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原子力損害賠償紛争審査会(第47回) 議事録

1.日時

平成30年1月17日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

全国都市会館 3階 第2会議室

3.議題

  1. 住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱について
  2. 原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果について
  3. 特定復興再生拠点区域復興再生計画について
  4. 東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について
  5. 原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況について
  6. その他

4.出席者

委員

鎌田会長、大塚会長代理、明石委員、樫見委員、須藤委員、高橋委員

文部科学省

水落文部科学副大臣、佐伯研究開発局長、増子原子力損害賠償対策室長、堀内原子力損害賠償対策室長代理、山下原子力損害賠償対策室次長

オブザーバー

【説明者】
近藤東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室長、中川東京電力ホールディングス株式会社福島原子力補償相談室基準総括グループマネージャー、山下内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官、田中復興庁統括官付参事官、佐々木原子力損害賠償紛争和解仲介室(原子力損害賠償紛争解決センター)室長

5.議事録

【鎌田会長】   第47回原子力損害賠償紛争審査会を開催させていただきます。本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
  本日は、水落文部科学副大臣に御出席いただいておりますので、水落副大臣から御挨拶を頂きたいと思います。副大臣、よろしくお願いいたします。



【水落文部科学副大臣】  それでは、第47回原子力損害賠償紛争審査会の開会に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げたいと存じます。
 委員の皆様におかれましては、御多忙中、こうして御出席を賜りましたことに、まずもって感謝とお礼を申し上げたいと存じます。また、指針に基づく賠償が着実に進むよう、状況の御確認を頂いておりまして、特に昨年10月には、富岡町、浪江町、南相馬市を御視察いただくなど、御尽力いただいておりますことに、心から重ねて感謝を申し上げたいと存じます。
  東京電力の福島原発事故から6年10か月以上が経過いたしました。政府といたしましては、原子力災害からの福島の復興・再生を加速させ、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいくことといたしております。私としても、被災者の方々に寄り添い、原子力災害からの復興に向けて、引き続き取り組んでまいります。審査会の皆様、委員の先生方におかれましても、公平かつ適正な賠償が一層進むように、更なる御尽力をお願い申し上げまして、簡単でありますけれども、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  水落副大臣におかれましては、公務のため、ここで御退席なさいます。どうも本当にありがとうございました。



【水落文部科学副大臣】  よろしくお願いします。



(水落文部科学副大臣 退席)



【鎌田会長】  それでは、初めに事務局より資料を確認していただきます。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。
  本日、お手元にお配りさせていただいている資料でございます。議事次第1枚に加えまして、枝番もついてございますが、資料1から資料5まで、全部で7種類の資料がございます。それに加えまして、参考資料が1から5までと、5つの種類の参考資料をお配りさせていただいてございます。加えまして、紙ファイルが3つと中間指針等の冊子が1つございます。紙ファイル2つは、国家賠償請求訴訟の判決文でございます。もう一つは、従来配らせていただいてございます、審査会の関係の資料集でございます。
  あと、本日は6名の先生に御出席いただいてございますが、これは原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令第3条第2項に基づきまして、過半数以上の委員の先生方に御出席いただいておりますということで、会議開催の要件を満たしておりますということを、あらかじめ御報告させていただきたいと思います。
  また、人事異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
  研究開発局長が1月1日付で替わりまして、佐伯が着任してございます。



【佐伯研究開発局長】  佐伯でございます。よろしくお願いいたします。



【鎌田会長】  こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、審議に入ります。
  議題の1番、住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱いについてであります。
  まず事務局より御説明を頂き、引き続いて東京電力より、住居確保損害に係る賠償の実施方法について、御説明をお願いいたします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。
  それでは、お手元の方に(審47)資料1-1と付けてございます4枚紙の資料を置いていただければと思います。こちらの方について、御説明させていただきます。
  まず、いきなり飛んで恐縮でございますが、4ページを御覧いただければと思います。
  第41回の審査会でお取りまとめいただいてございます、住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価の取扱いについてという部分でございます。
  2ポツから御説明申し上げますけれども、最初の丸にございますとおり、中間指針第4次追補に、損害算定の目安として示した福島県都市部の平均宅地単価につきましては、実際の地価の変動に応じて見直していくことを基本とすると。他方、中間指針に示した目安を短期間に見直すことは、上限額が変動し、住居の確保計画等に影響を及ぼす可能性があることから、被害者に混乱を生じさせる懸念があるということを、まず書いていただいてございます。
  加えまして、毎年、地価変動等を確認した上で、これまでの日本全国等の地価の変動幅を勘案しつつ、必要に応じて指針宅地単価を見直すこととするといたしまして、3つの視点を掲げさせていただいております。
  1つが、地価の確認方法でございます。国交省の土地鑑定委員会による地価公示、これは基準日が毎年1月1日になってございますけれども、これと都道府県による地価調査、これは基準日が毎年7月1日になってございます。これを基に専門機関が行った調査結果を確認するという形になってございます。
  2点目でございます。見直し検討の際の基準でございますけれども、指針宅地単価の基となった専門機関による調査結果を基準値とするという形になってございます。
  3つ目でございますが、見直し後の指針宅地単価の適用時期でございますが、見直し決定日から適用するのが基本という形になってございます。
  もう一度、1ページ目にお戻りいただきまして、このような考え方を踏まえまして、1ページの2ポツでございますが、福島県都市部の平均宅地単価の状況をまとめさせていただいてございます。中間指針4次追補策定時と同様の方法により専門機関に調査を委託したところ、平成29年の福島県都市部の平均宅地単価は以下のとおりということで、昨年4万3,018円というところが、今年は4万4,224円ということで、1,206円、2.8%の増ということになってございます。
  なお、参考資料の2でございますけれども、これの詳細な調査結果も参考でお付けしてございます。
  これに基づきまして、3ポツ、検討事項でございますが、調査結果に基づきまして、中間指針4次追補に示されている指針宅地単価を見直す必要があるか、また、見直す場合の指針宅地単価は幾らとすべきかという点について、本日、御審議を賜れればと考えてございます。
  以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  それでは、東京電力より御説明をお願いいたします。



【近藤室長】  東京電力ホールディングスの近藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、持家に係ります住居確保損害の賠償の概要につきまして、御説明をさせていただきます。
  資料1-2を御覧いただければと思います。
  まず、この住居確保損害につきましてですが、こちらは従来の財物に対する賠償、つまり事故時の時価相当額の賠償だけでは、避難先から御帰還される際に必要な建て替え、それから修繕の資金が不足する、あるいは移住しようにも新たな宅地や住宅を購入する資金が賄えないといった状況に対する改善の御要望にお応えするために、中間指針第4次追補を踏まえまして、当社事故発生時点で避難指示区域内の持家に居住されていた方を対象として、お支払をさせていただいているものでございます。
  まず、対象となる費用でございますが、資料1枚目の上段に記載をしておりますとおり、住宅の再取得・修繕費用、それから宅地・借地権の再取得費用及び税金とか登記費用などの諸費用でございます。
  その下にグラフ、イメージ図を描いてございますけれども、こちらのとおり、住居確保損害に係る賠償は、既に宅地・建物・借地権の賠償としてお支払をしている賠償金額を超過した部分につきまして、賠償上限金額の範囲内でお支払をするものでございます。
  その賠償上限金額の算定方法でございますが、資料下段に記載をしております。まず、宅地・建物・借地権の賠償金額と、スライドに記載しております算定式による対象資産ごとの賠償可能金額の合計額を賠償上限金額としてございます。
  続きまして、資料の2枚目でございます。こちらは昨年の第44回審査会におきまして、移住先標準宅地単価が平米4万1,000円から4万3,000円に見直された際の当社の対応について記載したものでございます。
  このときは単価改定日、具体的に申し上げますと、昨年、2017年の1月31日以降に初めて住居確保損害の賠償を御請求いただく方、及び、既に御請求は頂いているものの、改定日の時点で、いわゆる確定賠償の金額が見直し前の賠償上限金額に達していない方を対象として、見直し単価を適用させていただいたものでございます。
  簡単ではございますが、私からは以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  ただいま御説明いただきましたとおり、資料1-1に検討事項が示されているところでございますが、今回の調査結果を踏まえ、中間指針第4次追補に示されております住居確保損害に係る福島県都市部の平均宅地単価について、まず具体的な金額の議論ではなく、前提となります議論、すなわち、第1に、これらの数字を見て、上げることが必要かどうか、これを御議論いただき、次に、上げるのが適当だとされた場合に、幾らに上げればよいかを議論する。こういう2段階で議論をすることが適当かと思います。したがいまして、まず第1の前提的な考え方、今回、見直す必要があるかどうか、この点について、委員の皆様の御意見をお伺いしたいと思います。
  なお、本日御欠席の中島委員からは、事前に御意見を頂いておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  中島先生の御意見、紹介させていただきたいと思います。
  中島先生は、日銀の物価上昇率目標が2%であるということを引き合いに、平成25年度、3万8,000円から、平成28年度、4万3,000円ということで、5,000円アップ、これを率に直しますと15%ということになるという形でございますので、2%との絡みでいいますと、六、七年分は、日銀の物価上昇率そのものではないんですけれども、措置されている考え方もあるんではないかと、そういうものとの平仄をとる意味で、しばらく、今回、今ちょうど5年目に当たりますけれども、二、三回ほど据え置くという考え方もあるのではないかというお考えだということを御紹介させていただければと思います。
  以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。

