアドバンスの方がいいという形で、別個に作られつつあるというか、そういう内容がここに記載されておりまして、アドバンスカリキュラムがここに入ることで、今の3割というのがもう少し目に見えて分かるようになるかと思います。
 いずれにしても、もちろん6年制でありますから国家試験に向けての教育、それも必要でありますけれども、やはり各大学が目指す薬剤師の養成というものがしっかり行われることが大事であって、独自の教育というのもそれぞれ薬学全体の質的レベルアップを考えた場合、非常に大事であるということで、ここの表現はこのまま、従来どおりになっているということであります。これが基本理念と利用上の留意点のところの問題点になります。
 それからもう1点、基本的な資質についてということであります。これは資料7の8ページです。ここに薬剤師として求められる基本的な資質というのがございまして、これは大分前から提示して、検討してもらっているところでありましたけれども、それに関しても幾つかの大学から内容のコメントがございましたし、また厚生労働省の方からも御意見を頂きました。
 それで参考資料3というところにそれがまとめられておりますけれども、そういうのを総括して見たときに、全体の意見の中の7の部分に該当するところ、すなわち7の意見は、基本的な資質の最初にあります、薬剤師としての心構えという出だしの言葉です。
 ここは最初には「薬の専門家として」という言葉になっていたんです。「薬の専門家として、豊かな人間性と」云々(うんぬん)と、ずっとこういう表現がありましたけれども、それについて7のところのコメントは、医療全般にわたる記述がその後ずっと来ますので、社会性、倫理性に関しての記述が多い、そういうことから考えると、これは「医療の担い手として」という言葉の方が妥当ではないかということで、これについても討議をいたしまして、「医療の担い手として」という言葉の方がいいということでありまして、このような案に訂正したということであります。
 もう1点でありますけれども、次のページのところであります。薬物療法における実践的能力というところがあります。ここに関して少し御討議を頂く場所として提案させていただきますけれども、これもコメントの中に意見がございました。「薬物療法を総合的に評価し、安全で有効な医薬品の使用を推進するために、医薬品を供給し、調剤、服薬指導、処方設計の提案等の薬学的管理を実践する能力を有する」という言葉であります。
 この中の「薬物療法を総合的に評価し」、総合的に評価するだけでいいのかというコメントがございまして、もう少し主体的に計画、あるいは実施、評価という3点の言葉を入れた方がいいのではないか、そういう形で取り組む必要が、今後の薬剤師の活動の中で非常に重要になってくるということで、この「総合的に評価し」というところを「主体的に計画、実施、評価し、安全で有効」云々(うんぬん)という方がよいのではないかということで、これについても議論をしましたが、この「総合的に評価し」という部分を、「主体的に計画、実施、評価」という言葉にしたらいかがであろうかという提案でございます。
 これは具体的には、参考資料3の46ページの下から二つ目のところに34というのがあります。そこにそのような表現があるということでありまして、これを大分検討した結果、そういうのは是非この場で議論していただいて、よかったらそのようにしていきたいというのが提案であります。御審議いただければと思います。
【永井座長】  ありがとうございました。それではただいまの御説明に御意見いただきたいと思いますが、特に薬物療法における実践的能力の扱い、あるいは各大学におけるコアカリ以外のカリキュラム設計の重要性、こういうところに御意見いただければと思います。
【望月(正)委員】  いいですか。
【永井座長】  はい、どうぞ。
【望月(正)委員】  最初の市川先生が悩まれたというところですが、国家試験というあたりで、わざわざ国家試験に合格すること「のみ」というのを入れたのですね。
【市川副座長】  はい。
【望月(正)委員】  「のみ」を入れて、「教育に過度に偏ることのないよう留意」ということは、変な言い方をすれば、何か適度に偏ればいいともとれます。これは何か、国家試験合格のための勉強を勧めているんじゃないかと私は思います。最初に悩まれたら、いっそのこと取ったらいいというのが、私は正しいと思います。何か文章に入れるとしても、せめて「過度」というのを取り、「教育に偏ることのないよう留意すべきである」、その程度の方が私はよいと思います。
 以上です。
【永井座長】  よろしいでしょうか。
【市川副座長】  飽くまで意図するところは先ほど申し上げたところが意図でありますので。今の先生のは「過度」を取ってということですか。
【望月(正)委員】  せめて「過度」は取った方がいいと思います。
