薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第4回) 議事録

1.日時

平成21年3月23日月曜日13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省東館17階17F1会議室

3.議題

  1. 第一次報告について
  2. その他

4.出席者

委員

永井良三座長、市川副座長、生出委員、北澤委員、北田委員、高柳委員、竹中委員、橋田委員、平井委員、村上委員、望月正隆委員、望月眞弓委員

文部科学省

戸谷大臣官房審議官(高等教育局担当)、新木医学教育課長、渡部医学教育課課長補佐、吉田薬学教育専門官

5.議事録

【永井良三座長】
 それでは、時間になりましたので、第4回薬学系人材養成の在り方に関する検討会を始めさせていただきます。
 本日は、前回の論点整理の議論を踏まえまして、第一次報告(案)についてご審議いただきたいと思います。
 初めに、事務局から、本日の委員の出欠状況の報告と配付資料の確認をお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 本日は、年度末のお忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 初めに、委員の出欠状況でございます。本日は、副座長の井上委員、太田委員、倉田委員、小林委員、岐阜薬科大の永井委員、長野委員、正木委員がご欠席となってございます。北澤委員と望月委員におかれましては、後ほどご到着されることかと思います。
 続きまして、配付資料の確認をいたします。
 これまでの会議と同様に、座席表と会議次第がございます。
 その次に、資料1でございますけれども、薬学系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告の概要を用意してございます。
 資料2といたしまして、同じく検討会の第一次報告(案)を用意してございます。
 参考ということで、机上配付にしてございますが、第3回の議事要旨を用意してございます。今回も、これまでと同様に、今週中をめどに修正等、ご意見をお願いできればと思ってございます。
 不備等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
 以上でございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りますが、第一次報告(案)について、本日は議論を進めたいと思います。
 まず、この資料2をごらんいただきながら、事務局からご説明お願いしたいと思います。

【吉田薬学教育専門官】
 資料1と資料2ということで用意させていただいてございますけれども、まず、資料1のほうは、先ほども申し上げましたとおり、報告の中身のそれぞれの項目について、ポイントを記載した内容ということで、1枚物を用意してございます。
 資料2のほうでございますが、これが報告書という形になりますけれども、前回の会議でお示しさせていただきました論点整理、さらには、これまでの会議でのご意見等々をもとに、座長とも相談をさせていただいた上で、報告書の形に整理をさせていただいたというものでございます。
 前回の会議では、論点整理につきまして、大きなご意見というよりも、細かいところで幾つかのご意見をちょうだいいたしましたので、その点は反映をしてございますけれども、基本的には前回お示しをした論点整理を文章中にまとめたものとなっているとご理解いただければと思います。
 これらの資料につきましては、委員の方々もご承知のとおり、先週、メールで送付をさせていただきました。あらかじめお目通しはいただいたところでございますけれども、先週の木曜日までにちょうだいしたご意見を反映させたものということで、本日は資料ということで配付をさせていただいてございます。
 先週、メールをさせていただいた際に、論点整理からの変更箇所ということでメールにも書かせていただきましたが、それ以外での変更点ということで説明をさせていただきますと、4ページでございます。2行目から3行目でございますが、「このため、附属病院を有していない大学院にも、教育の機会が与えられるよう、特に医療機関への協力要請も必要である」ということが追加になってございます。
 それと、もう1点ございまして、同じページの中段になりますが、段落が変わっている「加えて」というところでございます。13行目でございます。「加えて、質の高い教育を行うために必須となる研究面においても」云々ということで、19行目までの「課題として考えられる」というところ、ここにつきましても追加で言及させていただいているところでございます。
 それ以外は、先日のメールに書かせていただいたものでございますけれども、先日のメールと今の2カ所以外にも、変更箇所触れてございませんけれども、これ以外に、前後の文章のつながり等、軽微な文言の修正につきましては、こちらで整理をさせていただいたものがございますけれども、その点については省略させていただいているというところをご理解いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。
 それでは、項目ごとにご意見を伺っていきたいと思います。
 まず、「はじめに」のところでございますが、ここにつきましてご意見、ご質問ございましたら、お願いいたします。
 段落3つ目の「新薬学教育制度のもとでの」から3行、「検討が必要であるとされた」。ちょっと文章が長くてわかりにくいですが。正確には書いてあるのかもしれませんが。この辺はどうなんでしょうか。これで意味が通じればよろしいんですが。
 よろしいでしょうか。何とかわからないでもないです。これ、昔の話にさかのぼっているんですね。何年か前に、今後明らかになるであろうから、将来は必要であろうと、そういうことを言っているのですね。

【橋田委員】
 その文章をそのまま受けたような形の書きぶりになっています。

【永井良三座長】
 よろしいでしょうか。もしご意見なければ、また、以下の議論の中で、必要であれば戻ってきたいと思いますが。
 それでは、「薬学教育の現状」のところはいかがでしょうか。

【望月眞弓委員】
 2行目になるんですけれども、「行政従事者」というところの頭が「公衆衛生などの」という書きぶりなんですが、薬系の卒業生の行政従事者がメインが公衆衛生という言葉になるのが、何かほかの、薬事衛生とか、いい言葉がないかなと思ったんですけれども。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。これは、官庁でのどういうお仕事をされているかということで、どちらのほうの概念が広いのかということにもよると思うんですが。あるいは、別の概念なのか。

【新木医学教育課長】
 おそらく公衆衛生というのが一番広い概念で、その中に薬事行政があったり医務行政があったり、いろんなものがあるんじゃないかと思います。そういう意味で、役所側としては広い言葉で使ったんですが、少し先生方の感覚とずれているようだったら、もちろんいい言葉に訂正するのはと思いますが、広い言葉として一応使っているということです。

【永井良三座長】
 薬事行政に限ってしまうと、後で問題が出る可能性もありますね。公衆行政、公衆衛生ですか。公衆衛生などの行政。何でもありという感じには。実際、薬学出身の方もいろいろなところで活躍されていらっしゃるわけですね。そうであるならば、広目でよろしいかと思うのですが。

【市川副座長】
 薬剤師法も、最後は公衆衛生何とかと書いてありますね。

【竹中委員】
 薬学出身の営業関係の医薬品の情報提供者の数が圧倒的に多いんです。

【永井良三座長】
 販売ということを入れるかどうかですね。

【竹中委員】
 販売を入れるかどうかですね。

【永井良三座長】
 情報提供とか。

【竹中委員】
 情報提供に従事する研究者や技術者でもいいかと思います。

【永井良三座長】
 そうですね。どこかに、「医薬品の研究・開発、情報提供等に従事する」と。

【竹中委員】
 MRを技術者の1人と判断すればいいと思いますので。

【永井良三座長】
 そうですね。では、「開発・情報提供」と入れましょうか。

【竹中委員】
 はい。

【永井良三座長】
 6年制と4年制の学部教育の役割、ミッションというのは、こんな感じでよろしいでしょうか。前回、議論したところですね。こんな文章でどうでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、次の「2.今後の薬学系大学院教育の基本的な考え方」についてご議論ください。
 いかがでしょうか。2ページの真中辺りの、「臨床薬学」にここでは統一しているんですか。前回の医療薬学、臨床薬学というところですが。全体的には格調高く書かれているように思いますが。

【吉田薬学教育専門官】
 今の医療薬学と臨床薬学のところでございますけれども、この部分は、先日の会議のときに、このままでというような話があったので、あえてここの部分は「臨床薬学」だけにさせていただいたんですが、4ページ目をごらんいただきますと、大学院で養成される人材像というところで、前回の意見で、併記をしたほうがいいのではないかというご意見もあったもので、こちらのほうでは、「臨床薬学・医療薬学」の云々という形で書かせていただいてございますので、そのあたり、どのようにさせていただくかというのも、もう一遍ご議論をいただければと思ってございます。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。

【生出委員】
 前回、私が併記したほうがいいのではないかと申し上げたんですが、全体の文章の整合性をとるためにも、同じように、2つ併記したほうがいいかと思うんですが。

【永井良三座長】
 よろしいでしょうか。妙にアンバランスになるより、そのほうがよろしいように思いますので、ご異存なければ、そういうことで。
 ほかにいかがでしょうか。

