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表1   学士課程で育成される看護実践能力の大項目・細項目

1   ヒューマンケアの基本に関する実践能力
1) 人の尊厳の重視と人権の擁護を基本に据えた援助行動
(1)  個別な価値観・信条や生活背景を持つ人の理解
(2) 人の尊厳及び人権の意味を理解し擁護する行動
(3) 個人情報の持つ意味の理解、情報の適切な取り扱い
2) 利用者の意思決定を支える援助
(1)  利用者の意思決定に必要な情報の提供
(2) 利用者の思い・考え・意思決定の共有、意思表明への援助、意思決定後の支援
(3) 利用者の意思の関係者への伝達、代弁者役割の遂行
3) 多様な年代や立場の人との援助的人間関係の形成
(1) 利用者の思い・考え等意思の適切な把握
(2) ケアに必要な他者との人間関係の形成
2   看護の計画的な展開能力
4) 看護の計画立案・実施・評価の展開
(1)  看護過程を展開するために必要な情報の収集・分析と健康問題の判断
(2) 看護上の問題の明確化と解決のための方策の提示
(3) 問題解決のための方法の選択、利用者へのインフォームドコンセント、直接的看護方法・相談・教育の実施
(4) 実施した看護の事実に即した記録作成
(5) 実施した看護の評価、計画の修正・再構成
5) 人の成長発達段階・健康レベルの看護アセスメント
(1)  身体的変化の把握と判断
(2) 認識・感情の動きと心理的変化の把握と判断
(3) 成長発達段階に応じた健康問題の把握と判断
6) 生活共同体における健康生活の看護アセスメント
(1)  日常生活と家族生活のアセスメント
(2) 地域を基盤にした人々の健康生活支援課題の把握
(3) 学校生活に生じやすい健康問題の把握
(4) 労働環境、作業特性による事故や健康問題の把握
(5) 福祉等入所施設の利用者特性に応じた事故や健康問題の把握
7) 看護の基本技術の適確な実施
(1)  各基本技術の目的・必要性の認識、正確な方法の熟知
(2) 利用者にとっての実施の意義と方法の事前説明、了解の確保
(3) 技術実施過程を通しての利用者の状態・反応の判断、実施方法の調整
(4) 実施した成果・影響の客観的評価と利用者による評価
(5) 技術実施過程における危険性(リスク)の認識とリスクマネジメント
3   特定の健康問題を持つ人への実践能力
8) 健康の保持増進と健康障害の予防に向けた支援
(1)  個人特性及び地域共同体特性に対応した健康環境づくり
(2) ライフサイクル各期の健康づくりへの支援
(3) 健康診断にかかわる支援
(4) 感染症予防の活動
9) 次代を育むための援助
(1)  思春期の健康問題への支援
(2) 妊娠・出産期にある母子と家族への援助
(3) 乳幼児のいる家族への支援
(4) 健康障害を持つ児と家族への支援
(5) 学校生活集団における健康問題の判断と支援
(6) 次代を育む家族機能の危機への支援
(7) 性と生殖の健康問題を持つ利用者への支援
10) 慢性的疾病を持つ人への療養生活支援
(1)  疾病・健康問題に応じた生活支援
(2) 医学的管理と受診への支援
(3) 労働にかかわる支援
(4) 家族への支援
(5) 療養生活にかかわる資源の活用支援
11) 治療過程・回復過程にある人への援助
(1)  受けている治療法の影響の判断と予測
(2) 治療法に基づく個別援助
(3) 安全・安楽を充たす日常生活援助
(4) リハビリテーションへの援助
(5) 家族への支援
12) 健康の危機的状況にある人への援助
(1)  生命の危機状態の判断と救命処置
(2) 心の危機状態の判断と緊急対応
(3) 事故の特性に応じた救急処置・援助
(4) 本人への適確な状況説明
(5) 家族への支援
13) 高齢期にある人の健康生活の援助課題の判断と支援
(1)  その人らしく尊厳ある生活の保障
(2) 健康障害の予防と健康生活の支援
(3) 治療、リハビリテーション過程への援助
(4) 生活機能障害のある高齢者の生活適応への支援
(5) 家族への支援
14) 終末期にある人への援助
(1)  身体的苦痛の除去
(2) 死にゆく人の苦悩の緩和
(3) 基本的欲求の充足
(4) 死にゆく人の自己実現(希望の実現)への支援
(5) 看取りをする家族への支援
(6) 遺族への支援
4   ケア環境とチーム体制整備能力
15) 地域ケア体制の充実に向けた看護の機能
(1)  人々の生活の営みの中での援助
(2) 健康生活を守る市民活動における市民との連携
(3) 健康危機管理及びその対策と看護職の責務・実践
(4) 保健福祉事業における看護の機能
16) 看護職チーム・保健・医療・福祉チームでの協働・連携
(1)  利用者の個別ニーズを充足する連携・協働
(2) チームの一員として自覚と責任ある行動
(3) ヘルスケアサービス利用支援
17) ヘルスケア提供組織の中での看護の展開
(1)  ヘルスケアの提供組織の仕組み、看護サービス提供組織の理解
(2) 看護サービス提供にかかわる運営、法的・経済的背景の理解
(3) 医療・保健・福祉・介護に関する経済的・政策的課題の理解
5   実践の中で研鑽する基本能力
18) 看護実践充実にかかわる研究成果の収集と実践への応用
(1)  看護実践における課題や疑問の解決に向けた文献・情報の収集
(2) 特定の看護実践課題の改善・充実に向けた研究成果の応用
19) 看護実践を重ねる過程で専門性を深める方法の修得
(1)  自己の看護実施過程の客観的事実としての把握
(2) 看護実践方法の改善課題の整理・解決
(3) 社会の変革の方向を理解した看護学の発展の追求




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