東アジアにおける交流に関するワーキング・グループ(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年1月18日月曜日14時から16時

2.場所

文部科学省10F2会議室

3.議題

  1. 東アジア共同体構想に向けた今後の検討の方向性について
  2. 今後の進め方について 

4.出席者

委員

青木委員、白石委員、角南委員、田中委員、恒川委員

文部科学省

中川文部科学副大臣、坂田事務次官、清水文部科学審議官、森口文部科学審議官、土屋総括審議官、芝田大臣官房国際課長 他

5.議事要旨

  • 議事に先立ち、事務局からの説明後、本ワーキング・グループの議事内容の公開に関する規則について決定した。
  • 事務局より、本ワーキング・グループ設置に伴う「国際交流政策懇談会」の名称変更及び設置要項の改訂等について確認を行った。
  • 白石委員が本ワーキング・グループの座長に選任された。   

    (1)東アジア共同体構想に向けた今後の検討の方向性について
    (2)今後の進め方について

  • 議事(1)(2)につき、事務局より資料4~6及び参考資料に基づき説明した後、自由討議が行われた。概要は下記のとおり。

【委員】

 鳩山総理が東アジア共同体構想を提唱し始めたような雰囲気があるが、東アジアビジョングループ(EAVG)報告において“East Asian Community”が提唱された辺りが起源。新政権が提唱する共同体構想に対する中国や諸外国の関心は高い。今まで議論してきた東アジア共同体構想と鳩山政権の提唱する構想との間の共通点及び相違点について議論した上で、早めに構想の中身を作っていかないと日本の信頼問題になる。

 東アジアビジョングループ報告では、「Peace, Prosperity and Progress」を東アジア共同体の目標に据え、安全保障、経済、文化、教育交流等の分野に渡り提言。「コミュニティ」という言葉を使うことについては議論がありつつも、2000年代初めは経済分野、特に自由貿易協定をまず締結し、その他の連携も進めていこうという議論が主流。小泉政権時代の2003~2005年には日中関係が悪化し、教育や文化分野における交流の推進が困難な状況になった。その間経済についても、ASEAN+中国或いはASEAN+日本という、「ASEAN+1」の競争のような形で自由貿易協定を構想する等、全体として東アジア共同体構想が進む方向になかった。最近は教育・文化・科学技術交流について、本腰を入れて検討できるようになりつつある。鳩山政権が東アジア共同体に新基軸を据えるのならば、ある程度実のある科学技術・教育等の交流プログラムを検討していくべき。

【中川副大臣】  

 本日は1月早々の慌しい時期にお集まりいただき、本当に感謝。鳩山内閣ではマニフェストを標榜。新しい時代に対応すべく、環境問題の解決及び東アジア共同体構想に向けて日本がイニシアチブを発揮する旨表明し、今後の方向性を明確にした。環境政策については批判もあるが、目標が決まったことで、産業界も動かし始めることができた。また、アメリカも大切だが、同時にアジアにしっかり基軸を置いていく旨表明したことを踏まえ、文部科学省としても具体的な政策立案に向けて実効性ある議論を続けるべく本ワーキング・グループを設置。東アジア地域との連携に関しては色々な議論があるが、以前のように先進国である日本が勝手に進めるのではなく、共同体意識醸成のためにも、各国と議論し一緒に作り上げていくプロセスが重要であることを前提に、文科省での政策実施のためにお知恵を貸していただけるようお願いしたい。期待している。

【委員】  

 「東アジア共同体」という言葉は使わないまでも、東アジアの範囲及び協力のあり方に関する議論は、マハティール首相がEAEG(東アジア経済グループ)を提唱した頃から存在している。

 今後東アジアにおける交流施策を検討していく上で、法制度的枠組みを構築する“European Way”とは異なる、“Asian Way”の存在に留意する必要。悪く言えば「トークショップ型」だが、文化、経済、麻薬犯罪問題、環境等分野毎に、各関係者が様々な枠組みを作り、重なり合うネットワークの中で、問題解決能力を高めていくというもの。教育・科学技術・文化・スポーツ等の分野で東アジア共同体構想を考える場合、従来のネットワーク型とは異なり、何か大きな制度を設計するのか、既に沢山あるにも関わらず新たな枠組みをつくるのか。最初から決める必要はないが、とりまとめを行う上で基本的な方向性を持つべき。東アジア地域の枠組みとしては、ASEAN+3が中心になると思う。その枠組みで教育・科学技術・文化・スポーツを考える意味は何か。既存のバイやグローバルの枠組みが様々ある中で、改めて地域として何らかの枠組みを構築する意義、基本方針が必要。