【市川副座長】
 今の対応する、4年制のところがその下のところに、「4年制の学部を基礎とする大学院においては、創薬科学等を中心とした薬学領域における」というところですね。これでよろしいかと思うんですけれども、「多様な人材」というのは上のほうで言っているので、例えば、「創薬科学等を中心とした多様な薬学領域」というような言い方ができるかどうかの問題ですけれども、すごく創薬科学に、まあ、それはそれでよろしいのかなと。研究者という意味ではいいのかもしれないけれども、上のほうで、いろんな道がありますと言っているわけなので、どうでしょう。

【永井良三座長】
 そうですね。

【市川副座長】
 ちょっとあいまいになるかな。

【永井良三座長】
 でも、薬学出身の方で、基礎的な生命科学を研究されている方は外国でもたくさんおられますね。創薬にあまり限定する必要はないと思いますが。

【市川副座長】
 こう書くと、いろんな幅があるのかなという気は。どうですかね。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。「多様な薬学領域」と入れるかどうかですね。

【生出委員】
 同じような表現ですれば、「創薬科学等をはじめとした薬学教育における」とかとなりませんかね。

【永井良三座長】
 「中心」とするから、妙にここが強くなっています。「はじめとした」としますか。あまり多様過ぎても、何だかわかんなくなるかもしれませんね。

【市川副座長】
 そうですね。

【永井良三座長】
 「中心」と言うと非常に強いですから。
 これも後の記載と関係してまいりますので、先へまいりましょうか。また、ご意見いただければと思います。
 では、3.の「薬学系大学院教育充実のための具体的方策」の(1)のところはいかがでしょうか。次のページまでまたがって、長いところでございますが。

【高柳委員】
 4ページの初めのところですけれども、「このため、附属病院を有していない大学院にも、教育の機会が与えられるよう、特に医療機関への協力要請も必要である」ということですが、これ、「協力要請も」の主語は大学ですか。ちょっとその辺があれなんですが。

【吉田薬学教育専門官】
 その前の文章につながっていますので、そういう意味合いでは、大学関係者を中心にというふうに、この文章は考えてございます。

【高柳委員】
 何かこれは、あえて加えなくてもいいんじゃないかと。前回同様、そういうような気がするんですけれども。言っていることは同じじゃないかという。その前の3ページの最後のほうからですけれども。関連施設と積極的な連携が必要であるということで。
 どうでしょうか。

【永井良三座長】
 3ページ目の最後に、医療機関と、附属であろうとなかろうということですか。もしそういうふうに読めるのであれば、要らないかもしれません。もう少し強調したほうがよいかと思って、これを加えたほうがよいと思ったのですが。
 もし必要なしというご意見であれば、削除して構わないと思いますが。

【望月正隆委員】
 私も、確かに高柳先生がおっしゃるように、削除したほうがいいという気がしますのは、附属病院を有していない大学院は教育の機会が与えられないのがもとにあって、それに対して、教育の機会が与えられるようにというと、何か違うような意味にとられかねないということです。

【永井良三座長】
 よろしいでしょうか。では、この2行は削除ということで。
 3ページ(1)の最初の○ですが、6年制の学部云々のところですが、ちょっと文章が長いですね。途中で切って……。2行目終わって、「養成が主たる目的である」で切って、「したがって、幅広く養成する観点から必要と考えられる」というように、2つの文章に分けたらいかがでしょうか。
 あと、4ページの中ごろの「加えて」以下のところ、ここを少し追加させていただいたのですが、まさに大学院のテーマですね。6年制大学院の研究テーマとして、少しわかりやすく挙げておいたほうよいかと思ってリストアップしたのですが、この点についていかがでしょうか。
 それと、その前の専門薬剤師等に関する記述のところですね。この辺についてご意見いただけますでしょうか。

【生出委員】
 前回も、ここの専門薬剤師というところで、あたかもこのまま大学院に入ると、何とかの専門薬剤師になれるというように読み取れるので、一度社会に出て、いろんなジェネラリストとして薬剤師の業務、経験を学んで、また入り直すんであれば可能だと思うのですが、何となくこのまま読むと、6年間行って、4年間の博士課程を出ると、全然現場を知らなくても専門薬剤師になれちゃうみたいな書き方になっているので、ちょっと、どこか工夫してほしいなと思います。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。
 ただ、何らかの教育は書いておかないといけないですね。あまり安易に取れるということでもいけないでしょうが。これがなくて、研究ばかりでよいとなっても、本来の趣旨とずれてくると思いますが。書き方の問題だと思いますが。

【北澤委員】
 北澤です。ここのところですけれども、やっぱり大学院ということを考えたらば、今、読みながら思っただけなので、違っていたらまた指摘していただきたいんですけれども、前段から続いて、教育内容はこんなようなものであるということの次に、研究面での環境整備ということで、研究内容をこのようにしてあげ、そして、その次に、専門薬剤師の資格認定のための教育云々って、ちょっと順番を入れかえたらどうでしょうか。
 これはあくまで、大学院としてどのようなことをやるかというようなことを述べているので、専門薬剤師認定資格取得のための講習や研修というのは、もちろんその中に含まれるのだけれども、大学院の研究目的とか、あるいはそこでやる勉強の目的というのからすれば、順番としては逆でもいいのかなと、読みながら思いました。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。確かに、大学院の本来は教育、研究ですね。

【北澤委員】
 ついでにですけれども、ここで6年制の大学院についてはかなりいろいろと書かれているんですけれども、4年制の大学院についてはかなりあっさりとしていて、研究者としての基本的な素養を身につけさせるとか、基本的な知識や技術を体系的に修得させる、当たり前といえば当たり前なんですけれども、それだけでいいのかというのが、よくわかりませんでした。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。4年制については、そもそも今も大学院があるわけですね。それは、どういう理念のもとに運営されているのかということでもあると思うのですが。

【竹中委員】
 4年制と6年制を同じボリュームと同じ角度から全部書くことになりますね。今のレポートは、6年制を中心にして、4年制はちょっとだけ書いてあるという感じですね。

【北澤委員】
 全体のトーンとして、むしろ今、これから新たにつくるのは6年制の上の4年なのであるから、そういうのでよいというのであれば、それでよいと思うんですけれども。そのあたりは、全体のスコープをどこまで置くかということにも関係すると思いますけれども。これ、読んだ印象として言っているだけなので、大した根拠はないんですけれども、4年制のところは、当たり前のことしか言ってないんじゃないかなって、そう思っただけです。

【竹中委員】
 私、ちょっと教えていただきたいのは、先ほど来、話になっている専門薬剤師の資格です。専門薬剤師と大学院教育とは違いますよね。今後は、6年間勉強した人は、すぐこの試験を受けられない……。そうすると、大学院に行っている間に、博士号も取りながらこの資格を取る。そういう意味でここを書かれたと考えていいんですか。ちょっと、私、理解できない……。

【永井良三座長】
 私はそういうふうに理解していたのですが。取れなくてもいいかもしれませんね。一応、教育を受けておくと。実際の資格習得は卒業後かもしれませんが、大学院時代にいろいろな教育、トレーニングを受けていれば随分早いだろうと思うんですね、取得するのが。
 いかがですか。

【望月眞弓委員】
 今現在の専門薬剤師の認定に関してご説明させていただきますと、臨床上の経験を5年以上持っている薬剤師さんが、各学協会が、がんとか感染制御とかいろいろな専門領域についての薬物療法に関する知識レベルを問う認定試験というのを行いまして、それに合格した人が、さらに3カ月間、専門性のある領域に関しての研修機関として認定されている機関で研修を積んで、さらにその領域での学術論文を、平均的なところでは2本以上書いて、学会活動等々をして単位を満たした人が最終的に認定されるという仕組みになっています。
 認定自体は、学協会、何とか学会とか、そういうところが認定を出していますので、大学で出しているところも若干あるんですけれども、それは非常にまれな領域で、基本は学協会が出しているという形。