【市川副座長】  ではそのせめてという。
【望月(正)委員】  本来6年制教育の目的は国家試験に合格するためではなくて、6年きちんと勉強していれば国家試験は当然合格するようなものでしかあり得ない。そのように国家試験は作られていると思いますので、とりあえず、触れることは、むしろその1年半なりを一所懸命、国家試験のために勉強しなさいと勧めているように聞こえます。そのあたりはうまく薬学会で直していただけるように、私は希望したいです。
【市川副座長】  それはここで検討する文章なので。
【望月(正)委員】  この委員会ですか。
【永井座長】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【市川副座長】  もう一度確認させてもらいますけれども、残しておいて「過度に」というのを取れば、望月委員としての意図はそれでよろしゅうございますか。
【望月(正)委員】  少なくとも「過度に」というのはお取りいただいた方がよいと思います。
【市川副座長】  「過度に」を取るということで理解させていただきます。
【望月(正)委員】  はい。
【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。
 先ほどの「総合的に評価し」というところも、「主体的に計画、実施、評価し」ということで、これはよろしいでしょうか。もし修正等ございませんでしたら、ただいまの御指摘の点を留意して、最終的にはまとめは座長、副座長に御一任いただければと思います。これで、薬剤師養成に向けた教育が行われますよう、各大学ではコアカリの基本理念等を御理解の上、カリキュラム設計等に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、議事の2に参ります。フォローアップワーキング・グループにつきまして、今年度の活動についての御議論を頂きたいと思います。最初に、事務局から資料の説明を頂き、その後でフォローアップワーキング・グループの座長をお務めの井上先生から、今後のフォローアップについて御説明を頂くことにいたします。では、事務局からお願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  資料9を御覧ください。こちらは平成23年にフォローアップワーキング・グループを設置したときの、この検討会の決定の文章でございます。
 こちらは1番、所掌事務のところにございますとおり、薬学部や、あるいは大学院の状況を把握し、検討会に報告するというのが、フォローアップワーキング・グループの役目でございます。
 2枚目を御覧いただければと思います。こちらは参考というもので付けさせていただいておりますけれども、これは今までに行われてきたフォローアップの概要をまとめたものでございます。
 一つは質の高い入学者の確保についてでございますが、入試の実質倍率ですとか、あるいは入学後の進級率が低いといった大学に対して、書面調査ですとかヒアリングを行っております。
 それからもう一つは、4年制博士課程のフォローアップでございます。これは平成24年に6年制薬学部から最初の卒業生が出るという、そのタイミングに合わせて、多くの大学で4年制の博士課程というものが設置されました。これは設置認可の審査を受けるのではなく、多くは届出の手続で行われたということで、これに対しては各大学院に自己点検・評価を行っていただいて公表してもらい、その自己点検・評価についてワーキング・グループで分析をしているものでございます。
 それから参考資料6、A3の表になっているものでございます。こちらにつきましては、一部数値が暫定のものでございますので、会議後回収をさせていただきたいと思います。こちらにつきましては、25年度の入試の状況、あるいは学生の進級の状況ですとか、卒業の状況について、各大学に対して調査を行い、まとめているものでございます。
 資料の説明は以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。それでは、井上先生から御説明いただけますでしょうか。
【井上副座長】  ワーキング・グループというのを設置していただいて、12名のワーキング・グループでいろいろとこれまで検討してまいりました。
 先ほど御説明いただいたように、質の高い入学者の確保というのは、最終的には質の高い薬剤師の養成につながるわけで、その点で資料から考えて少し問題になりそうな大学について、資料を更に求めましたし、その結果問題がありそうな9大学からは実際にヒアリングを行いまして、問題点の抽出等を行い、ここでも御報告したということであります。
