モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会(平成27年度~)(第2回) 議事録

1.日時

平成28年6月15日(水曜日)10時00~11時40分

2.場所

文部科学省(中央合同庁舎)6階 6F3会議室

3.議題

  1. 調査研究チームの検討状況について
  2. その他

4.議事録

【前田委員長】  それでは,定刻になりましたので,モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会を開催いたしたいと思います。本日は,歯学教育に関して集中的に議論を行いたいと思っております。
まず,議事に入る前に,事務局の方から委員の出欠状況,並びに配付資料について御説明をお願いいたしたいと思います。
【佐々木企画官】  医学教育課の佐々木でございます。恐縮ですが,座ったまま資料の説明等をさせていただきたいと思います。
まず,本日の出席状況でございますが,お手元の参考資料1をごらんください。参考資料1が本委員会の委員名簿でございますけれども,歯学教育関係の委員は全員,御出席いただいております。なお,前回,3月30日の会議の際に,歯学と医学はできるだけお互いクロスするような形でという御指摘を頂いたことから,本日は医学教育の専門研究委員会委員長の齋藤先生にも御出席をいただいております。
続いて,配付資料について御説明いたします。議事次第を外していただきますと資料1がございます。この後,嶋田先生から御説明があるかと思いますけれども,資料1は,歯学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた歯学調査研究チームの検討状況の資料でございます。
続きまして,資料2,これも同じく,嶋田先生から後ほど御説明,御紹介があるかと思いますけれども,資料1に基づいて,今どのような作業が進んでいるのかという資料でございます。
また,資料3でございますが,こちらも嶋田先生から後ほど御紹介があるかと思いますけれども,先ほど申し上げましたとおり,今回の改訂におきましては,歯学と医学をできるだけ関連付けながら改訂を進めるということでございますので,歯学調査研究チームリーダーの嶋田先生と,医学調査研究のチームリーダーの北村先生と合同の打ち合わせを行っているところでございます。4月19日,すなわち3月30日の合同会議を踏まえて打ち合わせをいたしましたので,その際の論点整理ペーパーが資料3になります。
次に,資料4でございます。これも嶋田先生に御用意いただいた資料でございますけれども,具体個別の歯学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた検討事項を整理いただいたペーパーになっております。
この資料4を受けて,資料5の現行モデル・コア・カリキュラムの改訂作業を現在行っていただいているところでございますが,委員の皆様のお手元には,この資料5を基に机上資料1として,見え消しの形で現在の検討状況を書き下ろした資料がございます。
次の資料6でございますが,本改訂は年度内に行いたいと考えておりますので,今後のスケジュールの案でございます。
参考資料1が,先ほどごらんいただきました委員名簿になります。参考資料2でございますけれども,これは3月30日の際にも御紹介いたしましたが,来月,7月27日に医学・歯学教育指導者のためのワークショップを文科省主催で行う予定でございますので,その実施要綱がございます。
事務局からは以上でございます。なお,参考資料1,もう一度ごらんいただけますでしょうか。参考資料1に委員名簿をお配りしておりますけれども,今年4月に厚生労働省の人事異動に伴いオブザーバーの変更がございましたので,御紹介いたします。厚生労働省医政局歯科保健課長に着任されました,田口円裕課長でございます。
【田口歯科保健課長】  田口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【佐々木企画官】  また,本委員会の委員長は,前回ありましたとおり,前田健康委員でございますので,引き続き,この後の進行は前田先生にお願いしたいと思っております。事務局からは以上でございます。
【前田委員長】  ありがとうございました。過不足等,よろしいでしょうか。
それでは,早速議事に移りたいと思います。本日は,議事次第にございますように,調査研究チームの検討状況について,御議論いただきたいと思います。
まず,調査研究チームのリーダーを務められています嶋田委員の方から,現在の検討状況について御説明いただき,その後,委員の先生方から御意見を賜りたいと思います。
それでは,嶋田委員,お願いいたします。
【嶋田委員】  調査研究チームのチームリーダーの嶋田と申します。よろしくお願いいたします。
早速,資料1をもとに2,3,4を行ったり来たりするかもしれませんけれども,検討状況を御説明いたします。連絡調整委員会が3月30日にありました。ちょうど私と北村先生は欠席しましたが,それ以降の検討状況をここにまとめてあります。まず4月19日,これは第2回の調査研究チームの会議を開催いたしました。ここでは何を議論したかといいますと,まず,どういった基本方針で改訂をするのか,それから,資料3,医学と歯学のそれぞれのチームリーダーでどのような論点整理を行ったか,さらに,改訂の作業の項目ごとの担当を決めたということです。資料2の基本方針,論点整理を基に作業を開始しました。
そこで,いろいろなところに意見調査を行いました。それは前回の平成22年の改訂と同様に,全国の29歯科大学・歯学部,日本歯科医学会の専門分科会・認定分科会,共用試験実施評価機構CBT委員,OSCE委員を対象に,今回の改訂に向けた意見調査を行いました。さらに論点整理や基本方針,これらの意見を基にそれぞれの担当を決めて,改訂を行いました。そして,5月30日にまず第1案――委員の方は机上資料1になりますけれども,5月30日に調査研究チーム会議を開催いたしまして,机上資料1の原案を検討いたしました。
それは,コンセプトとしては後で御説明しますけれども,資料1を基に検討事項を議論いたしました。医学の調査研究チームリーダーである北村先生も御出席されておりました。そこで,後で申し上げます準備教育とか,そういったところの検討状況もお聞きしたということであります。その後,6月7日に医学と歯学のチームリーダー,厚生労働省,文部科学省等が集まりまして,今回の準備状況を検討し,本日に至ったということであります。
それでは,資料2と資料3を並行してごらんください。まず,基本的な方針とはどういうものか。今回は医学と連携を深めながらやるのであるということでありますから,基本的なキャッチフレーズ,コンセプトですね,これは資料3をごらんください。1番目に,コンセプト(キャッチフレーズ),これは3月30日の合同会議,当日は泉委員だったと思いますが,泉委員が言われました「多様な医療ニーズに対応できる医師・歯科医師の養成」ということで,おおむねこういったことの合意が得られましたので,こういったことを基にいろいろな社会条件も含めて改訂をやるということであります。
そして,資料2に戻っていただいて,「医師,歯科医師に求められる基本的な資質」というものがあります。今日は,後で説明しますけれども,資料5の11ページをごらんください。そこに「歯科医師として求められる基本的な資質」というのがあります。これが,今回どのようにやるかということを議論しました。ここにいろいろな記載がありますけれども,これも,やはり医師も歯科医師も同じ医療人ということで,求められる資質はほぼ同じであろうということのコンセプトを基に,医学チームと歯学チームが合同で大体同じようなものを作っていくと,共通な認識でやっていくということがあります。
そして,資料2に戻っていただきまして,総量のスリム化です。全ていろいろな要望を取り入れるわけにはいきませんので,1増1減の方針を基にスリム化していく。これは,前回の平成22年度の改訂のときも同じようにやってまいりました。
次が,準備教育の取扱いです。これについては資料3にも記載がありますけれども,本論点についてはいろいろ見直し,削除の論点提示がありました。3月30日もいろいろな御意見を頂きました。全体的に準備の位置づけのままでいいのか。または,本体に組み入れて,改訂案に含み入れた方がいいのか,まだ結論は得ておりません。ですので,部分的には共通のもの,部分的には,例えば歯学にとっては物理学的なものは入れた方がいいのではないかとか,いろいろ議論があります。そういったことを共通,または非共通ということを分けて今後検討していくということで,これも医学と連携をとりながらやりたいということであります。
次の5番目,資料2に記載がありますけれども,アスタリスクの取扱いです。これも資料5をごらんください。例えば29ページあたりを開いていただきますと,いろいろなところにアスタリスクの記載があります。アスタリスクというのは,医学のモデル・コア・カリキュラムと歯学のモデル・コア・カリキュラムで少し取扱いが違っておりました。例えば,共用試験実施評価機構で行うCBTの試験問題内容は,こういったアスタリスクをもとに作るとか,作らないとか,そういったことでありました。けれども,今回は,やはり共通の取扱いにするということで,現在の案としては,このアスタリスクを付けないということで,今医学のチームリーダーとの話し合いでなっております。
それから,いろいろな医療事情,社会事情にありまして,地域包括ケアシステムが今キーワードとなっております。多職種連携とか,在宅医療とか,いろいろな社会状況,超高齢社会など,こういったことは歯学だけでなく,医学との共通な項目として,今後取り組んでいくということで,歯科医師もチームの中の医療人として取り組んでいくということで,医学との共通項目として挙げております。
それに対して,歯学の個別の事項です。基本事項としては,やはりここに記載の疾病構造の変化を踏まえた修得すべき基本的な項目をもう一回,再整理しましょうということで,例えば全身疾患と歯科医療や口腔状況の関連について,こういったことはしっかり書き込んでいくということであります。
それから,今よく言われているのは,診療参加型臨床実習,これについてはいろいろ問題を抱えておりますので,その水準を変更していかなければならないということです。そして,臨床実習を開始する前に,シミュレーション教育とか,基礎実習とか,模型実習とか,いろいろなものを今各歯学部で行っております。それについての到達目標がまだ不明瞭であるということが言われておりましたので,それを今回はE領域に入れ込んで,そしてF領域の臨床実習に行く前にしっかりこのつながりを出すということです。