【竹中委員】
 もう一度よろしゅうございますか。5年間実務をやってなきゃいけない。そうすると、大学院の4年間実務をしたということにしたいから、こういうふうになったんでしょうか。それとも、大学院4年出てから実務をやった年限を数えて、専門薬剤師にする制度にしたいのでしょうか。
 その辺のシステムというのはどういうふうに、変わるのか、あるいは、どんなふうに理解していったらよろしいですか。

【望月眞弓委員】
 おそらく、いろいろな形があるということでこういう書きぶりになっていらっしゃるのかなと思ったんですね。今、1つは、社会人で5年以上の実務経験がある方が論文をつくり上げるために、6年制の上の4年制の博士課程でそうした研究をなさるという形もあると思いますし、それから、もう一つは、6年制の上の4年制の博士課程に入られて、その4年間をどう過ごすかのありようによって、それを5年の実務経験とどうスライドさせるかというところを考えられている大学もあるかなと思うんですね。
 つまり、実務をやりながら大学院に進んで、実務もやりながら学位論文のための研究もするというような大学院の構想を持たれている大学もあるかなと思うんです。ただ、それにしても、4年しかないので、そこを、多分、学協会、大学関係者の定期的な協議の場というところで議論をされていくという含みを持たせた文章なのかなと、私は理解をしたんですけれども。

【永井良三座長】
 医師の場合は、研修制度が変わってから、2年研修が終わりますと、その後、1年から5年ぐらい実務を積んで、短い人は1年ぐらい、外科ですと5年ぐらい積んでから大学院に入ってきます。大学院で研究しながら、さらに実務も積みつつ専門医を取得します。大学の方針というよりも、その人それぞれの方針です。すぐ研究に入りたい人から、かなりじっくり実務を積んでから研究をはじめたい人もいる。
 実にこれは、学生の個性といいますか、さまざまで、一律にというのはなかなか難しいように思います。大学院の間でも専門薬剤師の資格が取れるようにしておいたらよいと思いますし、取れなくても、そういう基礎教育はしておいたほうがよいと思います。

【高柳委員】
 やっぱりそういうような形、個人差がかなりあると思うんですね。実際には、医師と同じように、医療の現場で、例えば、がんの患者さんだったらがんの患者さんを、医師も1日中診ているわけじゃありませんから、午前中、がんの患者さんを診て、薬剤師としての業務をして、午後からまた研究をしていくと、こういうふうな形、そういう経験になっていくんじゃないかと思うんですけれども。

【永井良三座長】
 それと、研究能力は人さまざまです。ですから、そういう芽もきちっと伸ばしてあげないといけなくて、あまりかたい体制にならないほうが良いと思います。
 若者は極めてアンプリディクタブルですね。

【竹中委員】
 確認させてください。大学院のこのシステムと、資格認定とは全く別なんですね。

【望月眞弓委員】
 はい、そうです。

【竹中委員】
 私もそこがわからなかったものですから、ご質問させていただきました。

【望月眞弓委員】
 おそらく、ここがちょっとはっきりしてないのかもしれないんですが、なお書きで始まる上から2つ目の段落の4行目の「このため」というところからが、多分、そのニュアンスを書き込んであるところなんですが、ちょっとわかりにくいのかもしれませんね。
 「このため、関連学協会等における認定資格」って。これは、学協会が認定しているということを意味した言葉になっていると思うんですけれども、もしかしたら、ここがもうちょっとわかりやすい表現になるといいのかもしれません。難しいですよね。私は、ここがそういう意味だと理解して……。

【永井良三座長】
 私は、臨床医学の立場から極めて自然に読めて、大学院にいながら、学会へ行ったり、専門試験を受け、講習会に行ったりできる。あるいは、大学の中でも、大学院活動の一環として、病室を持たせたり、カンファレンスに出たり、レポートを書かせたりということをしているわけですね。

【生出委員】
 いっそのこと、この括弧の「専門薬剤師など」というのを取ればいいんじゃないでしょうか。取ってしまうとわからなくなりますかね。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。なくても、わかる人にはわかりますよね。

【生出委員】
 わかりますよね。

【市川副座長】
 そこも1つ、私もそう思ったので。
 もう一つは、例えば、「このため」と受けているのは、前の全部を受けていますね、先ほどの4行の中で。そうすると、臨床薬学・医療薬学の研究者・教育者というのは全部受けているような格好の文章になっているから、ちょっと違和感があって、受けているのは、その後ろの部分の専門薬剤師のところを受けている。だから、そうすると、例えば、「それらに関連した教育が」というところの内容が、例えば、認定資格薬剤師云々という、その次の行のところですね。
 ですから、それに関連した教育、例えば、認定資格薬剤師などとして、そういうのが実施されることも考えられるというような、分けちゃうイメージをつくったほうがいいのかなと。その後ろの文がすごく、それだけをばっと五、六行書いてあるから、ちょっと違和感があるというのではないかと。

【永井良三座長】
 そうしますと、どんな……。

【市川副座長】
 例えばの話で、非常に短くするんだったら、なお書きの3行後ろに、「それらに関連した教育、例えば、認定資格(専門薬剤師など)の取得の教育が実施されることも考えられる」というような。

【永井良三座長】
 そこで切って、あと、もう下全部取ると。

【市川副座長】
 簡単に言えば、下切ってもいいんじゃないかということですね。

【望月正隆委員】
 大学院の教育の目的が、認定を取るとか、専門薬剤師を取るとかいうような読まれ方をするのは、やっぱり何かそぐわないので、先ほど出ましたように、一番最後に、資格を取ることも幾分は可能、幾分は有利となるような協議の場の設置が必要とか、そのぐらいでいいのではないですか。
 これを読んでいくと、ほんとうに主目的は認定資格を取ることなんだと思われたら、ちょっとさみしい気がします。

【望月眞弓委員】
 いえいえ、そのとおりだと思います。

【永井良三座長】
 少なくとも、研究のところを先に持ってくると。「加えて」を取って、「質の高い教育を行うために必須となる研究面においても」ではなくて、「おいては」で、ずっと「考えられる」までいって、「なお、6年制の学部を基礎とする大学院においては」云々で、「それらに関連した教育、例えば、関連学協会等における認定資格(専門薬剤師など)の取得に必要な教育が実施されることも考えられる」と。そんな読みで、あとは切ってしまうということでよろしいでしょうか。
 確かに、そのほうが全体のバランスはいいように思います。

【吉田薬学教育専門官】
 今の話ですと、これらの認定資格等の云々、定期的な協議の場の設置が必要というのは取ると。

【永井良三座長】
 はい。そこは取っていただいて。そこに、下の「加えて」の「加えて」を取って、「質の高い教育を行うために必須となる研究面においては」というのを、まず上に持ってくると。そして、「なお、6年制の学部を基礎とする大学院において養成する人材像としては」、ずっと来て、「従事者などが考えられるため、関連学協会等における認定資格(専門薬剤師など)の取得のための教育が実施されることも考えられる」。

【望月眞弓委員】
 それで結構だと思うんですが、それを読まれた方が、まず、生出委員がおっしゃっていた、認定は大学が出すのではないというところの整理は大丈夫でしょうかというのを、生出委員にご確認したかったのと、もう一つは、認定の資格の取得のための教育というものは、あくまでも関連学協会がある一定の基準、水準を持って定めている単位というのがあるんですけれども、それを大学側が勝手に決めるのではなくて、きちんと学協会とすり合わせをして、どこかが第三者的に認証するようなことがないと、大学が勝手にやりましたよというわけにもいかない部分は残ってしまうのかなと思ったんですけれども。

【永井良三座長】
 どうでしょうか。専門医の場合はあまり問題なくて、学協会、ほとんど大学の人が入っていますから、大学の活動がある程度のスタンダードにはなっていくわけですね。ただ、きちっとした試験等は学協会で行うわけです。ですから、大学の活動の中に、そういう専門資格レベルのことが日常活動の中で行われる雰囲気をまずつくっておいて、それに参加させるということで、資格取得の教育が自動的に行われるような、そんなイメージでとらえたのですが。

【望月眞弓委員】
 多分、北田委員とかがかかわっていらっしゃるので、いいのではないかなと思うんですけれども。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。

