「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第9回) 議事要旨

1.日時

令和元年8月23日(金曜日)15時00分~16時30分

2.場所

敦賀地方合同庁舎2F会議室

3.議題

  1. 廃止措置評価専門家会合のご意見を踏まえた対応状況について
  2. 炉心からの燃料体取出し作業の準備状況について

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
来馬委員
野口委員
樋口委員
村上委員

文部科学省

木本もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
松本研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
原核燃料サイクル推進調整官

(説明者)
日本原子力研究開発機構
伊藤理事
安部敦賀廃止措置実証本部本部長
荒井高速増殖原型炉もんじゅ所長
池田敦賀廃止措置実証部門部門長代理

5.議事要旨

原子力機構から廃止措置評価専門家会合のご意見を踏まえた対応状況及びもんじゅ燃料体取出し作業の準備状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。
○ もんじゅのアクション事項の説明の中に「誰が」という主語がほとんどなく分かりづらい。実施者や承認者といった役割分担も含めて整理することが重要。
○ 実際に作業をしている者と、情報やリスクの考え方が共有され、きちんと現場に理解が浸透していることが大事である。本会合の資料のポイント等を共有して、リスク管理の考え方を実際に作業する全員で共有できるようにしてもらいたい。また、燃料取出し検討会の各ワーキンググループの活動に、実際に現場で作業する者が参加し、そこでの経験から得られる知識・知見を把握し反映できる仕組みが重要。
○ 燃料取出し検討会にはメーカーも参加してJAEAと共同で議論しているということであるが、それぞれ実務経験が異なるため、見方・考え方の相違があると思われる。同じような土台・考え方・アクションをとれるようにするため、役割分担はどうしているか。また、メーカーとJAEAが一体となって燃料取出し作業を行う上での役割分担や情報共有はされているか。
○ 去年はいろんな対応を洗い出す1年で、洗い出した問題に対するリカバーはよくできている。今回も予備期間をしっかり設ける等、工程ばかりにこだわるのではなく、安全を第一に廃炉に向けた作業をしっかりやっていく仕組みというものが着実にできつつある。
○ 燃料取り出し期間の中では、燃料を取り出して処理するメインの部分だけではなく、貯蔵等もあるので、そのような部分も含めたリスク・問題点を洗い出すことが必要。
○ 現状のリスクマネジメントは、高度な再発防止にとどまっていて、実際にやる前に他の作業全体の枠の中で有効性や実効性を検証して何をどう実施するかを計画することに関しては、まだこれからという気がする。新しいトラブルも含めてどうやって防いでいくかという、機構が昔から持っている本質論に前向きに向き合ってほしい。
○ 今回もんじゅでは何十年ぶりという作業がたくさんあり、また人も新しくなっている中でのリスク分析は容易なことではない。もんじゅの廃炉はある意味でシステム開発のようなもので、実際に手を動かす現場を敦賀本部と機構全体が重層的に支援するという、機構挙げての技術協力や技術支援が必要。
○ 文科省の立場は、機構がやっている仕事を行政側で管理する立場からサポート・管理することだと思うが、具体的にはどういった役回りなのか確認したい。
○ ホールドポイント丸1 と丸2 は所長承認となっているが、所長は具体的に何をもって判断するのか確認したい。またホールドポイント丸2 で所長が承認したら、そこで再開が決まるという風にも見えるが、実際のところどうなのかを確認したい。
○ しっかり訓練をやって、最終的に操作をする者を含めて現場が一つになるというようなところを目指してほしいし、仮に上手くいかない点があれば、しっかり振り返りをして万全の態勢をとってほしい。ホールドポイントの判断では、試験は試験としてすべてに合格することが当然であり、日程ありきではなく、教育訓練も含めてしっかりとした準備ができたことを総合的に判断してもらいたい。

<まとめ>
○ 設備が実際どういう状況で使われるかを知っているのはユーザー、すなわち機構である。従って機構の技術陣はそこをはっきり認識し、設備設計側および運用実施側にその条件を示すことが重要。去年起きた不具合は、例えばアルゴン中の湿度の問題とかによるが、機構の技術陣が示した条件になかったために反映できてなかったことが原因ではなかったか。最初の頃よりリスクマネジメントはきちんとされてきており、不具合に対しても技術的にしっかり対応できはじめているので、今度の燃料取り出しにおいても、原子力機構には、ぜひ自分たちが技術屋なんだという目で見て、作業を進めていただきたい。

<その他>
専門家会合に先立ち、炉心からの燃料体取出し作業の準備状況について、委員による現地視察を行った。


以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)