あとは,4番目として,コアカリ,歯科医師国家試験の出題基準,それから,臨床研修と,こういったところのつながりがないと駄目だということは,厚生労働省の歯科医師国家試験の検討会議でも言われておりますし,いろいろなところから指摘されております。だから,ここはしっかり整合性を保つというところで基本方針があります。
あとは,今回改訂するモデル・コア・カリキュラムを来年度,英訳して世界に発信する予定です。それについて,用語の選定も含めて表現を意識して作るため,医学と歯学との個別の基本方針を作りました。
裏面が,先ほど最初に申し上げました,現在大まかに合意が得られている医学と歯学の共通のキャッチフレーズ,コンセプト,「多様な医療ニーズに対応できる医師・歯科医師の養成」,次にいろいろなコンセプト,倫理観とか,医療安全とか,地域包括ケアシステムとか,こういったキーワードを盛り込んで,今回の改訂に取り組みました。
資料3に行ってください。今3までお伝えしましたけれども,全体の構成については,裏面を見ていただければ,いろいろなところの学問的な積み上げとか,いろいろなことを見える化し,見えるように検討していくということであります。
それに関連して,5番目は今お伝えしました,国家試験,臨床研修,専門医,生涯教育との一貫性,これらをしっかり関連性のあるものとして改訂するということです。
それから,6番目は,先ほど申しました診療参加型臨床実習を推進するということで,これも医学の方では既にグローバルスタンダードでもありますけれども,歯学の方ではまだグローバルスタンダードのモデル・コア・カリキュラムはありません。ただ,国によっては,アメリカのようなところでは,コンピテンスベースでしっかり書き込まれておりますので,そういったことを意識して今後作っていくということであります。
あと,7番目はいろいろな学会との関係です。コアカリと学会,大学,そういったところのつながりをどうしていくかということで,いろいろな学会からの情報提供について検討する。日本歯科医学会の専門分科会・認定分科会から御意見を頂いて,今検討をしている最中であります。
そのほかの項目として,8番目と9番目があります。その他,地域包括ケアといった潮流を踏まえて,薬剤師,看護師などの教育実態の共有,それから医学,歯学の学問体型と別に,新規に盛り込むべき案件の選別,こういったところも検討すべきということで,これについては文部科学省を中心に並行して論点を検討していくということであります。
こういった資料2,資料3に基づき,改訂作業を行いました。今回,机上資料1では検討事項で今見え消しでありますけれども,どのようなコンセプトでこれを改訂していくか,具体的な項目を少し挙げて御説明をいたします。資料4をごらんください。
1番目,基本コンセプトは,先ほど申した記載のとおりです。括弧書きのことをコンセプトとして検討をいたしました。A,B,C,D,E,Fと領域があります。これは手持ちの机上資料1と資料5をごらんください。A領域というのは基本的な項目であります。ここはいろいろな歯学教育に関する基本的な項目を盛り込んであります。どういったことを今回のコンセプトで改訂していくか,倫理,医療安全,チーム医療とか,こういった内容をしっかり盛り込んでいく方針です。
それから,前回の改訂では研究マインドの涵養という記載がありました。今回の議論では,これはどうすべきか。机上資料1では削除してありますけれども,5月30日のチーム会議では,これはやはり残すべきだという意見が多くありました。ただ,倫理の中では,いわゆる医学の倫理と研究倫理と二つに分かれますので,この研究倫理についても,やはりどこかに記載すべきではないかということで議論が上がっております。
それから,B領域,社会保障,これは国際的な公衆衛生や医療制度の変遷に鑑み改訂をいたしますので,いろいろな社会保障,医療制度の変遷に対応して記載をいたしました。その中で個人識別とか,死因究明とか,虐待,こういったこともしっかり検討しなければならないということです。後で少し説明いたしますけれども,こういったことをどうするか。個人識別はどういうふうに記載をやるか。死因究明については,こういった言葉をモデル・コア・カリキュラムに入れるべきかどうかということを文部科学省が中心に調べ,検討するということになりました。そのほか,多職種連携とか,地域包括ケアシステムといったキーワードも今回は入れるべきだということです。特に地域包括ケアシステムについては,A領域は基本項目,患者中心のチームというところに記載がありますけれども,そこに多職種連携,B領域というのは,社会と歯学といったところですけれども,そこに地域包括ケアシステムということをしっかり書き込んでいくということで,検討をしております。
C領域は,いわゆる基礎の項目であります。これは臨床実習に行く前に全身的な基礎をしっかり学ぶということです。臨床実習につながるような全身的な基礎をしっかり学ぶということを意識しまして,今回改訂をしております。これは様々な学会からのアンケート,先ほど申しました意見調査をもとに全体として網羅して,反映しております。今回のコンセプトに合わせていろいろな新しい項目も追加いたしましたけれども,内容的な,文章的な矛盾点も整理をしたというところであります。後で見ていただければよいですが,今までいろいろ括弧書きがありましたので,そういったことはできるだけ削除して,文章そのものも再検討していくということであります。
このC領域にはいろいろ,E領域,臨床歯学と重複するところがあります。例えば感染の問題とか,いろいろなところが重複するところがありますので,まず基礎のところでしっかり学んで,臨床歯学でも学ぶべき場合は両方に記載する,片方でやるべきことは,片方でやるというふうに,今回整理をしている最中であります。
それから,D領域というのは材料とか器械のところです。これは,意見調査の結果の反映をするということと,やはり医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律がありますけれども,これを意識して医療機器の定義を明示した上で,その上で材料と歯科の器械の説明を記載するということです。これは,かなりコンパクトに既にまとまってはいますが,こういったところを意識して,医療機器も含めて今回しっかり書き込んでいくというコンセプトであります。
E領域はいわゆる臨床歯学教育であります。ここは非常に多くのものを含んでおります。ここは超高齢社会,健康長寿社会などの現在の社会状況を意識していろいろなものを臨床教育として書き込んでいくということで,今作業をしております。全体的には,コンパクトにまとめた部分,重複したことをまとめた部分と,少し追加した部分があります。後で,項目ごとに説明する時間があるかと思いますけれども,臨床実習開始までに今回,新たに書き込んだことが基礎模型実習を含めた技能教育に関する学修目標で,これをしっかり書き込んであります。
臨床実習開始前に技能と態度を評価する試験OSCEがありますが,OSCEの領域をちゃんとカバーできているかどうか,これを検討しております。そして,各実習の到達項目,目標の内容にある程度落とし込んでいく必要があるということで,先ほど申しましたE-5というところが新設されております。これは相互実習・模型実習・シミュレーション実習にしっかり到達目標を記載して,F領域の臨床実習につなげてあるということであります。
最後がF領域。前回の平成22年度改訂で新しく加わった項目で,実際の臨床実習で,それをどのようにしていくかということであります。いわゆる項目ごと,細かく並べたアイテムベースから,いわゆる包括的な到達能力,実践能力を意識したコンピテンスベースの方に対応していかないと,グローバル化には対応できないだろうということで,それを意識して,今回検討に入っております。それを今,1行目に記載してあります。
医学と同様に,臨床実習における位置づけというもので,机上資料1を見ていただきたいのですが,臨床実習のところに前文を入れております。全体の構成としては,診療の基本や,基本的診察法,基本的臨床技能,地域医療といった構成にいたしました。特に地域医療のところには,病診連携,訪問診療,多職種連携,地域包括ケアシステム,こういったキーワードを盛り込んで意識した書き込みをしております。
診療の基本に関しては,各科いろいろな診療科で共通に行えるよう,いわゆる医療情報や,臨床診断推論,それからこれは新設しましたが,臨床全体を通じた医療安全・感染対策,これは先ほど申したC領域,A領域,B領域にも記載がありますけれども,臨床のところでもしっかり書き込んであります。診察法としては,医療面接,診査,検査,新しく検査項目などもE領域に入れましたけれども,こういったところをOSCEの内容として包括した感じで書き込んであります。臨床技能に関しましては,共通事項ということでOSCEの実習内容を入れました。細かい内容については水準表というものがあります。
ここで水準表という表現がありますので,机上資料1では一番後ろ,資料5では47ページをごらんください。この水準表について,実際に基本的に現在の内容を参考にいたしましたけれども,縦にF領域,それから内容が分かりやすい感じにしております。これは医学の資料を参考にシンプルにいたしました。資料をごらんいただければ,資料1から4を実践する立場から考えた場合,臨床実習,臨床研修,専門医教育の連続性の関連が必要なので,今回の案には少しそういったことを書き込んであります。それを明文化して入れるべきかというのは,この専門研究委員会で議論をいただいて方針を決めていただきたいと思います。その内容を基にまた改訂作業を進めたいと思います。
それから,改訂内容と歯科医師国家試験の出題基準の対応をしていくということであります。ここまでは大まかな項目です。
あと,細かいところは3ページをごらんください。ここは今まで申したところを重複して申し上げるかと思いますけれども,新たな教育項目の追加ということで,先ほどキーワードでいろいろありました倫理や研究倫理はどこに入れるべきか,医療安全はさらに現在の内容に合わせて書き込んだとか,公衆衛生,社会保障,地域包括ケアシステム,介護,そういったものを書き込んであります。
前回の改訂から,超高齢社会に応じて,やはり必要な医学的知識というものをしっかり入れなければいけないだろうということで,全身管理のことが重要となっております。それで,歯科麻酔というところはむしろ全身管理に関係することが多いので,内容を「歯科医療に必要な全身管理の基本」というふうに変えました。そして,「歯科医療の展開」というところがE領域にありますが,ここは矯正・小児歯科とか,高齢者,障害者,心因性疾患などが羅列しております。
