資料1 医学教育カリキュラム検討会(第4回)概要(案)

議事

地域や診療科に必要な医師を養成・確保するための方策について下記関係者にヒアリングを実施。

1.榮木実枝(東京大学医学部附属病院看護部長)
2.坂本哲也(帝京大学医学部附属病院救命救急センター長)
3.小島卓也(大宮厚生病院副院長)
  大久保善朗(日本医科大学精神医学講座教授)

 

 

第4回の主な意見

(チーム医療を担う医師の養成、看護の立場から医学教育に求められること等)

・医学部臨地実習の実施について、他職種への周知・連携が不十分。実施期間や指導教官等が不明であり、到達目標や評価の有無についても他職種からは分かりにくいのが現状。

・実習にチーム医療を積極的に取り入れ、どんな職種の人間が病院にいてどんな役割を果たしているかを実感として学ぶべき。医学部臨地実習において看護実習を取り入れる大学が増えており、こうした取組はチーム医療の学習に効果的である。

・例えば、特に患者を介護するという行為などは看護から技術指導を受けるべきであり、また時期は入学当初の早い時期がよい。

・チーム医療教育の観点から看護体験実習を行うことは効果があるのではないか。

 

 

(救急科の現状、医学教育に求められること等)

・いわゆる「たらい回し」については、救急医療制度自体の構造的な問題であり、需給バランスが狂った状態である。

・システム全体を考える上で、まず医師の数を増やすべきであり、かつすべての医師が救急医医療を最低限できるようになることが必要。

・例えば、身体的特徴やバイタルサインの把握、重要度と緊急度の判断ができる、また、手技もシミュレーション等で十分に訓練を重ね実際の患者での経験を積むなど、学生時に高いレベルまで習得しておくべき。

・年間の救急車搬送の患者数は約490万件であり、救急科専門医は約2850人となっている。このことからも全ての医師が救急科専門医でなくても、最低限の救急医療ができるような教育を行うべきである。

 

(精神科の現状、医学教育に求められること等)

・精神疾患についての考え方・位置づけが重要であり、また、精神障害者に対する偏見の問題、全人的医療の態度など、しっかりその教育がなされる必要がある。

・自殺死亡率は、欧米と比較しても非常に高く、日本はロシアの次ぎに位置し、その原因は精神疾患が75%となっている。また、心の病気は生活の支障が最大の原因でかつ自殺の背景にあるということも学生時に教育すべきである。

・精神障害者に対して、多くの者は近づかない、離れようとする方向にいくことがある。しかし、こういう偏見に対してそれを除去しようとする教育は特に卒前では非常に重要である。

・学生が医師と患者になって、ロールプレイングを通じて精神疾患を学ぶことは有効である。

・医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて、病因と病態の中に「心理社会的病因」を、診療の基本の中に「症候・病態からのアプローチ」の項目が必要ではないか。

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