【北田委員】
 あまりいい意見を言えないんですけれども、日本病院薬剤師会の意見としては、「これらの」以下のところですね。それは省かないほうがいいかなというのは、望月委員の意見に賛成なんですね。実際には、協議して、それを認定資格として認めていくかどうかというのを相互で決めておけば、この辺のところ、クリアできるんですけれども、今のご意見のように、大学が独自につくられた中で単位を与えて、それを資格として使うかとなると、これ、我々、職能団体としては、多分、そのまま使うということにはならないと思いますので。

【永井良三座長】
 専門医でも、全然そういうことではありません。

【北田委員】
 ああ、そうですか。ですから、この最後の3行は、やっぱりどっかで入れておいたほうがいいのかなという気がするんですけれども。

【永井良三座長】
 でも、これはある意味で自明ということではないのですか。

【北田委員】
 薬学の領域では、自明じゃないですよね。

【永井良三座長】
 自明ではないのですか。

【北田委員】
 はい。違うと思います。

【永井良三座長】
 そうですか。 

【平井委員】
 医師の場合は、臨床活動で活動している場合が、そのまま専門医等の取得につながっていくということだから、それは自明だとおっしゃるんだと。

【永井良三座長】
 当然、資格は学協会です。大学ではない。ただ、大学はそれに見合っただけの活動をしているから、その準備状態にあるわけですね。それを言っているだけなのです。資格は当然、学協会であって、大学ではない。

【平井委員】
 その活動内容が、今までの薬学の大学院の活動を見ていますと、大学の中で研究活動をするというのが中心なので、そういうベースがまだ残っていると思うんですね。

【永井良三座長】
 資格認定も大学が与えるのですか。

【平井委員】
 いえ、そうじゃなくて、資格の要件となる活動ですよね。経験年数とかそういったものに関しては、現場での臨床活動ということがベースになっているから。

【永井良三座長】
 それは専門医も同じですが。

【平井委員】
 そうなんですけど、今までの医学部の大学院の状況と薬学の大学院の状況がやっぱり違うので、だから、今、北田先生がおっしゃった、こういうことを書いておく必要があると思われるのは、多分そういうことだと思うんですけれども。

【北田委員】
 今までのご議論の中で、いわゆる専門資格、認定資格というのは後ろに持っていくということのほうが僕はいいと思うので賛成なんですけれども、その前の生出委員のお話の中で、原文なんですが、4ページの上のパラグラフのところですね。これを読んで、イコール資格が取れるというふうには僕は読まなかったので、あんまり違和感なかったんです。
 つまり、4行目のなお書きから8行目ぐらいのところでしょうか、「協会等の認定資格の取得のための講習や研修等」というのは、これは資格を取るためには、先ほどご説明があったかもしれませんけれども、資格試験というのがあるんですね。だから、そういう試験に合格するような知識といったものを、最新の情報を学部の中で、大学院のときに教え込んでおくという意味であれば、これがイコール取得されることにはならないかなと思って、ここはあまりいじらなくてもいいのかなと僕は思っていました。
 その辺は、先ほどの行の中で少し整理されたので、もっとよくなったのかと思いますけれども、いずれにせよ、この制度というのが、まだ薬学の領域では始まったばっかりで、きちっとした、1カ所の認定機構で認定されているような制度ではなくて、いろんな学協会がそれぞれのクライテリアでハードルを決めて資格を認定しているということがありますので、それぞれの大学院の人材養成、僕、がんだけではないと思いますので。そうすると、その辺が非常に難しい部分が出てくるのかな。難しい部分といいますと、資格によって、それを取り扱っている場所が違うということになるんですね。
 ですから、それぞれとある程度歩調を合わせるような議論をしておいたほうが混乱はしない。

【永井良三座長】
 資格によって、大学でも取り扱っていることがあるということでしょうか。

【北田委員】
 いえ、学会とか職能団体で個別に専門分野を、例えば、NHTもそうですし、感染症もそうですし、がんだけではなくて、そういう専門薬剤師制度というのはいろんなところで。

【永井良三座長】
 それは、専門医でも同じです。そこの整理は必要ですが、ただ、そのことと大学院のあり方と関係するのでしょうか。
 それはむしろ学協会の問題であって、大学院のあり方の問題ではないように思うのですが。

【北田委員】
 なるほど。ただ、この大学院のあり方が2つあると思うんですね。5ページに、後で議論が出てくるはずなんですが、「入学者の質の確保」というところに1つ書いてあって、また書きのところで書いてある。こういう方も、どちらかというと、この大学院の、4年制の大学院に入ってくる対象になるということなんですよ。そうすると、専門の制度というのが、そこでかなり重要なポイントになるのかなと私は理解していたものですから、ちょっと振り出しに戻るような話をしてしまいましたけれども。

【永井良三座長】
 ですから、それは大学院の中でそういう資格が取れるようにするということをうたっておくということで、学協会の専門薬剤師の認定のあり方と大学院の教育が、そこは……。

【北田委員】
 そこは、そんなことないですね。

【永井良三座長】
 そうですね。そこまで踏み込むと、蜂の巣を突ついたような騒ぎになります。大学が干渉するのかということが起こってくる可能性がありますね。

【高柳委員】
 意見を述べると、また混乱しそうですけれども、やはり6年制の上の大学院というのは、あくまでも学位ということですよね。そこで資格という問題が出ると混乱するわけなんですけれども、「このため」というところなんですけれども、6年制の大学院で育てる人材像としては、やっぱり高度専門職業人というのがありますから、このため、関連学会とかいろいろ書いてありますけれども、「このため、専門薬剤師」と一挙に短くしたらどうなんでしょうかね、資格を省いて。「このため、専門薬剤師などの取得のための講習や研修等も、大学院の教育過程の中に」云々「教育内容として取り込む工夫も考えられる」と、こういうふうな。

【永井良三座長】
 そこで切ってしまう。

【高柳委員】
 認定資格とかなんとかという、学協会とかそういう言葉を除いて。しかし、目指すのは高度専門職業人養成ですから、「専門薬剤師」という言葉は視野に入れて、文章の中に入れてもいいんじゃないかと。

【永井良三座長】
 最後の「考えられる」の後はどうなさいますか。

【高柳委員】
 そうすると、結局そこからは、「これらの」というのは要らないということになっちゃうんですけど。全部、資格とか関連学協会とかって書いてありますので。

【永井良三座長】
 そうですね。いろいろな話が出てくる可能性があって、ないほうが無難のような気がしますね。

【平井委員】
 仕事が増えるだけかもしれない。

【望月眞弓委員】
 おっしゃるとおりの部分もあるんですが、やっぱり一番心配されていた生出委員のニュアンスは、高柳委員のご提案だと、ちょっと薄れてしまうかなと思うんですね。学協会等が認定しているんだということを、ある程度明確にしておいていただいたほうが、大学で認定をするものではなく、これはあくまでも臨床をやっていく上での専門性の高いプロフェッショナルなスキルがより身についた人たちを認定するという意味で、大学が認定するのではなく、各専門領域の学協会が認定しているというニュアンスは、私は残していただいたほうが、ごちゃごちゃしなくていいんじゃないかなと思うんですが。

【永井良三座長】
 大学院教育の中に資格認定の話が入ってきているから、いろいろややこしいのですね。そうではなくて、将来の専門薬剤師たるにふさわしい教育をすればいいわけでしょう。

【望月眞弓委員】
 そうです。

【永井良三座長】
 そこに、講習とか研修とか資格認定が入るから、どちらに権限があるのだということになってしまうので、もう少しぼかした「教育」という言葉にしておいたらいかがですか。

【望月正隆委員】
 賛成です。

【望月眞弓委員】
 うーん……。

【永井良三座長】
 もう少し踏み込んだほうがよいですか。

【望月眞弓委員】
 今、現行のがんプロフェッショナルの大学院とかが、何となく薬学領域に関して見ますと、すごくぼんやりしてしまっていて、何をどこまでどう教育し、どういう人材を出していくのかというのがあまり……、大学によってはうまく進んでいらっしゃるところもあるのかもしれないんですけれども、そこを、がんプロフェッショナル養成プログラムの走り方を見つつ反省をして、この報告書の中に書き込むとしたら、私はそこのところを落としてしまうと、結局、今のがんプロと同じような走り方になってしまわないかなというところがちょっと心配なんですけれども。