それを二つに分けて,矯正・小児歯科の方と,それから社会のニーズに対応した歯科医療ということで,高齢者・障害者・心因性疾患の治療というふうに分けるべきだということが議論されました。そして,やはり歯科医師として必要な医学的知識が前回から入っていますけれども,代表的な医科疾患を具体的に挙げた方がいいであろうという議論がありました。例えば一生涯掛かっても遭わないようなシンドロームを書くよりは,我々歯科医師としてこれからどんどん遭遇するような代表的な医科疾患,例えば高血圧とか,虚血性心疾患とか,ここに記載のような疾患などを検討しております。どれを加えて,どれが要らないかというのはかなり議論になりますので,これについては今後よく検討して,改訂案を作成いたします。
そのほか,こういった医科疾患が歯科の治療のときにどのような注意が必要かということです。これが歯科医師として必要なので,それを書き込んでいくということであります。先ほど申しました歯科法医学(死因究明)というところを今回書き込みましたけれども,それの語句,例えば「歯科医師による死因究明及び身元確認の法的根拠を説明できる」というような項目について,これは歯科医師としては身元確認等が可能でありますが,死因究明という単語をこのコアカリに入れるべきかどうかということの検討が必要だと思います。これは,文科省で厚労省と共同で確認いただくのがいいのではないかと, 5月30日のチーム会議で議論がありました。
そのほか,虐待について検討しました。前回,平成22年度改訂版の項目では小児の歯科治療のところに,小児の虐待の記載があります。ただ,現在,虐待というのは小児だけではなくて,高齢者や,障害者に対する虐待もあります。それをしっかり意識して書き込んでいかなくてはいけないだろうということで,B領域,またはE領域にそういった項目,高齢者,障害者,小児という形で書き込んでいく,整合性がとれるようにしていくということであります。
最後のページであります。これは,先ほど申しましたグローバルな認証評価を見据えて,どういうふうに書き込んでいくか。細かい項目だけを並べるようなアイテムベースから,全体的な包括的な実践能力を記載したコンピテンスベースに移るべきだという議論がありましたので,細かい部分は臨床実習に入る前の模型実習,シミュレーション実習で項目を入れていく。臨床実習については,コンピテンスベースとして入れるべきであろうという議論がありました。それが4番目につながります。
4番目の1は今申したことで,2番目は,先ほど重複しますけれども,同じような記載であります。水準表については,先ほどと同じ記載があります。そして,ここで水準表の方針を専門研究委員会で決めていただき,持ち帰って,7月11日に調査研究チーム会議を開催しますので,それを基にまた検討を始めるということであります。基本的には,最後の評価ということを考えて,臨床実習が終わるとき,臨床実習終了時OSCE,またはPCC-OSCEといいますけれども,それが実施されるということであれば,この中にOSCEの内容をカバーできているのか,各実習項目,到達目標の内容をある程度落とし込んでいくべきだということであります。
それから,これは5番目でありますが,医学のモデル・コア・カリキュラムとの用語統一ということで,「一般目標」と「到達目標」というのがありました。それを,いろいろ議論がありまして,「ねらい」と「学修目標」に変更するということで今調整中であります。
6番目は,先ほど申した基本的資質ということで,医学チームの方で今検討していただいている案を歯学系固有の表現として整合性を考えていくということで,検討予定であります。
7番目は,国家試験も含めたいろいろな専門用語を最終的に調整しなければいけないだろうということです。
以上のようなことを基に5月30日のチーム会議で検討いたしました。
【前田委員長】  はい。どうもありがとうございました。
ただいまの御説明について,委員から御意見を賜りたいと思いますけれども,今までのは経過ということでございますので,議論を進めるために各論の方に入りながら御意見を賜りたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。
それでは,早速始めさせていただきたいと思います。今の資料の5ページ,資料4の4ページの方にあります6番の「歯科医師として求められる基本的な資質」に関しましては,医学系との整合性を保ちながら議論していきたいということで,今回は議論の対象から外させていただきたいと思いますけれども,よろしいでしょうか。次回以降に議論させていただきたいと思います。
まず基本的事項について,A領域ですけれども,御意見ございますでしょうか。机上資料1並びに資料4の3ページ等々をごらんいただきながら,御意見を頂きたいと思います。ここでは,研究倫理という言葉が一つのキーワードになっているということでございますけれども,いかがでございましょうか。
改訂をしているときに見ますと,知識と態度が混在しながらA領域に書いてあったのを少しまとめさせていただいて,動かせるところは動かすというような形,新たなことは入れるという形で進めたと思いますけれども,それでよろしいですね。
【嶋田委員】  はい,そうです。
【前田委員長】  研究倫理についての御意見を少し賜れれば,ありがたいと思いますけれども。調査協力者会議の第1次報告書などでリサーチマインドという言葉があって,前回の改訂で研究マインドの涵養ということを入れさせていただいたんですけれども,昨今のいろいろな事例がございまして,研究倫理ということが学部教育でも求められるので,どこに入れようかというような話になってまいりました。
机上資料1ですと,15ページのところで,A-6-2)で研究マインドの涵養というところがございますけれども,とりあえずここを消して,どこに入れましょうかということでチームの方では議論が止まっているところです。もし,よろしければ,こちらの専門研究委員会の方で御意見を頂ければと思いますけれども。何か御発言ございますか。
【西原委員】  いいですか。
【前田委員長】  どうぞ。
【西原委員】  今,倫理の話を,医の倫理と研究倫理で出されました。冒頭,嶋田委員の話の中で,準備教育見直しというのも同時並行でということなんですけれども,まさに研究者の倫理観は1年次から教えていかねばならないことであって,我々,歯科医師を育成していく上での倫理観というのは,それと少し違う位置づけになっていると考えたときに,準備教育と歯科医師教育の中で分けて捉えるような方向で,調査研究チームで議論することは可能でしょうか。
【前田委員長】  いかがでしょうか。
【嶋田委員】  先ほど申しましたように,準備教育のところ,医学チームと歯学チームの合同打ち合わせのところで,やはり医に取り込むべきところは医でやるべきだと,共通なところは共通でどうやるかという話がありますので,歯科として,西原委員がおっしゃったように取り込む,議論すべきところは入れるべきだと思います。どこに,どのように入れるか,それがまだ決まっていないということであります。
【西原委員】  それはやっぱり流れがありましょうから,お任せするところではありますが,研究者の倫理は別枠できっちり早い時期に教えるべきではないかというのが,私のお話でございます。
【前田委員長】  ありがとうございます。あと,どなたか御意見ございますか。
どうぞ。
【関本委員】  このA-2の医の倫理の「ねらい」のところに,「医療,歯科医療及び医学・歯学研究における倫理を」となっているんですね。
【嶋田委員】  そうです。
【関本委員】  だから,もう,ここに入れるしかないんじゃないかなと思うんですけれども。ここに入れないと,この「ねらい」が生きてこないような。
【前田委員長】  ありがとうございます。あと,いかがでございましょうか。いろいろ御意見を頂いて,また議論をして,改訂案を作らせていただいたと思いますけれども。
【俣木委員】  今の意見に関連して。今想定されている研究倫理の範疇でのサブカテゴリーの学修目標となるような文言はあるのでしょうか。もし,それがないのであれば,ここで包含しているという考え方で済むのではないでしょうか。その辺はどうなのですか。
【嶋田委員】  その辺はまだないと思いますので,今,俣木委員がおっしゃったようなことを検討してやった方がいいかもしれません。
【前田委員長】  今度のモデル・コア・カリキュラムの改訂の一つの役割として,きちんとした教育ポリシー,教育のミッションを考えて,そしてカリキュラムを作って,それをちゃんと評価するエバリュエーションに行く,そして,その結果をまたフィードバックしてカリキュラム改善に進むということなので,そういうふうにちゃんと評価ができるようなことをきちっと書き込んでいきたいなと。それで,言葉をどういうふうにして選んでいくかということが一つ,大きな問題にはなってくると思います。その辺もまとめて,また御検討いただけますか。
【嶋田委員】  はい,分かりました。
【前田委員長】  あと何か,御追加ございますか。
それでは,なければ,次はB領域の方に移りたいと思います。B領域について,「社会と歯学」ということで,社会的なニーズ,社会変革に伴うようなことで改訂を進めていくということになっております。机上資料1は17ページ以降ということになります。ここについても御意見を頂きたいと思います。
嶋田委員の資料4の1ページのBのところを見ていただきますと,医療制度の変遷に対する対応ということで,キーワードとしては,個人識別,死因究明,虐待,多職種連携,地域包括ケアシステムというようなのがキーワードになっております。国家試験の方では,もう既に地域包括ケア等々とはかなり広範に出題はされるようになってきていますけれども,なかなかモデル・コア・カリキュラム,今まで落とし込み切れていなかったということでございますが。
御意見,どうぞ,お願いします。
【柳川委員】  特に近年の社会保障,医療を取り巻く制度の変遷というのは非常に大きなものがございますので,一定の経験がある歯科医師でもなかなか医療政策は分かりづらいというのがあるので,ぜひコアカリに入れていただいて,しっかり地域包括ケアとは何なのということ自体でも,かなり内容が濃いと思います。