 先ほどの参考資料6というのを見ていただきますと、1ページ目は国公立大学なので、ほとんど問題ないんですけれども、2ページ目の方、これは私立大学57校のデータでございまして、そういう点で、細かく見ていくと大変なんですけれども、二重丸がついているのがヒアリングをした大学、一重丸の大学が書類を求めたけれどもヒアリングまではしなかった大学ということになります。
 全体的に見ますと、入学定員の充足率等に関しては、丸印がついている大学だけでなくて、全般的に若干の改善は見られますし、実質倍率の改善も見られる。もう少し具体的に申し上げますと、入学定員の充足率では、充足率が90%以下の大学が、平成24年、去年と比較しますと、去年は15校ぐらいが下回っていたんですけれども、平成25年ではそれが7校にまで減っている。それから実質倍率が1.2以下というところを考えますと、やはり平成24年度には17校だったところが13校に減っているということで、かなり改善の努力がそれぞれの大学でなされていますし、また、受験生が薬学6年制に戻ってきているというところも若干感じられるのが実態であります。
 したがって、昨年フォローアップのグループでこちらに報告し、それからここの検討会の意見として各大学にお伝えした提言に対して、ある程度お応えいただいているし、それ以外の大学についても努力は頂いているというのが見えているんではないかと思います。
 ただ問題は、今度は6年制学科の修学状況の方を見ていただきますと、ここでは平成19年度の入学生、平成20年度、さらには21年度の入学生の三つの学年が比較されております。平成19年度の入学生は既に卒業までしていますので、卒業率が出ています。平成20年度入学生は、この資料では6年生になっているんだと思います。それから平成21年度入学生が5年生まで達しているということであります。ここで見ていただきますと、5年生の進級率は、平成19年、20年、21年と3年間が全部出ていますので、ここは比較できるだろうと思います。
 一つ問題点になりますのは、実習の修了率というのがございます。実習の修了率というのは5年生に進級して、かつその後実習もして、実習が修了したという率であります。5年生の進級率と実習修了率はほとんど変わりません。したがってどの大学も5年生に進級すると、ほとんどの学生は実習も無事修了しているということを表しているんですが、卒業率実習修了率には、平成19年度でかなりのかい離があります。
 明確に国家試験を意識した、各大学の取組が表れているわけでありまして、先ほど御議論があったような、実態としてはなかなか正論だけでは済まないところが現実にはあるわけでありまして、この辺も含めて更にきちっと考えていく必要があるだろうと思うわけです。平成19年、平成20年、21年と見ていきますと、5年生に進級した進級率というのが、若干下がってきている傾向が認められまして、例えば、平成19年度に5年生まで行ったのが、入学した人間のうちの60%に至らないという大学を見ますと、四つぐらいしかなかったんですが、平成20年度はそれが6校、更に平成21年では8校と、そこだけ見ましても増えてきております。
 これは何を意味しているのかも分からないんですけれども、昨年度の段階では問題のあった9大学、あるいは23大学だけでなくて、全般的に少し問題があるような感じがいたします。
 そういうことを踏まえて、これからフォローアップを考えるに当たっては、既にこの9大学からはどこをどう改善したか、あるいはどういう努力をしているかという御報告を頂いているわけでありますので、そのことについて、もちろん検討しなきゃいけないんですけれども、全ての大学の取組についても、フォローしていくことが必要だろうと感じております。
 それから、学部学生の教育の問題に関しましては、ここでまだ明確には取り上げられている問題ではないんですけれども、若干いろいろな御指摘を頂いている問題として、編入の問題もあるのではないかと思っておりまして、いろいろな大学が、6年制の教育の途中の段階から編入生を受け入れているという実態があるように伺っています。これが正しく教育されているかどうかという辺りに関しては、必ずしもフォローし切れていないというところもありますので、その辺の問題ももしかすると考えていくことが必要じゃないかと思っております。これが学部の方の問題です。
 これまでは主として6年制の教育についてフォローアップをしておりまして、4年制に関しては現時点では、アクションとしては特別なことはしておりません。この辺のことに関しても、どうするかということは考えていかなきゃいけないかもしれないと思っております。
 それから4年制の博士課程、これにつきましては先ほどの丸岡さんからの話にもございましたように、中間報告をしていただくことになっております。各大学について現状を報告していただいて、それを見ることによって大学院教育というのが現時点において順調に推移しているんだろうか、何が問題点か等を更に検討していくことが必要だろうと思っております。
