「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント  現在の進捗状況について

平成24年4月16日
文部科学省

平成22年5月19日に公表した「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイントにおいて記載されている3から7までの項目について、現在の進捗状況は以下のとおりとなっている。

3 「入りやすい公立学校」を実現するための3つの施策

[ポイント]
    公立学校に定住外国人児童生徒が存在することを前提に、「入りやすい公立学校」を実現するために、主に3つの施策を充実する。
    -第一に日本語指導の体制の整備
    -第二に定住外国人児童生徒が、日本の学校生活に適応できるよう支援体制を整備
    -第三に公立小中学校へ入学・編入学する定住外国人児童生徒の受入れ体制について、制度面の検討を含め、環境整備を行うとともに、上級学校への進学や就職に向けた支援を充実

(1) 日本語指導の体制の整備

  • 日本語指導と教科指導を統合した指導方法(JSLカリキュラム)の普及、適応指導・日本語指導等に関するガイドラインの作成、日本語能力の測定方法及び教員研修マニュアルの開発。

 【ガイドライン作成、日本語能力測定方法及び教員研修マニュアルの開発】

●予算

(事業名)外国人児童生徒の総合的な学習支援事業

(24年度予算額) 8百万円

(進捗状況等)

・ガイドラインの作成:
 「外国人児童生徒受入れの手引き」を平成23年3月に発行。全都道府県・市町村教育委員会等に配布したほか、文部科学省ホームページにも掲載。

・日本語能力測定方法及び教員研修マニュアルの開発:
 「日本語能力測定方法」は東京外国語大学、「教員研修マニュアル」は東京学芸大学に開発を委託(研究期間:平成22~24年度)。

【JSLカリキュラムの普及】

●予算

(事業名)外国人児童生徒等に対する日本語指導指導者養成研修

(24年度予算額)

独立行政法人教員研修センターの運営費交付金1,025百万円の内数

(進捗状況等)

 外国人児童生徒受入校の教員、教育委員会の外国人児童生徒教育担当の指導主事等を対象として、外国人児童生徒に対する日本語指導等(JSLカリキュラムの実践も含む。)の専門的な研修を実施。
平成24年度は、6月18日~21日に実施予定。

  • 日本語指導については、各地で既に使用されている指導法や教材のうち優れたものに関する情報や外国人児童生徒への対応のノウハウや経験を集積し、共有化を図るとともに、IT技術等を活用しながら、全国に提供。

●予算

 (事業名)外国人児童生徒の総合的な学習支援事業(再掲)

 (24年度予算額) 8百万円

 (進捗状況等)

 情報検索サイト「かすたねっと(※「かすたねっと」ウェブサイトへリンク)」を平成23年3月30日から公開し、情報提供を開始。

  • 外国人児童生徒等に対して日本語指導を行う教員については、日本語指導を必要とする定住外国人児童生徒等に対し、きめ細かな教科指導の充実を図ることができるよう、日本語指導に係る加配定数の拡充について検討を行うとともに、今後、外国人児童生徒数等の実態把握に努め、将来需要に対応した定数改善や配置基準の明確化について検討を行う。

●予算

 (事業名)義務教育費国庫負担金

 (24年度予算額)1,559,694百万円の内数

 (進捗状況等)

 平成24年度予算においては、35人以下学級の更なる推進とともに、日本語指導が必要な外国人児童生徒等への対応のため、100人の教員定数の改善を行うなど、様々な児童生徒の実態に対応できる加配定数の充実を盛り込んだところ。

  •  日本語指導に関わる人材に対する支援については、適応指導・日本語指導等に関するガイドラインを作成するとともに、日本語能力の測定方法を開発し、その周知・共有化を進めていく中で、外国人児童生徒の現状を正確に把握し、人材の需要を予測して、対応する必要がある。また、日本語指導に携わる教員の養成については、今後、教員の資質向上方策の抜本的見直しの中においても検討される必要がある。当面は、人材確保のため現職教員の日本語指導能力の向上を図る。このため、大学等による日本語指導能力の向上を図る履修証明プログラムの充実等を検討。  

