1.日 時 平成10年1月29日(木)14:00〜16:00 2.場 所 文部省3A会議室 3.出席者 (協力者)廣中平祐座長,渥美省一,出丸朝代,荻村昭典,興梠 寛,佐々木正道,椎木哲太郎,鳥越けい子,森 正夫,矢野由美,山崎美貴子,渡邉 裕,和田敏明の各協力者 (文部省)佐々木高等教育局長,山中学生課長,角田課長補佐 他 4.議 事 (1)開会 (2)佐々木高等教育局長あいさつ (3)協力者及び文部省等出席者紹介 事務局から各協力者及び文部省の出席者の紹介が行われた。 (4)座長選任 廣中山口大学長が選出された。 (5)会議等の公開について 事務局から会議や議事録の情報公開について説明が行われ,会議及び議事要旨を公開することとされた。 (6)資料説明 配布資料の確認後,事務局から資料に基づいて本会議の趣旨,今後の進め方や各大学等における学生のボランティア活動の推進状況調査の結果について説明がなされた。 (7)実例紹介等 各協力者が所属・関係している大学や団体における学生のボランティア活動状況や学生の活動の考え方について,それぞれ以下のような意見が出された。 ○ 県の教育委員会として,大学と連携したり,青年ボランティア養成講座の開催,ボランティアセンターの設置といった活動を行っている。問題となるのは,活動の場の開拓であるが,行政側が消極的。例えば図書館での受入れ等について協力が得られにくい。情報の提供方法についても,問題となる。 ○ 行政と市民との連携が重要であると考えており,県内のNPO活動を支援している。ボランティア活動の支援は,新たな市民サービスであると感じているが,行政には限界がある。 ○ 大学で講座を設けることについては反対する意見がある。ボランティア活動に点数を付けて評価することはどうかと思う。 ○ ボランティア関係の講座を担当しているが,活動そのものの評価はせず,実践を奨励しつつ,論文のみで評価している。 ○ 日本青年奉仕協会では一年間のフルタイム・ボランティアの制度があるが,その半数以上が大学生である。活動の動機は,自分探しというのが多く,精神的なケアも必要。 ○ イギリスでは大学入試合格後に修学を猶予する制度があり,海外でのボランティア活動などを奨励している。日本では,学生のボランティア活動のための長期の休学が認められない。又,大学の情報提供システムや窓口についても課題がある。 ○ 今の学生は,ボランティア活動に対してマイナスのイメージがあるのかもしれない。大学に入る以前のボランティア活動も重要である。 ○ 阪神・淡路大震災時に大学としてボランティア活動を行い,大学間の連携が重要と認識した。地域社会と連携した養成講座の開設を企画している。 ○ ボランティアに関する授業科目は,平成5年度より開設しており,通常の講義に加え,ボランティア活動の実践も学生に課している。単位認定も行っているが,実際は,単位認定した学生は5%にすぎない。今は余りにも学生と社会の接点が少なすぎる。大学もどんどん接点を求めていくべきであり,ボランティア活動はその一つであると考えている。最初は単位目当てで活動に関わるようでもよいと思う。 ○ ボランティアという言葉は恵まれているものから恵まれないものへ与えるというイメージがあるが,実際は交流を通して互いに学びあうものである。相手方への言葉の使い方に注意が必要。 ○ ボランティア活動に対する単位認定については,ボランティアの理念に与える影響について学内でディスカッションを重ねている。 ○ 学内での学生生活調査において,ボランティア活動への参加経験があるものが8.9%いた。特に文系女子の割合が高く,その意義については人生経験が豊かになったという回答が多かった。学内のボランティア団体の活動も活発で,昨年の福井県沖の重油流出事故の際も活躍した。 ○ 大学審では,正課教育のカリキュラムに関する議論がほとんどで,正課外教育は余り議論されない。正課外教育の重要性についても,この会議で議論できればと思う。 ○ ボランティア活動の単位化については,学内では慎重論が多く行っていない。 ○ 大学の学生生活実態調査では,経験者が28%と多く,そのうち定期的に行っている者も2割いる。また,機会があればやってみたいと考えている者も6割いる。活動の動機としては,「内容に関心があった。」「面白そうだった。」というものが多く,サークル活動に関連したボランティア活動を行うケースも多い。 ○ 学生に対して,ボランティア活動が特別なものではないという意識を啓蒙することが必要。 ○ 大学内でのボランティア関係のサークルは,30程度と多い。学生からボランティア講座の開講を望む声などが多く,学生ボランティアセンターを開設し,学生の活動基盤を作ろうとしている。ただ,「コーディネーター」と「予算」の問題が大きい。単位化については,正課のみであり,ボランティアセンターを通した課外活動の単位化は考えていない。 ○ 入試でのボランティア活動の評価も課題である。総論としては賛成であるが,評価方法が難しい。ボランティア休暇についても,学生のニーズが高い。情報の収集方法やネットワーク化も今後の課題。 ○ 大学の科目群に社会教育系があり,講義と実践によるボランティア関係科目が開講されている。また,長野オリンピックへのボランティアでの参加も単位化する予定である。 ○ (1)国立大学でも国からの支援があまりないこと,(2)ボランティア科目は,講師が活動のコーディネイトをしなくてはならないことが多く,教員への負担が大きいことから,教員の意識の啓蒙と協力体制づくりが必要であること,(3)介護福祉の活動を行う際に一般的なボランティア保険しかないこと,(4)地域社会との連携,(5)ボランティア活動へのモチベーション維持のために就職活動の際の評価など単位以外の評価を検討すること,などが課題。 ○ 学生ボランティアの状況は,ボランティア全体の傾向に一致している。ただ,ボランティア全体に占める大学生のシェアは,2%程度と低い。福祉関係のボランティアでも全国で7万団体,530万人が登録され活動している。 ○ ボランティア団体の立場から見ると,大学の窓口がわかりにくく,学外との連絡がしにくくなっている。大学の中にボランティアセンターが作られるのが望ましい。コーディネーターなども必要。希望者に如何にきっかけを与えていけるかが,ポイントとなる。 ○ 大学生に地域社会に入る基本的ルールを学ばせる必要があること,受け入れ先にも大学側と議論できる仕組みを作ること,が必要である。体験してあまりいい結果が残らないこともある。同情でなく理解が生まれるような活動にすることが必要。 ○ ボランティアの活動に対する評価は,活動の有無まではいいと思うが,内容まで立ち入って評価することはどうかと思う。 ○ ボランティア活動中の事故の責任については,正課として行われる活動であれば,内外学生センターで取りまとめているボランティア活動等に対する保険(任意加入)があるが,ボランティア活動の証明がなくてはならず,個人的な活動については立証が難しい。 (8)次回の会議日程について 事務局から次回の会議日程について,3月を予定していること,後日,日程調整の上連絡する旨の説明があった。 |
高等教育局学生課
-- 登録:平成21年以前 --