  それでは、御出席の各委員の御見解をお伺いしたいと思います。御自由に御発言いただきたいと思います。
  それでは、高橋委員、お願いいたします。



【高橋委員】  基本的に説明の仕方はいろいろあるかもしれませんけれども、2.8%ということであれば、今回は一応据え置いて、また今後の推移を見守るということでも結構なのではないかというのが私の意見です。
  以上です。



【鎌田会長】  それでは、大塚会長代理、お願いします。



【大塚会長代理】  高橋委員の意見に賛成ですけれども、余り短期間で見直すと、被害者に混乱を与えるということもございますし、過去の審議では、4%から5%程度が見直しの基準ではないかという御意見もございましたので、今回は見直さなくてもいいのではないかというふうに考えます。



【鎌田会長】  ほかの御意見、いかがでしょうか。
  樫見委員、よろしいですか。



【樫見委員】  平成27年と28年は、それぞれ少し変動幅が多うございました。今回は、その変動幅を考えますと、もう少し状況の推移を見た方がいいのではないかということで、皆様の御意見に賛成でございます。



【鎌田会長】  須藤委員もよろしいでしょうか。



【須藤委員】    はい。



【鎌田会長】  明石委員、いかがですか。
  それでは、各委員とも、今回は見直す必要がないのではないかという御意見でございますので、今回は見直しをせず、引き続き、毎年、地価の動向等を確認した上で、必要に応じて、審査会において改めて検討をさせていただくこととします。よろしいでしょうか。
  それでは、次に議題の2番、原子力損害賠償紛争審査会による現地視察結果につきまして、事務局より御説明を頂きます。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。
  それでは、お手元に、資料2を置いていただければと思います。先生方は、それに加えまして、詳細な結果も御用意させていただいておりますので、そちらも一緒に御覧いただければというふうに思ってございます。
  現地視察でございます。昨年10月3日に実施させていただきました。
  目的は、中間指針等に基づく賠償の実施状況を確認するため、被災地域の現場を視察することということで、先生方に現場を見ていただくことでございます。
  鎌田会長始め、4名の先生にご参加を頂きました。
  主な視察先でございますけれども、こちらに記載していますとおりでございますが、富岡町におきましては、夜ノ森駅の周辺を御視察いただきまして、町役場で町長初め皆様と意見交換を行っていただき、廃炉国際共同研究センターを視察させていただきました。
  また、浪江町では、町の中心部を御視察いただきまして、同じく町役場で、副町長を初め、皆様と意見交換をさせていただき、まち・なみ・まるしぇでございますとか、室原地区といった厳しい地域も御視察いただきました。
  また、南相馬市におきましては、市役所を訪問させていただきまして、あるいは雲雀ヶ丘病院も訪問させていただきまして、意見交換を行いまして、加えまして、南相馬地酒生産推進協議会(大亀酒店)で意見交換をさせていただいたり、あるいは福島県立小高産業技術高等学校、昨年の4月に新たに開校された学校でございますが、学校を御覧いただきましたり、岩屋堂団地、あるいはおだか保育園といった、まだ再開できていない厳しい地域も御視察いただいたところでございます。
  その際に、市や町の方から頂きました主な意見というものを、5ポツの方に掲げさせていただいてございますが、これらの御要望・御意見につきまして、審査会での議論を踏まえました当日のやりとり、お答えぶりを少し御紹介させていただければと思います。
  一番最初の富岡町から頂きました、現地調査等の結果を踏まえ、速やかに原子力損害賠償紛争審査会を開催し、避難費用の賠償対象期間、借家に居住していた者の住居確保に係る損害について再考いただきたいという御要望・御意見につきましては、避難指示解除後の「相当期間」につきましては、避難指示解除後の実態をよく踏まえた上で適切な期間を示すことということともあわせまして、借家に居住していた者の住居確保損害については、平成25年12月の第4次追補におきまして、生活再建を行う上で特に移住等に当たって、地価単価の高い地域に移住等をせざるを得ない場合に、同様の住環境を確保することが困難であるということを踏まえまして、新たに借家に入居するために負担した礼金等の一時金、また新たな借家と従前の借家との家賃の差額の8年分というものにつきまして、賠償すべき損害であるという考え方を示していただいております。
  また、避難指示解除後も、避難費用や精神的損害賠償が継続される相当期間につきましては、平成25年12月の第4次追補において、1年間を当面の目安とした上で、個別の事情については柔軟に判断するということをお伝えさせていただいております。
  これらの趣旨を踏まえまして、東京電力においては、地元の御事情をよく伺い、丁寧に対応いただきたいと考えているということをお伝えさせていただいてございます。
  続きまして、浪江町のものも併せて御紹介させていただきましたが、南相馬市から頂いております、住民が被った精神的苦痛のうち、コミュニティの崩壊並びに、従来の平穏な生活環境及び自然環境の喪失等によるものを賠償すべき損害として中間指針に明示することという御意見につきまして、御紹介させていただきます。
  こちらにつきましては、中間指針等において、避難指示等の解除等から相当期間経過を原則として、精神的損害賠償の終期とすることを一律の目安として示していただいております。このような一般原則を提示した上で、個別の事情に応じて対応することが適切であると考えている旨、お伝えさせていただいてございます。
  また、続きまして南相馬市でございますが、避難指示等による区域は、賠償における絶対の基準ではなく、区域の内外に関わらず同等の損害が生じている場合には同等の賠償をするべき旨を中間指針に明示することという御意見につきましてでございます。こちらは、今般の原子力損害について、避難を余儀なくされた被害者を迅速・公平かつ適正に救済するため、中間指針等において、一律に賠償すべき損害の範囲として、避難指示区域ごとの目安を示していただいております。同時に、指針に明記されていない損害についても、個別具体的な事情に応じて、事故との相当因果関係が認められれば賠償の対象となり得ることも示していただいております。東京電力においては、このような中間指針等で示された考え方を踏まえ、被害者に寄り添った誠意ある対応を行うことが重要であると考えている旨、お伝えさせていただいてございます。
  続きまして、また南相馬市の御要望・御意見でございますが、避難指示解除の時期に関わらず、旧居住制限区域及び旧避難指示解除準備区域内の現実の不動産の被災状況に即し、これらに対しても全損評価による賠償にするべき旨を中間指針に明示することという御意見でございますが、こちらにつきましては、自治体の所有する不動産については、必ずしも売却を予定しているものではないこと、行政への賠償は発生直後の民間の方に対する迅速な賠償とは少し違うことなどを総合的に考慮し、民間財物とのバランスをとりながら、公有財産の不動産についての賠償の基本的な考え方を提示していただきました。東京電力においては、この考え方を踏まえつつ、誠意ある対応を期待する旨、お伝えさせていただいてございます。
  最後の御意見でございます。顕在化した現実に存在する原子力損害を反映した中間指針の改定を行うことという御意見でございます。こちらにつきましては、紛争審査会においては、これまでに中間指針、1次追補から4次追補、及び4次追補における住居確保損害に係る宅地単価の改定を行うなど、適時的確に指針等の見直しを行っていただいているところです。指針において一般的な原則を提示した上で、それを踏まえて、ADR等の個別事情に応じた、きめ細かな対応をしていくというようにうまく組み合わせることが妥当であると考えております。
  また、ADRの和解事例につきましては、ある程度類型化し、事例集を公表しており、皆様に参考にしていただいております。このような形での対応全体としては、今はうまく回っていると考えており、直ちに指針の改定が必要だと強く認識しているものではありませんが、現地の皆様の御苦労を少しでも軽くするために、指針自体の見直しが必要不可欠だということであれば、対応していくという旨をお伝えさせていただいてございます。
  現地視察の結果の報告につきましては、以上になります。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問等がございましたら、お願いいたします。
  大塚先生、どうぞお願いします。



【大塚会長代理】  今朝の朝刊で、家賃賠償についての新制度というのが出てきているんですけれども、県の仮設住宅の提供が延長になりまして、東電の家賃賠償が3月末で打ち切られることになりますと、支援の格差が生じるということから、県とか自治体が支援体制の枠組みの構築を求めていたということを受けて、政府と東電が、家賃賠償が3月末で打ち切られた住民に対して、新しい支援制度を作るということで合意したということで、11日にも正式発表するという記事が出ております。これにつきまして、政府から事実関係について説明を頂ければ有り難く存じます。