 また最初の時点では、まだ大学院の学生が入っていない大学も新設の大学にはあるわけでありまして、そういう大学については、大学院を具体的にどうするのかというお考えについてのフォローアップもしていく必要があるだろうと考えております。
 いずれにしても、フォローアップが更に必要であろうという認識は持っておりますので、あとはこの検討会で今後どうするかを御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  ありがとうございます。ただいまの御説明に御質問、御意見ございますでしょうか。
【野木森委員】  一つ御質問よろしいでしょうか。
【永井座長】  はい、どうぞ。
【野木森委員】  御説明ありがとうございました。資料の入学者、それから5年次進級率を見ておりまして、私もこう細かいのを見せてもらったのは初めてなものですから、進級率が低いという傾向が出ているところは大学として決まってしまっているような感じに見えます。それと、5年次進級率が非常に低い数字になっている大学で、その前年度、それから更にその前の年は比較的いい数字だったのが、急激に悪くなったという例がありますが、どういう要因があるのかというところの分析が、もしされているようだったらお教えいただきたいというのと、それからこれだけ卒業率が全般的に低いところの大学で、実際に卒業できなかった方たちは、どういう形で人生に適合していっているのか、それが一番心配なものですから、その去就というのはどうなっているんでしょう。
【井上副座長】  平成21年度のデータは新たなデータですので、今御指摘のところが具体的にどういうことが原因でこうなっているのかは、それこそヒアリングでもしないことには分からないんですけれども、確かにこれは非常に大きな変化ですので、こういうのは一体どういうことが原因なのかは、少なくとも調査する必要はあるだろうと思っております。
 それからあとの問題点等につきましては、各大学ヒアリングのときも、具体的にいろんな質問はさせていただいております。それなりのお答えなんですけれども、結局エビデンスを明確に求めようとすると、本当に現地調査、あるいは留年生の学生にインタビューでもしないと、なかなか実態としてフォローしにくいところもありまして、その辺のところは今後どうしていくか、もう少し突っ込んでフォローアップをやるか、どこまで踏み込めるのか、その辺は今後の問題だろうとは思っております。
【野木森委員】  分かりました。
【永井座長】  いかがでしょうか。
【稲垣委員】  稲垣と申します。この5年次に進級するときというのは、各大学で何か特別な試験、これはどういう理由でこれだけの人が進級できないのかという仕組みはあるんでしょうか。
【井上副座長】  この手前の段階までは、大きな関門としては多分共用試験というのがあります。この共用試験に受かりそうかどうかというあたりと、あとはやはり各大学とも1年ごとに、進級させていいかどうかというあたりの判断もしますので、先ほどの議論にも重なるんですけど、共用試験、そして国家試験という二つの関門がどうしてもありますので、その関門に耐えられるかどうかを判断するプロセスでだんだん減っていってという段階が一つ。もう一つは、共用試験を受けさせられるかどうかというあたりも問題となって、そこで進級率がある程度決まってくるということだと思うんです。
 だからその進級率が非常に低いというのは一体何なのかというところで、このところでも随分議論が出まして、やはり一番重要な最もポイントになるのは、大学のアドミッション、入学の段階でのセレクションとか、そういうあたりで入学者の質の低さ、その辺のところは何か改善されなければまずいんじゃないかということで、フォローアップもそこを重点的にしてきたというのが実態でございます。
【稲垣委員】  その共用試験が落ちる人たちにとってはかなりハードルが高いということでしょうか。それともその国家試験を通らないとできない、違うところの学問から見ますと、先ほどの質問にも関係するんですけれども、かなり薬剤師さんとは重要な人材ですので、共用試験に受からないので次のステップに行けない人が半数ぐらいになるというのは、本当に位置づけとしては大変重要なことだろうとは思うんですけれども、かなり難しいことでしょうか。
【井上副座長】  これは普通に勉強していたら受かる試験というのが共用試験のはずなんです。
【稲垣委員】  そうなんですか。
【井上副座長】  ですから80%は何も特別な勉強しなくてもできるはずで、医学も歯学もこの共用試験というのは課しているんですけれども、医学、歯学の場合には、各大学が最終的には判断する。