それから,個人識別と死因究明のところですが,現実には法歯科医学とか,歯科法医学の講座は全歯学部にあるわけではないんですけれども,社会的使命,特に大規模災害の身元確認には歯科の需要が高いわけです。文言なんですが,内閣府に死因究明等推進計画の協議会ができまして,私もそこに参加をしていました。そのとき死因究明等推進計画を作ったんですけれども,死因究明「等」,などというので,そこには身元確認が含まれるという理解で,法律もそういうことでできたという記憶がございますので,その辺はちょっと御検討を頂きたい。
あと,児童虐待のところで申し上げますと,先だっての国会で児童福祉法の一部改正がございました。そこで,たしか附帯決議ですけれども,歯科医師も早期の報告とか,いろいろ義務付けが高まるような書き方がされておりますので,そこもしっかり押さえていただきたいと思います。多分,今後の高齢者の虐待防止についても法改正があるんだろうと思います。以上です。
【前田委員長】  ありがとうございました。
どうぞ。
【山口委員】  素人の意見で申し訳ありませんが,この机上資料1の18ページの,今話題になっている歯科医師による死因究明及び身元確認の法的根拠と書いてあります。歯科医師の方が身元確認に関与されるということはよく災害のときなんかに耳にしますが,死因究明というのは1人でするものではなくて,いろいろな立場の方たちが共同で行うものだと思います。そのため,この歯科医師によるというときに,多数でする死因究明と1人でできる身元確認が並列ということにちょっと違和感を覚えました。
【嶋田委員】  それについては,調査研究チームで議論がありました。だから,その辺の死因究明も含めた語句をどのようにこのコアカリに取り込んでいくか,組み込んでいくかというのは,やはり法的なこともありますので,文部科学省,厚生労働省の方に調べていただくということに議論がなりました。
【佐々木企画官】  よろしいですか。今嶋田委員から御指摘を頂いた点ですけれども,資料4の3ページ,机上資料1の18ページ,資料5ですと17ページになります。B-2-3)をごらんいただきながら御説明いたします。先ほどの柳川委員,山口委員,嶋田委員からも御指摘ありましたとおり,死因究明と身元確認の関係,また,死因究明につきましては,現在,議員立法の法律が失効して計画に基づいて行っているという建て付けになっております。
こうしたことを踏まえると,資料4の3ページにあります嶋田委員の元の案,「歯科医師による死因究明及び身元確認の法的根拠を説明できる」につきまして,5月30日のチーム会議で宿題を頂きましたので,先ほどの議員立法の関係者等ともお話をして,一応の案を考えております。ちょっと恐縮です,紙ではなく口頭で申し上げますが,「歯科医師による身元確認や関連する死因究明等の制度を説明できる」ということで,現在,嶋田委員のチームに返そうかと思っているところです。
背景を改めて御説明いたしますと,まず柳川委員の御指摘にあったとおり,死因究明等という,できるだけ「等」は入れない方がモデル・コア・カリキュラムは望ましいんですが,この場合は死因究明等という単語になっておりますので,死因究明等の制度――これも先ほど申し上げましたとおり,現在,法律ではなく計画に基づいているということから,法的と書かずに制度という書き方をしております。
もう一点が,山口委員御指摘の死因究明そのものが歯科医師でできるのではないかというような印象を与えてしまう。これは,嶋田委員からも御指摘があったとおり,5月30日のチーム会議でやはり議論があったところです。なので,歯科医師が行う部分は身元確認ですと。だけれども,それだけではなく,御指摘があったように,ほかの医師等の職で,また警察等々も死因究明とかの場面がありますので,それを関連する死因究明等の制度を説明できる。これによって,自分で身元確認したときに何かあった際に,関連する部署や職種につなげるようにするということを理解を求めるために,先ほど申し上げました文案を今御用意をしているところです。以上です。
【前田委員長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
【嶋田委員】  はい,結構です。
【前田委員長】  じゃ,これは調査研究チームの方に持ち帰っていただいて,再度検討していただくということにまとめさせていただきたいと思います。
それでは,その次に,C領域でございますけれども,机上資料1でいきますと20ページからになります生命科学というところでございます。ここでの改訂の基本コンセプトで私の方からお願いしたいのは,全身疾患と口腔ということで脚光を浴びて,いろいろな医科の疾患のことも勉強するようになってきたんですけれども,その根本となる基礎はきちんと学生が学んでいないのではないかということを,きちっとやっていただきたいということ。
それと,E領域との重複が非常に目立つ。それをきちっと分離していただきたいということで,改訂案をまとめていただきました。これに関して御意見等を頂けますでしょうか。ちょっと見ていただきますと,非常に教科書の項目みたいな感じが多かったので,これをもう少しダイナミックに直していただきたいということで,まだ改訂途中でございますけれども,委員の皆様方,何かございますでしょうか。
こういうところに書きますと,一つは,モデル・コア・カリキュラムがCBTの出題項目みたいな感じで,イメージをとられてしまって,それしか勉強しないということになってしまうので,もう少し大きなくくりで文章をまとめていただきたいというふうに,私の方から希望は出させていただきましたけれども。
特にこれは,西原委員,よろしいですか,こういうような形でさらに検討を進めるという形で。
【西原委員】  チームの中にそれぞれ基礎に係る部分は理解できる人が入っているんですか。
【前田委員長】  解剖系が入っています。
【西原委員】  例えば機能系でいえば,生化学,生理学,病態系でいえば病理,細菌学。
【前田委員長】  全体は入っていませんけれども,学会からの御意見をくみ上げています。
【嶋田委員】  学会からの意見を参考に記載しました。
【西原委員】  例えば,免疫で議論されているところは,私の専門で机上資料1の25ページが,これは余りに医科との格差があり過ぎて,ざっくりし過ぎている感があります。学問の進み方で言うと,細菌学より免疫学の方がかなり日進月歩で進んでいる中で,これだと,教える方が逆に何を教えてもよいということで格差が出てくるということを少し気をつけながら,モデルコアを考える必要があります。その辺は,丁寧な配慮が,学問的な言葉の使い方で必要だと思いますので,聞き取りもされたらいいのではないかと思います。
例えば歯科基礎に振っていただいたら,私の方でお答えするとか,その辺はさせていただくということも提案させていただければと思います。
【嶋田委員】  今,御意見を頂きましたように,そういうところがあれば,例えばこの部分だと,専門研究委員会に西原委員に入っていただいているので,相談させていただくということにいたしますので,よろしいですか。ちょうどその25ページのところに清潔と不潔の区分とか,消してありますけれども,これは臨床実習でやるということなので,消してあります。
それから,化学療法のところはやはり消してありますけれども,もう一回,ここの方は基礎で教えるべきだという議論がありましたので,復活すると思います。院内感染についても,臨床実習で記載がありますけれども,基礎のところでも教えるべきではないかというので,ここは重複すべきだということがあります。
【西原委員】  薬理との整合性を含めてですね。
【嶋田委員】  ここは生きるということになります。
【前田委員長】  いかがでございましょうか,ほかに。まだ全体を通しての流れとは,修正はまだしていないんですね。これからになってくると思いますけれども,次回以降に細かな点と全体の流れを調整していくという形になるかと思います。よろしいでしょうか。
それでは,その次に,D領域です。ここは材料系の話になってくるんですけれども,いかがでございますか。ここも基本的には,理工系の方の先生方の御意見を頂きたいということで,一応理工学会の方から御意見を承っているんですが,余りなかったということですね。
【嶋田委員】  この5月30日のチーム会議の議論では,やはり医療機器のことをいろいろ問題になっていますので,そこも含めて記載しなければいけないのではないかと思います。医療機器の法的なことも含めて記載すべきということで,この資料4のようなことになります。
【前田委員長】  旧薬事法の絡みがここに入ってくるので,ここで薬品のことを劇毒物も入れるかどうかということも少し議論をしないと駄目かなとは思っているんですが,もしそういう概念でいくと。いかがでしょうか。
ここはまた,調査研究チームの方で議論を深めてもらうという形で,そのままよろしいでしょうか。昨今気がついたのは,薬事法の改正で歯科の方でも随分絡んできていて,そういう知識を学生さんがないということを少し見ています。劇毒物の保管だとか,そういうことは,やっぱりこういうところに落とし込む。ここは完全な歯科材料になっているんですけれども,旧薬事法の問題をどこに入れていくかということも,一つ,出てくるかなとは思っております。
【嶋田委員】  机上資料1のC領域の27ページ,医薬品の分類を説明できる,毒薬,劇薬,麻薬とか,一応記載はありますが,薬品と医療機器というのは医療安全も含めて今,大きな問題となっております。したがって,そのような内容をD領域にきちんと明示することは,今の時代に必要なのかもしれません。
【前田委員長】  いろいろ問題点を列記させていただいて,こちらの方で検討させていただくという形にさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは,次に,E領域で大きなところに移りたいと思います。ここは,まずタイトルが机上資料1の29ページを見ていただきますと,「臨床歯学教育」となっていたんですけれども,当然この「教育」は要らないだろうということで,「臨床歯学」というふうにタイトルを変えさせていただきました。ここの論点を見ていただきますと,資料4をごらんください。1ページの方で下から8行目ぐらいのところに,模型実習だとか,こういうようなことできちんとした到達目標を入れていこうと。それと,きちんと臨床実習開始前のOSCEと連動させましょうという,プログラムと評価をきちっと連携させましょうということで,考えさせていただいております。
今までの,現行のモデル・コア・カリキュラムですと,臨床実習のところで模型ができることも臨床実習に入っているというので,臨床実習に上がる前のきちんとした技能教育をここで確認をしましょうということで,新たな項目をEに起こしたというところが大きな違いになるかと思います。