 東アジアの範囲に関する議論もある。ASEAN+6まで拡大するか、米国をどうするか。教育・科学技術の分野では、米国抜きで構想は可能か。

【委員】 

 ベター・フォーカスト・フレームワーク型という考え方もある。EUのように制度的枠組みを構築する必要はないが、教育等色々な分野で取り組むためには、ネットワーク型と制度型の中間的なものを構想しなければ、改めて東アジア共同体という構想を持ちだす意味はないのではないか。

【委員】  

 東アジアの文化・学術・科学技術等を取り巻く最近の環境変化を考慮に入れ、今後の方向性、或いは方針・政策・枠組みをつくっていくべき。「具体的に何かつくる」視点がこれまでの議論には欠如。例えば、東アジア地域の共通認識、共通価値を醸成する一種のエリート養成機関として「東アジア大学院大学構想」を、日本が率先して作るようなことはできないか。東アジア地域の範囲に関する議論は重要ではなく、日米関係の重要性やASEAN+3との地理的近接性を考慮の上、近いところで一緒にやっていくべき。共同体の範囲を考える際、日本とインド、ニュージーランド、オーストラリアの関係は良好だが、中印関係が課題。地域的に仲よくできるような枠組みの形成が重要。

 文科省としては、学術・文化、科学技術、スポーツ等の分野における共同体ないしある種のネットワークという形で連携施策を具体的に提案する段階である。今回、共同体構想の中に文化も含めることは歓迎。文化交流についてはこれまでも随分取り組んできている。日中韓の文化大臣フォーラムをこの3年行っており、今年は日本で実施予定。文化交流を引き続きしっかり取り組んでいけば、副大臣がおっしゃったように、一緒にやっていこうという姿勢が出てくる。学術・文化、スポーツ等は比較的しっかり連携できる分野。

 ただ、インドを範囲に含むと話が混乱する。インドは南アジア連合(SAARC)をつくっている。他にもアラブ連合、アフリカ連合などがあるが、これらは一見動かないようでいて、例えば環境問題を議論している時など、何かあった時に出てくる。日本を含めた東アジアにそういうまとまりが全くないことは異常だと思う。

【委員】  

 私が一番深くかかわってきたのは科学技術政策の分野である。6年ぐらい前に、科学技術振興調整費の枠の中に、アジアを対象として共同研究の枠組みをつくることに携わった。私の問題意識は、科学技術研究者のコミュニティ形成にあるのだが、これは政治的な問題を克服しやすい。これまでもトラック2外交や、科学技術外交等について議論されてきたが、科学技術分野はアジア地域において協力体制を形成しやすい分野。アジア、そしてアフリカも入れて、共同研究を進めていきたい。問題はアジアにおける地域間格差。我が国の科学技術政策の基本スタンスがイコールパートナーシップである以上、相手国の経済レベルが同程度でないと共同研究が進まない。JICAと文部科学省共同で、共同研究を進める上での課題を克服するためのフレームワークを立ち上げたが、科学技術分野においては、国の壁を越えて共同研究を推進するフレームワークの形成が具体的なステップになる。現在は科学技術分野以外、例えば社会科学分野等でも国毎にファンディング・エージェンシーが独立している。研究を支援するファンドの出し方が国毎に異なるため、他国と共同研究を行う場合、それぞれの国で審査等の手続を行い、認められれば共同研究がスタートできる仕組み。科学技術分野の場合、防災や感染症等時間的に急を要するような課題が出てきた時に共同研究等が特に必要となるため、国を越えてできるような仕組みづくりが必要。

 ヨーロッパにはヨーロッピアン・リサーチ・エリアがあり、科学技術分野が先行する形で様々な連携を強めている。アジアにおいても各国と議論しながらリサーチ・エリアを構築していく必要がある。我が国の科学技術政策の中で共同研究を推進するための枠組という議論を越えて取り組むべき課題。リサーチ・エリアという構想については、欧米はじめ世界的に注目が集まっており、アフリカにおいてもリサーチ・エリアの話が出ているようだ。

