資料3‐1 防災教育支援に関する懇談会 (第2回) 議事概要

1.日時

 平成19年5月10日(木曜日)15時30分~18時

2.場所

 科学技術政策研究所会議室

3.出席者

(1)委員

 林座長、今村委員、川本委員、小林委員、諏訪委員、中川委員、永山委員、福和委員

(2)外部有識者

 五島総括研究官(国立教育政策研究所)、牧准教授(京都大学防災研究所)、斎藤教授(川村学園女子大学)

(3)事務局

 板谷審議官、土橋課長、阿部室長 他

4.概要

冒頭

-事務局より資料2-1に基づき、第1回の概要を説明-

-今村委員より第1回参考資料2に基づき説明、以下は要旨-

【今村委員】

  • 学校での時間が限られている中、特に災害においては、知識だけでなく具体的なイメージや対応が必要になる。学校教育全体の中で防災教育の優先度を上げていくためには地域との連携が必要になるが、オーガナイザーが不在であるため、現在実施していることをコーディネートし、整理する組織が必要である。
  • 防災教育の展開では、知識、メカニズム、経験を通じて自分のものとして理解することが必要である。
  • 地域との連携の中では、児童・生徒が地域での役割を考える機会が必要である。防災マップ等を作る主体や、建物の簡易診断を行う主体になり得る。ただ単に勉強するだけでなく、その知識をもって地域に貢献することで、将来社会人として地域に出て行ったときにも役に立つ。
  • 小・中・高の学年別のつながりを整理すべきである。

-事務局より参考資料1に基づき説明-

-川本委員より参考資料2に基づき説明-

議題(1)生涯教育における防災教育について

-齋藤教授より資料2-2に基づき説明、以下は要旨と主な質疑応答-

【斎藤教授】

  • 今の若者は、生きる力、生活力はあまり培われていないという実態があり、災害時においても何をどのようにしていいか分からずお客様然としているケースが見られる。生きる力や生活力を身につける方策を考える必要がある。
  • どのようなところでも命を奪われる危険性があるので、防災教育を考える場合、自然災害だけではなく、少し広く考えておく必要がある。
  • これまでの防災対策はハード面が中心であったが、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震ではライフラインが断絶した。ポイントは、自分の命・財産を守る術、ライフラインが途絶したときに電気やガスがなくても生きのびる術を持つことである。
  • ライフラインをすべて止めての防災訓練のような、実態に即したケースを考える必要もある。
  • 教員や行政職員は数年で異動するため、防災教育の中心軸は地域に置くべきである。学校が避難所になり、学校の先生がそれへの対応に混乱することを考えると、地域が学校や関係機関と連携することをシステマチックに考えなければならない。
  • 地域に軸を置いて、避難所となる学校・公民館等の周辺の人が臨機応変に動けるような、警察・消防・看護師等のOB、OGの方や社会への貢献を希望する人々による人的ネットワークを考えてもよい。
  • 公的な施設の職員に高い防災意識を持ってもらうことが必要であり、PTA、自治会、組合、青少年団体等のネットワークとの連携のあり方を普段から考えておくことも必要である。
  • 家庭において親が子どもにどう伝えるかという親の学習・研修・教育のあり方、学校の教員がいざというときにどう対応できるかというノウハウ、地域の方々の安全のためにどうするかというグローバルな課題がある。

【「生涯学習における地域性」について】

【斎藤教授】
  • 自然体験が豊かな子どもは生活力も自立心が強い。友達関係も上手くいくという。しかし一方で、生活力が養われていないことで活動が制御され、自然体験学習に二度と行きたくない、という子どもも出てくる。家庭・学校・塾しか知らない子どもたちをもっと地域に出していかなければならない。

【「子ども達を地域に出す原動力」について】

【斎藤教授】
  • 既存の団体が行う地域活動が増えてきているが、少しでも良い成績を取ってほしいという親に子どもが振り回されている。親の理念・必要性といったものが伝わってこない。生活力や生命力、社会性をもっと考えなければならない。教育委員会や公民館等において説明してもなかなか理解を得ることが難しい。
  • 短期間の体験で子どもは完全に変わる。次に親がボランティアをやりたいということもある。その親がPTA等を通じて仲間を連れてくる。学校と異なり、強制力がないので、賛同者を集めるために様々な方向から情報提供を試みている。行政主催の場合は予算がなくなると終わってしまうという問題点もある。