【鎌田会長】  それでは、事務局、お願いいたします。



【山下参事官】  内閣府被災者支援チームの参事官をしています、山下と申します。
  大塚会長代理がおっしゃりますように、今朝の福島民友の1面に、家賃賠償の新たな仕組みということで記事になっております。結論を言いますと、ここに書かれてあるような新たな支援制度が決まったという事実はございません。
  経緯的に申しますと、既に御案内のことかもしれませんが、今、大塚会長代理からお話がありましたような、仮設が延長されるにもかかわらず、家賃賠償の方は、基本的にではありますが、今年度をもって終了すると、ここに終期の差が生じると、これについて何らかの対応をすべきじゃないかと、こういう問題意識から、現に昨年10月に先生方に地元を回っていただいた中でも、富岡町であるとか、あるいは、その後のぶら下がりの記者からの質問で関心が表明されたところでございます。
  その後、11月29日でございましたが、実際に内堀知事が東京にお越しになりまして、関係する役所に回られまして、経産省であれば世耕大臣のところに来られまして、陳情書をお渡しになったと。その中にこの家賃賠償に関する要望も含まれておりまして、内容としましては、応急仮設住宅の供与期間の延長を踏まえて、家賃賠償の対象世帯についても、地域の実情等に応じた適切な対応を行うよう東京電力を指導すること、こういった内容の陳情が、要望が寄せられたところでございます。
  更にそれを踏まえまして、与党の方でも動きがございました。具体的には、12月15日でございましたが、自民党、公明党、それぞれから国及び東電に対して、いわゆる申入れがなされたところでございます。その中の1つに、東電に対しまして、住居確保への支援など、人的・資金的な協力を行うこと。とりわけ家賃賠償世帯については、県、市町村からの要望も踏まえ、適切に対応することと、こういった申入れが12月15日にあったところでございます。現在、これを踏まえまして、国、東電、それからもちろん当事者である県も含めまして、鋭意検討を進めておると、こういった状況であるところでございますが、冒頭、さかのぼりまして、現時点において、こういう新たな制度が何か決まったという事実はございません。
  以上でございます。



【鎌田会長】  よろしいですか。



【大塚会長代理】  これは、では、まだということですね。



【山下参事官】  いずれにせよ、家賃賠償制度自体が基本的に3月末には切れてしまうということでございますので、非常に被災者の住民の方々は不安を抱えてらっしゃるわけでございます。4月以降の自分の住まいはどうなるのかと、そういった不安を一刻も早く解消することが重要でございまして、国、それから県、東電としましては、検討を加速化していると、こういった状況でございます。



【鎌田会長】  よろしいでしょうか。



【大塚会長代理】  はい。では、引き続き御検討をよろしくお願いします。



【山下参事官】  ありがとうございます。



【鎌田会長】  ほかに御意見いかがでしょうか。
  先ほどの点につきましては、損害賠償スキームで対応するのか、あるいは復興支援のスキームの中で対応するのかと、こういうところについての検討を踏まえながら、被害者の皆さんの生活に支障が出ないようにすると、その適切な措置を引き続き検討して、早期に何らかの方向性を示す、そういうふうなものだと理解してよろしいですね。
  ほかの点について、御意見いかがでしょうか。よろしいですか。
  よろしければ、次に移りたいと思います。
  特定復興再生拠点区域復興再生計画につきまして、復興庁より御説明を頂きます。



【田中参事官】  失礼いたします。復興庁の参事官の田中と申します。よろしくお願いします。
  それでは、資料3を御覧いただけますでしょうか。資料3-1と3-2の2つに分かれておりますけれども、帰還困難区域に、これまで居住を前提としていなかったわけですけれども、昨年の5月に改正されました福島特措法に基づきまして、避難指示を解除して居住を可能とするエリア、特定復興再生拠点というエリアを作ろうという法律が制定されました。それに基づきまして、この特定復興再生拠点区域の認定というものが行われてきておりますので、その状況につきまして御説明させていただきたいと思います。
  まず、資料3-1でございますけれども、これは今申し上げました制度の概要でございます。既に45回のこの審査会の際に、法律につきましては御説明させていただいたと思いますけれども、この制度で帰還困難区域の中に居住が可能なエリア、避難指示を解除するエリアを特定復興再生拠点区域として定めまして、そこを避難指示解除して居住を可能にするということですが、その段取りといたしまして、帰還困難区域を有する市町村が計画を作って、それを内閣総理大臣による認定という行為を間に挟みまして、そこで除染なり、インフラの復旧などを一体的に進めるというものでございます。
  どういったエリアをこの拠点にするのかというのが下段の方にございます計画の認定基準というところで、これは法律でありましたり、法律に基づいて作られております福島基本方針という、閣議決定された文書に示されているんですが、大ざっぱに申し上げますと、おおむね5年以内に避難指示解除に支障のない基準以下に放射線量が低減できるところ。これは除染をした場合でということでございますが、それでなおかつ使う見込みがあるところから実施しましょうということでございます。
  現時点、では、どのような場所で、どういった規模で認定が行われたかというのが資料3-2にございます。
  5月に法律が制定されましたが、資料3-2の1ページ目を御覧いただけますでしょうか。9月15日に双葉町、それから11月10日に大熊町、12月22日に浪江町で、それぞれ計画の認定、区域の認定を行っております。
  この3つの町の所在につきましては、先生方、御存じだとは思いますけれども、必要がございましたら、この資料の参考4のところに全部が出ている地図がございますので、御覧いただければと思います。
  まず、双葉町でございますけれども、9月15日に認定いたしました。場所は、JRの双葉駅という駅がございます。この駅の周りが、もともと双葉町の中心的な市街地だったところでございますけれども、ここの駅の西側には新たな生活の場、東側は既成市街地の再生ということで復興を進めていこうということでございます。
  この西側の新たな生活の場というのは、下の方に地図がございますけれども、特定復興再生拠点区域になっていない帰還困難区域、あるいは中間貯蔵施設の予定地などが双葉町にございますので、そのようなところに住居をお持ちの方で、双葉町には帰還したいというような方々のための公営住宅ですとか分譲住宅といったものも用意される予定でございます。
  このような場所で、区域の面積としては約555ヘクタール、森林や水面を除くと約450ヘクタール。森林や水面を除く面積が、町のもともとの可住地の2割程度でございます。ここを拠点として復興していこうということでございます。
  平成31年度末頃、実は2020年3月末にJR常磐線の再開というものを、今現在、予定しておりますので、それにあわせまして、駅が使えるようになるということを、まず第1段階として目指しております。全体の避難指示解除は2022年春頃を予定しているところでございます。
  居住人口の目標は約2,000人と、元の町の3分の1ぐらいでございますけれども、この2,000人の中には新住民の方々も含んでおります。600人ほどの新住民を含んだ新しいまちづくりを行うということでございます。
  2ページ目は、隣の大熊町でございますけれども、こちらは11月10日に計画の認定を行いました。
  大熊町は双葉町とちょっと違うところがございまして、この下の方の地図では、避難指示解除準備区域・居住制限区域という白くなっているところがございますが、ここに今、大川原地区というところに、新しい町役場を作るといったプロジェクトが動いております。大熊町のこの計画の考え方としては、この大川原地区、緑色でちょっと示しておりますけれども、この地区とJR常磐線の大野駅、さらには国道6号線を面でつないでいこうという考え方で、この特定復興再生拠点を作っております。
  区域の面積は約860ヘクタール、それで森林・水面を除くと大体650ヘクタールでございまして、こちらも大熊町の森林・水面を除いた可住地全体の22%ぐらいということになっております。
  避難指示解除の目標は、このJR常磐線の大野駅は使えるようにするという意味では、平成31年度末、これは双葉町と同じ時期を見込んでおります。青い色を塗った全域の避難指示解除は平成34年春、2022年春頃を目標としているところでございます。
  居住人口の目標は約2,600人。これは、この白い部分を含めますと、約4,000人という計画になっておりまして、こちらも元の町の3分の1ぐらいのスケールで、まずは復興を図ろうということでございます。
  大熊町も、福島第一原発の廃炉の関係などで働く方も含めまして、新しい住民が、この2,600人の中には1,100人入っているという計画になっております。
  最後に浪江町でございます。3ページ目を御覧いただきたいと思います。
  浪江町の拠点の作り方は、他の町とは若干違っておりまして、もともと、この帰還困難区域の中に、合併前、3つの町村が含まれております。この3つの町村に、それぞれ1か所ずつ拠点となる地区を設けていくというような考え方でございまして、室原地区、末森地区、津島地区の3地区に、それぞれ拠点という形でエリアを設けております。
  こちら、駅とかそういうのとはちょっと関係ないところなので、なかなか、拠点というイメージと、もしかしたら違ってらっしゃる方もあるかもしれませんが、ここは復興を進める拠点という意味で、まず最初に手を付けるところとして、この3地区に拠点を構えたものでございます。
  全体の面積としては661ヘクタール。これは町域全体の3%にすぎないんですけれども、浪江町、森林がかなり多いところでございまして、森林・水面を除いた約450ヘクタールというのは、帰還困難区域の同じ可住地の、2割ぐらいにはなるというところでございます。
  ちなみに、浪江町の場合ですと、既に避難指示が解除されているエリアもございますので、浪江町の可住地全体を分母に考えますと、今回の特定復興再生拠点区域を入れますと、7割ぐらいが避難指示が最終的には解除されるということになります。
  こちらの居住人口の目標は約1,500人ということでございます。
  ちなみに、津島地区というところは、この地図で見ますと、避難指示が解除されたエリアと全く接触しないような形になってしまうんですが、陸の孤島にするわけにはいきませんので、ここにあります、オレンジ色で描いてある国道につきましては、道路の避難指示解除も併せて行うことを目標にしております。
  このほか、帰還困難区域を有する町村といたしまして、富岡町、飯舘村、葛尾村でも、それぞれこの計画の策定作業が進んでおるところでございますが、先生方、御覧いただいております夜ノ森地区ですね。こちらを含めた形で富岡町は特定復興再生拠点区域を作るべく、既に議会などでの説明も始まっているところでございます。いずれも今年度末までぐらいには見通しが得られるのではないかと。認定そのものは4月以降になるところも出るかもしれませんけれども、大体そのようなスケジュールで進んでいるところでございます。
  以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問がございましたら、お願いいたします。
  どうぞ、高橋委員。