 ところが薬学の場合には、共用試験が目的としては、実地の病院なり薬局に出ていって実習をさせられるかどうかの判断ということなので、これはもう各大学の自主性には任せないで、共用試験センターに採点はお願いして、60%という合格基準は必ず全員、全大学が守るということで、実際具体的に60%になっているということを、きちっと公表するというのをやっております。恐らくそれは各大学は守っていると思うんですけれども、そういうことも多少は影響しているのかもしれませんけれども、本来共用試験というのは決して難しいはずはないと。
【稲垣委員】  ありがとうございます。
【勝野委員】  よろしいですか。
【永井座長】  はい、どうぞ。
【勝野委員】  これは非常に問題は大きいと思います。大学の設置審に私は関わっているのですけど、規制緩和をして、かつては設置の段階でかなり厳しくしたということですよね。医学部等はまだ、薬学のように緩和していませんから、井上先生がおっしゃったような状況はあると思いますけれど、薬学の場合は規制緩和をして、それで建前としては教育が動き出してから、その機関別評価とか、あるいは分野別評価の中で、きちっと質を保証していくということになっていましたけれども、それが必ずしも強制力があるわけではありません。したがって、こういう形で特に薬学は受入れのところで、かなりその緩和が悪い方に行ったという事実があると思います。
 それで、特に薬学の場合は非常に学費が高いですから、先ほど野木森委員がおっしゃったように、上へ上がれない人たちはどういう状況になっているかということは、少しきちっとエビデンスを出していかないと、ほかの学部とはちょっと違うところが非常に特殊な、ある意味ではかなり悲惨な状況になっているケースがあるのじゃないかなと思います。それが薬学全体に今後、影響してくる可能性は大いにあるのじゃないかなと思います。
【北澤委員】  事務局に質問です。この参考資料6というのは、今日回収されちゃうそうですけれども、いつ公表してもらえるんでしょうか。
【丸岡薬学教育専門官】  まだ公表の仕方は決まっておりませんけれども、フォローアップを今後この資料を基にやっていく中で何らかの形で出すと、今のところは考えております。まだ決まっておりません。
【井上副座長】  今ここにある資料は、各大学が個別に公表してほしいということは、繰り返し文科省の方から言っていただいてはいるんですよね。
【村田医学教育課長】  井上先生のおっしゃるとおりでございまして、薬学関係のいろんな会議、学部長先生がお集まりになる会議のときには、基本的には学校教育法の中でも教育情報はできるだけ公表してくださいということをお願いしてございますけど、それに規定されている事項以上に、こうした事柄についても、特に学生の方、保護者の方、あるいは社会的にも関心の高い事項でございますので、できるだけ自発的に公表するようにということは、各大学に対してお願いをしているところでございます。
 それからもう一つは、一方で今のお話と関連いたしますけれども、こうしたフォローアップの中で得られたデータというのも、適切な形でオープンにさせていただくことを考えたいと思っております。
【永井座長】  あと、平成19年度の入学生の国試の合格率、これは表には加えないのですか。これがあるともっと分かりやすくなります。
【丸岡薬学教育専門官】  国試の合格率はまた別途出ておりますので、この表とくっつけて整理するということは、検討させていただきたいと思います。
【永井座長】  いかがでしょうか。
【望月(正)委員】  質問です。最後に井上先生が、編入の実態ということをおっしゃったんですが、これについては私はよく知らないのです。今どういうことが問題、あるいは今後どういうことが問題になりそうで、それに対して文部科学省及び厚生労働省はどう対策を考えているかということをお尋ねしたいです。
【井上副座長】  多分文科省は余りフォローできないんだと思うんです。どっちかというと厚労省は、国家試験というのがファイナルにありますから、大学からこういう編入をさせたいんだけどどうでしょうかというような情報は、多分知っているんじゃないかなと思うんです。私も厚労省から、問題じゃないかということを言われていますので。
【田宮課長補佐】  編入の関係で、まだ具体的に、例えばいろんな編入の仕方があって問題になっているとか、いろんな事例が積み上がっているということではないんですけれども、個別にいろいろと照会が、42いわゆる4プラス2プラス2の関係で認定されるのかどうかという形で照会があることはございます。そこは基本的な考え方を我々の方で示しておりますので、それに従って回答させていただいているというところでございます。
 あとは先生方も御承知のとおり、例えば私薬大協、あるいは全国薬科大学長・薬学部長会議等でも、学部、あるいは修士課程、博士課程とか、いろんなところで薬学を学んだ方の取扱いについて、いろんなケースで議論されているということは承知しているところでございます。