【「20代から40代の中間層の参加を得る方策」について】

【斎藤教授】
  • 企業においても、防災対策の部署を作り始めており、そこと連携を取りながら、企業の研修のテーマとして取り入れてもらう啓発活動は実施すべきである。
  • 保育園、幼稚園、あるいは小学校低学年のPTA等では、父親の参加率も比較的高い。小学校は難しいかもしれないが、保育園、幼稚園児の保護者が地域でコアになることは重要である。
  • 行政が中心になるのではなく、地域に住んでいる人を軸にして防災安全教育支援隊のような組織を作り、警察や消防のOB、消防団、医療機関等を含め、周りの人を誘い、自主防衛・自主管理していくことが必要である。
【福和委員】
  • 消防団の人もほとんど家具止め等はしていない。自分がしていないことを、知ったふりをして地域に話しているので、全然リアリティがない。企業の防災担当者でも、マニュアルどおりにやっているというケースがほとんどである。大人のリアリティをベースから引き上げることを生涯教育でやらない限り、実態として動かない。
  • 地域の中のキーパーソンを探し、その人達に教育をし、そこから広げていく。企業の中でもそういう人を探す必要がある。その人達が動くときに応援するための教材や仕組みをどうするかが生涯教育の役割ではないか。
【斎藤教授】
  • 全国一律にはとてもできない。コアになるべき人を対象に、専門的にどのようなことを学んでもらえばいいのか、そして学んだ後はまるまる士のよう資格認定して行くような方策を考えることが必要かと思う。安全教育に対する共通の認識やレベル維持からも必要。そうした方が学校や企業、地域に出向き、行政ではなく地域を一番よく知る方が動いていかなければならない。

【「自然と個人、集団と個人の関係」について】

【斎藤教授】
  • 子どもたちは一週間程度の合宿を通じて、他の集団に入っても上手くやっていく術を覚える。これは教えられて覚えるものではなく、自ら習得していくものである。これは大人でも同じである。地域活動に日頃から積極的に参加できるような場面をどう展開していくか。実際にやってみて、咀嚼して吸収しないと難しい。
  • 地域社会に出ている父母の子どもと、全く出ていない父母の子どもとでは、前者の子どもの方が外へ出て行く能力が強い。そうすると地域の人とのつながりが出てくる。

議題(2)防災教育支援の現状と課題の整理について

-事務局より資料2-3、2-4に基づき説明、以下は主な意見-

【福和委員】

  • 防災教育により既存の教科も活性化されるという表現がされているとよい。我々が主役ではなく、相手が主役であるという表現を1.(1)に入れてはどうか。
  • 2.については、学校教育に重点があるのはやむを得ないが、地域での生涯学習、大人の教育についてももう少し肉付けがあってよい。生涯学習は対象や組織によって書き込み方が違うので、「学校・地域・組織での防災教育支援」という書き方になるかもしれない。
  • 3.については、学校という場が大切という視点があまり出てきていないので、「場としての学校の有効活用」という文言の入れ方もあってよい。
  • こういった取組を通じて、沈滞化しているものが活性化されるチャンス、そういう元気の芽は防災を通じて作るが、様々な社会問題を解決する糸口になる雰囲気が出た方がよい。

【永山委員】

  • 2.(1)には、「あらゆる教科で防災教育」、また2.(2)には「全教育活動において横断的」に、とあるが、これは環境教育や医療、宇宙開発についても、皆が虎視眈々と狙っている手法である。防災教育がひとつの先行したモデルを提示すれば、その他の分野にとってもプラスになる。

【五島研究官】

  • 地域が中心になって防災が展開されるには課題がある。学校を中心にすれば、教員が子どもを使うことで家庭は巻き込みやすい。教員も、どうやって地域とつながるかという意味では、取り組みやすいテーマである。
  • 地域の教材化、地域を使った学習が、総合的な学習においても求められているが、実は上手くいっていない。防災は社会の問題でもあり自然体験の問題でもあるので、地域の教材化にあたっての教員の能力育成にも役立つ。
  • 地域を中心にする素地ができてからでないと、人材を集める点で難しい。地域のネットワークはフルに使うが、まだネットワーク化されていない人材は学校を核にして作り、それを地域に埋め込むことが重要である。

