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資料  5

平成14年1月21日
薬剤師養成問題懇談会

今後の薬剤師養成に関する諸問題について

  「薬剤師養成問題懇談会」は、平成8年8月から、これまで19回にわたり議論を行った。その結果、各構成員の意見及び乗り越えるべき重要な課題がかなり明確なものとなってきた。また、急速に変化している薬剤師養成に関する社会的ニーズに適切に対応すべきであること、生涯学習の観点も含めて薬剤師の質の向上を考えることについて、各構成員の意見の一致をみた。
  社会の中における薬剤師全体のあるべき姿、これまで本懇談会において出された議論を踏まえ、今後、各者が連携を図り、生涯学習の観点を踏まえ、それぞれの所管や専門分野において、薬剤師の質の向上を目指した具体的な課題、例えば、カリキュラムの充実と改善、それを可能とする修業年限や実習、薬剤師業務等について、具体的かつ建設的な検討を行うことが重要である。懇談会の議論を通じて明らかになった、今後各者が検討すべき課題は以下の通りである。

1.文部科学省:
カリキュラムの在り方
国公私立大学の検討結果を参考に、カリキュラムのガイドラインについて検討
修業年限の在り方
カリキュラムの在り方、実務実習内容・期間の検討結果を受けて、薬学教育の修業年限の在り方について検討
修業年限を延長する場合の措置等
関係法令の整備
上記に基づく予算措置等
教育組織及び教員の教育能力の向上策
大学関係者と協力しながら、教員の教育業績評価ガイドラインを作成
実務実習指導者の養成等FDの推進方策の検討
学部・大学院の在り方
他学部や薬学部のこれまでの経緯を参考に、大学院のあり方等を含め検討
大学の設置認可
カリキュラム・修業年限等を踏まえ、設置認可方法について検討
臨床実習の充実
臨床実習ガイドライン(評価方法等の雛形)の作成
国立大学附属病院等における実務実習環境の整備
実習環境の整備
実務実習体制の構築
国立大学附属病院等における今後の薬剤師(特に薬学修士)受け入れ方針の整理
薬学部卒業生(薬剤師)の生涯教育
大学における生涯学習の在り方について検討

2.厚生労働省:
薬剤師需給の検討
将来の薬剤師の需要数と供給数の適正化等について検討
他の医療関係者・団体との調整
薬学教育の修業年限に関するコンセンサスの構築
国家試験の受験資格の見直しに伴う薬剤師法の改正等
国家試験の内容の見直し
出題基準(水準)の見直し
新カリキュラムとの整合性の確保
実務実習における調剤等の法的許容範囲の明確化
薬剤師免許を持たない薬学部生が行うことができる実務実習の範囲の明確化
国立病院等における実務実習環境の整備
実習環境の整備(例:指導費等の補助  等)
実務実習協力体制の構築(費用・人員の配置及び教育・カリキュラムの整備)
実務実習指定病院・薬局制度の導入
国立病院における今後の薬剤師(特に薬学修士)受け入れ方針の整理と体制の整備
薬剤師業務の在り方について検討
修業年限を延長する場合における、現在の医療制度の仕組みにおける業務のさらなる充実に伴う、薬剤師業務の在り方について検討(薬剤師法の改正等)
卒後研修の充実
日本薬剤師研修センターにおける薬剤師実務研修事業の拡大
卒後研修の必修化の可否についての検討
卒後研修受け入れ病院・薬局への支援方策の検討
研修認定薬剤師制度等を活用した薬剤師生涯教育の普及
修業年限に対応した薬剤師業務等の在り方
修業年限を延長する場合における、今後の薬剤師業務等に関する検討
社会への貢献について検討

3.日本薬剤師会 ・日本病院薬剤師会:
実務実習の協力体制の構築
各病院・薬局の受け入れ体制および指導体制の整備・推進
協力病院・薬局に対する支援
学生の指導を十分に行うことができる人材の育成と確保
薬科大学(薬学部)との協力体制の構築
開局薬局と病院薬局の実務実習での連携の在り方
卒後研修の充実のための協力体制の構築
各病院・薬局に対する協力の要請
協力病院・薬局に対する支援
学生の指導を十分に行うことができる人材の育成
修業年限に対応した薬剤師の業務等の在り方
修業年限を延長する必要がある場合における、今後の薬剤師の業務等に関する検討
薬剤師業務の見直し
修業年限を延長する必要がある場合における、今後の薬剤師業務と現在の薬剤師業務との関係の整理及び体制整備
病院・薬局における今後の薬剤師(特に薬学修士)受け入れ方針の整理と体制の整備
他の医療関係者・団体との調整
薬学教育の修業年限に関するコンセンサスの構築

4.薬科大学 (薬学部):
カリキュラムの在り方
国公私立共同の「モデル・コア・カリキュラム(実務実習内容・期間を含む)」の作成
各大学における、「モデル・コア・カリキュラム」に基づくカリキュラム(実務実習内容・期間を含む)の作成
実務実習環境の整備
最低限必要とされる実習の完全実施
「モデル・コア・カリキュラム」において示される実務実習期間において充実した教育が行えるための教員・施設等の確保
充実した実務実習を送るための、指導者用教育ガイドラインの作成
病院・薬局との協力体制の構築
薬学教育の改善
FD等教育内容・質の向上
「モデル・コア・カリキュラム」に基づく大学間共用試験の実施
教員の教育業績評価方法に関する検討
国家試験の見直しに関する協力
薬剤師国家試験の見直しに伴う問題作成の協力
教育体制の見直し
文部科学省における学部・大学院の在り方等に関する検討結果を踏まえ、各大学における教育体制(大学院のあり方等)を見直し
薬学部卒業生(薬剤師)の生涯学習体制の構築


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