【高橋委員】  前々から、この制度、すごく重要だと。というか、制度ができる前から、これは重要だとお願いしてきました。よって、こういう取組はすばらしいと思います。そこで、2点、お聞かせいただきたいのです。
  除染の仕方というのを、どういうふうに考えてらっしゃるのかということ。地域全体を、一定の期間を目標にして、支障がない形で除染すると考えられていらっしゃるということですので、どういうふうに除染の仕方を考えられているのかということ。それと、地形的に森林に囲まれている部分もあるかもしれませんが、そういう部分のない、そういうものでもないような地域もあると思います。そのような地域については、周辺からの影響の排除といいますか、緩衝みたいな地域ですね。こういうのも設けるということも必要だと思います。住民の安全・安心のためにですね。この辺については、何かお考えがあるのかどうか、この2点について御教示いただきたいと思います。



【田中参事官】  まず第1点目の除染の仕方でございますけれども、除染の仕方、技術的な方法そのものは、環境省の設けました除染のガイドライン、これは帰還困難区域でないところで行っているものと基本的に同じでございます。帰還困難区域じゃない、既に避難指示解除されたところで行っている除染と違う部分があるとしたら、帰還困難区域の場合は特定復興再生拠点のみを避難指示解除できればいいという形でやることです。生活圏と言われているところに影響の出ない範囲で除染を行うという点では、森林の取扱いについては全く考え方は同じでやっております。
  それから、除染も線量が若干高いこともあって、やり方が変わる要素もないわけではないんですけれども、基本的には同じやり方ということになっております。
  それから、緩衝帯の件でございますけれども、基本的にはこの拠点の設定というのは森林はあまり含めずに設定をするんですが、実際には字ですとか、あるいは行政区といった単位で指定をせざるを得ないので、結果として緩衝帯に近い形で森林が含まれた指定になっている場合が多うございます、現実としては。



【高橋委員】  いや、ですから、森林ではないところがあるのではないでしょうか。つまり、行政区で線引きするので、平野を機械的に切ってしまう感じもありますよね。



【田中参事官】  その場合は、線の内側が避難指示解除できる状態になるように除染を行うと。定量的に範囲は決めてはおりませんけれども、いわゆる、通常「際」と言われている範囲、最大20メートルとかいろいろな言われ方をしておりますけれども、生活圏と言われているところの避難指示解除に支障がない範囲で除染は行うことになります。そこが結果としては緩衝帯になると思います。



【高橋委員】  その辺、住民に説明できて、安心して帰還していただけるように丁寧にお考えいただければと思います。



【明石委員】  量研の明石でございます。先ほど御紹介があった鉄道と道路については、もちろんそれが必要なので、きちんと再生を図ると御説明がございましたが、今回の現地視察で、私自身は行かなかったんですけれども、やはり病院とかの運営が非常に難しいとか、職員が高齢化するとかいう、学校もそうなんでしょうけれども、そういう問題は必須だと思うんですが、何らかの特別な手立てをしないと、なかなかそれを、この1,500人、2,000人の地域を維持運営していくのはかなり難しいので、特別な措置でも取らない限りはなかなか難しいんではないかと感じるんですけれども、何か特別なことをお考えになっていらっしゃるんでしょうか。



【田中参事官】  今、明石先生のお話しいただいた中身ですが、病院とか学校、あるいは福祉施設につきまして、運営上の問題をはらんでいるというのは、実は帰還困難区域の復興拠点に限らず、既に避難指示解除がなされているエリアでも同様の問題が、どちらかというと先に発現しておりまして、例えば、福祉施設に関しましては、やはり職員が集まらない、あるいは、職員の数が足りないということを少しでも緩和できるような予算措置を来年度予算で要求して、予算案には入っている状況ではございます。
  病院などについても、今行っている、例えば、医師の確保の施策といったものはあるんですけれども、まず避難指示解除区域でやっていったものをそのまま適用して済むのか済まないのかというのは、また5年後ぐらいに考えなきゃいけないことになるとは思っております。



【鎌田会長】  よろしいでしょうか。



【大塚会長代理】  高橋委員が聞かれたこととも関係するんですけれども、かつてはこういうところはかなり線量が高かったので、除染をしてもリバウンドがあるとかという議論はありましたが、半減期の問題もあるので、大分そこは変わってきたと考えてよろしいのでしょうか。



【田中参事官】  制度の要件で、5年以内に除染の効果を含めて避難指示解除が可能、これは省令で、年間20ミリシーベルトという数字を使っておるんですけれども、一応そこを切ることについてはシミュレーションをした上で認定を行っております。もちろんスポット、スポットでポイント的に高いところとかも出てくる可能性はあるんですけれども、線量としては避難指示解除が可能ということは確認した上で認定はしているところでございます。



【大塚会長代理】  ありがとうございます。



【高橋委員】  今までの制度と同じという、均衡のバランスも重要です。けれども、こういう帰還困難区域に、拠点的に作る制度でございますので、そこにあえて戻っていただくためには、もう少し除染を強めにするとか、緩衝地帯をもう少し広げるとか、を考えるべきだと思います。自然減、つまり、全体として下がっていくところを徐々に解除していくのと、一時的に高いところを突破的に除染して戻っていただくのは、性格が違います。よって、そこはバランス論もあると思いますが、例えば、森林の部分を潰してしまうとか、その中の森林地域は除染し切るとか、いろんな措置はあり得るのではないかと思います。繰り返しますが、バランス論も重要だと思いますが、今申し上げたように、あえて高いところに帰っていただく拠点を作るのですから、別の発想法もあるのではないかという点も御検討いただければと思います。



【鎌田会長】  生活関連施設の整備についても、やはりモデル的な役割を果たしてもらえるような整備がされると、復興再生の計画がより進めやすくなるんではないかという感想を持ちますので、是非よろしく御検討のほどをお願いいたします。



【田中参事官】  はい、分かりました。進捗状況を見ながら、必要がございましたら、また御報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



【鎌田会長】  ほかの点はよろしいでしょうか。よろしいですか。田中参事官、どうもありがとうございました。



【田中参事官】  失礼いたします。



【鎌田会長】  それでは、議題の4番、東京電力ホールディングス株式会社による賠償の現状について、東京電力ホールディングス株式会社より御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。