 アジアでもこうした枠組みが出てくることは非常にありがたいが、その場合、欧米に対し閉鎖的でない方がよい。共にグローバルな研究体制を推進していくべき。欧米、アジア、アフリカにリサーチ・エリアがあれば、地球規模の課題、例えば環境問題、感染症等について共同或いは地域で研究を進めていくような体制ができる。日本がリーダーシップを発揮できる分野として欧米から見ても明白であり、期待も高まっている。

 問題は、経済や科学技術のレベルの相違をいかに克服していくか。共同研究を進めるだけではなく人材育成等次世代まで制度が続いていくような中長期的取組が重要。

【座長】

 これまで議論されてきた東アジア共同体構想と鳩山総理が提唱する構想との相違点の一つは“Peace”の解釈。総理は所信表明演説の中で、「いのちと文化の共同体」と述べているが、「いのち」の中に、人間の安全保障や非伝統的安全保障の観点のみならず、伝統的安全保障と信頼醸成の問題まで強く盛り込んでいる点が鳩山総理の共同体構想の特徴。これまでの共同体構想には非伝統的安全保障と人間の安全保障の観点は含まれていたが、伝統的安全保障の問題については、あくまでも日米同盟を基軸としたハブ・アンド・スポークスのシステムを重視し、ARF(ASEAN地域フォーラム)などはトークショップにすぎない印象だった。

 今後、教育・文化・科学技術等の分野で共同体を考える場合、新基軸を非伝統的安全保障とするか、人間の安全保障とするかについては議論が分かれるだろうが、EAVG報告書における東アジア共同体の目標は一つのヒント。例えば、域内の脅威として新型インフルエンザがあるが、万一発生した場合、日本は国内にP4の感染症の研究所を持ちながら、研究ができない。一方、遺伝子操作の研究でも、食糧問題の観点から、稲の新品種がASEAN+6などの会議において、大きなインパクトを持つものとされた。地域的に意味のある研究テーマが色々なところで提案されていているが、それはまさにPeace、Prosperity、Progressのいずれにもなるということだ。

 ベター・フォーカスト・フレームワークは難しいテーマ。ASEAN事務局の下に設置されたERIA(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)をベター・フォーカスト・フレームワークと言えるかは不明だが、比較的うまくいっている事例である。成功のポイントとしては、まず、ASEAN各国の中で政府にアクセスできる研究リーダーを厳選し、ネットワークを形成した点。信頼醸成を実現した。2番目に、ERIAを日本の機構とせず、ASEANにオーナーシップを持たせた点。3番目に、資金の拠出の仕方。ASEAN+6の枠組みで行い、日本以外に、オーストラリア等から資金協力を得た。資金面を考慮すると、ASEAN+6の枠組みは思ったよりいいという印象を持った。

【委員】  

 東アジア共同体を考える際、EUとよく比較される。EUは集合的コミュニティ。比較的属性が類似している国々が、加盟条件の明確なクラブ的組織を形成。一方、東アジア共同体は、そばにいる多様な国同士が仲良くやっていくための「近所ジオグラフィク・コミュニティ」。1997年にASEAN+3ができた後も「トークショップ型」だと揶揄されてきた。ビジョングループについても、報告書を提出しただけで結局はトークショップ型との批判がある。最近漸く、議論しているだけではなくて次にどうするのかという視点が出てきたが、アジア各国の多様性ゆえ入会資格を明確に定めたクラブ型にはならないだろう。

 2003、4年ぐらいまで、日中とも、「ASEAN+日本或いはASEAN+中国ならやるけれども、+3ではやらない」という状況だった中、日本以外も資金を出せる枠組み、という点でASEAN+6はよいと感じた。アジアの近隣諸国で資金を出し合い具体的なものをつくり出そうという動き自体、最近始まったばかりで、日本も実際に資金を出すようになったのは、JENESYS (21世紀東アジア青少年大交流計画)プログラムやERIAを作る頃からではないか。

 今後各国で資金を出し合い、具体的なプログラムを実施していこうという場合、テーマによっては近所の枠組みだけではできないものもある。近所づき合いにふさわしいテーマの選定及びそのための資金の拠出の仕方・額をどうするか検討する必要がある。

