国際教育交流政策懇談会(第1回)議事要旨(案)

1.日時

平成21年1月27日(火曜日)10時~12時

2.場所

金融庁12階 共用第2特別会議室

3.議事

(1)国際教育交流・協力に関する論点について
(2)その他

4.配付資料

資料1  国際教育交流政策懇談会について(文部科学大臣決定)
資料2  国際教育交流政策懇談会の懇談内容の公開について(案)
資料3  グローバル化と教育に関して議論していただきたい論点例
資料4  文部科学省における国際関係施策
資料5  教育の国際化に関する近年の主な提言
資料6  グローバル化に関する文献抜粋
資料7  参考基礎データ
資料8  ブラジル人学校等の教育に関するワーキング・グループの設置について(案)

5.出席者

(委員)

池上委員、池田委員、織作委員、金澤委員、佐藤委員、角南委員、田勢委員、田村委員、牟田委員

(文部科学省)

塩谷文部科学大臣、銭谷事務次官、玉井文部科学審議官、木曽国際統括官、芝田大臣官房国際課長、藤原大臣官房会計課長、森本大臣官房政策課長

6.議事概要

  • 議事の取扱いについては、資料2が承認され、議事、議事要旨及び会議資料について原則公開することとなった。
  • 開会に際し、銭谷事務次官から挨拶があった。
  • 座長に金澤委員、座長代理に田村委員が選出された。
  • 議事の途中、塩谷文部科学大臣が参会し、挨拶があった。
  • その他の概要については以下のとおり。

(1)国際教育交流・協力に関する論点について
 事務局より、資料3~6に基づき説明が行われた後、自由討議が行われた。その概要は以下の通り。

【委員】

 人口減が始まり、外国からの労働移入がないとこれからの日本経済は成り立たない。労働移入に伴って起こる問題に取り組むためにも単に国際化の中で自国の教育をよりよいものにしていくということだけにとどまらず、国際教育の進化に取り組まざるを得ない。懇談会で次の世代のためになる提言を行いたい。

【委員】

 これからは一国の人材育成や教育が外からも評価される時代である。その中で日本は外からどう見えるのかという視点を持たなければならない。

【委員】

 日本の教育は知識教育が中心で論理性を養う教育が弱い。日本人は論理的に議論をした上でお互いを理解するということが不得意であるように思える。教育が国際的なスタンダードからはずれているのではないか。

【委員】

 外国人留学生が帰国した後の地道なフォローアップが重要である。

【委員】

 日本の社会は内向きである。日本の学生を外に出すことによりお金をかけるべきである。

【委員】

 日本は地域研究が弱い。地域研究プログラムを若い人を外に出すために活用すべきである。

【委員】

 持続発展教育(ESD)等を日本からより発信するために、識字教育等で発信を続けてきた実績のある(財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)を活用すべき。

【委員】

 大学生の知識水準が低く、コミュニケーション能力がない。国際社会で太刀打ちできるような人材がいない。全体の平均的なグローバル化でなく、優秀な人を鍛えるために海外の大学に出し、また日本に戻すといったことが必要である。

【委員】

 留学生等を増やすのはいいことだが、それを日本人の国際化につなげ、大学等の体制を変えるリソースとして活用することが必要である。

【委員】

 長年、中・高校生のホームステイに取り組んでいるが、国際交流を行って初めて世界の現実を知ることも多い。高等教育や日本社会の国際化はまだこれからであり、まず初等中等教育、幼児教育から国際交流や国際教育を始めるべきである。英語教育も重要である。

【事務局】

 日本語を教えている国は多いため、その生徒に大いに日本にきてもらうことが重要である。一方で、日本語の指導員が不足している。日本語を勉強しているブラジル人学生に日本に来てもらい、日本在住のブラジル人の子どもの日本語教育にあたってもらえないか、提案したことがある。 日本人はより外に出るべきである。英語教育ももっと進めなければ諸外国に遅れをとる。

【委員】

 教育の国際化のためには、高等教育のみならず、初等中等教育や幼児教育の見直しなど、国内の制度を見直す必要がある。ローカル、ドメスティックなものの上にたったグローバリズムであるべきである。留学生は増やすべきである。

【委員】

 学生は就職活動が忙しく海外に行く余裕がない。この現状を変えることはできないか。

【委員】

 コミュニケーションのための言語能力向上と感性のための脳の発展に早い時期に取り組むことが重要である。日本の素晴らしさを体感した上で海外と交流するべきである。

【委員】

 若い人が外に行くきっかけが必要である。武道でも伝統芸能でもよいから何か発信できるものが必要である。

【委員】

 特に文科系の修士号、博士号に対する考え方がグローバル基準から外れているのではないか。博士号が日本では神聖化されているようであるが、国際機関などは学歴社会であり、これは問題である。また、リベラルアーツの扱いが日本ではあまりにも軽い。専門教育、更にその上の世界に通用するディプロマまでを組み立て直す必要があるのではないか。

【委員】

 国際協力が省庁縦割りになっている。各省が連携して、並行している政策と平仄のあったものとすべきである。

【委員】

 大学での国際教育交流に関する取組に関する資料を出してほしい。よい取組を全国的に拡げるための議論ができないか。

【委員】

 ユネスコ等で国際的に議論されている内容が特に初等中等教育の学校現場に届かない。もう少し現場への流れをよくしたい。

【委員】

 ユネスコで採択された文化多様性条約は示唆に富んでいる。このことから教育のあるべき姿がクローズアップされていいのではないかと思うし、議論に含めてほしい。

(2)その他
 資料8について、事務局から説明があった後、「ブラジル人学校等の教育に関するワーキング・グループ」の設置が決定された。

7.次回の日程

● 次回は2月27日(金曜日)16時~18時に開催することとなった。

以上

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大臣官房局国際課国際協力政策室

(大臣官房局国際課国際協力政策室)