令和元年度 日本学術振興会の評価等に関する有識者会合(第1回) 議事録

1.日時

令和元年7月10日(水曜日)10時00分~11時30分

2.場所

文部科学省17階 研究振興局会議室

3.議題

  1. 独立行政法人制度の概要と今年度の有識者会合の運営について
  2. 評価項目・分担について
  3. 平成30年度業務実績に係る自己評価について
  4. その他

4.出席者

委員

植田座長、秋元委員、岡村委員、鷹野委員、瀧澤委員

文部科学省

増子大臣官房審議官、原振興企画課長、松本振興企画課長補佐、藤川振興企画課学術企画室長補佐、中塚学術研究助成課企画室長補佐、浅井人材政策課長補佐、福島科学技術・学術戦略官付国際戦略室長補佐 ほか

5.議事録

【松本課長補佐】
それでは定刻となりましたので、ただいまから、令和元年度第1回独立行政法人日本学術振興会の評価等に関する有識者会合を開催いたします。本日はお忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。座長が選考されるまでは、事務局の方で進行させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
初めに、議事に先立ちまして、研究振興局担当の大臣官房審議官、増子より御挨拶を申し上げます。

【増子大臣官房審議官】
おはようございます。大臣官房審議官の増子でございます。本日は委員の先生方におかれましては、大変御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
今年度につきましては、3名の先生に改選ということで新たに加わっていただきました。また、文部科学省におきましては、今年の4月に研究力向上改革の2019というプランを公表させていただいたところでございます。これにつきましては、研究に関します人材、資金、そして環境の面で抜本的に改革をするという観点での改革案を大臣のイニシアチブで出させていただいたところでございます。
まず人材という観点では、例えばJSPSにつきましては若手研究者の特別研究員ということで、これまで継続分も含めて5,000人の若手研究者を支援していただいているところでございますし、また資金の面、まさに科研費というのが重要な研究のリソースになっているところでございますし、これにつきましては補正予算で昨年度50億、また本予算で86億円の増額ということで、国際的にも研究力が落ちていると言われておりますが、抜本的にこれを改革するという観点で、非常に重要な役割をJSPSにこれから果たしていただくということが重要であろうかと思っております。
今回、JSPSの評価をしていただくことになりますが、JSPSの業務の運営の効率性、あるいは効果的にやっているかどうか含めて、忌憚のない御意見を是非お聞かせいただけたらと思っております。
簡単ですが、以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

【松本課長補佐】
続きまして、委員の先生方を御紹介させていただきます。お手元の資料1-1の1ページ目の裏側にも委員名簿が付いていますので、御参照ください。
(委員を紹介)以上、5名となります。
また、本会合には座長を置き、有識者の互選によって定めることとなっております。どなたか御推薦を頂けますでしょうか。
鷹野先生、お願いします。

【鷹野委員】
よろしいでしょうか。私、昨年度も委員を務めさせていただきましたけれども、植田先生がこれまでも座長をお務めくださいまして、日本学術振興会の業務実績、それから評価についてもよく御存じでいらっしゃるので、植田委員を座長として推薦させていただきたいと思います。

【松本課長補佐】
植田委員を推薦する御意見を頂きましたが、皆様いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、植田委員に本会合の座長をお務めいただきたいと思います。
ここからの進行は、植田座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【植田座長】
では、一応御了承を頂きましたので、座長をやらせていただきます。
本有識者会合は、日本学術振興会の業務運営の改善に資するように、文部科学大臣による業績評価があり、その実効性を確保するために助言をするということが我々の役目であります。
座長としては、委員の皆様と一緒に適切に対応していきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入る前に、本日の出席者及び配付資料について、事務局より確認をお願いいたします。

【松本課長補佐】
初めに、事務局の出席者を紹介させていただきます。お手元に座席表もございますので、そちらをご覧ください。
(事務局を紹介)
それから、本日は平成30年度の業務実績評価に際しまして、先生方から御意見・御助言を頂くということでございますけれども、まず、日本学術振興会からのヒアリングを予定してございます。そのため、日本学術振興会の理事長、役員及び職員の皆様に御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。
(日本学術振興会役職員を紹介)

【松本課長補佐】
次に、配付資料についてですが、お手元の議事次第にある配付資料一覧のとおりでございます。欠落等がございましたら、事務局までお申し付けください。なお、文科省では、基本的に会議は今後、業務改善の一環としてペーパーレスということで進めているのですが、本日、資料がかなりの量で、なかなか画面では見づらいため、便宜上、紙媒体ということで進めさせていただきたいと思ってございます。
説明は以上でございます。