【日本語指導に関わる人材に対する支援】

 ●予算

 (事業名)外国人児童生徒の総合的な学習支援事業(再掲)

 (24年度予算額) 8百万円

 (進捗状況等)

  ・ガイドラインの作成:

  「外国人児童生徒受入れの手引き」を平成23年3月に発行。全都道府県・市町村教育委員会等に配布したほか、文部科学省ホームページにも掲載。

 ・日本語能力測定方法及び教員研修マニュアルの開発:

  「日本語能力測定方法」は東京外国語大学、「教員研修マニュアル」は東京学芸大学に開発を委託(研究期間:平成22~平成24年度)。

 【日本語指導に携わる教員の養成】

 ●制度

 (進捗状況等)

  「教員の資質向上方策の抜本的見直し」については、「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」中央教育審議会(平成22年6月3日)に諮問を行った。現在、中央教育審議会総会のもとに設置さた「教員の資質能力向上特別部会」において審議中。

  •  学校外でも日本語が学べるように、平成21年度補正予算で開始された「虹の架け橋教室」事業において、公立学校に在籍する外国人児童生徒に対する日本語指導も対象とし、3年間の期限付とされている同事業終了後の継続を検討。

●予算

 (事業名)定住外国人の子どもの就学支援事業

 (予算額)平成21年度補正予算 3,726百万円

 (進捗状況等)

 公立学校に転入した、架け橋教室出身者の子どもについても、転入後も継続的な支援が必要であること等から、対象に加えている。
本事業を3年間延長して平成26年度まで実施予定。

(2) 適応支援等の体制の整備

  • 定住外国人児童生徒や親の相談相手になり、日本語能力が不十分な親の支援を行う、要員の配置の促進が必要。地方自治体においては、この人員の活用により外国人児童生徒の保護者に対し、日本の教育制度、学校の教育方針等について情報を分かりやすく、かつ伝わりやすい方法で提供することが必要。この場合、定住外国人児童生徒等に円滑な支援を行うため、たとえば、バイリンガルその他の専門的能力を有する人材とスクールソーシャルワーカー等の人材の連携が必要。  

●予算

 (事業名)帰国・外国人児童生徒受入促進事業

   (学校・家庭・地域の連携協力推進事業)

 (24年度予算額)8,516百万円の内数

 (進捗状況等)

 日本語能力が不十分な保護者への支援や、日本の教育制度等の情報提供を行う要員(就学促進員)を配置することができるよう、その配置に係る費用の1/3を国が補助する事業(「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」)を平成22年度から実施。平成24年度は39地域で実施予定。

 このほか、日本語能力が不十分な保護者への支援にあたっては、当該要員(就学促進員)のみならず、スクールソーシャルワーカー等とも連携して、効果的に支援を行っていくよう周知予定。

(3) 受入れ体制の環境整備及び上級学校への進学や就職に向けた支援の充実

  • 学習指導要領等において定める外国人児童生徒に対する指導上の配慮事項について、教育委員会や学校への周知・徹底を図る。

●その他

 小学校、中学校及び特別支援学校の新学習指導要領の全面実施に向けた全国説明会(総則部会)や小学校、中学校、高等学校各教科等担当指導主事連絡協議会(総則部会)といった都道府県教育委員会の指導主事等が参加する文部科学省主催会議において周知。

  • 外国人児童生徒の日本語能力等に配慮した弾力的なカリキュラムの編成など制度面についての検討や、学齢を超過した者を含め、入学・編入学させたり、その際に下学年へ受入れたり、就業実態を踏まえ、必要な場合には、いわゆる夜間学級を活用したりするなど、小学校または中学校に入りやすい環境の整備を促進。

●制度

(進捗状況等)

 外国人児童生徒の日本語能力等に配慮した指導のための教育課程編成について検討するため、教育現場における日本語指導等の実態把握や有識者等からの意見聴取などを行ってきたところ。今後、「日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議」(平成24年4月11日初等中等教育局長決定)において、日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方について、具体的な検討を行っていく予定。