【近藤室長】  東京電力ホールディングスの近藤でございます。本日は、賠償の状況につきまして、このような御報告をする時間を頂きまして、まことにありがとうございます。私どもの原子力発電所の事故から間もなく7年を迎えます。賠償につきまして、事故の当初は、中間指針を踏まえまして、損害を類型化いたしまして、定型的な賠償を中心に進めてまいりました。しかしながら、時間の経過とともに損害の対応にも変化が見られるようになりまして、個別具体的な対応が必要となるケースが次第に増えております。
  弊社といたしましては、被害を受けられた皆様の個別の御事情をしっかりお伺いし、適切に賠償を進めてまいる所存でございます。そして、何よりも福島の皆様が一日も早く生活再建、事業再開を果たされ、新たな生活を始められますよう、賠償の貫徹はもとより、復興に向けた諸施策に誠心誠意取り組んでまいりたいと存じます。引き続き御指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、本日御用意いたしました資料に基づきまして、賠償の状況について御説明申し上げます。本日、賠償の一般的な支払状況、農業に関する賠償、公共財物の賠償の3つにつきまして御報告をさせていただきたいと思います。
  それでは、資料4-1を御覧ください。まず1ページ目でございます。こちらは賠償金のお支払実績でございます。11月末の時点で、総額7兆6,489億円をお支払いいたしております。
  続きまして、2ページ目でございます。まず、避難指示区域内の農林業者様への賠償につきましては、昨年1月以降の損害といたしまして、年間逸失利益の3倍相当を一括して賠償することといたしておりますが、昨年の11月末時点で約7,800件、344億円のお支払をいたしたところでございます。
  なお、避難指示区域外の農林業における風評賠償につきましては、昨年末、JAグループ福島協議会様と、本年1月以降の賠償につきまして大枠で合意をいたしておりまして、昨年末にプレスリリースをさせていただいたところでございます。こちらにつきましては、後ほど改めて御説明をさせていただきます。
  続きまして、訴訟の状況でございます。11月末の時点で送達件数が累計で419件、そのうち256件が終了いたしておりまして、現在、163件が係属中でございます。昨年は、月平均で見ますと、大体三、四件の送達を受けたことになります。
  2ページ目の後半から3ページ目に掛けましては、参考といたしまして、これまでと同様に、個人の方に対する賠償の合意状況、福島原子力補償相談室の体制及び賠償項目別の合意金額の状況を掲載しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
  続きまして、4ページ目、5ページ目、先ほどちょっと触れましたけれども、昨年末に、平成30年以降の避難指示区域外の農林業賠償につきまして、JAグループ福島協議会様と大枠で合意に至りましたので、その概要につきまして御報告をさせていただきます。
  資料の真ん中あたりから今回の合意内容を記載しております。今回の見直しにつきましては、まだまだ風評が残っているということ、この認識を前提といたしまして、賠償の方式につきまして、一般的に損害賠償としてやられている方式に戻していくという方向の中で見直しをさせていただいたところでございます。
  まず、合意をした内容といたしましては、損害額の算定方式の変更ということで、こちらにつきましては、品目ごとに若干算定方式がばらばらになっているところがございました。こちらを、事故前の価格と販売時の価格の差額、価格差を損害と見て賠償するという方式に改めるということで合意をいたしました。
  また、損害の請求方式の変更が2に書いてございますが、こちらにつきましては、これまで1か月ごとに、いわゆる損失のみを賠償しておったところでございますけれども、こちらを3か月の損益を通算して御請求いただく、こういうような方式に変更するということで合意をしたところでございます。
  3番はまだ継続検討でございますが、いわゆる事故前の平均的な単価ということで、基準単価というものを設定しておりますが、こちらにつきましてもいろんな考えで今設定をしておるところでございますが、こちらの変更。それから、基準単価に、いわゆる全国の価格の変動を反映させようということで、価格変動係数の導入ということも今検討しているところでございまして、こちらにつきましては、弊社の提案をベースに、引き続き協議・検討するということで合意をしているところでございます。
  今回合意した内容の導入の時期につきましては、まだ検討すべき事項も残っておりますし、また、相応の準備も必要であるということでございますので、平成31年、来年1月から導入することといたしまして、それまでの間は現行の賠償方式を継続することで合意をいたしたところでございます。
  なお、こちらはJAグループ福島協議会様との合意でございますが、こちらの協議会様以外の団体を通じて御請求を頂いている方、あるいは、個人で御請求を頂いている方につきましては、今回の合意内容を踏まえまして、これから丁寧に御説明をしてまいる予定でございます。
  続きまして、資料4-2を御覧ください。地方公共団体様が所有いたします公共財物の賠償につきましては、前回、前々回のこの審査会で御議論を頂きまして、「地方公共団体における不動産の賠償について」というお考えをお示しいただきました。弊社では、この御議論を踏まえ、会社としての基本的な考え方を取りまとめ、関係する地方自治体の皆様に御説明をするとともに、御意見を伺っているところでございます。本日は、弊社として取りまとめました基本的な考え方につきまして簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
  資料4-2でございますが、まず、不動産についての考え方でございます。対象となる損害としましては、避難指示による一定期間の利用阻害によりまして、行政的な利用による利益を享受ないしは提供することができなかったこと、これを損害とみなしまして賠償をさせていただきたいと考えております。
  項目につきましては、賠償金額として、ここ、計算式が書いてございます。土地、建物・工作物等ございますが、時価相当額に使用料率を掛け、それに避難指示の期間を掛けて損害をはじきたいと考えております。建物・工作物につきましては、機能回復に追加的な費用が掛かりますれば、それについても賠償させていただきたいと考えているところでございます。
  時価相当額につきましては、原則としまして、公有財産台帳等を参考に価格を決めさせていただくと。また、使用料率につきましては、各自治体様が条例で率を決めていらっしゃるところもございますので、こういった条例も参考に設定をさせていただくということでございます。
  なお、いまだ避難指示が解除されていない地域内の土地及び建物・工作物につきましては、こちらは全損として時価相当額を賠償させていただくことを考えているところでございます。
  次のページでございますが、動産でございます。こちらは、事故発生当時、持ち出しができなかった動産につきまして、避難指示による一定期間の管理不能によって、その価値が減少した分を損害として賠償させていただきたいと考えております。賠償金額としましては、時価相当額に価値減少率を掛けるということでございます。価値減少率と申しますのは、本件事故発生時点から避難指示解除までの期間の管理不能により生じた価値の減少額を減価償却の考え方に基づいて算定をした割合ということで、私ども、民間の法人の関係で、こういった計算をした実績もかなりございますので、そういった実績を基に価値減少率をお示しさせていただきまして、それに基づいて計算をさせていただきたいと考えているところでございます。
  3番、「その他」といたしまして、こういった考え方を踏まえまして、避難指示が解除されているところでありましても、将来的な利用再開の見込みが当面立たず、減少した行政的な利用価値の回復が見込まれない場合、あるいは、避難指示が解除される前に、公共財物について早期に本格的な利用が再開できるようにするために行った準備作業等に要した費用でございますけれども、こういったものにつきましては、一律的な考え方で賠償するのが必ずしも適当ではないということもございますので、このようなものにつきましては、個別の御事情をしっかりとお伺いいたしまして、必要かつ合理的な範囲で適切に対応してまいりたいということでございまして、今、このような会社の基本的な考え方を自治体の皆様に御説明をし、御意見を賜って、できるだけ早い段階で賠償手続に入っていきたいと考えているところでございます。
  私からは以上でございます。ありがとうございました。



【鎌田会長】  どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。
  大塚会長代理、どうぞ。


【大塚会長代理】  御説明ありがとうございました。公有財産全般に関しまして、前回、私が発言させていただきましたインフラとか山林の扱いについてでございますけれども、今御説明はございませんでしたが、その調整の現状を東京電力から教えていただきたいと思います。インフラとか山林の扱いにつきまして、円滑な賠償のために一定の考え方の整理を紛争審査会でしておくことが必要だと考えておりますが、議論のたたき台として、前回発言した責任上ということですが、私案を、もし差し支えなければ配付させていただいて説明させていただこうかと思いますけれども、よろしいでしょうか。



【鎌田会長】  大塚会長代理の私案をペーパーでまとめていただいているということですので、それを配付していただけますでしょうか。それを見ながら議論した方が誤解がないと思いますので、よろしくお願いします。



(資料配付)



【大塚会長代理】  では、資料の読み上げをさせていただきます。
  道路・堤防・ダム等のインフラについては、存在する場所で特定の機能や役割を果たすものであることや、設置者としての使用利益が損なわれていないことを考慮すれば、原則として損害はないものの、特定の機能や役割を果たすための追加的な原状回復費用などは、賠償の対象とすることが適当である。
  山林については、防災林などについてはインフラと同様の扱いとするものの、販売を目的とする営林などにおける収入の減少や追加的費用を要するものについては、賠償の対象とすることが適当である。
  ということで、「地方公共団体におけるインフラや山林の取扱いについて」というペーパーを出させていただきました。この考え方につきましては、帰還困難区域とか居住制限区域などの避難指示区域の種類に関わらず共通した扱いであると考えております。この点は、先般まとめられました基本的考え方と同様の趣旨でございます。
  私の考えはこのようなことでございますけれども、その上で東京電力から調整の現状の説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。