もう一つの議論の観点は,資料4の3ページのところにございますような,医学的な知識ということになります。E-4-6)の歯科医師に必要な医学的知識というところで,少し議論をいただきたいと思っております。いかがでございますか。先生,何か,まず御追加,細かいところでございますか。
【嶋田委員】  今,模型実習・相互実習・シミュレーション実習の項目は基本的にF領域と同じ領域にまとめてあります。ほとんど同じ項目です。それを議論しながら,専門研究委員会の御意見を頂きながら,これをまた調整しようと思っています。だから,基本的にE-5のところとF領域のところはほぼ重複しているところがあります。それを今後どうするかということがあります。
あと,歯科医師に必要な医学知識。これは,先ほど御説明しましたけれども,平成22年度改訂版で代表的な医科疾患というふうに記載しましたけれども,具体性がないという意見が多くありました。しっかり歯科医師として遭遇すべき全身疾患,医科疾患をある程度記載した方がいいのではないかという御意見がありましたので,幾つか挙げさせていただいたものです。以上です。
【前田委員長】  まず,その医科疾患の話からいたしましょうか。何か御意見ございますか。要介護者,有病者の歯科疾患が歯科医院を訪れる方が非常に増えているので,きちんとしたことを。どうぞ,お願いいたします。
【山口委員】  代表的な医科疾患の中に循環器,呼吸器,内分泌と書いてあるんですけれども,内臓的なことが中心です。これから高齢化がさらに進んで認知症が増えてくるということからしますと,それは入っていなくてよろしいんでしょうか。
【嶋田委員】  分類的には,認知症とかの議論はありました。ここの項目のときは入っていなかったわけです。そういう議論ももちろんありました。どういうふうに入れていくか。資料4の3ページでは,脳血管障害とかも書いてありますので,その中にいろいろな認知症も含まれる場合があります。しかし,心因性疾患はここには記載しておりませんので, E-4-5)で心因性疾患は別の枠で入っていますが,しっかり明文化するためには,もう一回ここで記載すべきかもしれません。この辺は,議論していただければよいと思います。
【前田委員長】  歯学教育の中でも,かなり内科とかいう授業は入っているんですけれども,それをきちっと評価するところが今までなかったということですね。
どうぞ,お願いします。
【齋藤(宣)委員】  医科の方からのお願いとしては,この部分はかなりしっかり卒前の学習項目に入れておいていただいた方がありがたいと思っています。コモンディジーズという言葉がありますけれども,それだと曖昧になってしまう。だから,具体的な病名を挙げようと。実は,私ども,これを拝見していますと,もっとあるんですけれども,どこまで絞るかというところが難しいと思っています。このあたりは,今後の御検討をよろしくお願いいたします。
【前田委員長】  これに関しましては,医学教育の専門研究委員会のときに少し御意見を頂きたいと思います。それで先生,よろしいですか。
【齋藤(宣)委員】  はい。
【前田委員長】  歯科だけで考えても,なかなか結論が出ないと思いますので,よろしいでしょうか,そんな感じで。
どうぞ。
【関本委員】  済みません,E-4のところに歯科医療の展開を二つに分けてはどうかと。一つは,矯正歯科・小児歯科,もう一つとして,社会ニーズに対応した歯科医療となっています。それで,括弧書きで高齢者,障害者,心因性疾患患者の治療となっているんですけれども,社会ニーズに対応しているのは,全ての歯科医療が対応しなければいけないと思いますので,ここだけ出されると,これイコール社会ニーズに対応した歯科医療というふうにとられてしまうのではないかと。なので,くくりが大き過ぎて。
ですから,僕は上が矯正歯科・小児歯科治療となっているので,下も高齢者・障害者・心因性疾患患者の治療でも,別に特に社会ニーズに対応した歯科医療という言葉は要らないような気がするんです。
【嶋田委員】  5月30日のチーム会議では議論がまだ深まっておりませんでした。ただ,歯科医療の展開という表現はおかしいタイトルであろうという意見がありました。歯科医療展開の中に矯正歯科や小児歯科,高齢者や障害者の歯科,心因性疾患などばらばらに入っている状態でした。もう一つは,どういうタイトルにすればいいかという内容でした。関本委員の御意見も配慮しながら考えていきたいと思います。
【前田委員長】  コンセプトでこういうふうに分けましたというところでしか,まだ議論は深まっていないと思います。
あと,机上資料1の34ページを見ていただきますと,E-2のタイトルは「口唇・口腔・頭蓋・顎顔面領域の常態と疾患」というんですけれども,私,解剖専門ですが,こういう言い方はしなくて,ただ「顎顔面領域の常態と病態」で終わりじゃないんですかと。
【嶋田委員】  それは平成22年度の改訂の直前に,歯科医師会の方から,やはり口唇という言葉を入れてほしいとの要望がありました。それは医科との関係でもあり,歯科医師は口唇も扱うところなので,口唇という言葉を入れてくださいという要望がぎりぎりの段階で,当時の調査研究チームリーダーの荒木先生の方に来て,入れたという経緯はあります。
【前田委員長】  経緯は私,存じているんですけれども,解剖学もそうだし,国家試験の出題基準も口唇は顔面の中にちゃんと入っているので,ここだけこういうふうに書かれるとどうなんでしょうということで,私,ちょっと。
【嶋田委員】  今回はまた決めていただければいいと思います。
【前田委員長】  そこを少し,先生方の御意見を頂きたいと。特に柳川先生,いかがでしょうかね。分類的にはもう。
【柳川委員】  平成6年か7年頃に,たしか歯科口腔外科の標榜をするときも,明確な境目,境界領域が示されたという記憶はあるんですけれども。
【嶋田委員】  学問的には,今前田先生がおっしゃったようなところでよいと考えます。
【前田委員長】  その中で,下の中で口唇とかいう言葉を入れていけばいいのではないかなと,僕は思うんですが。そういう形で,少しこちらの方でまとめさせていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それと,ここでのもう一つの議論は,C領域からE領域に基礎の顔面とか頭蓋のところを移したというところに移ってくることと,E-5でしたっけ。
【嶋田委員】  E-5は模型実習,シミュレーション実習です。
【前田委員長】  新たにF領域のところの模型でできることは,きちんとここに書き込みましょうということで,机上資料1の44ページ以降のところで,こういうような形で臨床実習に上がる前に,患者さんの治療をする前に模型,シミュレーション等で学習すべき項目ということをきちんと書き込もうということで,E-5を新設したわけでございます。
内容的には,今までのF領域の臨床実習のところで模型できちっとやるべきことをここに書き込んだということに関して,委員の先生方に少し御意見等々を賜りたいと思いますが,どうでしょうか。例えば44ページで,診療の基本とかいう,記録とか,こういうのは,お互いの臨床に上がる前に当然きちっとやっておくべきことでしょう。45ページに行きますと,診察法もきちんと,臨床実習で患者さんに行く前に,学生が学習しておくことでしょうということがずっと書いてあります。
46,47ページのところでは,模型実習でここまではきちっとやっておかないと,患者さんの治療はできないでしょうということを明確化したというコンセプトでございます。基本的には,このE-5の領域が,いわゆる臨床実習開始前のOSCEの出題項目と連動すべきだというのは私たちの考えでございますが,これに関して御意見等々。これは俣木委員がいいですかね。
【俣木委員】  そのとおりだと思います。前回までの最初のコアカリと22年度改訂でも,そこはきちんと整合はとれていなかったはずです。今回それができるものであれば非常にいいことだろうと思うのですが,ここに書いてある「評価がOSCEとなるので,OSCEの領域をカバーできているかどうか」というのは順序が逆になりますので,余りこれ,記録に残る記載の方には好ましくないと思います。
【前田委員長】  逆にカリキュラムがあって評価をするという形にしないと駄目なんですけれども,とりあえず一応動かしたというだけで。
【俣木委員】  はい。「評価をカバーする目標」というと変な感じなので,あくまで目標があって,それに到達できているかを評価するということになると思います。
【前田委員長】  だから,内容に関してはこれからの議論になりますけれども。
【俣木委員】  結果的に,そのようになってくれるのが一番いいと思います。これは,臨床実習終了後の技能・態度評価についても同じだと思います。
【前田委員長】  これに関しては,実際に学生教育をやられている斎藤委員と田上委員の方からも何かコメントを頂ければと思います。あと,関本委員からも。
【関本委員】  文言なんですけれども,「相互実習・模型実習・シミュレーション実習」と書いてあるんですけれども,これ全部シミュレーション実習ですよね,相互実習も,模型実習も。なので,三つに分けるとちょっと違和感があるので,シミュレーション実習で,その中に相互演習であったり,実習であったり,模型実習という文言があった方が分かりやすいかと。
【前田委員長】  そうですね。
【斎藤(隆)委員】  いいですか。
【前田委員長】  どうぞ。
【斎藤(隆)委員】  臨床実習に円滑に移行するためには,やはりこのシミュレーション実習が非常に重要だと思いますので,ここはしっかりと記載しておいた方がいいと思います。
【前田委員長】  田上委員,何かコメントございますか。
【田上委員】  はい,このあたりはしっかり押さえておかないと,臨床実習でなかなか大変かと思いますので,必要かと思います。ちょっとほかの領域でよく分からないのは,単純抜歯がシミュレーションでどこまでできるのかということ。
【前田委員長】  そのままF領域から動かしてあるので,内容的にはまだね。
【嶋田委員】  内容的には検討はこれからです。
【田上委員】  ここについて少し検討していただければと思います。
【前田委員長】  いかがでございますでしょうか。こういう改訂の方向で進めさせていただいて。ここが一つ,評価との連動ということは大きな目玉になるかなとは思ってはおりますが。よろしいでしょうか。
あと,E領域等々で,委員の先生方,御発言等々ございますか。御要望,御意見等々。
どうぞ。
