「もんじゅ」の廃止措置に関する基本方針案及び「もんじゅ」の廃止措置に関する基本的な計画案について

平成29年6月6日
「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合

  「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(以下「専門家会合」という。)は、「もんじゅ」廃止措置推進チーム(以下「推進チーム」という。)の要請等に応じて、「もんじゅ」の廃止措置に関する政府としての基本方針(以下「基本方針」という。)の策定等推進チームの活動に対して助言を行うとともに、日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)による「もんじゅ」の廃止措置に関する基本的な計画(以下「基本的な計画」という。)の策定に当たって評価等を行うために設置されたものである。

  専門家会合は、平成29年5月30日に第1回会合を開催し、基本方針案及び基本的な計画案の検討状況について、文部科学省及び原子力機構より聴取し、これに基づき検討を行い、その結果を以下の通り取りまとめた。

  基本方針案と、これを踏まえて作成された基本的な計画案は、両者とも、現時点で概ね妥当なものと考える。
  また、基本方針案に関する助言及び原子力機構が今後、廃止措置計画を策定し、また、廃止措置を実施するに当たっての留意点を以下に示す。


○基本方針案に関する助言

  • 「もんじゅ」の廃止措置は、我が国初のナトリウム冷却高速炉の廃止措置であり、また長期にわたる大規模なプロジェクトであることから、適切に目標やマイルストーンを設定することを求めることが重要である。


○原子力機構が廃止措置計画の策定及び廃止措置の実施に当たり留意すべき事項

  • 「もんじゅ」の廃止措置は、我が国初のナトリウム冷却高速炉の廃止措置であり、また長期にわたる大規模なプロジェクトであることから、適切に目標やマイルストーンを設定するとともに、様々な要求事項がある中でその優先順位を明確にし、取り組んでいくことが重要である。
  • グレーデッドアプローチ(リスクの程度に応じた安全対策の実施)のコンセプトの適用を検討し、プラント状態やリスクを踏まえ、合理的、効率的な計画の策定及び廃止措置作業の実施に努めることが望まれる。
  • 廃止措置においては、計画通りに作業を進めにくくなる事態が生じることもありうるが、作業現場との密接なコミュニケーション等を通じて、あらかじめそのような事態を抽出し、これに備えて対応方策を検討することが重要である。
  • 原子力機構は、電力やメーカー等の外部からの協力を得て、十分な体制で廃止措置に臨むとともに、協力を得るに当たっては、協力を得る者にどのような役割を期待するのか、あらかじめ明らかにすることが望まれる。
  • 廃止措置の作業を進めていく上で必要となる教育訓練について検討し、廃止措置作業に係る人材の育成に反映することが重要である。
  • 廃止措置は通常運転に比べリスクは低減されるものの、留意すべき観点が異なると考えられることから、廃止措置に適したリスク評価が望ましい。また、その評価に当たっては、その前提条件を明確にしたうえで、実施することが重要である。
  • 安全性の確認に係る検討を行うに当たっては、まず廃止措置全体を十分に俯瞰し、その上で個別事項の検討を行うことが適当である。
  • 国内外のナトリウム施設の解体や、海外におけるナトリウム冷却型高速炉の廃止措置に係る経験者からの意見聴取等を通じて、知見を収集し、廃止措置の中で最大限活用することが重要である。


以上

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研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付)