【鎌田会長】  お願いいたします。



【近藤室長】  ありがとうございました。今、大塚先生からおっしゃっていただいたのと、私どもも考えはほとんど同じでございます。インフラにつきましては、やはりその場所に存在をし続けるということで、一定の社会的な効用を果たしているものと考えているところでございます。したがいまして、いわゆる利用阻害による損害はないのではないかと考えておりますので、原則として賠償の対象外とさせていただきたいと考えているところでございます。
  ただ、管理が不十分になることはございますので、そこで原状回復のために一定の費用が掛かるということであれば、必要かつ合理的な範囲内で賠償させていただきたいと考えているところでございます。
  山林につきましても、やはり防災林等につきましては、性格がインフラと同じようなものだと考えているところでございますので、今、インフラとして申し上げたことと同じでございますが、販売を目的とするものがあるとすれば、これはそちらの収入減等につきましては賠償をしっかりとしていかなければいけないと考えているところでございまして、今、こういった考えを自治体の方にもお示しをして、いろいろ御意見を伺っているところでございます。
  インフラと申しましても、使用目的、管理の方法がいろいろございますので、そういった個別具体的な御事情も伺った上で、最終的に賠償方式について決めていきたいと考えているところでございます。
  以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。大塚会長代理、補足的に、何かございますか。



【大塚会長代理】  特にございません。



【鎌田会長】  では、ほかの委員の方から御意見を頂戴できればと思います。
  樫見委員、どうぞ。



【樫見委員】  私も、頂いたペーパーで基本的な考え方はいいかと思っております。そもそも不法行為における損害賠償の基本というのは、まず、事件、事故がなかったならば、この時点においてあるべき状態を回復するということでございまして、道路、堤防、ダム、こういったインフラについては、存在することで事故前と事故後、基本的には状況は変わらないと。そこに経済的な利益が何らかの形で生まれるということであるならば、その点は当然、実損といいますか、現実的な損害として賠償する必要はあるかと考えておりますけれども、道路、堤防、ダムといったような公共の用に供せられるこういったものについては、ここに書いてございますとおり、存在する場所での特定の、治水であるとか交通の促進とか、こういった役割を果たすと。その点において支障があるならば、その点の賠償は必要であろう。とりわけ長期間使わなかったことによる設置管理上の維持に必要な費用、通常よりは恐らく多くの費用が掛かるかと思いますけれども、そういった余分な費用も含めて賠償の対象になると考えております。基本的な損害賠償の考え方からしても、このような考え方が適切ではないかと思っております。



【鎌田会長】  高橋委員、お願いします。



【高橋委員】  前回、やむを得ない所用で休みまして申し訳なかったと思います。前々から申し上げていますが、公共財物はいろいろな点で特殊でございますので、公共財物の特殊性を踏まえた形で賠償も考えていくのが必要だろうと思います。
  ただ、公共財物といっても、種類、性格がございますので、細かく詰めていけば、いろいろな差異が出てきて当然でしょう。今回議論になっているインフラについても基本的にはそのような議論の延長線上で、性格に応じて賠償すべきところは賠償するという考え方ということにて、私も異論はございません。
  以上です。



【鎌田会長】  よろしいですか。
  明石委員。



【明石委員】  私だけ素人で、くだらない質問ですが、例えば、道路は特定の機能や役割って何となく分かるような気がするんですけれども、堤防というと、特定の機能や役割って具体的にはどんな例を指すんでしょうか。



【鎌田会長】  では、大塚会長代理。



【大塚会長代理】  まさに台風とかが来たときに防水の働きをするとか、そういうのが堤防の役割なので、それがそこに存在していることが非常に重要であるわけですけれども、逆に、存在していれば機能を果たしているので、基本的にはそれについて、使えなかったから損害が発生するというものではないのではないか、そういう考え方だと思います。



【明石委員】  というのは、要するに、本来の機能が果たせることを指しているということで、この「特定の」というのは、特別な、ほかのという意味ではなくて、本来のという、そういう意味なんですか。



【大塚会長代理】  ええ。そのものが持っている特定のという意味で、別に特別のとかという趣旨ではないです。



【明石委員】  そういうことですか。分かりました。



【鎌田会長】  ほかにはよろしいでしょうか。
  それでは、ただいまの先生方の御意見、御議論を踏まえますと、インフラ及び山林の賠償について、先ほど大塚会長代理から御意見があった内容について基本的に賛成である、賛成であると言うと言い過ぎかもしれませんが、特段違和感はない、こういうことかと思います。これをここでの審議の上で確認したという点を明らかにする上では、大塚会長代理私案という形のまま存続させるよりも、これを今審査会での共通の見解、確認事項であるということにしたいと思います。
  その点では、フロアの皆さんにもお配りした方がよろしいと考えますので、事務局でお配りしていただけますか。配付が終わった時点で、確認のために読み上げていただくということにしたいと思います。



(資料配付)



【鎌田会長】  先ほど、明石委員から御質問がございました「特定の機能」というのは、法律家はこういう言い方をしますけれども、「本来の機能」と言った方が分かりやすいようでしたら、そう書いてもいいですか。



【大塚会長代理】  はい、それで結構です。



【鎌田会長】  「本来予定された機能」とか「本来の機能」というふうにした方が分かりやすいと思います。この場で、「特定の機能」というのが2か所、1行目と4行目にあるのですが、これらを「本来の機能」と書き替えさせていただく。それでよろしいですね、委員の皆さん。



(「異議なし」の声あり)



【鎌田会長】  それでは、その形で事務局から読み上げをお願いします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  それでは、読み上げさせていただきます。
  地方公共団体におけるインフラや山林の取扱いについて
  道路・堤防・ダム等のインフラについては、存在する場所で本来の機能や役割を果たすものであることや、設置者としての使用利益が損なわれていないことを考慮すれば、原則として損害はないものの、本来の機能や役割を果たすための追加的な原状回復費用などは、賠償の対象とすることが適当である。
  山林については、防災林などについてはインフラと同様の扱いとするものの、販売を目的とする営林などにおける収入の減少や追加的費用を要するものについては、賠償の対象とすることが適当である。
  以上でございます。



【鎌田会長】  よろしいですね。



(「異議なし」の声あり)



【鎌田会長】  では、これをこの審査会での確認事項とさせていただきます。
  それでは、次に移らせていただきます。原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況につきまして、原子力損害賠償紛争解決センターより御説明を頂きます。



【佐々木室長】  原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介室長に着任いたしました佐々木宗啓と申します。先年の12月20日に着任してございますので、これからよろしくお願いいたします。