【斎藤(隆)委員】  よろしいですか。前からちょっと感じていたんですけれども,ここのE領域は以前の臨床実習の項目なんですけれども,ここで高頻度診療の保存,補綴の実習に比べて,矯正と小児の実習が結構ボリュームが多いのではないのかなというのを感じていたんです。その辺のところ,バランスよく,実際の臨床実習では,やはり高頻度診療のところをかなり回って診療参加型の臨床実習を行うので,その辺のバランスも考えた方がいいのかなと思いまして。
【前田委員長】  内容とボリューム等に関しましては,多分これから調査研究チームの方から各大学の現状を調べてという形になるかと思いますが。先生の御指摘のように,小児矯正が実際の臨床実習で患者さんを用いてできるかというと,できないんですね。そこをカバーするのに非常に出ているというのですけれども,それに比べると,相対的に高頻度診療の方は貧弱に見えるという欠点はあるかも分かりません。
【俣木委員】  多分,これは文字に起こしたときの量的な問題です。実際の実習は現行どおり,そのようなバランスになっていると思います。ここの文字の量ではないと思います。確かに少し細かいかもしれないですね。
【前田委員長】  本当は,ここはやっぱりアイテムベースで書き込んでもらえると,ありがたいなとは思っていますが。
【俣木委員】  そうですね。
【嶋田委員】  それは,先ほど説明しましたように,F領域はコンピテンス,E-5はアイテムにするという方針は決まっています。今回,項目を並べただけなので,今後にそういうふうに直していきたいと思います。
【前田委員長】  後ほど皆様方に宿題を出させていただきますので,よろしくお願いいたしたいと思います。
それでは,先に進めさせていただいて,最後にまた全体討論という形にさせていただきます。今度は,F領域の臨床実習というところになります。このF領域の臨床実習は,診療参加型,いわゆる自験という定義をきちんと守りながら臨床実習をやって,きちんと技能担保をして卒業させるという大きなところになってくると思います。
基本的な内容といたしましては,今までと余り変わらずにきちんと書き込みましょうということと,アイテムベースから,少しコンピテンスベースに移行させましょうというようなことで書かせていただいています。従いまして,コンピテンスベースになりますと,割と大きなカテゴリーになっていきます。そのときに非常に必要となりますのは,この机上資料1の最後のページを見ていただけますでしょうか。
臨床実習内容の例示ということ。あとは,こちらの資料5,現行のモデル・コア・カリキュラムの47ページ以降のいわゆる臨床実習の水準表ということになります。ここの議論での大きな基は,学生の卒業時の臨床能力の到達目標のきちんとした明示と,それに対するカリキュラム,それに対する評価,その後の臨床研修での到達目標,それが終わった後の専門医としての到達目標というふうに,到達目標を明示化する必要はあるだろうというのが私どもの考え方でございました。
そういたしますと,今のこの資料5でいきますと,臨床実習の内容と水準1,2,3,4というのは,そういうような形にはなっていない。保険点数表みたいな形になっているわけでございますけれども,ここをきちんと到達目標に連動させて,この臨床実習の水準表を見直して,その後に臨床実習の内容をやっていくと。臨床実習の水準表できちんと学生が学ばないと駄目なことを到達目標でしたことを,きちっと卒業時の終了時OSCE,PCC-OSCEの出題とすべきだという議論で回答を進めていきたいと思っております。
そこで,一応話は煮詰まっていませんけれども,机上資料1の最後のページのところでは,こういう感じに分けたらどうですかというようなイメージで嶋田委員から提出をしていただいております。臨床実習の到達目標,学修目標をどこに置くかということに関して,委員の先生方から少し御議論いただきたいと思います。
ここで,議論はどこに置くかということですと,もう一つは,実際問題,先ほど出ましたように,子供さんの治療を学生さんにはなかなかさせられない。矯正治療もできないというときに,やっぱり高頻度治療を中心としてやっていって,その後の専門医につなげていくという形にさせたいと思っていますけれども,ここに関して皆様方の御意見を伺いたいと思います。
【田上委員】  委員長の今おっしゃられた方向に賛成です。常々高頻度診療の時間,昔多かったんですけれども,今いろいろな専門領域が増えてきまして,それが卒前教育の中に入ってきた結果,本当に卒後すぐに必要な臨床の技術を教育,あるいは自分で実習する時間がかなり減ってきていると受けております。確かに矯正とかについて随分時間をとって実習もやっていますけれども,卒業してすぐにできるような治療でもないですし,そこまでを教え込んでいるわけでもない。ということを考えますと,専門医としての教育の方に少しシフトしていく部分,大いに見直していただければと思います。
【前田委員長】  非常に聞きにくいですけれども,小児歯科の専門の関本委員,いかがでしょうか。
【関本委員】  僕もそのとおりだと思います。特に小児歯科は,ここに乳歯の初期治療と書いてありますけれども,小児といっても年齢によって全く違いますし,本音を言うと,子供がうんと言っても,親がノーと言うケースはすごく多いので,物すごく臨床実習の中でお子さんの治療をしていくというのは,実際に歯を削ったりするのはかなり難しいです。だから,やるとすれば,フッ素塗布であったり,歯ブラシであったりというところが限界なのかなと。
【前田委員長】  そこをきちんと書き込んでいないと駄目だと思っているんですね。
あとは,在宅も実際行ってもできるわけないので,ちゃんとそういうような意識を持つだとか,そういう経験をするとかいうことを書き込むことが必要かと思っています。これ,私の考えなんですけれども,臨床実習でやっぱり学生にやらないと駄目なのは,水準1と水準2は学生がきちっとやらないと駄目だと。できないことはシミュレーションか何かで補完しますよと。その次,例えば水準3は臨床研修での到達目標ですよ,水準4はそれ以降ですよというような形ぐらいに,大きく三つに分け直した方がいいのかなとは,議論の中で出ておりますが。
ただ,これをどういうふうにして分けていくかというのが,非常にまた難しいことがあるかと思います。そういうコンセプトでやるべきかなと思いますけれども,その考え方について御意見を頂ければと思います。どうぞ。
【関本委員】  よろしいですか。先週,月曜日に財団で臨床研修指導医のプログラム責任者講習会を毎年やっていますけれども,その中で,今年から,この臨床研修の到達目標の見直しというのを始めましょうと。実は臨床研修の制度は,制度自体は見直しが5年に1回されてきているんですけれども,到達目標についてはほとんど手付かずで10年近く来ているので,ほとんど今の社会のニーズといいますか,今の時代に即していないというのもありますので,そこを見直そうということなんです。
これ,今臨床研修で実施が望まれると書いてございますけれども,これを全てできるかというと,なかなか難しいと思うんですね。この一部はできるけれども,ほかの部分はできないだろうというのもあると。特に今,管理型の歯科診療所が増えていますので,大学ではできても,診療所ではできないというケースはかなり出てくると思います。ですので,僕は個人的には,ここに臨床研修で実施が望まれると書き込まれると,これが一人歩きすると,これをやらなければいけないという縛りが出てきてしまうのも,ちょっと困るなという感じはしています。
【斎藤(隆)委員】  よろしいですか。この水準表ですけれども,以前は診療の侵襲に応じて,学生の診療が許容されるかどうかで水準表が分かれていたと思うんですけれども,それを多分同じものをそのまま,今はここにそのまま移して。
【前田委員長】  落とし込んでありますね。
【斎藤(隆)委員】  ですね。それで,臨床実習,研修,専門医というふうに分けたと思うんですけれども,この内容はやはり今後よく検討して,臨床実習で必ず習得すべきことと,それから,それ以降のものはしっかりと精査していった方がいいのではないかなと思います。
【前田委員長】  後ほど宿題を出させていただきます。
いかがでしょうか,内容に関しましてあれですが,どうぞ。
【西原委員】  E領域とF領域の考え方,アイテムとコンテンツ,それはいいと思うので,今,既存のこれまでモデル・コアでやられたものは,今回机上資料1で出ているんですが,今回の医学と歯学の共通のコンセプトで,少しさらに一歩,2025年を踏み込んだのが掲げられていますね。すなわちパワーポイント原稿で健康長寿であったり,社会のニーズとか,多職種連携。多職種連携は,例えば座学では教えましょうと。E領域を見ると,アイテムで何も入ってきていないんですね。
さらに,机上資料1の46ページを見ると,従来のE-5-3-(2)で歯科保健指導ということが掲げられていて,さらに適切な口腔清掃法を指導できると。これを考えたときに,幾つかの歯科大学は,今歯学科と口腔保健学科を持っています。口腔保健学科の4年間のカリキュラムメーキングの中で,かなりこの口腔清掃に関しては自立してやれるようにしていこうという大学もあるかと思います。
チーム医療にも関わることでもあるんですけれども,歯科医師と歯科衛生士はデンタルチームとして,これを一体化して,教育も少し平たくしていかないと,それをコアにして多職種とどう連携するかということが高齢・障害者,あるいは在宅の方のときには一番大事になってきて,歯科医師が飛び込んでもできない部分があって,歯科衛生士が飛び込んでいってもできない部分がある。
これが如実に表れたのが,私どもの近くの熊本,大分での災害のときに,生活支援という形で要請があって出て行ったときに,やはり歯科医師と歯科衛生士のチームでの活動がかなり評価を受けたということを考えると,今のこの時点でも是非調査研究チームはそこの部分の,まずチーム医療でどう歯科衛生士を捉えるのかということと一体化して,どのような方向性で診療をするのか。これは,多分歯科衛生士の指揮権,指導の権限の問題も厚生労働省の抱えるところでございましょうし,少し多面的な議論は必要なんですけれども,そういうのに気をつけながら,もう少し深みのあるやつでE項目にアイテムを入れた方がいいのかもしれないと思いますが,いかがでしょう。
【嶋田委員】  歯科衛生士,また歯科技工士も含めて,歯科医療の中での多職種連携というものをどういうふうに入れ込むかを検討する必要があります。先生がおっしゃったように,在宅や,災害時に歯科チームとしてどのように活動していくかというのは,今回は議論が余りなかったです。だから先生が今言われたことを受けて,議論を深めることは必要かと考えおります。
【前田委員長】  それに関しては,少し議論をさせていただきたいと思います。
【嶋田委員】  お願いします。
【前田委員長】  その観点が今まで,正直な話,欠けていたと思います。