【永井良三座長】
 ですから、がんプロの薬剤師たるにふさわしい教育では弱過ぎますか。

【望月眞弓委員】
 うーん……。

【高柳委員】
 ですから、「このため、専門薬剤師などの取得のための」、専門薬剤師というのは、これは幅の広い高度専門職業人の教育ということですから、がんプロもそういったものも、個々の大学でそれぞれのことを考えてコースワークをつくっていくというか、プログラムをつくっていくということであって、あんまり厳密に細かいことまでは云々しなくてもいいんではないかなと、こういう気がするんですけれども。
 「専門薬剤師」という言葉だけでも、4年制の大学院の高度専門職業人養成という言葉がある程度触れられているんじゃないかと思うんですけれども。

【永井良三座長】
 具体的には、どんな文章で……。

【高柳委員】
 先ほど言いましたように、「このため、専門薬剤師などの取得のための講習や研修等も、大学院の教育過程の中に当該資格取得に必要な教育内容として取り込む工夫も考えられる」と、ここでおしまい。あとはもう入れないと。

【永井良三座長】
 その場合に、学協会の立場はそれでよろしいのかどうかですね。つまり、大学が少し教育内容に踏み込み過ぎてないかという意見が出るかもしれない。

【生出委員】
 吉田さんにお尋ねしたい。先ほど、1回、切ったりはったりになりましたよね。それ、1回整理してもらえますか。何か、頭が混乱してきました。

【永井良三座長】
 今のところ、非常に大事なポイントだと思います。「講習とか取得のための」というところを大学院の中に書き込むということがよいかどうかですね。誤解がなければ別によいと思うのですが。つまり、取得とか教育、講習というのは、これは学協会側の権限ではないかと言われたときに問題が起きないか。

【高柳委員】
 そういう工夫も考えられると。

【新木医学教育課長】
 ここのところは、座長もおっしゃいましたように、講習や研修を取ったものの「専門薬剤師に必要な教育を行う」という話が1つと、もう一つ、望月先生からご提案の、今後、協議をしていかなきゃいけないと。それは、もし書くとすれば、なお書きとして、そういう文章、例えば、「なお、関連学協会と大学関係者が今後どういう人材が必要なのかについて引き続き協議をしていくことが必要である」というような、それは切り離して、すみません、これは事務局のあれですが、幾つかの要素を1つの文章で入れ込んじゃったのでわかりにくくなりましたので、端的な文章、特に、今懸念の、どちらに認定資格権限があるんだみたいなところは、誤解が生じないような形で少し整理をさせていただいて、ここの2つの要素は盛り込むというようなことではいかがでしょうか。
 それから、先ほどの生出先生のお話は、質の高い教育というのは、これは一番先のところに持っていくということで、4ページ目の「積極的な連携が必要である」の次あたりに、「加えて」の「加えて」を取って、「質の高い教育」云々というのを書いて、その後ろに、「なお、6年制の学部を基礎とする大学」云々ということで、教育が考えられるというのがあって、さらに切り離した形で専門薬剤師の話、それから、なおとして、学会との協議の話というような順番でくれば、今までのお話と整合するのかなという感じがしました。

【生出委員】
 項目立てをするとき、1つ、「高度職業人の養成」というようなのがぽんとあると書きやすいですよね。そういう書き出しが1つあると。その下に、関連学協会における認定資格等が書けるんじゃないでしょうか。

【永井良三座長】
 言葉として入れておいて悪くないと思うのですが。全体をまとめる上では、そういう概念を打ち出す。既に出しているわけですね、理念の中に。
 どうですか。

【望月眞弓委員】
 細かい言葉遣いで。高度専門職業人というのを項目立てで1つ起こしてしまうと、そこ1つだけが歩き出してしまわないかなというのが心配で。6年制の上の4年制は博士課程ですので、きちんと学位取得のための研究というのが大きな柱としてあって、それと並行して、そういうプロフェッショナルな高度の専門性を持った教育も行われていくということになるので、別立てにしないほうがよろしいんじゃないかなと思うんですが。

【生出委員】
 了解です。

【永井良三座長】
 一度整理させていただいて、また後でご意見を伺うとします。

【竹中委員】
 1つだけ。
 ちょっと教えていただきたいのは、博士課程で、こういう資格取得のための講習会等に出ると、単位か何かになるまでをイメージしているんでしょうか。

【永井良三座長】
 大学院教育……。

【竹中委員】
 4年制大学院の中で、卒業するためにある一定の単位取得が必要かどうか。そして、そういう中に、講習会に出たらその単位になりますよと、こういうことを言われているのかなと、こう私、思ったところがありましたので。

【永井良三座長】
 それは医学ではないですね。

【竹中委員】
 それはそうなんですけれども、まだ薬学のその構想が見えてないものですから、私は……。

【永井良三座長】
 学協会がそういうことを評価して、この講義をもってこの講習に当てるという認定を出せば別でしょうけど、普通はそういうことはあり得ないと思いますが。

【平井委員】
 当院では、がんプロフェッショナルの修士のほうの教育をやっていますけれども、それで、必要単位には換算しないんですけれども、がん専門薬剤師の単位の講習会を年に何単位以上取るというような条件もつけたりしているので、だから、必要単位の中に組み入れるのには、またそれなりの手続が必要だと思うんですけれども、何らかのそういう附帯的な条件をつけるというようなこともあるかと思います。

【竹中委員】
 そういう疑問と、それから、これをつくってから、これからいろいろ大学院のカリキュラムを組んだり、皆さんされていくわけですけれども、その中にこういう文章があることによって、どちらでもとられて、講習会出たら何単位もらえるのと、あるいは、大学でそういうふうに使ってみたり、それは大学の自由なのかどうなのかは、ちょっと私にはわからないところがあるんですが、はっきりしないところがあるなと思って読ませていただきました。

【永井良三座長】
 どうなんでしょう。ただ、主体は、すべて学協会ですね。どこどこ大学の何とかコースでやっているということであって、しかも、それが機会均等でないといけないですね。オープンでないといけない。だれでも受講できる。

【竹中委員】
 十分理解してなくて、逆のケースで、学協会がやった講習を大学院の博士課程における単位とされるんですかという質問、1つございまして、そうすると、大学院の位置づけが、専門職といいますか、資格を取るのと一緒になってきてしまって、ちょっと違ったかなと思ったところがございます。

【平井委員】
 だから、大学が決めている大学院の単位等ありますよね。それは、あくまで大学での教育で、外での講習等はプラスアルファというような形で決めているというような形を、我々のところのがんプロではやっているんですけれども。

【竹中委員】
 単位ではないわけですね。

【平井委員】
 必要単位の中には入れてないです。ただ、そういうことを、コンセンサスが得られるのであれば、きちんと認めるようなこともあるかもしれませんけれども、やはりあくまで大学院の教育は大学の中での単位だと思います。

【竹中委員】
 言葉じりをとってすみません。認められることがあれば入るかもしれないと言っちゃうと、将来、ごちゃごちゃになってしまうんじゃないか。

【平井委員】
 その辺は、私はちょっとわからないですけれども。

【竹中委員】
 どちらかを、毅然たるっておかしいんですけれども、大学院、文科省がいらっしゃる……。

【永井良三座長】
 一般的に、大学院のカリキュラムなり教育の認定はどうなっているのですか。

【新木医学教育課長】
 基本的には、今のお話は、大学院が大学院として、うちの単位はどうあるべきなのかというのを決めて、その中に、場合によっては、ほかの大学と連携するということはあろうかと思いますが、学会とというのは、すみません、私、そういう例があるかどうか存じませんが、おそらくあんまり例がないんじゃないか。大学院同士の連携だとか、そういう形なんじゃないかなというのが1つ。
 あと、学会のほうでという話は、学会でということで、それは2つの主体がおのおの責任を持って、自分のところはこうやるということで、単位なり資格の要件を決めていただくと。その間で、それが基本にあった上での話し合いということになるんだと思いますが。