【鎌田会長】  よろしくお願いいたします。



【佐々木室長】  掛けて説明させていただきます。



【鎌田会長】  御着席いただいて、御報告ください。



【佐々木室長】  まず、資料の表題部分というか、表紙部分を御覧いただきますと、「速報版」と書いてございますが、これは資料の中身が29年の業務概況についての速報値なので、最終確定の際に若干変動があり得るかもしれないという前提で発表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  1枚めくっていただきまして、まず1ページ目の「センターの人員体制の整備」でございますが、上の丸が5つ並んでいるうちの4番目と5番目が今回御報告することでございます。昨年11月、福島事務所顧問という形で、初代の福島事務所長を総括委員会顧問に着任していただきまして、そのことが1つ違っております。それから、29年12月末日時点での人員体制として、仲介委員が276名、調査官が181名になっておりまして、一昨年までとおおむね同規模の体制で業務を展開していることになります。
  引き続きまして、もう1枚めくっていただいて、今度は2ページ目でございますが、昨年末までの申立件数の総数、これは全ての累計数ですけれども、申立件数は2万3,215件、そして、申立てをした人数の累計総数は10万5,849人となります。ただ、推移がございまして、下のグラフを見ていただきますと、平成26年のときがピークなんですけれども、件数も人数もその後、徐々に減っている、減少傾向が継続していることになります。
  続きまして、3ページ目を御覧いただきたいのでございますが、昨年1年間の申立件数が1,811件になっておりまして、その前の28年から比べますと983件、割合にしますと35.2%減少している数字になっております。それから、下の方に書いてございますが、法人数も含めた申立人数につきましては、3,648になっておりまして、28年から比べますと5,860、割合にしますと61.6%減少している、そういう数字になっております。
  そして、1件当たりの申立てについての申立て人数ですけれども、平成27年が5.7、28年が3.4、昨年は2.0と減少してきてございます。この理由は、はっきりとしたことは分からないと言わなければいけないんですけれども、推測されることとしては、事故からの時間の経過などによって、被害者の方々の置かれている状況が、それぞれ時間の経緯とともに差異が出てきている。そうしますと、1件当たりにまとめるというよりは、個別の事情を反映した形で申立てをすることが合理的かと思われるので、そういうふうになると、1件当たりの人数が減ってくる形になるのかと考えてございます。
  次は、4ページ目をめくっていただきまして、29年に申し立てられました案件のうち、当該申立人が初めて申し立てたものの事件の割合が45.8%。二度目、三度目と複数申し立てている、複数回申立てが54.2%となっております。初回の申立ての割合が徐々に下がってきて、複数の申立ての割合が上がってきていると。当然のことではございますが、そういう傾向が出てきております。
  次に、5ページ目を見ていただければと思うんですけれども、昨年末までで仲介をして、手続を終了した数ですけれども、2万1,399件が終了、既済になっております。これは、これまで申し立てられました事件の総数、累計数の92.2%がこれに当たっておりまして、終局していることになります。
  そのうち、終局した部分のうちの82%に当たる1万7,548件が和解が成立して終了になっております。差引きしますと、昨年末時点における現在進行中の件数、いわゆる未済件数は1,816件になっておりまして、これはこれまで申し立てられました事件の7.8%に相当していることになります。
  次に、6ページ目を御覧いただけると有り難いのでございますけれども、平成23年から29年までの年度別の推移ですけれども、昨年中に手続が終了した件数は2,132件になっておりまして、申立件数自身も減っていますので、ボリュームが減ったこともあって、28年の3,403件から1,271件、37.4%減少したことになっております。
  それから、既済の件数がどういうふうに終わっているのかということですけれども、和解で終了した案件は1,581件で、既済件数全体に占める割合は74.2%となっております。この和解による終局の割合ですけれども、平成25年から28年までは8割を超えていたんですが、今回8割を若干切ることになりました。
  他方、打切りや取下げ、この件数も減ってはいるんですけれども、割合に直すと、割合は増加していることになっております。
  そして、未済件数は27年以降、着実に減少していて、先ほど述べたように、1,816件となっておりますが、これは昨年の数字から見ると、321件処理して、少なくしていることになります。
  7ページ目になると、話ががらっと変わるのでございますが、昨年の12月18日に、いわきの支所が、いわき市文化センターから300メートルほど離れたいわきセンタービルに移転して体制を整え直してございます。その新しい外観ですけれども、右側の写真の上から4つ目に写っておりますような建物でございます。
  最後のページ、8ページ目を御覧いただければと思うんですが、センターの広報活動等でございますけれども、いわき支所の住所が移転しましたので、ポスター、パンフレット、和解事例集の地図を更新する必要がありましたので、それらを更新するとともに、内容の見直しや充実を図ってございます。
  それから、移転に関しては、福島県、いわき市の広報、それぞれの広報誌への記事掲載や新聞広告を打つことをして周知に努めてございます。
  また、福島県内外の避難者にもセンターの取組を周知するために、新しいチラシを作ったり、弁護士会、司法書士会と協議を行って、周知活動に努めてございます。
  新しく作ったチラシというのが、8ページ目の右の真ん中に、「ご存じですか?」とありますけれども、こういうものを作らせていただいています。
  また、従前あったパンフレットの中に、和解の成立事案というものも盛り込んだりして、こういう解決がされていることを周知することも手を付けさせていただいております。
  以上、概況の報告になります。



【鎌田会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に係る御質問、御意見をお願いいたします。
  申立件数も未済件数も減りつつありますけれども、そういう中で難しい問題が残ってきているんではないかというふうに想定できるんですが、その点の御印象があれば。



【佐々木室長】  やはり事故から時間がたってきていますので、それぞれの個別の事情も違ってきているので、その辺を詳細に確認しながら申立人と東電の間の調整をしていますので、やはり負担増ということはあるということになります。また、いろいろな問題でも難しいところは残っているものが若干増えているという印象は持っております。
  ただ、着任したばかりなので、まだ一部の記録しか読み終わっていないので、ざっと抜き取った感じではそういう感じがしているところで、御指摘のとおりなのかなという感じはしております。



【鎌田会長】  御苦労をおかけしますけれども、是非今後ともよろしくお願いいたします。
  ほかに委員の皆様、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。