 課題は中国。日本は自国の周辺を中心に東アジアという地域を想起することができるが、中国にとって東アジアとは、中国の東側及び東側の周辺国のみを指し、自国を含んだ概念として定義できないため、東アジア共同体に関する資金協力を求めるのは難しい。いかにして中国にも東アジア意識を持ってもらうかが課題。

【委員】  

 信頼醸成はトークショップの中でできるのではないか。中国をどのように巻き込むかを含め、問題解決型で考えるべき。長期的な信頼醸成を形成するためには、問題解決型の連携を、資金協力の問題も含め検討する必要がある。教育・文化・科学技術・スポーツ分野においても具体的に何を検討するべきか考える必要。

【委員】  

 連携を図るテーマは色々でよいが、東アジアの範囲については、近隣諸国との関係を考慮し、限定せず色々な枠組みがあってよい。ASEAN諸国は東アジア共同体において、日中韓の間を取り持つと言ってきている。文化、特にエンターテインメントの世界では、日本の協力は不可欠だと言われたりするし、中国は日本や東南アジアにかなり注目している。医療や科学技術等では交流が進んでいる部分も多い。文化、学術等色々な局面を利用し、日本も含め東アジアとしての共同意識の醸成を図るべき。

 学術文化を巡る環境変化の一例として、中国の北京大学や同済大学、復旦大学、精華大学、シンガポールの国立シンガポール大学、タイのチュラロンコン大学等が英国のタイムズ世界トップ200大学に入ってくるような事態が起きている。こうした状況を把握しつつ日本の優位性をどこで発揮するかという発想が大事。例えば、日本にいる留学生は、言葉の壁を除けば、こんな自由な国はないと言うが、こうした日本の魅力をより打ち出していくべき。但し、EUのような政治的連合を目指すのは困難。

【委員】  

 日中韓交流は、文化や大学間交流等を通じて2006~8年頃から急速に進展している。中国に東アジアの一員としての意識を持ってもらうために、中国にとっての東アジア協力は日中韓協力のことだと認識してもらうのも方法の一つではないか。大学間交流では日中韓にベトナムが加わることも、ここ2~3年多い。日本からすれば、東アジアは「日中韓+アルファ」という発想になりやすいが、ASEANからすれば、日中韓で決定した内容を押しつけられては困ると懸念するだろう。

【座長】  

 中国にとって東アジアとは何か、そもそも中国とは何かという議論がある。最近中国の研究者は、非伝統的安全保障の問題を多くとりあげ始めている。主権国家としての中国の中と外を分けずに議論している。

 頭脳循環について、今、東アジアで、高等教育を受けたバイリンガルやトライリンガルの人たちがアジア太平洋地域を活動領域とし、人材流動する現象が起きている。今から子どもを育てようという家庭や、10代ぐらいの子どもがいる家庭では、こうした頭脳循環の中にいかにして我が子を送り込むかが大きな課題となっており、教育交流を行う上でこうした潮流を掴むことも重要。大学レベルの交流は日中韓+アルファはあり得るのではないか。ただ、ASEANとの関係では慎重にやる必要がある。

【委員】 

 日本と親しい東南アジアとの関係に留意すべき。東南アジアには、シンガポールがASEANの中心拠点とすべく国を挙げて取り組んでいるシンガポール国立大学など、いい大学がある。またブルネイなどは大学を強化するにあたってやはり日本を非常に頼りにしている。ミャンマーにおいても、ヤンゴン大学では色々な取組を行っている。東アジアでは、文化・学術面の交流はうまくやっていける可能性があり、戦略的な検討が必要。文化・学術面では比較的共通意識が醸成されつつある。中国や韓国、或いは東南アジアでも日本の現代文化に対する関心が高まっている。経済交流は一番やり易いように見えて、利害関係が生じるため実は結構難しい。それをいかに学術・文化で中和していくかが1つの大きなやり方だと思う。

【委員】 

 例えば、地理的には北東アジアの中心に位置する中国の延吉が中国にとっては辺境の地であったりして、国によって「アジア」と言うときの軸は異なる。一方、例えばベトナムを訪問した際には、日本が中国の存在をどう考えているかを問われた。東アジア共同体の枠組の議論とは別に日本のアジア外交があり、この二つのバランスを考える必要がある。ベトナムとは衛星等宇宙開発も含めた科学技術分野においても協力も進めることになっているが、その際にも日本と中国の関係をベトナム側に問われたりする。日中を含む東アジアの枠組みではできないのではないかと思われるものもあるので、制度設計の中で検討が必要。