なお、学齢超過者の受入れ状況についての実態も聞き取り等により把握中。その状況を踏まえた受入れ方針を検討の上、機会を捉えて周知予定。

  • 中学校を卒業していないなどの場合において、高等学校に進学する際に必要となる中学校卒業程度認定試験について、定住外国人の子ども等が受けやすくなるよう、更なる配慮を行うことを検討。

●制度

 (進捗状況等)

 専門家等による会議を開催し、外国人の子ども等が中学校卒業程度認定試験を受験しやすくなるように、全ての漢字に振り仮名を振ること、日本語能力試験N2以上の合格者について国語の科目免除を認めること等の結論を得た。そのため、省令改正を行い、平成23年度の試験より実施。

 ●予算

 (事業名)
  「高等学校卒業程度認定試験等」のうち、「中学校卒業程度認定試験費」

 (24年度予算額) 11百万円

 (進捗状況等)

   定住外国人の子ども等を対象として、通常の問題冊子とは別に、振り仮名付きの問題冊子を作成。

  •  高等学校への受入れについては、定時制、通信制の活用も含め、日本語指導をはじめ、幅広い受入れ環境の整備を支援するとともに、就業体験などのキャリア教育を推進。

【幅広い受入れ環境の整備】

 ●予算

 (事業名)帰国・外国人児童生徒受入促進事業

       (学校・家庭・地域の連携協力推進事業)(再掲)

 (24年度予算額)8,516百万円の内数

 (進捗状況等)

  日本語指導員等、外国人の子どもの受入れに必要な要員を配置することができるよう、その配置に係る費用の1/3以内を国が補助する事業(「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」)を平成22年度から実施。平成24年度は39地域で実施予定。

【キャリア教育の推進】

 ●その他

  文部科学省では、一人一人の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を身に付けさせ、これらの能力や態度の育成を通じて、価値観、とりわけ勤労観・職業観を自ら形成・確立できる子ども・若者の育成を行うキャリア教育を下記の観点から推進。

  • 学校における体系的・系統的なキャリア教育実践の促進
  • キャリア教育に関する職場体験活動やインターンシップなどの体験活動の充実

地域・社会や産業界等と連携・協働した取組の促進

  •  特に日本語能力が十分でない定住外国人児童生徒等に対する進学や就職の支援を充実するため、地方自治体におけるバイリンガルその他の専門的能力を有する人材確保を支援。

●予算

 (事業名)帰国・外国人児童生徒受入促進事業

       (学校・家庭・地域の連携協力推進事業)(再掲)

 (24年度予算額)8,516百万円の内数

 (進捗状況等)

  進学や就職の場面においても、日本語指導等の支援を行うのに必要な要員を配置することができるよう、その配置に係る費用の1/3以内を国が補助する事業(「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」)を平成22年度から実施。平成24年度は39地域で実施予定。

 

4 学校外における学習支援

  [ポイント]

      子どもだけでなく、大人に対する日本語学習についても充実を図る。

  • 子どもだけでなく、定住外国人の大人に対する日本語指導についても、日本語能力評価基準、標準的なカリキュラム及び教材を作成するとともに、大学や日本語学校等と連携し、これらの周知・活用等により日本語学習の充実を図る。

●  制度 

「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的カリキュラム・教材例、指導方法及び日本語能力評価の構築

 (進捗状況等)

  文化審議会国語分科会において「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案(平成22年5月19日)、「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案 活用のためのガイドブック(平成23年1月25日)、「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案 教材例集(平成24年1月31日)、「生活者としての外国人」に対する日本語教育における日本語能力評価(平成24年1月31日)の取りまとめを行った。今後、日本語教育機関・団体に周知を行う。

