「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第6回) 議事要旨

1.日時

平成30年7月13日(金曜日)13時30分~15時30分

2.場所

日本原子力研究開発機構 敦賀事業本部 アトムプラザ 2階 アトムホール(福井県敦賀市木崎65号20番地)

3.議題

  1. 燃料体取出し作業に向けた準備状況について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
来馬委員
樋口委員
村上委員
山口委員

文部科学省

 増子大臣官房審議官
 明野もんじゅ廃止措置対策監
 前田核燃料サイクル推進調整官

日本原子力研究開発機構
 伊藤理事
 櫻井高速増殖原型炉もんじゅ所長代理
 荒井敦賀廃止措置実証本部副本部長

5.議事要旨

 原子力機構から燃料体取出し作業に向けた準備状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は下記のとおり。


<全般>

  • 「もんじゅ」の廃止措置は大型のナトリウム冷却炉の最初のケースとなるので、モデルとなるよう、しっかりと進めて頂きたい。
  • リスクの分析を行うことは、「もんじゅ」において発生する様々な事象のことを現場の人も理解できるなど、非常に意味がある。体制の整備、訓練からリスク要因の洗い出しというところまで、非常に体系的に行われたと思う。


<作業体制・人材育成について>

  • 大きな事故は、大抵、最初に起因があり、それから次々に他に波及していく複合事象である。そのため、リスクとその対策や事故対応フローなどを整理されているが、事故が発生した場合の復旧作業等を進めるためには、発生した事象は何にどう影響し、どのようなことに連鎖していくのか、ということを現場の人が理解してもらう必要がある。
  • 作業体制を見ると、実施責任者、操作チーム、設備チームと比較的大きな体制となっている。これらチームは、原子力機構、電力、メーカー等の人たちの混成チームと思われるが、構成員の間で情報共有、意思疎通をしっかり図り、フラットで一体感のあるチームでしっかりやっていただきたい。
  • 燃料取出し作業は5年間かかるが、その間、毎年やる人が少しずつ入れ替わると思う。このため、今後も継続的に人を育て、その力量を認定し、一定数の力量認定者を維持していく必要がある。


<リスクマネジメントについて>

  • リスクとそのリスクの発生可能性を整理した表に運転中の機器が故障等で停止した時には待機機器がバックアップとして自動起動するとされているが、もし自動起動しなかったらという観点での検討も必要である。
  • 復旧方策のフロー図が示されているが、このフロー図に従って対応を進める際に必要な時間と事象の進展に係る時間スケールとの関係という観点についてもしっかりと検討する必要がある。


<作業管理について>

  • 一般的に、ある新しい作業が順調に進むようになると、ほかの作業と並行して実施する可能性がある。事故というのはほぼ複合現象で、単独現象での事故というのは少ない。そのため複数の作業を並行して進めているときに、事故につながる複合的なことが起きる可能性が出てくる。廃止措置作業に対しても、そのような基本的な見方をした方が良い。
  • 「もんじゅ」は複数のメーカーが分担して建設しているので、設計思想や建設のされかたなどに微妙な違いがある。廃止措置に当たっては、この部分を上手くまとめて頂きたいと思う。


<作業改善について>

  • 530体の燃料体を取り出していく中で、作業中に見ている荷重や指示値等、何かの異常の感じ方や運転の経験を運転経験信頼性向上のために反映していくアプローチが必要である。
  • 作業手順等は、3班体制から5班体制に切り替える前や燃料取出しサイクルが終わった後などのタイミングで、それまでの経験を踏まえて見直し、改訂する工程を入れた方が良い。
  • 第1段階の工程では定期設備点検に約7か月を要することになっているが、長いと感じる。実際に設備点検を進める際に、もう少し効率化する余地はどういうところにあるのかというような知見を得ておくことが重要と思う。


<まとめ>

  • 本日は燃料処理作業に向けた準備状況の着手について原子力機構より説明を受け、委員の皆様からご意見ご指摘等を受けた。本日の意見や議論を踏まえ、改善すべきところは改善し、未来志向で、安全・着実かつ計画的に廃止措置を進めていただきたい。

以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付)