【斎藤教授】

  • 防災教育の定義には、必ず自然災害が関係するが、訓練というと消防署主催の火災避難訓練や、消火器を使った訓練等、防災になっていないケースが多い。人災、財産を守ること、もう少し広くとらえることも必要である。
  • 総合的な学習の時間を使って子どもたちを地域社会に出していく中で、地域の人との関わりを持ちながら、親を巻き込んで地域ウォッチングをする等、学校と地域を結び付けるにはそれしかない。学校の先生だけにやらせるのは荷重オーバーである。
  • 「学校教育では」「家庭では」「地域社会では」という防災教育の定義も必要である。小学校や中学校のみがコアになると、なかなかそこへ入り込めない。

【牧准教授】

  • 防災教育支援の理念について、最終的に何を達成したいのかというビジョンの明確化を図らなければならない。
  • 2.(1)には自然科学しか入っていないが、社会・自然科学と入れた方がよい。
  • 防災教育支援というものはこうあるべし、ということを決めた上で、何をやるのかという整理をした方がよい。様々なツールには上下関係があるはずで、これをやるためにはこれを、という整理がまだきちんとできていないので、階層性、目的-手段関係を明確にする必要がある。

【中川委員】

  • 2.(1)から(5)で、主に学校教育のことだけについて語られている。3.(2)で地域との連携が書かれていることも踏まえて、2.でも、全体的に学校と地域を並列する形で書き直すとよい。
  • ただ、三重県の例では、地域が学校教育に働きかけてよいモデルを作ることができており、新たに防災教育のスタイルを学校に入れられる段階に来ており、次にそれがまた地域に返っていくというサイクルができるのではないかとも思う。今、目覚めつつある地域を上手く学校とつなげて、学校でモデルを作って、また地域に返し、サイクルを回していくというように整理ができるのではないか。
  • 「指導者の育成と確保」という言葉があるが、一方でオーガナイザーやコーディネーターという話もあった。指導者とはニュアンスが違う気がするので、つなぎ手とか、担い手というように、間を繋ぐ人、というニュアンスを入れた方がよい。

【諏訪委員】

  • 地域と学校の関係構築が不十分である。地域と学校が日常的にどう付き合っていくべきかということも考えないと、地域は頑張っているのに学校は何をやっているのか、ということになってしまう。地域は土日に動くが学校は平日に動く等、難しい問題もある。
  • どんな防災教育を考えるのかという大前提を考えなければならない。Survivorとなる防災教育の重要性は皆認識しているが、Supporterとなる防災教育、あるいはもっと広げて市民力・生活力・社会力のような部分まで含めた定義がほしい。それは福祉、ボランティア、環境等にとっても大きなヒントになる。

【林座長】

  • 諏訪委員は阪神・淡路大震災を経験されたこともあり、自立と連帯、新しい市民社会の中での人間のあり方という意味で防災をとらえたい、という思いがある。そこを具体的に書いていただけるとありがたい。

【小林委員】

  • 防災だけではなく安全教育を通じ、小規模校であっても、地域との関わりを深めることで地域も活性化されたと感じる。
  • 安全の教育だけを単発で実施することは無理である。教員も地域への活動には日常的に参加する等、そういう中でのつなぎがあってこそ成り立つ。
  • PTAも行政や街を動かす力になる。PTA活動に初めて参加される親には、PTA活動を通じてボランティア精神を育むこともできる。
  • 家庭が望んでいるものは子どもの命に関わる直接的な、日々の生活の中ですぐにでも得たい力であって、防災を具体化したものではない。それはやはりこちらが提供していかなければならない。
  • 東京都のPTAが力を入れているのがあいさつ運動である。防災とあいさつ運動は違うような気がする人がいるかもしれないが、若い人や高齢者、地域の人とつながるには、あいさつ運動は非常に重要である。
  • 学校は隣接校との選択制度もあり、いくつかの町会と関わっている。隣接する町会との関わりは、隣の学校との関わりにもなる。ひとつの町会だけではなく、街ぐるみで学校と関わるというのは、学区を越えて普段は会えない隣の町会の方々とも一緒に取り組める。
  • 学校同士の連携、特に小学校と中学校、小学校と高等学校、高校生のボランティアという観点では学校間の連携も大切であると思っている。
  • 総合的な学習の時間は一般的に低調だとは言われている。教科領域の中でやることも可能だが、それはほんのわずかであり、やはり防災教育の充実を図るには総合的な学習の時間は重要である。
  • 国民安全の日、防災の日、防災ボランティアの日といったものが年に何回かある。大々的にやらなくても、給食のメニューを変える等、全国民がすべて取り組むものを学校としてもっと大切にしたい。