 今後、文化審議会国語分科会日本語教育小委員会において、指導力の評価について検討予定。

  • 公立学校の授業について行けない児童生徒や外国人学校に在籍していて日本語学習の機会が十分でない子ども、あるいは不就学・不登校になっている子どもに対して、補完的な学習の機会を提供し、確実な就学につなげていくため、平成21年度補正予算で開始された「虹の架け橋教室」事業について、3年間の期限付とされている同事業終了後の継続を検討。
    また、就学前の子ども等を本事業の対象にするかどうかについては、速やかに、検討。  

●予算

 (事業名)定住外国人の子どもの就学支援事業(再掲)

 (予算額)平成21年度補正予算 3,726百万円

 (進捗状況等)

 本事業を3年間延長して平成26年度まで実施予定。平成24年度は地方自治体や大学、NPO法人等により、23教室が設置され、事業を実施しているところ。就学前の子どもは本事業の対象ではないが、参加可能。

 

5 外国人学校における教育体制の整備

   [ポイント]

       ブラジル人学校等が充実した教育内容を提供できるようにする。

  •  ブラジル人学校等の経営を安定させ、充実した教育内容を提供できるように、各種学校・準学校法人化を促進する必要がある。このため、認可権を有する都道府県に対して、適切な範囲内での基準の適正化を引き続き求めていく。

●その他 

平成21年度の外国人教育に関する委託調査研究で作成した準学校法人設立・各種学校認可の手続きのマニュアル(日本語版とポルトガル語版)(※財団法人自治体国際化協会ウェブサイトへリンク)を周知した。平成23年度の調査においても、ブラジル人学校等に各種学校化への意向について確認している。また、外国人学校の各種学校設置・準学校法人設立の認可等に関する調査委員会を設置し、通知(外国人学校の各種学校設置・準学校法人設立認可の促進について)を各都道府県に発出。

  • ブラジル人学校等に在籍している子どもについても、日本社会で生活していく上で日本語の習得が必要不可欠であるので、学校外での日本語学習の機会を充実。

●予算

 (事業名)定住外国人の子どもの就学支援事業(再掲)

 (予算額)平成21年度補正予算 3,726百万円

 (進捗状況等)

  本事業において、引き続き、ブラジル人学校等に通う子どもたちについても、日本語教育を受ける機会を提供。

 (事業名)「生活者としての外国人」のための日本語教育事業

 (24年度予算額) 195百万円

 (進捗状況等)

  日本国内に定住している外国人等を対象とし、日常生活を営む上で必要となる日本語能力を習得できるよう、平成24年度は事業内容の見直しを行い、標準的なカリキュラム案等の活用による日本語教室の設置・運営、その実施のために必要な指導者等の人材の育成及び教材作成業務を行うとともに、多様な機関等との連携・協力を図り、日本語教育の体制整備を推進する。

 また、地域において日本語指導者に対する指導的な立場を果たすものを対象とした、地域日本語教育コーディネーター研修を今年度も引き続き実施する。

 さらに本年度より、地域の実情に応じた日本語教育の総合的な推進体制の整備について、各地の取組の把握・分析及び推進体制の整備に関する効果を検証する調査研究を行う。

 

6 留学生に対する日本語教育や就職支援

[ポイント]

  留学生に対する日本語教育や就職支援の抜本的な充実を図る。

  • 大学において入学後の留学生の教育をスムーズに行えるよう、母国においてe-ラーニングを活用することや、海外の大学や国際交流基金(さくらネットワーク)等とも連携し、渡日前の留学生に対する日本語教育を充実。

●その他

 「高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関する検討会議」を開催し、日本語教育機関の位置づけと教育の質保証の在り方及び日本語教育機関と高等教育機関との国内外における連携の推進、について検討を行い、平成23年8月に第一次取りまとめを行った。引き続き、最終取りまとめに向けて検討を進める。

  • 産業界とも連携し、就学支援のためのプログラム等の構築を進めるとともに、留学生に対して優れた就職のための日本語教育を行っている大学等への支援。

●その他

「高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関する検討会議」を開催し、日本語教育機関の位置づけと教育の質保証の在り方及び日本語教育機関と高等教育機関との国内外における連携の推進、について検討を行い、平成23年8月に第一次取りまとめを実施。その後、当面の間以降の新規審査の枠組みや、その他の高等教育機関に進学・在籍する外国人学生の日本語教育に関する課題等について議論を行い、平成24年3月に最終報告書を取りまとめた。