【村田医学教育課長】  文部科学省として、基本的に編入学に対する考え方というのは、基本的なルールにのっとってやっていただければ、編入枠というのは当然、多様な学生を確保する手段として想定されるものだと思っております。
 ただし、薬学部についてはこうした状況、特に下からの勉強を積み上げていくということで、途中から入るということになると、よりきめ細かい指導が必要になってくるということもございますし、ちょっとこういう表現がいいのか、悪いのか、安易な形で学生を確保する手段の一つとして考えてもらっては困る。それはもうほかの学部と同じですけど、特に薬学部の場合はきめ細かい指導が求められるということで、編入学をさせるのであれば、やっぱりそれ相応の大学としての対応、きちんとした枠組みというのが必要だろうと。
 その辺りが、これからまたフォローアップの中でいろいろ御検討いただく中で、特に編入学生をかなり入れている大学については、目配りをして見ていただく必要があるのかなと思っているところでございます。
【勝野委員】  よろしいですか。これもやっぱり薬学の非常に特徴的な、編入といっても一般的な編入とはちょっと違って、国公立が全て6年制ではなくて、4プラス2という、いわゆる薬剤師の国家試験につながらないコースを持っていて、今、移行措置でプラス2年等で国家試験に行ける形にはなっていますけれども、そこでその4プラス2のグループが私立大学とかの6年制へ編入する。同じ国公立のところでは東京大学を除けば、6年制のコースはほとんどフルになっていますので、編入はほとんどできない形になっているので。東京大学だけは少し余裕があるようですが。
 したがって、国公立から私学へ行くという、普通の一般のほかの学部から編入というのとは全く違った形のもので、これがまた今、移行措置がありますけれども、そのこととも深く関わるのではないかなと思います。ですから編入といっても一般的は編入とはちょっと違って、かなり特殊な、薬学の現状を反映した編入ということはやっぱり共通理解しておかないと。一般的な編入と一緒に議論してしまうと、ちょっと間違うのじゃないかなと思います。
【野木森委員】  一つ質問でございます。先ほど勝野先生がおっしゃっていました件に関係するんですけれども、薬学のディレギュレーションによる人員増というのがぐっと行われてまいりまして、その中でやはり質の差が学校で出ているという実態があると思うんです。その中で依然として入学者の数を見ると、定員割れを起こしているところがある。これは明らかに全体で見ると、やはり枠が大き過ぎるんじゃないかなという要素と、それからその中での歩留りが非常に低いということで、最後まで行ける人というのは少ない。
 この両方で、私がちょっと危惧するのは、将来的に薬学の地位というのがかなり落ちてしまうんじゃないか。例えば私が大学を卒業したのは、もう43、4年前ですけれども、その頃は一般的には、薬学というのはカリキュラムが多くて、ちゃんと勉強しないとなかなか卒業できないという要素が強かったわけです。それと同時に私学で、非常に薬剤師試験の合格率が高いというのが売り物でやっていて、90何%というところが多かったと思うんですけれども、現在それに多分達していない状況だろうと思いますので、またこの数字は受験生に対して何%ですから、入学者数にしたらぐっと減るわけですよね。そういう表現をとられていませんので、まだ薬剤師試験合格率が高いなと思わせている要素があるのだろうと思うんです。
 また、合格率をとらえて国立大が低過ぎるといつも言われていると思うんですが、将来的に学校の、入学者数の枠をどう考えるかということも含めて、今後の対応を文科省で検討し始めていらっしゃるのでしょうか、その辺をちょっと聞きたいと思います。
【村田医学教育課長】  大変難しい御質問で、一つはトータルとしてマクロで見たときの薬学部、特に6年制、薬剤師養成の人員をどのぐらいにすることが妥当だと。これは多分長期的には厚労省の方でも、医師、薬剤師の需給ということをお考えになった上で、今後どうしていくのかということを、これは文科、厚労両省で、マクロの大きな流れの中ではそれを考えていく必要があるんだと。
 一方ではミクロの問題としては、今委員が御指摘されましたように、個別の大学をとってみると、かなり定員割れが大きいとか、あるいは入っていても実際には勉強についていけなくて、さっき御指摘があったように、なかなか進級できない学生が相当多くいる。そういった場合については、やはり各大学がそれぞれの定員設定の在り方を見直していただく必要がある。
 実は平成20年が薬学6年制の人員のピークでございまして、それから少し減っております。それは先ほど申し上げたようないろんな観点から、各大学で自発的に定員を見直しして、端的に言えば縮減をされている大学も幾つかあったということ。ですから当面の対応としては、このフォローアップの中でもまさにそういうことを申し上げているんですけれども、今の入学者の確保の状況、あるいは実際に入ってこられた学生の状況を見ながら、各大学は定員設定の見直しを適宜行っていただきたいということは、私どもとしてお願いしている状況でございます。