【委員】  

 日中韓先行で進めるのか、ASEANをどうするのか、或いは個別のバイ関係をどうするか等議論はあるが、東アジアの範囲は柔軟にすべき。

 例えば大学間協力では、最近日中韓でも取り組んでいるが、ASEANでもSEED-Netで工学系大学のネットワーク形成に協力し、留学生交換等も行っている。既存の枠組みを利用するのが最も現実的。

【座長】  

 科学技術分野においては、枠組みを柔軟に考えるべき。東アジアにおいて影響力の大きい中国の国内格差問題も留意すべき。

【委員】 

 できるところから交流を進め、共同体という枠組みをつくるか、多国間的なつき合いでやっていくのかを考えればよい。近隣諸国との関係は重要。EUは過去にあれだけ大戦争をやっていながら21世紀に統合を実現したが、東アジアでそういうことができないか。政府が東アジア重視を改めて掲げた好機を活かし、できるところを一緒にやっていきたい。

【委員】  

 固定的な東アジア共同体を目指すよりは、近隣諸国との関係がよくなるプロセスをつくることが目的であるとした場合に、その手段は恐らく2国間あるいは3国間という方法もあるだろうし、日中韓+3くらい、或いは日中韓とASEANというのもあるだろう。取り組み易く成果の出やすいところから、順次具体的施策を実施し、実績を積み上げていくことにより結果的に共同体を形成すればいいのではないか。教育・科学技術・文化交流あたりは一番早く実績が出せるのではないかと思うので、この機会に具体策も含めて考えるべき。

【委員】  

 留学生等或いは研究者の地域間交流については、一大学の見方と、国としての観点とでは異なる。一大学としては、世界中からどれだけ優秀な人材を獲得できるかが重要。国としては、域内のどこでも、心身ともに健康で働けるような人間の育成が重要。

 日本人学生の近隣諸国での滞在経験が不足している。日本人がアジア諸国に行くことも含め若者同士の交流プログラムを考えていくべき。JENESYSプログラムは外国人を日本に受け入れる面についてはいいが、日本人学生の送りだしが課題。

【委員】  

 頭脳循環を進める際、優秀な人材が一部の国へ集中しないか懸念。域内交流を進める上で格差拡大の是正及び循環の公平性の担保が課題。

【委員】  

 若者のみならず日本人がアジアを歩いて知るプログラムがあるといい。本ワーキング・グループでの検討内容と実際のプログラムとがどうかみ合っていくかは大きな問題。

【座長】  

 個人的には、国際的に活躍するような様々な国の学生を日本や域内の大学で育成するような取組をやってみたい。

【座長】

 本日の議論を簡単に総括することになっているが、難しいので、幾つか重要な点だけ申し上げたい。

1つは、東アジア共同体構築は少なくとも10年ぐらいの歴史があり、必ずしも期待どおりに進んでこなかったが、今はチャンスであり、新基軸を打ち出す必要があるのではないかということ。

 2番目に、東アジアを考える際、「先進国」「途上国」という区分とはラディカルに違う考え方する必要があるのではないかということ。

 3番目に、ネットワーク型でこれからも行くのか、ベター・フォーカスト・フレームワーク等も作ったほうがいいのかということ。この際、問題解決ということがポイントになる。

 4番目に、地域については二国間か、三国間か、ASEANの枠組で取り組むのか、ASEAN+1か、ASEAN+3か、ASEAN+6なのかについては、柔軟に考えればよいのではないかという意見があった。

 5番目に、特に教育交流を巡る環境がこの数年でかなり変わっており、色々な形で頭脳循環や競争が激化しているということ。

 6番目に、アジアの国々との「近所づき合い」おいて、「近所づき合い」に適したテーマの選定が一番重要ではないかということ。

7.次回以降の日程

  • 第2回は2月17日(水曜日)14時~16時に開催予定。
  • 本ワーキング・グループは月1回程度の開催を予定。
  • 夏の初めにはワーキング・グループとしての取りまとめを行う予定。

以上

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大臣官房国際課