【市川副座長】
 ちょっとだけお聞きしたいんだけれども、今の部分に関連するんですけれども、最後の関連学会協会と大学関係者の定期的な云々ということ、望月先生、すごくおっしゃられているわけだけれども、結局、関連学会が出す場合に、ある意味では認証するような形で今考えていらっしゃるということが裏にあって、だからゆえにこれをやる。
 ということは、これが入っているがゆえに、ほかのいろんな大学では、こういうものを設けなければならないような感じのすごいプレッシャーを感じるんですよね、どちらかというと。
 大学院の6年制の中での目標というのは、人材養成は、さまざまにありまして、やっていますね。その中で、専門薬剤師の部分がかなり強く打ち出てきているのではないかなと感じるんですけれども、その辺、認証という言い方は悪いけれども、これ、学会が認めないと、その科目は、将来その人の何かには使えない。さっきと同じことなんですけれども、単位として使えないということになりかねないという。

【永井良三座長】
 ちょっと、大学の自治が危うくなる感じがしますね。大学のカリキュラムに対して、学協会の理事会が入ってくるわけです。杞憂でしょうか。

【望月眞弓委員】
 おそらく大学の教育は、やっぱり大学がきちんとプログラムを立案して、どういう人材養成をするのかに合わせてつくっていくべきものですし、学生さんがそれの水準に到達しているかどうかも、大学がきちんと評価をして出していく、単位は与えていくべきだと思うんで、それはそれで結構だと思うんですね。
 ただ、大学が行ったプログラムのうち、一部はもしかしたら、専門薬剤師の取得のところに使っていける時間数、何単位か講習会を受けるというのがありますので、読みかえることができるかどうかという部分は、これから学協会と協議をする部分になると思うんですが、必ずしも学協会にすべてを合わせる必要はなく、その一部として使えるかもしれないというところは、やっぱり向こうが認めるかどうかというところが関係してくるということだろうと思いますけれども。自治が危うくなるほどの問題には、私はならないと思うんですが。

【永井良三座長】
 でも、これ、気をつけてないと起こり得ると思いますよ。

【望月眞弓委員】
 そうですか。

【高柳委員】
 ですから、ここの文章の、これは認定資格の学協会との橋渡しとか何かという3行ですね。これは要らないんじゃないかと思うんですよね。大学院教育の中に、専門薬剤師を取れるような教育内容も、各大学によっては考えてもいいということであって、今、望月先生が言われたような、それぞれの趣旨に沿ってですね。しかし、それのいろいろな細かい協議の場が必要であるとかなんとかということは要らないんじゃないかと思いますけれども。

【永井良三座長】
 私もそう思うのですが。

【望月正隆委員】
 私も同じですけれども、要するに、実際には協議もしなければいけないと思いますけれども、この書類にそれを載せるのはそぐわないと思います。当然、大学院の教育の中に専門薬剤師教育も入ってくるかもしれないけれども、ここでそこまで言うことはない。あくまでも学協会の問題であって、学協会が大学院に話しかける、大学に話しかけて、大学が答えてということの問題なので、ここの問題とは違うと思います。

【永井良三座長】
 というのは、学協会というのは選挙で選ばれて、どういう人が出てくるかわからないのです。それぞれの利害もあるでしょうから、そことオフィシャルなパイプを持ってしまうということが、どうでしょうか。よいときは発展するかもしれませんが。

【望月眞弓委員】
 私も大分、それでいいかなと思い始めちゃって。ただ、実際には、ここ、学協会でなくなる可能性があるのかなと思っています。専門薬剤師としての講習、研修がそれに妥当なものであるかということを認証するのは、もっと違う組織が認証する可能性はあると思うんですね。アメリカがそうなんですけれども、BPSという第三者の認証機構があって、すべてそこが専門薬剤師の認定もするのとあわせて、各大学がプロフェッショナル教育の講習、研修会のプログラムを提供しているんですが、それは全部、第三者的なBPSというところが、どこかの学会がということではなくて、認証を出して、それだったら認めましょうという形にしているので、将来的にはそういう方向にいくということで整理をしておいていいのかなとは思い始めました。

【永井良三座長】
 現在はまだ任意団体が多いでしょうから。できたら、ここはなしで1回まとめさせていただきたいと思います。
 後の研究のところはよろしいですか。

【村上委員】
 研究の内容のところに、幾つかキーワードを入れていただいております。基本的には学問の名前が併記されていると思うのですが、苦慮されて、「治験の在り方」と書かれているところは、少し学問の名前としてはどうなのかなと思います。この間の委員会の中で、竹中委員からもお話がありましたように、レギュラトリーサイエンスか、何かそういった名前がキーワードで入ったほうがわかりやすいような気がいたしますが、いかがでしょうか。

【永井良三座長】
 「治験」という言葉は抜きますか。

【村上委員】
 抜くよりも、「レギュラトリーサイエンス」という言葉を入れていただいたほうがわかりやすいように思います。また、同じく、「個々の患者に最適な薬物療法の在り方」ですが、「在り方」をなしにして、「……薬物療法」で通じるかと思いますけれども、いかがでしょうか。

【永井良三座長】
 治験はレギュラトリーサイエンスに入るということで通じますか。

【村上委員】
 「など」でくくっていますので。いかがでしょうか。

【永井良三座長】
 治験学というのがあるわけでもないですけど。よろしいですか。もし、そういう理解であるということであれば、「レギュラトリーサイエンスなど」ということで、「治験の在り方」を除くと。それから、「個々の患者に最適な薬物療法なども課題として考えられる」。この辺で大体カバーされているかと思いますが。
 いかがでしょうか。これだけ挙がっていれば、相当深いサイエンスから実用化研究までカバーされているように思いますが。もしご意見あれば、また後ほどお願いいたします。
 (2)の「教育研究組織の在り方」についていかがでしょうか。

【望月正隆委員】
 今、ちょっと意味がわからなかったのは、(2)の一番最後の「学生への教育活動に対する評価」、これはどういうことを意味しているのでしょうか。

【新木医学教育課長】
 これは、先日ご議論いただいたときに、学生の論文を書いたりとか、論文指導だとか、そういうのも評価すべきというご意見があったかと思いまして、それを踏まえて書きましたが、ちょっとあれでしょうか。

【望月正隆委員】
 「学生への研究指導」と言ってはいけないですか。教育活動というのは非常に広過ぎて、どういうことまで含むのかというのは、逆に見えなくなるおそれがあるという気がするんですが、いかがでしょうか。

【永井良三座長】
 そうですね。「学生への教育や研究指導に対する評価」ということでしょうか。

【望月正隆委員】
 そうですね。活動というと、違う意味にとられる可能性があります。

【永井良三座長】
 教育や研究指導。
 よろしいでしょうか。

【市川副座長】
 私、前回出なかったので、これ、もう議論が終わっているのかもしれませんけれども、その上のところで、「各大学院の教育内容に応じて弾力的な取扱い」というところの各大学院というのは、上のほうは、6年制の学部教育において実務家教員の扱いでは異なるためと、こう来ていますね。ということは、6年制の各大学の大学教員という理解で、4年制を対象には、例えば、実務家教員が何かのことで4年制に入るとか、そういう意味での各大学ではないんですね。各大学の大学院という意味で、それぞれ特徴があることをやっているなら、そこでの使い方は自由に考えてくださいと、そういう意味でよろしいわけですか。

【吉田薬学教育専門官】
 はい。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。
 もしご異議なければ、(3)の「入学者の質の確保」のほうへ進みたいと思います。
 ここでは、前半は比較的普通のことを言っておりますが、後半で昼夜開講制とか社会人特別選抜、夜間大学院とか、少しこの辺で社会人育成ということを強調しているようですが、いかがでしょうか。

【望月眞弓委員】
 (3)の2行目なんですが、「高度な専門性や優れた研究能力を備えた入学者を確保する」というところなんですが、最初からこのレベルの人ではなくて、もしかしたら、ここの大学院で受け入れた人がこのレベルになるというニュアンスももう少し持たせたほうがよろしいのかなと思ったんですが。