あと,いかがでございましょうか。
【山口委員】  全体でいいですか。F領域じゃなくていいですか。
【前田委員長】  あとF領域,何かもうよろしいでしょうか。一応基本的なコンセプトの考え方としては,こういう形でやらせていただくということで,また改訂案を作らせていただきたいと思います。
それでは,全体を通しての議論ということで御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山口委員】  済みません,少し戻ります。机上資料1の12ページ,最初のところで,A-1の患者の尊厳というところの細かい文言なんですけれども,一度チームで議論していただきたいなと思いますのが,この患者の尊厳というところに,「適正な歯科医療を提供するために」という言葉が加筆されて,患者の権利を熟知し,その現状と問題点を理解するとあります。
適正な歯科医療を提供するのは全体的に当たり前のことで,下の項目などを見ていますと,どちらかというと,患者の主体的治療参加を促すとか,推進するためにというふうな枕言葉にした方が患者の権利を説明できて,自己決定権を説明できるというところにつながるのではないかと思います。最初に読んだときにとても違和感を覚えたので,少し御検討をいただいたらと思います。
【前田委員長】  ありがとうございます。
【山口委員】  あと二つあるんですけれども,もう一つが,先ほど最初に話があった研究倫理のところ,さっきうまく言語化できなかったんですけれども,研究マインドの涵養と倫理は分けて考える必要があるのではないでしょうか。マインドの涵養を誤っていくと倫理を逸するところがあると思うんですね。ですので,やはり研究する上で押さえておかないといけない大事なところという意味での倫理をしっかりと書き込んでいただいた方が,いろいろと臨床研究の――歯科の方ではどうか分かりませんけれども,医科の方で不正事案が生じていることを考えると大切だと思います。特にこの研究の倫理や医療安全は,学生の間に当たり前にしておかないといけないと思います。
三つ目は,第1回目の合同会議のときに申し上げるべきだったかも分からないんですけれども,今医学教育の齋藤委員長もいらっしゃるので,ここで述べたいと思います。私たち,電話相談ということで,医科も歯科も相談をたくさんお聞きしている中で,結構患者さんのコスト意識が高まってきているんです。ところが,そういうことに対して,学生の間にほとんど教育を受けていないということがあって,中でも歯科というのは矯正をはじめとして保険適用外が多く,費用が高くなるということもありまして,お金に関する御相談がとても多い現実がございます。
そういうことからすると,例えば保険診療とか,社会保障とかを学んでいただく必要があると思うのですが,コアカリを拝見しても,どこにも出てこないので,できれば医科も歯科も共通のところでそういうものもそろそろ入れていただくことを御検討いただけたらどうなのかなと思いました。社会のニーズに合わせるということからしますと,提案としてお伝えしたいと思います。以上です。
【嶋田委員】  よろしいですか。今,山口委員がおっしゃったことは,A領域の患者の尊厳についての適正な歯科医療というのは当たり前のことだから,この表現は違和感があるということですね。例えばどのような表現がよいでしょうか。もう一回お願いいたします。
【山口委員】  患者の主体的治療参加を促すためにか,患者の主体的治療参加を推進するためにとか。
【嶋田委員】  そういった文言に直すということですね。研究倫理のことはどこに置くかというのは,最初にこの調査研究チームでどこに置くかという議論がありました。これはこの委員会でやはり議論いただきたいということになりました。山口委員から,研究マインドと倫理はちょっと違うのではないかとおっしゃっておりますので,例えばどういったところに置くべきかという意見を頂きたいと思います。
【山口委員】  例えば医の倫理と書いてありますけれども,臨床倫理と研究倫理という違いがあるんだということを,ここの中に二つ分けていただけると,ああ,倫理というのはこれだけではないんだなと理解につながると思います。
【嶋田委員】  項目を分けることと,見える化にするということですね。
それから,社会保障や,保険診療,医療経済や国民医療費を含む医療保険制度などはB領域に入っております。
【山口委員】  入っているんですか。
【嶋田委員】  入ってはいますが,保険制度,医療経済,国民医療費を含む医療保険制度はありますが,患者相談などのコスト意識のことを,教育のところでどう書き込んでいくかというのは,なかなか文言が多分難しいと思います。だから,それは,コスト意識について,教育のコアでどういうふうに盛り込むかというのは,医科と共通に認識して議論していく必要があるかと思います。
【前田委員長】  お願いします,どうぞ。
【邉見委員】  関連したことなんですけれども。まず,社会保障費とか,いろいろなことがありますから,社会保障全体の中での歯科医療というのを,やっぱりどこかに入れていただきたいなと思いますね。やっぱり保険制度を知らない卒業生が,うちも歯科口腔外科があるんですけれども,自分たちの給料がどこから出ているかというのが分かっていないようなんです。だから,やっぱりうちは地方公務員で市から出るわけですけれども,やっぱりほとんどは社会保障の国民健康保険から出ている。保険者という者がいて出しているとか,私費の場合もあるとは思いますけれども。
そういうことをちゃんと教えていただかないと,現場の者が4月1日にそういうことを教えると,何か生臭いとか言われまして,非常におかしいです。それは,ポストグラデュエートでやることでなく,アンダーグラデュエートでやってほしいなと。
それと,もう一つは,地域包括ケアとか,いろいろなところで多職種連携でできますね。その前に,院内ではやっぱり歯科衛生士を中心としたチーム医療,歯科医師と歯科衛生士をコアにした,ほかにもいろいろありますが,栄養士さんとか。そういうふうな,そこも私は要ると思うんです。これからは,歯科医師会の方々との連携があって,私はそのために医療連携のコーチングというか,教育がどこかに要ると思うんです。ITを使うのでも,最近の若い学生はみんないろいろなスマホを持っていますから,そういうのでもいいですから,そういうふうな,何かそういうこと。やっぱり連携というのが,いろいろな意味で大事だというのがどこかあるんだと思うんですけれども。
【嶋田委員】  机上資料1の16ページのA-7-3),患者中心のチーム医療というところに,記載してあります。すなわち,患者中心のチーム医療の重要性を理解し,他の医療従事者との連携を,ここは身に付ける,学ぶとなっております。ほかに到達目標に医療チームの各構成員,具体的に記載があります。こういったところの役割分担と連携,責任体制を説明できると記載があります。3番目に,保険,医療,福祉,介護の連携,ここに地域包括ケアをどこに入れるかは別として,歯科医師の役割を説明できるについては記載はあります。まだ不十分であれば,先生のおっしゃったようにしっかり書き込んでいかなければいけないと思っています。
【邉見委員】  これは消しているのではないんですね。
【嶋田委員】  これは消してはいません。
【邉見委員】  それから,やはり先ほど山口委員がおっしゃいました倫理,これは絶対。研究も大事ですし,診療の方の実地の歯科医療の中の倫理と研究の倫理は完全に分けないといけないと思います。自分のことと相手に対することと,両方ありますからね。
【前田委員長】  あとは,私は常々思っていて,私は国家試験もやっていますが,B領域が国家試験とモデル・コア・カリキュラムとのギャップが非常に大きいんですね。B領域は,だからこの量でいいのかというんでしょうか。逆に言うと,国家試験が社会保障とか,そういうのは非常にボリュームが大きいんだけれども,我々,臨床実習開始前とか,卒前では非常に少ないんです,教えているところ。そこのギャップをどういうふうにして埋めていくかということは,厚生労働省さんとお話ししないと駄目かなと思いますけれども,どうでしょう。かなりボリュームが違うんですね。
【田口歯科保健課長】  今おっしゃったように,先生も御存じのように,冒頭にもありましたけれども,出題基準の関連も含めて,今見直しをやるような形になっていますので,今回このコア・カリキュラムの見直しと合わせて,そこは整合性をとりながらやっていければと思いますけれども。
【前田委員長】  ここのボリュームの調整というのを,少し出題基準等も見ながら調査研究チームの方でやっていただかないといかんかなと。
【嶋田委員】  いろいろなところの意見で,今と同じような意見がありました。国家試験の出題基準とモデル・コア・カリキュラムとの関係はどうなんだ,ここには出ていて,ここには入っていないというのが余りにも多過ぎる。だから,それをどういうふうに調整するか。イコールではないとは思います。国家試験の基準,イコール,モデル・コア・カリキュラムではありませんけれども,その関係,すなわちちょっとギャップが多過ぎるというのは,確かにいろいろなところから聞いています。それを,どのように調整するかは意見を言っていただきたいと思います。
【邉見委員】  よろしいですか。今のお二人の意見は,国家試験の方にこのB領域のところが多くて,授業の中では少ないと。
【前田委員長】  割と少ないイメージを僕は持っているんです。
【嶋田委員】  B領域以外でも,そういう意見はあります。
【邉見委員】  確かに国家試験は多いとは思うんですけれども,結局学生はやっぱり国家試験とか,テストに出ないと覚えないですから,ここは必ず多くしてほしいというのが,私の昔からの意見です。そうしないと覚えない。分かっていても勉強しないし,頭に残らない。だから,国試でここは減らさないでほしいと私は思っています。
【嶋田委員】  ただ,モデル・コア・カリキュラムは学生の履修時間数,単位時間数のおおむね6割程度の時間数で,どの内容を履修させることが妥当であるという概念があるんですね。残りの4割は各大学の特色ある独自のカリキュラムで教えるということです。それも含めた形で国家試験の基準ができていると思うんです。その関係のギャップをどの程度に調整するかはよく議論をしなければならないと思うんです。
【前田委員長】  この3について,西原委員,少し調査,いろいろ研究されていましたよね。
【西原委員】  今,嶋田委員がおっしゃったように6割,70%ぐらいですかね。あと,もう一つ,実習,クリニカルクラークシップをやっていく中で保険診療に対する考え方を教えるとか。それは国家試験の出題でおのずとそれで増えてくるという必然性の議論をきっちりと両者間で調整しなければいけないんじゃないでしょうかという提案であるとしたら,まさに今いいチャンスではないかと私は思います。
