減災や地域防災力を向上させ、生きる力を身につけるために求められる防災教育は、指導者が定型的に組み立てられるプログラムは不十分である。一方で、社会科学を含めた科学技術の進展により、自然災害の可視化や防災対策の高度化、教育手法の高度化が進みつつあるが、まだ充分に広がりを見せていない。
学校や地域、企業などの場における防災教育を進めて行くには、教員や自主防災リーダーのようなそれぞれの場で指導的な立場を務めねばならない人に一方的に期待するのではなく、その人たちが防災教育を進めるためにプログラムのアイデアや実践を具体的に支援する「担い手」や、多方面にある防災教育に役立つコンテンツやツール、人材を、それぞれの現場につなぐことができる「つなぎ手」の存在がなければ、防災教育に取り組もうとする人たちは、場合によっては孤立しかねない。
また、自然災害の多様性、地域性を考えると、全国一律の方法を周知するというやり方では、それぞれ地域にある教育のための素材が充分に発掘されて活かされない恐れもあるため、それぞれのローカルな事情を把握した担い手、つなぎ手が重要になる。
林さんの書いたネットワーク図の中心にこどもが来る学校教育や地域教育もあり、またそこに地域が来れば、地域防災教育、企業が来れば企業防災教育のネットワーク図になる。
また、外周の学協会などの専門家を中心に置けば、担い手やつなぎ手としての学協会の役割を考えるネットワーク図と読むことができる。
学校教育課程の各教科の中に、問題解決力の向上など生きる力を育む防災教育の視点は含まれてはいるが、総合的であるが故に、目指すべき教育の実現が簡単ではない。従来の防災教育の取り組みの範ちゅうから、単純に発展させるのは相当に困難である。
それらを重ね合わせたような総合学習を組み立てるのは容易ではない。
本来必要な、家庭や地域、自治体との連携をするのは容易ではない。
学校教育の場では教職員が指導者となることが前提になる
(担当外の)教職員、PTA、地域の自主防災・NPO関係者、商店街、建築関係者、医療関係者、市区町村教委、市区町村の行政関係者、地元の大学・研究機関などの専門家、地域の歴史家、地元企業関係者、都道府県の地元事務所関係者、気象台・地域整備局など国の出先の関係者など
上記のすべての人で他の分野の担い手を知る人はつなぎ手になれるほか、都道府県教委、多くの担い手を知りうる地元のメディア関係者や、全国の大学・研究機関などの専門家、国関係者など
地域では、狭義の防災対策である避難訓練や消火訓練などまでは行われているところが少なくなく、企業では義務的訓練までは行われているが、地域としての「生きる力」である地域防災力の向上や、企業としての「生きる力」である企業市民的な視点も踏まえた事業継続への取り組みを進めることは容易ではない。
いずれも、コンサルタントなどに一定の対価を支払うことで実現可能なことはあるが、持続可能な形が望ましい。
自主防災組織・避難拠点リーダー、防災NPOリーダー、自治体防災担当者、公民館主事、PTA幹部、企業の防災担当者など
地元のさまざまな職種の住民、学校教職員、PTA、地域の自主防災・NPO関係者、商店街、建築関係者、医療関係者、市区町村教委、市区町村の行政関係者、地元の各種業界団体、労働安全関係者、地元の大学・研究機関などの専門家、地域の歴史家、地元企業関係者、都道府県の地元事務所関係者、気象台・地域整備局など国の出先の関係者など
上記のすべての人で他の分野の担い手を知る人はつなぎ手になれるほか、多くの担い手を知りうる地元のメディア関係者や、全国の大学・研究機関などの専門家、国関係者など
担い手、つなぎ手を増やすために、次のような取り組みができる。
研究開発局地震・防災研究課