【川本委員】

  • 我々の防災教育の理念と目指すものをまずきちんと掲げ、その上で支援のあり方を整理することが必要である。
  • 1.(1)で、「安全に関わる教育と学力の向上」とあるが、学力といっても様々な学力観がある。生きる力というと少しあいまいだが、果たして学力という言葉でいいのか、言い換えができないか。
  • 2.の地域の防災教育について、県庁で言えば防災部局がやっていることも含めて大きく位置付けるのか、ある程度学校における防災教育を据えながら地域における教育を視野に入れた形にするのか、という選択肢はある。
  • 2.に「全教育活動において横断的」、「体系的な年間指導計画」とあるが、実際に何ができるかということについては、現場の先生方の指摘を踏まえて書き換えてはどうか。
  • 2.(5)の教育方法として、「バランスよく教える必要がある」とある。「理学的な知識や助け合う心、災害から立ち上がる力をバランスよく」というふうに入れ込んでいってはどうか。
  • 3.の学校と地域の連携については、今学校選択制もあり、学校が地域の中心になれるとは限らないので、どちらかに選択肢があるような記述にしてはどうか。

【今村委員】

  • 防災教育の定義は、大前提として学校での防災教育が中心になるが、学校防災教育と地域防災教育、家庭防災教育はきちんと入れていく必要がある。
  • 3.のところで連携という言葉があるが、これはパラレルに連携するということよりも、学校防災教育がどう連携していくのか、学校から家庭へ、さらに地域へという3つの段階の位置付けが必要である。
  • 2.(2)の防災教育の位置付けで、我が国が科学技術立国であることの必要性に関心を持って、将来の教育者や開発者を育成するような点については、防災教育が柱になってもよいのではないか。
  • 今行われている防災教育の評価や診断、地域でよくやられているカルテといったコンポーネントがないと、良い意味の発展はしていかないのではないか。ここでメディアの役割が出てきて、支援してもらえるとよいのではないか。

【福和委員】

  • 学校教育に関しては学力・知識。家庭教育に関しては人間力というものをそれにマッピングする。地域教育に関しては地域力、社会力をマッピングする。学校、家庭、地域という3つを軸にし、それに伴って作る教育的な力という絵を絵が描ければよい。
  • 学校教育に偏っているので、地震・防災戦略的な目的を達成するためにやっていくというラインを通すとどうなるか、という別の視点を入れるとよい。例えば、耐震化を進めるためにはこういう教育を組み合わせると軽くできてしまう、というサンプルを作成する等が考えられる。
  • 「社会的問題解決力を作るための学習モデル作り」、というキーワードを入れ、事例としては防災を使うけれども、このモデルは環境でも福祉でも、何でも可能であることを示してはどうか。
  • 教育以外の視点から、防災を考える上での学校の役割を入れておくこともあり得る。指導者の点では、つなぎ役やファシリテーター的な役割の人と、それから主体組織的な役割の人と、応援団、応援団はエキスパートやボランティアが考えられる。最後に主役である子どもと家庭と地域。指導者だけでなく、人の役割のキーワードを入れる工夫をしてはどうか。