【前田委員長】  ありがとうございました。
どうぞ。
【柳川委員】  全体を通してでよろしいですか。高齢者に対する在宅の問題なんですけれども,これ最重要の課題だと思います。先ほど齋藤先生から御指摘があったように,座学で全身管理とか,医学の知識を高めるというのは必須だと思うんですけれども,なかなか実習が難しいということも理解します。そこは卒業してから,先だっての連絡調整会議でも御紹介しましたけれども,都道府県の歯科医師会では生涯研修制度を実施しており,大体8割の歯科医師が参加していますので,そういったところで連携していきたいというのが一つあります。
それから,邉見委員がおっしゃった多職種連携というのが,言葉では分かりながら,なかなか実際難しいんです。これについても,制度上の理解が必要です。例えば医療は二次医療圏が主体で,介護は市町村という仕組みがある。そうすると,介護保険制度の仕組みも一定程度分かっていないといけないんですね。だから,そういったこともテーマになってくるのではないかと思います。
最後に,山口委員と邉見先生がおっしゃった件なんですけれども,コスト意識,当然必要で,私が思ったのは,歯科医師の場合はほとんどが開業医でGPですから,そう経営の知識がないまま開業する方が多いんです。だから,コスト意識だけではなくて,医療経営に必要な税制も含めて,これは倫理ともつながると思うんです。経営的なものが分かっていないと,手を伸ばさなくていいところに手を伸ばしてしまったり,リスクが高いことをするということも起こりかねませんので,そういったことを抑制する視点も必要ではないかなと思いました。
【前田委員長】  ありがとうございました。
どうぞ。
【南委員】  済みません,私もB領域が非常に国試との兼ね合いが難しいというのは,それはそのまま,結局医療と医学――これ,医学領域も同じだと思うんですけれども,あくまで大学は学部であって,学問を学ぶところではありますけれども,一歩,卒業してしまえば医師,歯科医師であり,そのまま医療に直結するということで,医学で修得したものがそのまま社会に出たときの医療というものになるというふうに考えたときに,昔に比べて,やはり非常に医学と医療が渾然一体としているというか,そういうことの表れではないのかなと。B領域のところが非常に必要ではあるけれども,学問の中になかなか落とし込みにくい,学部のコア・カリキュラムに落としにくいと。
ですから,今回の改訂に当たってそこのところを,コスト意識にしても,社会保障の制度にしても,必要なことは際限なくあると思うんです。ただ,それが学部でどこまで必要かということをかなり精査していかないと,なかなか医療と医学のところがどこまでできるのかというのは,これもなかなか解決の方法はないのかなというふうに思います。
それで,もう一つ申し上げれば,医療というものが,かつてはメディカルケアということが医療だったのが,今ではヘルスケアというところにまで大きくなっていますから,そうなると,医療,つまり保健ということにもなるわけです。これは6年間の教育でできることというのは,制度まで入れてしまうと本当に大変なことになるということ。
もう一つ,同時に,財源を伴わない医療とか医学とかいうことはあり得ないので,そこのところを本当にどうするのかということを,大学の現場の先生方でよくもんでいただく必要があるのかなという気がいたします。
【前田委員長】  これに関しては,医学の専門研究委員会でも少し議題として取り上げていただいて,まとめた方がいいかと思いますけれども,いかがでしょうか。
【齋藤(宣)委員】  例えば医の倫理という言葉は非常に幅が広い。その中には,医療の倫理も,医学の倫理も,研究の倫理もあります。そういう細かいところまで踏み込んだコアカリにしておけば,これは学習者にとっても,ちゃんと区域を分けて学習することができると思います。
それから,社会医学の,例えばB領域の社会と歯学の領域,これは誠に残念ながら,卒前の教育で社会医学系というのは何となく軽く扱われてきたという感じが,これまでにあると思います。そこの考え方,これは医学,歯学の全教員がやっぱりもう一回ここを考え直してやっていかなければいけない問題だと思います。
そうなってくると,例えばここからは歯学でここからは医学だという問題ではなくなりますから,今前田委員長がおっしゃったように,歯学と医学と共通で考えていくべき宿題として受け取ればいいと,私は感じました。
【前田委員長】  そうですね。今度の7月の医学の委員会で,私,出席したときにそういうお話をさせていただきましょうか。
【齋藤(宣)委員】  その方がいいと思います。その裏返しとして,例えば私がさっき申し上げた,歯科の先生に,これだけ医科の病気のことを勉強してくださいとお願いしたけれども,その裏返しがありまして,医科の方で,例えば歯周病や何かのことをもっと勉強しなければならないという部分もありますから,いいチャンスだと思っています。お願いします。
【前田委員長】  では,このA領域とB領域のここに関しては,二つのところで連携をとってお話をさせていただきたいと思います。
どうぞ。
【関本委員】  一ついいですか。齋藤委員がいらっしゃっているので,医科と歯科の連携なんですけれども。3年ぐらい前に,文科省のやっている医学・歯学教育者ワークショップで,チーム医療というテーマでやったんですけれども,歯科の方のグループの先生たちはチーム医療の中に必ず医師を入れるんです。医師の方は,ほとんどのグループは歯科医師を入れないんです。それで非常にショックだったんですけれども,なぜ入らないんですかという質問をしたときに,歯科は何かあったら呼ぶから大丈夫ですと,こういう回答だったんです。それ,3年ぐらい前です。
なので,これ,共通項目で,多職種連携とかって入っていますので,そこのところはちゃんとすり合わせをしていただいて,医師の方にも歯科医師が当然入るというような教育をしていただけると,我々も歯科医師を教育しがいがあると思いますので,その辺のすり合わせをよろしくお願いしたいと思います。
【前田委員長】  ありがとうございました。
ほか,いかがでございましょうか。それでは,私の方から宿題を,特に歯科の臨床の先生方にお願いしたいんですけれども,臨床実習の水準表の見直しの案を,私案で結構でございますので案を作っていただけたらなと思っております。コンセプトとしては,卒業時までに学生がきちんと,臨床能力は何かで水準表を見直すということで,お願いしたいと思いますけれども,歯科の委員の先生方,よろしいでしょうか。
【五島委員】  一つ,いいですか。医療系のことで大体臨床実習というのは水準表とか作られているんですけれども,今のお話ですと,社会制度とかということに関しても,やはり臨床実習のときに学んでいくべきというか,実際に学ぶ機会を入れるとかいうことも含めて改訂でもよろしいでしょうか。
【前田委員長】  ええ,お願いします。そこは,やっぱりF領域の前文のところできちっとそういうことを書いていただく必要があると思うんです。当然技能だけではなくて,きちんと態度,倫理観をも養成するというような文章を書いていただく必要があると思います。そういうことを書いていただいたと思うんですけれども。
【前田委員長】  ありがとうございました。皆様の御協力で,予定より若干時間を余らせてしまいましたけれども,企画官,よろしいですか。
【佐々木企画官】  はい。
【前田委員長】  それでは,嶋田先生の調査研究チームにおかれましては,本日の御議論,御意見等を踏まえて,さらに調査研究を進めて骨子案をまとめていただけたらと思います。
最後に,事務局の方から今後の予定等について御説明をお願いいたしたいと思います。
【佐々木企画官】  資料6をごらんください。今後の予定ですが,先ほどの御議論の中にもありましたとおり,7月6日,こちらは医学の専門研究委員会ですけれども,前田委員長にも御出席いただきまして,本日の検討事項,御提案事項も含めて御議論をいただきたいと思います。本日の歯学の専門研究委員会,そして,7月6日の医学の専門研究委員会で御議論いただいた内容のものは,7月27日,私ども文科省主催の医学・歯学教育指導者のためのワークショップの中でも,参考資料2にありますとおり,今回はモデル・コア・カリキュラムを主たるテーマとして行いますので,その中で参考資料2の1ページの7.日程,(2)「モデル・コア・カリキュラムの改訂に向けた検討状況について」の中で御紹介し,今の段階から各歯学部,各医学部での状況が分かるような仕掛けを考えております。
その後,合同での形になりますけれども,秋口になりましたら,連絡調整委員会と専門研究委員会を合同の形で,今度は骨子案の形で整理したものを御議論いただきたいと思っております。ここまでのプロセスの中で,このペーパーにはございませんが,本日の御議論に関連して,追加の御意見等がございましたら,6月22日の水曜日になりますけれども,1週間後をおおよそのめどとして事務局までメール等で御連絡頂ければと思います。
以上が秋口までの話です。10月以降の日程等につきましては,また追って御連絡等をさせていただきたいと思います。あと,机上ファイルはそのまま置いていただければと思います。
机上資料は取扱注意ではございますが,お持ち帰りいただいて結構でございますので,よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
【前田委員長】  ありがとうございました。
それでは,先ほどの臨床水準表の見直しについて,歯科の先生方,いつ頃にいたしましょうか。嶋田委員の調査研究チーム会議が……。
【嶋田委員】  7月11日です。
【前田委員長】  がありますので,7月の第1週ぐらいまでに文部科学省の方に集めていただいてよろしいですか。
【佐々木企画官】  はい。失礼しました。改めて整理しますと,本日の検討につきましては,一旦1週間後をめどに,また,水準表につきましては7月第1週をめどに,私ども文科省に頂ければと思います。後者の方は,嶋田委員の調査研究チームにそのまま渡したいと思います。こういう段取りで進めたいと思います。
【前田委員長】  はい。よろしいでしょうか。
【関本委員】  それぞれがということですね,自分の。
【前田委員長】  はい。私案として,議論のたたき台にさせていただきたいと思います。
それでは,長時間にわたりまして,本日はどうもありがとうございました。

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