●予算

 (事業名)大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業

 (24年度予算額)2,610百万円の内数

 (進捗状況等)

  留学生に対する日本語、日本文化について質の高い学習機会の提供を含む国際化拠点としての総合的な体制整備を図るとともに、産業界との連携、拠点大学間のネットワーク化を通じて、資源や成果の共有化を図り、我が国の大学の国際化に資する取組を支援。

  • e-ラーニングを活用した日本語の遠隔教育等を行う大学等への支援。

●制度

 (名称)教育関係共同利用拠点制度

 (進捗状況等)

 日本語教育用デジタルコンテンツの利用を国内外の大学等に開放するシステムを開発し、日本語教育の効率化を図ろうとしている筑波大学を共同利用拠点として認定。

  •  日本の大学を卒業した留学生が日本社会に定着し、活躍できる場を提供するために、地域においても産学官連携による就職支援や受入れ、在留期間の見直し、就職の際の在留資格の弾力化等(調理師、美容師等の職に就く場合に一定の実務経験がないと在留資格が得られない等)の総合的な推進体制の構築。

●その他

 留学生交流総合推進会議において、地域における交流や在籍管理、就職など社会における留学生受入れの推進を図る。

 全国の地域留学生交流推進会議(46地域)において、地域における留学生の就職支援について協力体制の構築を図る。

 ●制度

 (進捗状況等)

 法務省へ在留資格の弾力化について要請を行い、卒業後の就職活動期間の延長(180日から1年に(平成21年度から))や在留資格変更手続の簡素化などを実施。

●予算

 (事業名)留学生交流拠点整備事業(新規)

 (24年度予算額)51百万円

  (進捗状況等)

 大学等が、自治体やNPO、ボランティア団体等と連携し、地域の国際交流拠点を整備して、生活面や就職、教育貢献活動など、地域一丸となって実施する留学生支援に取り組むために必要な経費の支援を実施。

  • 母国と日本との架け橋となる帰国留学生の活用を図るため、大学において卒業後も含めた留学生情報の整備及び同窓会組織への支援。

●その他

全国の地域留学生交流推進会議(46地域)において、卒業後のフォローアップの充実について協力体制の構築を図る。

 

7 更に検討を要する課題

[ポイント]

 以下の課題には、関係府省庁、自治体等の関係機関が連携して総合的に取り組むべく、今後、検討を行う必要がある。

  • 外国人の受入れに関する基本方針の策定(日本語教育、子どもの教育、雇用、職業訓練、社会保障、住宅等)。 
  • 外国人の子どもの教育課題に対処するための関係機関との連携の在り方。(行政とNPO法人との情報・課題共有、国・地方自治体・企業等による基金の創設等) 
  • 外国人に対する行政サービスの在り方(ワンストップサービスでの対応、地方自治体間の行政サービスの格差の是正、地方自治体における外国人の生活全般に関わるソーシャルワーカーの育成の支援等)。
  • 日本語教育の総合的推進
    • 地域における日本語教育の推進体制の充実
    • 日本語教員等の養成・研修のあり方
    • 日本語学校をはじめとする日本語教育機関の充実
    • 日本語教育に関する各種情報の共有化(優良事例の収集等)
    • 外国人研修生、技能実習生等に対する日本語教育の充実(日本語学校等の活用)
    • 国際交流基金と我が国の大学等との連携・協力を通じた海外での日本語教育の推進
       

【地域における日本語教育の推進体制の充実】

●予算

 (事業名)「生活者としての外国人」のための日本語教育事業(再掲)

 (24年度予算額) 195百万円

 (進捗状況等)