【林座長】

  • かなり多くの方が、原点を明確にと指摘された。防災教育支援という言葉の中で、最新の防災科学技術の知見をどう使うか、ということは、科学技術情報のよい利用者になってほしい、ということを意味する。
  • 人間力や社会力はバランスとしては必要であるが。最初のミッションの言葉で言うと、学校教育や社会教育において、科学技術に基づく防災分野の最新の知見を、どういうふうに積極的に使っていけるか、ということである。
  • 最新の知見は5年経てば古くなる、ということを考えると、知見の個々を考えるのではなく、科学的・技術的マインドを涵養することを求められている。
  • 科学技術立国の根幹に置くべきものは、科学的・技術的マインドと、それを駆使して問題を解決できる実際の技術ではないか。それを小さい頃から、現場の問題について解いていく、そういう体験を通して涵養することである。
  • 社会人にとっての基本的な能力は、コミュニケーション能力と、問題解決能力と、継続学習能力である。この3つの能力が高ければ、新しいイノベーションや工夫も生み出されていくはずである。
  • 現場で実践する上で、総合的な学習の時間が重要であるとすれば、キーワードとしては能動的学習という学習モデルを積極的に使うことである。みずから問い、みずから調べ、みずからまとめ、人に発表できるようにすることが必要である。
  • 問う技術、調べる技術、まとめる技術、発表する技術を磨かせる、そういう場として、総合的な学習の時間や地域のいろいろな活動の場で実践をしてもらう。その実践を支える仕組みが必要であり、地域や家庭が人的に支えると同時に、コンテンツとして、教材として支えることもしなければならない。

【板谷審議官】

  • アンケートの社会貢献に対する意識で、昔は社会貢献したいと思っているのが45パーセント、平成18年になると思っているのが61パーセントになっている。これはおそらく、昔は皆が自然と社会貢献できていたということだろう。防災に関しても、自然と社会と地域と学校の連携ができていたのではないか。
  • ここで改めて防災教育を議論する際に、発射点を相当下げないといけないのか、要するにここまでやらなくてもいいのではないかということをやっていかなければならないということなのだろうか。

【「発射点を下げる必要性」について】

【林座長】
  • 自然災害以外のものも、防災と割り切ってしまう方がよい。
  • 科学的・技術的マインドを涵養し、自分を守りたいということを問うたときに、どうしたらその力がつくかという機会を自分で選び、そこで学ぶという積極性さえ手に入れればよい。
  • 自分が守られるという受動的なお客様意識ばかりが出てくることは避けなければならない。大切なのは問題解決能力であり、素質だけでは仕方がないので、継続学習をしつつ、問題を解きなれている人達を育てていくことが必要である。
  • 生きる力が落ちていても、誰かがやってくれるという解決策を持っていればそれで済む。実際に災害が起これば見様見真似で捌くはず。権限的にそういうものが実行されていないことと、そういうものが消滅していることは別問題かもしれない。
  • 高めるべき潜在能力が、防災という世界に閉じると矮小化されてしまうので、広く科学技術立国を支えるようなコミュニケーション能力、問題解決能力、継続学習能力を持つ人材を育成する、身近で社会的な場面として防災をとらえればよい。
  • 学校や地域の人々を社会的な資産として考えれば、早い段階から科学的・技術的マインドを育成するために、自分達が生き残る、自分達が人を助ける、そういう力を高められるという認識を持てることがプラスではないか。
  • 生涯学習では、そうすることが自分にとってプラスになるとか、楽しいとか、やりがいがあるとかいう自己教化をしていかない限り伸びていかないとすると、どうやって内発的動機付け、自己強化をするかを考えることが重要になってくる。
【小林委員】
  • 学校の取組は単年度ではなく継続して、理解してもらうための場の提供は必要で、他で学べないものの場の提供を学校が行うことは重要である。今年は教育課程に位置付けるという強引なやり方はしていないが、何年か継続して実施することで定着させる必要性を感じている。
【林座長】
  • 防災教育に関わるステークホルダーの再整理をすることが必要である。学校というものを中心に置いてきたが、防災教育を取り巻いているいろんな意味での主役達を洗い出して、その淵を作ってから、そのどこを議論しているのかということをしないとバランスを欠く。
  • その大きなクラスターは、今村委員のご指摘のように家庭のクラスターであったり、地域や学校のクラスターであったりということになると思う。
【中川委員】
  • 知見の活用ではこれまでアウトリーチ的に、あるものを使ってくれというケースが多かったが、科学技術の限界等、できないことや逆に言えば小林委員や諏訪委員の現場で「実はこんなものが欲しい」ということに合わせた形で提供できる知見の整理がどこかにあってもよい。

議題(3)その他

-事務局より今後のスケジュールについて説明、次回は5月22日(火曜日)に開催することとした

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)