【永井良三座長】
 どんな表現がよろしいでしょうか。

【望月眞弓委員】
 「研究に対して意欲がある」とか、「将来そういうふうになるだろう可能性のある」とか、そんな書き方かなと思うんですけれども。

【永井良三座長】
 専門性というのは、時間がたたないと身につかないですね。ただ、すぐれた研究能力というのは、これは潜在的なものですから。年齢とも違って、また意欲だけでもないですね。

【新木医学教育課長】
 そうしたら、「身につけ得る」とか「修得し得る」というような可能性のある言葉を入れた形で修文をするということでいかがでしょうか。

【永井良三座長】
 あるいは、「高度な専門性を目指し、潜在的に優れた研究能力を有する入学者を確保する」とかですね。初めから達成している人を集めるというわけではないということですね。
 よろしいでしょうか。
 それでは、(4)の「修了者の進路先の開拓・確保」について、ご意見いただけますでしょうか。「その他」まで含めてご意見いただければと思いますが。

【生出委員】
 「その他」なんですが、唐突に、「薬学系大学院についてもその目的にかんがみ、外部の」って、何もなく出てくるんですが、多分、「6年制学部教育における第三者評価と同様に」というような言葉が入るのかなと思ったんですが。

【永井良三座長】
  「も」のもう一方は何かということですね。これは、学部教育だけではなくて、大学院教育についてもということですね。そうすると、これは薬学部だけでなくということですか。あるいは、もう「薬学系大学院は」としちゃうか。

【吉田薬学教育専門官】
 そっちのほうがいいかもしれないですね。

【永井良三座長】
 そうですね。もう「は」だけで。
 ほかにいかがでしょうか。もしご意見なければ、最後の「おわりに」をお目通しいただければと思います。
 特にご意見ございませんでしょうか。

【竹中委員】
 今後の予定をお教えいただきたい。ここで新しい大学院のあり方ができました。そして、大学院をこれから設置しようという大学を集めたりされるでしょう。下のほうに書いてある「将来に向けた課題については逐次検討を行うことが必要である」と。これとはどんな関係になるんでしょうか。
 文科省におかれては、大学からのご提案があれば、それは個別に認可されていくことなのか。あるいは、大学院の申請が出されたものについて、全く新しい形をつくろうとされているか。お教えいただきたいと思います。

【吉田薬学教育専門官】
 今後の日程ということでございますけれども、まず、この4月には、新しい4年制の学部の上に置かれる2年制の修士課程、これの設置が行われるための手続がなされます。実際の設置というのは、再来年度、平成22年度からになりますので、前年である21年度にその手続をします。その手続については、ほとんどの大学において既に大学院を備えておりますので、ほとんどが届出という扱いになろうかと思います。
 その上の6年制の上に置く4年制の博士課程と、今申し上げた4年制の上の2年の上の3年制の博士課程、これについては23年に手続をしていただいて、24年に設置をするということになりますので、今、竹中委員がおっしゃられたように、実際に、6年制のほうは特に、まだスタートしてございませんので、ここに書かせていただいたものというのは、実際にスタートしてから、さまざまな問題が出てきたときに、やはりその実績を見た上で、それぞれの課題というものを検討していく必要があるのかなということで、ここには書かせていただいたということでございます。
 それと、そのちょっと上の部分で、「このため」ということで、中教審のほうで、現在、大学教育全体のことについて議論をしてございますので、そこの中で、薬学というものに限らず、全体の大学院教育のあり方といった議論がなされてございますので、そことの関連というのも見ながら、今後の対応というものも考えていかなきゃいけないのかなと、私どもとしては考えているところでございます。

【高柳委員】
 ただいまお話しになったようなスケジュールで、4月から届出ということですが、いわゆる理念というのはこの報告で明確になっているわけですけれども、実際の運用上の問題点について確認したいんですけれども、1つは、6年制と4年制を併記している。国公立は全部、あと、私立の一部が並立しているわけですけれども、そういうときに、当然、4年制のほうに、いわゆる基礎薬学的な教員を配置するということになりますけれども、前にも議論が出ていましたように、6年制のほうを出て薬剤師を取って、その後、基礎研究にいきたいというときには、実際に具体的に、この間も議論がありましたけれども、6年制のほうから薬学科のドクターのほうに、基礎系は教員がもう4年制の上に配置されていますので、そちらに行けるのかどうか、その辺のところ、もう一度確認したいということです。

【吉田薬学教育専門官】
 行けるのかどうかというのは、学生がということですか。

【高柳委員】
 そうです。進学できるのかどうかということです。

【吉田薬学教育専門官】
 これまで、何度かそのご質問をお受けしておりますけれども、まず、もう一度きちっと整理をしておきたいんですけれども、6年制の学部というものを出たことをもって、即4年の上の3年の博士課程に進学することができるということではないということは、まずご理解いただきたいと思っています。ですから、6年制を卒業した者が、4年の上の、いわゆる薬科学と言われるものの博士課程に行くというものは、言葉の使い方だと思いますが、非常にまれと思っていただくのが一番適切なのかなと思っています。
 ですから、そういう意味合いでは、行けるか行けないかということだけを問われるとすれば、行くことは可能ですけれども、そこをただ安易に、4年間ではなく3年間というような形で、期間を短くするためにそちらに行かすというような形はやめていただきたいと、まずは思ってございます。
 ですから、ちょっと答えになってないのかもしれませんが、そういった注意すべき点というのが多々ございますので、そういったところを踏まえた形で、どういった学生を受け入れるかというところは各大学院の判断にゆだねられているのかなと私自身は思ってございます。

【高柳委員】
 これ、いわゆる4年制と6年制の大学院に教員を併置している場合、どういうふうに配置するかと、もう最初のスタートのときから問題になるだろうと思うんですよ。4年制の上に、従来の創薬科学系の基礎系の教員を配置すると。あと、6年制のほうに、どちらかというと臨床薬学的な教員を配置するということになって、博士課程の教員は兼任できないということでよろしいんですね。

【吉田薬学教育専門官】
 カウントは、6年の上の4年のドクターと、4年の上の3年のドクターで1回しか専任教員としてカウントできませんので、その点をお間違えなければいいと思います。

【高柳委員】
 1回というのは……。

【吉田薬学教育専門官】
 専任教員の数としてカウントできるのは1回ということです。

【高柳委員】
 実際に、今言ったような具体的な例でいいますと、6年制を自分の大学で卒業して、基礎研究、創薬科学系にやりたいというときには……。

【吉田薬学教育専門官】
 研究指導自体はできないわけではないです。研究指導することはできます。

【高柳委員】
 そういう運用上の、当初、書面に出ていたというのは、そういうふうな使い方でいくと。

【吉田薬学教育専門官】
 はい。

【高柳委員】
 わかりました。
 それと、もう一つ、医学系では、6年制の医学研究科のところに、マスターですか、他学部を出て、修士の大学院というのがありますよね、入ってきて。そして、それを卒業すると、今度、医学系の4年制の博士課程に進学すると。これは、薬学でもそういうことはあり得るんですか。例えば、6年制単独の大学で、4年制の修士課程だけをつくると。4年制学部はないんだけれども、修士課程だけをつくるということは。

【吉田薬学教育専門官】
 それも、各大学がどうお考えになるかということですけれども、制度上、独立専攻というものを設置することは可能でございますので、各大学の中で、十分な教員配置なり、体力というか、そういったものがあれば、そういう構想も考えられるのではないかと思っています。