 日本国内に定住している外国人等を対象とし、日常生活を営む上で必要となる日本語能力を習得できるよう、平成24年度は事業内容の見直しを行い、標準的なカリキュラム案等の活用による日本語教室の設置・運営、その実施のために必要な指導者等の人材の育成及び教材作成業務を行うとともに、多様な機関等との連携・協力を図り、日本語教育の体制整備を推進する。

 また、地域において日本語指導者に対する指導的な立場を果たす者を対象とした、地域日本語教育コーディネーター研修を今年度も引き続き実施する。

 さらに本年度より、地域の実情に応じた日本語教育の総合的な推進体制の整備について、各地の取組の把握・分析及び推進体制の整備に関する効果を検証する調査研究を行う。

【日本語教員等の養成・研修のあり方】

 ●その他

 (名称)日本語教員等の養成・研修に関する調査研究協力者会議の開催

 (進捗状況等)

  大学等における日本語教員の養成を含む日本語指導者の養成・研修について現状に関する調査を行い、課題の整理等を行うため、平成21年6月から日本語教員等の養成・研修に関する調査研究協力者会議を開催。平成24年3月31日に調査結果をまとめた。

 【日本語教育に関する各種情報の共有化(優良事例の収集等)】

 ●予算

 (事業名)日本語教育コンテンツ共有化推進事業

 (24年度予算額)9百万円

 (進捗状況等)

  平成23年度は文化審議会国語分科会日本語教育小委員会で取りまとめた「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案のデータベース化を行い、平成24年3月にインターネットを通じて提供した。平成24年度は、政府内外の日本語教育関係機関等が持つ日本語教育に関する各種コンテンツについて情報を集約し、横断的に利用できるシステムについて整備を行う予定。

 【その他】

 ●予算

 (事業名)諸外国における外国人に対する自国語教育・普及施策に関する調査研究

 (24年度予算額)2百万円

 (進捗状況等)

 定住外国人の増加する我が国における日本語教育関連施策等の立案推進のための基礎資料とするため、諸外国・地域における外国人に対する自国語教育・普及施策等について最新の状況を調査。平成23年度は韓国、中国、台湾についての調査を実施。平成24年度はアメリカ、カナダ、オーストラリアのうち二か国を実施する予定。

 (事業名)日本語・日本文化の世界展開-学生の海外留学による日本語指導支援(「大学の世界展開力強化事業」の内数)

 (進捗状況等)

  海外の大学との大学間交流の枠組みを形成し、日本人学生が、留学先の現地の学校等において日本語指導や日本文化の紹介活動に従事する取組を支援する予定。

 ●その他

 (会議名)日本語教育関係府省連絡会議の開催

 (進捗状況等)

 日本語教育全般に係る政府レベルの取組についての現状を把握し、課題を整理するための情報交換を行う場として、関係府省の実務者から成る日本語教育関係府省連絡会議の開催。(第1回を平成22年7月26日、第2回を平成22年9月29日に開催。第3回を平成23年11月21日に開催。)
 参加府省:内閣府、総務省、法務省、外務省、文部科学省(文化庁含む。)、厚生労働省、経済産業省

 (会議名)日本語教育推進会議の開催

 (進捗状況等)

  日本語教育関係機関・団体が、それぞれの目的に応じ、実施している日本語教育に関する取組について、現状及び課題を把握するために必要な情報交換を行う日本語教育推進会議を開催。(第1回を平成24年1月23日、第2回を平成24年3月12日に開催。)

  •  外国人学校の法的な位置付け及び日本語教育への支援。  

【ブラジル人学校等への支援】

●その他

 (会議名)日本-ブラジル二国間会議の開催

 (進捗状況等)

  ブラジル教育省との間で、日本に定住する日系ブラジル人の子どもの教育の現状と課題等について、ブラジル国内の教育事情と合わせて、情報交換及び意見交換を行う。さらに、外国人集住都市等の自治体やブラジル人学校等の関係者等に対して、同会議で得た情報に基づき、情報交換・意見交換を実施する予定。

 

お問合せ先

大臣官房国際課企画調整室

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