【永井座長】  いかがでしょうか。これだけ留年生が多いと、在学生に対する教育にも支障が出てくると思いますけれど、そのあたりの実態調査もこれから行われる予定でしょうか。
【井上副座長】  それも繰り返し、リメディアル教育ばかりに力が入って、本当の教育には差し支えないのかという質問も随分させていただいています。それなりの答えが返ってきますので、本当にエビデンスを求めようとすると、ヒアリングだけじゃなくて、現地に乗り込んで云々(うんぬん)ということまでしなきゃいけないのかもしれないんですけれども、なかなかやる方としてはつらいところがありましてという段階なんです。もう少し実質的にフォローアップを実のあるものにしようとしたら、もっともっと踏み込んでいかなきゃいけないだろうとは思っております。
【永井座長】  ほかに御意見いかがでしょうか。はい、北澤委員、どうぞ。
【北澤委員】  確認ですけれども、この5年次進級率というグラフは、ストレートに5年に進級できた人の割合という意味ですかね。
【丸岡薬学教育専門官】  そうです。この年度入学者がストレートでなった数です。
【北澤委員】  仮に留年したとしても、最終的に5年次に進級して、実習も受けて、卒業もして、薬剤師国家試験に受かれば、それはそれで11、2年大学生を長くやったというだけで、いいのかもしれないんですけれども、そのあたりの学生さんの進級の仕方というか、もう少し詳しく分かれば、その対応策というのも考えやすいんじゃないかと思ったんですけれどもいかがでしょう。
【井上副座長】  それはやっていますよ。出ていないだけです。ここに出していないだけ。
【北澤委員】  出ていないだけ、ここに書いていないだけですか。
【井上副座長】  ただ、全部の大学についてやっているわけじゃなくて、問題のある大学に関しては、1年生から2年生、2年生から3年生の細かいデータみたいなのも見せていただいてはいます。
【北澤委員】  その結果、やはり5年次に進級できなければ、最終的には卒業できない、要するに最終的に退学しちゃう、そういう経路をたどる人が少なからずいるということですか、実態として。
【井上副座長】  5年までいた場合に、5年から6年の、要するに卒業がまだできなかったというこの人たちは、2、3年の間にはかなりの人が多分卒業するんじゃないかとは思います。ただデータとしてはまだないんです。
【北澤委員】  ないんですね。
【井上副座長】  ですからもっと前の段階で脱落していく人が、相当いるということではないかと思います。
【北澤委員】  ということはつまり、共用試験に受かることができない、それで、5年に進級できない。
【井上副座長】  共用試験に限らず、やっぱり最終的なものが国家試験だと思うんですけれども、そういうものが明確にありますから、各大学とも、これは幾ら何でも無理だというのは、やっぱり早めに落としていっているというところもあるだろうと思います。なので、最初にアドミッションの段階で、質の高い学生を入れない限りはなかなか難しい、実態としてはそうなんだと思います。
【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし御意見ございませんでしたら、この内容を踏まえまして、4年制博士課程と質の高い入学者の確保につきまして、今後もフォローアップを行っていきたいと思います。
 ワーキング・グループにつきましては、主査は引き続き井上委員にお願いし、メンバーについては井上委員と相談して決めさせていただきたいと思います。
 少し進行が早く行っておりますが、何かございませんでしょうか。もしございませんでしたら、今後のスケジュールについて事務局から御説明お願いいたします。
【丸岡薬学教育専門官】  次回のこの会議につきましては、コアカリの最終決定を行っていただくということですとか、あるいはフォローアップの状況について、また確認していただくということになるかと思いますけれども、開催する場合には、また改めて日程調整をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
【永井座長】  よろしいでしょうか。何か御発言ございませんでしょうか。
 ございませんでしたら、予定した議事は以上でございます。本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局医学教育課

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3326)
ファクシミリ番号:03-6734-3390
メールアドレス:igaku@mext.go.jp