資料4 歯学モデル・コア・カリキュラム改訂の主な検討事項(案)

歯学モデル・コア・カリキュラム改訂の主な検討事項(案)


1.基本コンセプト「多様な歯科医療ニーズに対応できる」への対応状況


  「国際的な公衆衛生や医療制度の変遷に鑑み、国民から求められる倫理観・医療安全、地域包括ケアシステム、健康長寿社会などのニーズに対応できる実践的臨床能力を有する歯科医師を養成する」ことをコンセプトとして検討した。
(章ごとの改訂基本コンセプト)
A.倫理、医療安全、チーム医療に対応
     「研究マインドの涵養」を残し研究倫理に関する記載はどこに入れるかを専門研究委員会で検討し結論を得る。
B.社会保障(医療制度)の変遷に対応
     さらに個人識別、死因究明、虐待について検討した。
     多職種連携、地域包括ケアシステムのキーワードについては、A-7-3)患者中心のチーム医療に多職種連携、B-2-2)保健・医療・福祉制度に地域包括ケアシステムを入れるよう修正する。
C.全身との関係に考慮した基礎項目の改訂
     様々な学会からのアンケート等の結果を全体としては網羅して反映、今回のコンセプトに合わせて新しい項目を追加し、かつ内容的・文章的な矛盾点を整理した。
     括弧書き(【 】)が不要になるように文章を再検討する。
E領域の内容と重複する部分は、再検討して基礎にも残すべき部分は残す方針。
D.歯科生体材料と歯科材料・器械については、意見調査結果の反映と医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)を意識して、「医療機器の定義」を明示の上、その中に歯科材料と歯科の器械の説明を記載する予定。
E.超高齢社会(健康長寿社会)など多様な歯科医療ニーズに対応できる臨床歯学
     全体的にはコンパクトにしている部分と追加した部分がある。
     臨床実習開始までの基礎模型実習を含めた、技能教育に関する学修(到達)目標
     E領域の評価は、OSCEとなるのでOSCEの領域をカバーできているかどうか。
    各実習の到達目標の内容をある程度落とし込んでおく必要がある。
    新設のE-5については、相互演習(実習)、模型実習、シミュレーション実習でできるものを入れた。
F.臨床実習内容について、Item basedからcompetence basedへの対応
    臨床実習はコンピテンスベースで、E-5はアイテムベースという方向で改訂する
    医学と同じように、臨床実習における位置付けという意味で前文を入れた。全体構成としては、診療の基本、基本的診察法、基本的臨床技能、地域医療という構成にした。地域医療の中に病診連携、訪問診療、多職種連携、地域包括ケアシステムのキーワードを入れた。診療の基本に関しては、各科共通で行えるよう、いわゆる医療情報から、臨床診断推論という内容をF-1-1)(新設)で、F-1-2)(新設)に関しては臨床全体を通じた医療安全・感染対策という様な項目を挙げている。診察法としては、医療面接、診査、検査、ということで、ここにOSCEの内容を包括した。臨床技能に関しては、共通事項ということでOSCEの実習内容を入れた。細かい内容は水準表に挙げた。
    水準表について、基本的に現在の内容を参考にしたが、縦にF項目の項立てをし、内容が分かりやすい形にしている。水準は医学の資料を参考にし、シンプルに水準1~4にした。水準1~4を実践する立場から考えた場合、臨床実習→臨床研修→専門医教育の連続性は関連性が必要なので、水準3、4をそのイメージでまとめる。
    その他、改訂内容と歯科医師国家試験の出題基準との対応を精査していく。


2.新たな教育項目の追加への対応状況


1)基本事項・社会と歯学
   倫理(研究倫理を含む):A-2医の倫理、
   研究倫理についてはどこに入れるべきか、その到達目標の文章の修正を専門研究委員会で検討する予定。
   医療安全:A-4(現行A-5)歯科医療における安全性への配慮と危機管理に加筆修正した。
   公衆衛生:B-3 予防と健康管理
   社会保障(医療制度):B-2-2)保健・医療・福祉制度
   地域包括ケアシステムについては:B-2-2)○7(現行○9)「地域における保健・医療・福祉・介護について説明できる」に明文化する。
2)医学知識
   超高齢社会への対応:
   E-1-4)(現行E-1-3))歯科麻酔の基本 → 歯科医療に必要な全身管理の基本
   E-4 タイトル「歯科医療の展開」を二つに分けてはどうか。
   「矯正歯科・小児歯科治療」、もう一つをE-5として「社会ニーズに対応した歯科医療」(高齢者・障害者・心因性疾患患者の治療)として分ける。
   E-4-6)歯科医師に必要な医学的知識
   今回は代表的な医科疾患を具体的に挙げる予定
   例えば高血圧症、虚血性心疾患、心臓弁膜症、気管支喘息、糖尿病、脳血管障害などを検討予定。
   現在の到達目標○2と○3はまとめて、「医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。」とする。
   歯科法医学(死因究明):B-2-3)歯科による個人識別
   「歯科医師による死因究明及び身元確認の法的根拠を説明できる。」については歯科医師として身元確認等が可能であるが、死因究明という単語を歯学教育モデル・コア・カリキュラムに入れるのか考えるべきであるが、用語が適切であるか文科省で調べて、厚労省と確認して提案する予定。
   虐待:
    B-2-2)に「高齢者、障害者のおかれた社会環境」があるのでここに入れるべきだが、ここには小児が入っていない。
    E-4-2)  小児の歯科治療 ○12小児の虐待の徴候と対応について説明できる。
    とあるので、この部分は残しておく。また、E-4-3)高齢者の歯科治療の部分にも虐待に関する文章を入れると整合性が取れる。


3.認証評価を見すえたグローバルスタンダードへの取組


Item basedからcompetence basedへ
E-5 相互演習(実習)・模型実習・シミュレーション実習:Item basedとする。
F.臨床実習について:Competence basedにする。


4.臨床基礎実習‐臨床実習(水準表)の連携
 

1)E-5相互演習(実習)・模型実習・シミュレーション実習
   item basedとして、模型(シミュレーション)実習で実施する具体的内容を記載。
2)F 臨床実習


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