【永井良三座長】
 もしよろしければ、全体を整理してみたいと思います。「はじめに」のところは、特にご意見ございませんでしたね。2ページの「1.薬学教育の現状」のところで、2行目、「開発」の後に、「開発・情報提供等に従事する」ということだったと思います。
 それから、同じく2ページ目の下から7行目、「創薬科学等を中心とした」ではなくて、「創薬科学等をはじめとする薬学領域における研究者の養成」と。「中心」を「はじめとする」と変えると。
 それから、3ページ目の○ですが、6年制の云々のところ、一度文章を切って、3行目で、「主たる目的である。」にして、「したがって、幅広く医療関連分野で活躍できる」という形にする。
 そして、4ページ目、これが整理、間違っていたらご指摘ください。
 まず、上から2行目、3行目は削ると。「連携が必要である」で削って、中段の「加えて」を取って、「質の高い教育を行うために必須となる研究面においても」ではなくて、「おいては、科学性」とずっときて、「薬物のトランスレーショナルリサーチ、」、その後の「治験の在り方」を取って、「レギュラトリーサイエンスなど」。でも、ここで「など」がつくとおかしいですか。「医療安全、医療経済」……、「など」は要らないですね。「レギュラトリーサイエンス、医療安全、医療経済と薬物療法などの臨床に密接な課題だけでなく、さまざまな疾患における薬物動態、薬物の有効性や有害事象の発現機序、個々の患者に最適な薬物療法なども課題として考えられる」と。この段を上に持っていく。そこから、「なお、6年制の学部を基礎とする大学において」云々で、3行目の「治験・臨床開発の従事者などが考えられるため、それらに関連した教育が実施されることも考えられる。このため」、ここからがちょっと議論あって、私なりの整理ですと、例えば、「このため、専門薬剤師を目指す教育も大学院の教育課程の中に取り込むことも考えられる」。「これらの認定資格」のところは3行削ってしまう。とりあえず、私なりの理解の整理でございますので。
 それから、5ページ目は、(2)の最後のところ、「学生への教育活動」のところを「学生への教育や研究指導に対する評価などが重要と考えられる」。
 それから、(3)の2行目、「高度な専門性や優れた研究能力を備えた入学者」ではなくて、「高度な専門性を目指し、潜在的に優れた研究能力を有する入学者を確保することが重要である」。
 それから、6ページ目の(5)「その他」のところですが、「薬学系大学院についても」は、「薬学系大学院は」。
 ほかに、お気づきの点ありますでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 2ページ目の大きな項目の2の中段に、臨床薬学と医療薬学というのを併記すると。

【永井良三座長】
 そうですね。ここは併記ですね。「臨床薬学・医療薬学に関する教育研究を行うことを主たる目的とする」と。
 いかがでしょうか。
 橋田先生、ちょっと席をお外しになられている間に、4ページ目のところが大分議論がございまして。

【橋田委員】
 今、伺いまして、特に専門薬剤師のところが、精神はきっちり残していただいて、しかし、非常にシンプルになっているということでよろしいんじゃないかと思いますけれども。

【望月正隆委員】
 今の修正の部分ではないのですけれども、またもとに戻るかもしれませんが、「入学者の質の確保」というところで、定員の設定ということは何も触れてはいないんです。これについてはここに記す意味はないんでしょうか。ある程度読むと、いろんな形で、社会人も入れるとか、いろんな人も入れる、夜間も入れるということは、定員をある程度自由に設定しなさいという雰囲気に聞こえますが。

【吉田薬学教育専門官】
 ここの部分ですけれども、3ページ目をごらんいただければと思います。3ページ目の2の上のほうになりますけれども、3の上の下から3行目のところに、「社会的要請等を踏まえた入学定員の設定を含め」ということで、ここの部分で、大学院をきちっと考えていただきたいという文章の中に、入学定員の設定についてもきちっと考えていただきたいということを触れさせていただいてございますので、あえて入学者の確保というか、そちらのほうではその部分は触れてないという状況でございます。

【望月正隆委員】
 定員をきちっとというのは、なかなか意味がとりにくいと思います。入学定員をきちっと決めなさいということをおっしゃっているということですが、どういう意味のきちっとなんでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 きちっとというのは、各大学が社会のニーズを適切に踏まえて、あるいは、各大学のどういった人材を養成するかというような点を踏まえた上で、必要となる入学定員がどれだけになるのかということを考えていただくという意味で、この辺の表現を書かせていただいてございます。

【望月正隆委員】
 はい、ありがとうございました。

【永井良三座長】
 何か、ほかにご意見ございますでしょうか。

【橋田委員】
 申しわけありません。ちょっと細かいことを再度取り上げて申しますけれども、1つは、3ページの8行目のところで、「国際的通用性」という言葉に前からちょっとこだわってはいたんですけれども、こういう言葉、通用性があるという言葉があるかという感じがちょっとございます。「国際的に通用し、信頼性のあるもの」とかのほうが文章としては自然だと思うんですが。性質、性質で併記するかというところが、ちょっとご検討いただきたい。

【永井良三座長】
 そうですね。「国際的通用性」というのはあまり聞きなれない言葉ですね。「国際的に通用し、信頼性のあるものとする」と。よろしいでしょうか。

【橋田委員】
 それと、もう1点、よろしゅうございますか。
 「おわりに」のところの1行目でございますが、これは事実を書いていただいたということですが、「限られた時間の中で」というあたりも少しひっかかるんでございますが、これはやはり事実としての記述があったほうがいいのか。条件ではありますけれども、現実には十分な議論を経てと思いますと、必ずしもエクスキューズは要らないかなとも思いますが、いかがでございますか。

【永井良三座長】
 ちょっと言いわけがましい。ここを取りましょうか、「限られた時間の中で」。

【橋田委員】
 座長、これの第一次報告(案)の日付は何日になるんですかね。

【吉田薬学教育専門官】
 一応、今日付というふうには考えているんですけれども。本日、かなりご意見をちょうだいしたので、先ほど、座長にご発言いただいた部分等々、もう一遍こちらで整理をさせていただいたものを皆様方にもご確認いただこうかとは思ってございますけれども。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。大筋はこんなところで、あとは、今日ご発言いただいた、また、ご意見おありの先生方に、個別の問題についてフィードバックさせていただいて、最終的に取りまとめということにさせていただきたいと思いますが、最後のところは、申しわけありませんが、座長一任ということでよろしいでしょうか。行き違いのないように十分注意いたしますので、よろしくお願いいたします。そして、そこでまとまりましたものを、第一次報告ということで文部科学省に提出するということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 そうしましたら、一応これで第一次報告ということで、文言の修正はあるとしましても、ここで何か手続をしておく必要はあるのですか。

【吉田薬学教育専門官】
 報告書の手交ということでお願いできますでしょうか。

【永井良三座長】
 それでは、まだ文言の修正はあるかと思いますけれども、本日の日付をもちまして、薬学系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告としてお渡ししたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

(永井良三座長から戸谷審議官に第一次報告を手交)

 

【戸谷審議官】
 どうもありがとうございました。
 一言よろしいでしょうか。このたびは、第一次報告につきましてお取りまとめいただきまして、まことにありがとうございます。先ほど、本文中からは削られましたけれども、まさに限られた時間の中で、4回にもわたり精力的にご議論いただきまして、まことにありがとうございます。これをもちまして、大学院教育の基本的な考え方、あるいは具体的方策についてお取りまとめいただいたということで、先ほども事務局から申し上げましたように、今後、新6年制、あるいは新4年制の学部の上に立った大学院につきまして、各大学にもこういう考え方をお示しし、具体的に大学院の内容について準備を進めていただくということが可能となったということで、まことにありがとうございます。
 今後とも、薬学教育の改革のあり方につきましては、今回は当面、大学院が非常に急ぐということで、まず初めにご審議いただいたわけでございますけれども、学部教育も含めまして、薬学教育の改善・充実のあり方につきましては、引き続きこの場でご議論いただきたいと思っております。
 それから、あと、最前からも申し上げておりますように、今、中央教育審議会におきまして、中長期的な大学教育のあり方についてということでいろいろ議論が進んでおりますので、その中で学部教育、あるいは大学院、両方ともいろいろ議論が進んでおります。その中の1つの重要なキーワードが、質の保証というのが重要なキーワードになっておりまして、こういった審議につきましても、今後、こちらのほうにも適宜ご報告させていただきながら、薬学教育の今後の改善・充実につきまして、引き続きご審議をお願いできればということでございます。
 とりあえずそういうことでございまして、ほんとうにこれまでのご審議ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

【永井良三座長】
 では、予定の時間になりますので、これで終了とさせていただきます。
 最後に、事務局からお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 本日は、どうもありがとうございました。
 次回の会議につきましては、こちらからまた追って連絡をさせていただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。

【永井良三座長】
 では、どうもありがとうございました。

お問合せ先

高等教育局医学教育課

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