【佐々木室長】  これからもよろしくお願いいたします。失礼いたします。



【鎌田会長】  それでは、次に、議題の6番、その他でございますけれども、昨年の9月に千葉地裁、10月に福島地裁の判決が出されました。国が控訴をしたという報道もありましたけれども、両地裁の判決も含めた国家賠償訴訟の状況について、事務局より御説明を頂ければと思います。よろしくお願いします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。それでは、福島原子力発電所事故に伴う国家賠償請求訴訟について、特に前回9月13日以降に判決が示された千葉と福島地方裁判所の判決につきまして御照会申し上げたいと思います。
  先生には、お手元にございます緑色の紙ファイルと灰色の紙ファイル、これが千葉と福島の地裁の判決そのものでございますが、こちら後ほど少し具体的なページを申し上げますけれども、その資料に入る前に概況の御説明を口頭にて申し上げたいと思います。
  まず、福島原子力発電所事故からの避難者などが原告となられて、全国の20か所の高等裁判所や地方裁判所において、国及び東電を被告とする約30の集団訴訟が係属中と、29年9月現在ということで、少し古いですけれども、そういう状況でございます。
  同種訴訟で初めての判決が言い渡された前橋地裁の判決におきましては、先ほど申し上げましたとおり、前回の審査会で御報告はさせていただいてございます。千葉地裁の判決につきましては、被告東電と原告が10月5日に、福島地裁判決につきましては、被告国及び東電並びに原告が29年10月23日に仙台高等裁判所へ控訴しており、現時点で判決はまだ確定しない状況であるというふうに承知してございます。
  また、関連といたしまして、年度内3月までということでございますけれども、現時点での予定でございますけれども、関連する地裁の判決の言渡しが、京都地裁が今年の3月15日、東京地裁が3月16日の予定となっているというふうに承知してございます。
  それでは、判決がありました2つのものについて御紹介申し上げたいと思います。
  まず、千葉地裁でございますが、提訴日は平成25年3月11日、原告は45名で、原告の方々の請求内容は、避難慰謝料として一人月50万円、ふるさと喪失慰謝料として一人一律2,000万円、あと財物損害という内容というふうに承知してございます。
  また、福島地裁につきましては、提訴日は同じく平成25年3月11日でございます。原告は約3,900名。原告の方々の請求内容につきましては、原告らの旧居住地における空間放射線量率を本件事故前の値である0.04マイクロシーベルト時間当たり以下にすること、いわゆる原状回復請求というものと、旧居住地の空間線量率が0.04マイクロシーベルト時以下となるまでの間、1か月5万円の割合による平穏生活権侵害による慰謝料を請求するものと、加えまして、原告ら3,900名の方々のうち40名の方々が2,000万円のふるさと喪失による慰謝料の請求をなさっていらっしゃるというふうに承知してございます。
  今申し上げましたように、判決そのものにつきましては紙ファイルにございます。フロアの方には大部でお配りさせていただいてございませんが、こちらにつきましては、ほぼ同じ内容が裁判所のホームページ、URLを申し上げて恐縮でございますが、www.courts.go.jpの裁判例情報というところに掲載され、公表されておりますので、御関心のある方々は後ほど御確認を頂ければと思います。
  それでは、少し中身について申し上げたいと思います。まず、千葉地裁の判決でございます。緑の方のファイルでございます。
  こちらの111ページをお開きいただければと思います。ページ数が見づらくなってございますが、111ページでございます。こちらに、まず、第4の結論に関連する部分でございますけれども、内閣総理大臣が設置等許可処分をしたことは国賠法1条1項の適用上、違法かどうかについては、国賠法上、違法とは言えず、この点についての原告らの主張は認められないという判決内容になってございます。
  また飛びまして大変恐縮でございますが、133ページをお開きいただければと思います。133ページの、これも同じく第5、結論という部分でございますけれども、原告らが主張する規制権限の行使については、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められず、国賠法1条1項の適用上、違法とは言えないという判決内容になってございます。
  続きまして、隣の134ページでございます。第4条の原告らの被告東電に対する主位的請求についてという部分でございます。ここは原賠法第3条1項との関係が記載されてございますけれども、原賠法第3条1項によってのみ損害賠償請求をすることができるため、民法709条に基づく主位的請求は、いずれも理由がないという判決内容になってございます。
  続きまして、第2の損害の総論に関する争点という部分についての記載ぶりの紹介をさせていただきます。これも飛びまして恐縮でございます、186ページを御覧いただければと思います。正確に申し上げますと、185ページの下からの続きになります。財物損害の関連記載でございます。財物の価値の全部又は一部が失われたと認められる場合には、当該財物の失われた価値の喪失・減少分が損害となる。そして、損害額を算定する際の基準となる当該財物の価値は、本件事故時点における財物の時価であることという判決内容になってございます。
  続きまして、精神的損害の記載部分でございますが、これはまた飛びまして恐縮です、190ページを御覧いただければと思います。190ページ(2)の避難生活に伴う慰謝料の下の部分を読ませていただきます。避難生活に伴う慰謝料については、算定に当たっては、本件事故により原告らに生じた個別具体的な事情、すなわち原告らの年齢、性別及び健康状態、避難の経緯及び状況、避難後の生活状況、避難の期間、避難前の居住地の状況等諸般の事情を総合考慮すべきであるという判決内容になってございます。
  また、千葉地裁におきましては、この避難生活に伴う慰謝料に加えまして、その精神的苦痛以外の精神的苦痛に係る慰謝料というものも原告の御請求にございましたので、これについても解釈、考え方が示されてございます。
  ページは192ページでございます。192ページの上段及び下段の部分を読ませていただきます。避難生活に伴う慰謝料では補塡し切れないものについては、ふるさと喪失慰謝料と呼称するかどうかはともかく、本件事故と相当因果関係がある精神的損害として賠償の対象となるべきであるということ、また、下の後段でございますが、中間指針第四次追補の定める避難の長期化に伴う慰謝料は、少し飛ばしますけれども、精神的苦痛に対する賠償の要素を含み、原告らの言うふるさと喪失慰謝料には一部対応するものと解されるという判決内容になってございます。
  また、これも少し戻って恐縮ですが、192ページのところを御覧いただければと思いますが、中間指針等が定める月額10万円という慰謝料の賠償基準は、本件事故により避難を余儀なくされた者が共通して被ると考えられる避難生活に伴う慰謝料の最低限の基準を示したものと解するのが相当であり、原告らの個別・具体的な事情によっては、これを超える慰謝料を認めるべきは当然にあり得るという判決内容になってございます。
  また、自主的避難者に係る損害についても考え方が示されてございまして、今度は195ページになります。195ページ、何度も飛んで恐縮でございますが、上から4行目あたりから読ませていただきます。自主的避難等対象者以外の者の避難に合理性が認められるかどうかは、本件事故当時の居住地と福島第一原発及び避難指示区域の位置関係、放射線量、避難者の性別、年齢及び家族構成、避難者が入手した放射線量に関する情報、本件事故から避難を選択するまでの期間等の諸事情を総合的に考慮して判断することが相当であること。避難の合理性が認められる場合には、客観的情報も踏まえ、避難をした者の個別具体的な事情に応じて避難により生じた相当な範囲の損害が賠償の対象となり得るという判決内容になってございます。
  千葉地裁の方は以上でございます。
  続きまして、福島地裁も中間指針等の記述等々、やや関連するであろうという部分についての御説明をさせていただきます。
  まず、今の緑の方から灰色の紙冊子の方の49ページを御覧いただければと思います。49ページの中に、第2、原状回復請求というものがございます。先ほど0.04マイクロシーベルト以下というお話を申し上げましたが、この部分でございます。まず、この原状回復請求についてはという部分でございますが、原告らの居住地の空間線量率を本件事故前の値である0.04マイクロシーベルト/アワー以下にせよという原状回復請求は、被告らに求める作為の内容が特定されていないことから、民事訴訟として不適法であるという判決内容になってございます。
  続きまして、被告国の損害賠償責任についてという部分でございますが、52ページから53ページをお開きいただきますが、今度は国の損害賠償責任についての考え方でございます。口頭弁論終結日の翌日である平成29年3月22日以降に発生する損害の賠償を求める訴えは、権利の発生が不確定な将来の事情の変動に関わるものであるので、将来請求としての適格性を満たしておらず、民事訴訟として不適法であるという判決内容になってございます。
  また、被告国の責任についてという部分でございますが、これもちょっとページが飛んで恐縮でございます、140ページを御覧いただけますでしょうか。11の相互の保証についてというところの少し前の部分になります。許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠いたと認められ、被告国は本件事故により被害を受けた原告らとの関係において、国賠法1条1項の責任を免れないものと言うべきであるという判決内容になってございます。
  続きまして、損害賠償の平穏生活権侵害に基づく損害賠償請求の部分についての御説明をさせていただきます。151ページの「このように解する限り」というパラのあたりから少し読み上げさせていただきたいと思います。まず、精神的損害の賠償が中間指針等による賠償額を超えるか否かを判断し、原告らが被告東電から現に受領し、又は将来受領する賠償金については、現に受領したか否かを問わず、本件では考慮しないことや、中間指針等で示されている賠償額は目安であって、個別の事情によってこれを超える、あるいはこれを下回る損害を認定することは当然に許容されているところであるが、本件ではその目安を超える損害が認められるか否かを判断することとなるという判決内容になってございます。
  また、この関連で、また飛んで恐縮でございますが、155ページをお開きいただければと思いますが、原告らの居住地の避難指示区分によって原告らをグループ化して、共通被害を認定するのが相当であると考え、それぞれグループごとに中間指針等による賠償額を超える共通損害が認められるか否かを判断することとするがという判決内容になってございます。
  ここで、以下、グループに分けた損害の認定の記載がずらっと並んでございますが、幾つか事例で御紹介申し上げたいと思います。192ページを御覧いただければと思います。帰還困難区域の居住者の部分の記載ぶりでございます。192ページ以降ずっと書いている部分でございますが、全部読むのは難しいのでポイントを申し上げますと、帰還困難区域旧居住者については、実際に被害者が被告東電に対する請求をすることが可能になった平成26年4月を基準とすべきであり、平成26年3月、4月については、それ以前と同様の月額10万円、合計20万円の平穏生活権侵害による精神的損害の賠償を認めるのが相当である、その結果、中間指針等による賠償額である360万円を超える損害として20万円を認める、双葉町の避難指示解除準備区域旧居住者についても同様に20万円認めるという判決内容になってございます。
  また、自主的避難対象区域について御紹介したいと思います。ここは13と書いてある218ページ以降に記載されている部分でございますが、ここにつきましては、中間指針等による賠償額を超える損害を16万円と認めるのが相当である。他方、子供・妊婦については中間指針等による賠償額を超える損害があるとは認められないという記載がございます。
  また、最後になりますけれども、288ページを御覧いただけますでしょうか。随分飛んで恐縮でございます。ふるさと喪失に基づく損害賠償請求についての記載ぶりがありますけれども、これにつきましては、帰還困難区域旧居住者については、中間指針等による賠償額である1,000万円を超える損害は認められないこと、居住制限区域避難指示解除準備区域旧居住者については、月額10万円の継続的賠償と別途の確定的、不可逆的損害が発生しているとは認められないという判決内容になってございます。
  全ては御紹介できないんですが、かいつまんで関係性の高いと思われるところを御紹介させていただきました。以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  ただいまの説明に関しまして御質問等がありましたら、お願いいたします。大変長文ですので、すぐに質問を思い付くというのも難しいかと思いますが。大塚会長代理。



【大塚会長代理】  それぞれ興味深い判決が出ていて、大変関心のあるところでございますけれども、それぞれ特色があって、一律に同じような方向を必ずしも向いているというわけでもなさそうですので、判決が確定するときに、紛争審査会として何か考えなければいけないかどうかということを検討すべきではないかと思っているところでございます。



【鎌田会長】  ほかにはいかがでしょうか。
  昨年の8月の審査会におきましては、前橋地裁の判決について報告をしていただきました。その際にも、当該判決は控訴中で、まだ確定していないということで、直ちに判決内容に基づいて中間指針を見直すということは控えた方がよいという判断をさせていただきましたけれども、今回の2つの判決につきましても、なお控訴中であり、確定していないということですので、同様に、これらの判決が出たということから直ちに中間指針を見直すことはしないというふうに考えているところですけれども、そういう取扱いでよろしいでしょうか。



(「異議なし」の声あり)



【鎌田会長】  ありがとうございました。
  なお、事務局におかれましては、先ほど御紹介がありましたように、本年3月にも更に判決が予定されているところでございますので、今後とも裁判所の動向について十分注視していただき、適宜御報告をしてくださいますよう、お願い申し上げます。
  予定よりも順調に進み、時間が多少余っております。何かございましたら御発言いただければと思います。よろしいですか。
  事務局からもよろしいでしょうか。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  はい。



【鎌田会長】  それでは、これで本日の議事を終了させていただきます。長時間の御審議ありがとうございました。今後も審査会といたしましては、必要に応じて開催するとともに、適宜、賠償の状況等を確認していきたいと考えております。
  最後に、事務局から事務連絡等お願いいたします。



【山下原子力損害賠償対策室次長】  ありがとうございます。今、先生におっしゃっていただきましたとおり、次回の開催はまた御相談の上、御連絡をさせていただきたいと思います。
  また、議事録につきましては、事務局でたたき台を作成させていただきまして、先生にも御確認を頂いた上で、御了承いただいたものをホームページに掲載させていただきたいというふうに思ってございます。
  また、先ほど議題4に関連しまして、本日おまとめいただきました地方公共団体におけるインフラや山林の取扱いについてというものにつきましては、文科省のホームページにも、事務的にではございますが、掲載させていただきたいというふうに考えてございます。
  以上でございます。



【鎌田会長】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
  それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。



―― 了 ――


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-- 登録:平成30年02月 --