【植田座長】
それでは、議事に入ります。
初めに、議題1「独立行政法人制度の概要と今年度の有識者会合の運営について」です。
本件については、事務局より説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
それでは、お手元の資料1-1、資料1-2で御説明させていただきます。
まず、資料1-1をご覧ください。「独立行政法人日本学術振興会の評価等に関する有識者会合について(研究振興局長決定)」という文書でございます。本会合は、文部科学大臣決定の評価に関する基準に基づきまして、日本学術振興会の評価等に関して、外部有識者の知見を活用するため、振興会を所管する研究振興局の下に設置をされているものでございます。
今年度、外部有識者の先生方には、特に2の(4)「年度評価」の部分に関しての知見を活用させていただくため、御助言をお願いしたいということになってございます。
1枚おめくりいただきまして、「独立行政法人日本学術振興会の評価等に関する有識者会合の公開について(研究振興局長決定)」という文書でございます。第2条にございますとおり、本会合は原則として公開とされてございます。今回の本日の会議についても非公開とすべき特段の事情はないと事務局としても考えてございますので、委員の皆様に御了承いただければ、公開ということで進めさせていただきたいと思ってございます。
それから、本日1名の一般傍聴登録がございますので、公開でよいということであれば、入室を許可させていただきたいと思ってございます。よろしいでしょうか。

【植田座長】
よろしいですよね。(全委員了承)

【松本課長補佐】
ありがとうございます。(一般傍聴者入室)
続きまして、資料1-2をご覧ください。表紙をおめくりいただきまして、2ページ目でございます。独立行政法人制度の概要ということでございますけれども、日本学術振興会は3類型のうち、マル1の中期目標管理法人というところに該当している法人でございます。目標期間は3年から5年となっていますが、振興会は5年と設定されております。
3ページ目でございます。日本学術振興会については、平成30年度から第4期の中期目標期間となっておりまして、今年度は2年目に当たります。従いまして、今回は年度評価のみということになってございます。
4ページ目は、先ほどと同様です。年度評価の部分を今回実施する必要があるということでございます。
5ページ目でございます。簡単なスケジュールでございますけれども、本日が第1回目、26日に第2回目を予定してございます。2回の開催を予定しているところでございます。
6ページ目でございます。評価基準について、総合評定と項目別評定ございますけれども、どちらもBが標準となってございます。
以上でございます。

【植田座長】
ありがとうございました。枠組みについての説明を頂きましたが、ただいまの説明について特に何か今確認したことがあれば、御発言をお願いいたします。評価基準などについて、初めての方は聞いていただいても構わないですが、よろしいでしょうか。
それでは、次に議題2「評価項目・分担について」です。評価項目と各委員が重点的に助言を行う項目の分担(案)について、事務局より説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
それでは、資料2をご覧ください。「平成30年度業務実績評価に当たっての評価項目・分担(案)」でございます。平成30年度は第4期中期目標期間の初年度であるので、今回の評価項目の単位、項目での評価は初めてということになってございます。
文部科学大臣決定の評価に関する基準に基づきまして、今期からは中期目標を定めた項目である「1、総合的事項」でございますとか「2、世界レベルの多様な知の創造」といった項目を評価単位として基本的には評価し、事務事業の特性に応じて適切な単位で評価を行うということになってございます。
また一方で、より的確な評価を実施するために、細分化した単位で項目別評定を行うことを妨げないとされていること、さらに各項目の内訳として、事業担当課が複数にまたがっていることなどから、資料の「H30自己点検評点」覧がございますけれども、ここにアルファベットの小文字で記載されています補助評定を活用して、その上で項目ごとのアルファベットの大文字の評定を付すということにしてございます。
本資料の一番右端の欄にございます担当委員の割振り(案)につきましては事前に先生方にはメールでお送りをさせていただいたものです。評価に当たっては、評価全体を通して御意見・御助言を頂ければと思いますけれども、特に重点的に確認いただきたい項目について、先生方の専門分野や全体の分量等を考慮して、このような割振り(案)を策定させていただいております。
なお、鷹野委員につきましては、振興会の国際事業委員会の委員ということをお伺いしており、それから瀧澤委員につきましては、学術システム研究センターと課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業の方で関係があるということでございましたので、関係事業の項目には割り振らないようにしてございます。また、評価に関する御意見についても頂かないということにさせていただきたいと思ってございます。
以上でございます。よろしくお願いします。

【植田座長】
ありがとうございました。
ただいまの説明について、御意見・御質問等ありますでしょうか。

【岡村委員】
すみません。ちょっと最初なので伺います。
この評価項目の後ろのページのローマ数字2、3、4について、補助評価単位の設定はしないということになっていますけれども、これはどういう考えでこうなっているんですか。

【松本課長補佐】
裏面のローマ数字2、3、4の部分につきましては、先ほども触れさせていただきましたが、1枚目の方は事業が複数の担当課に分かれていて、括弧で記載している小項目ごとに事業が立っているんですけれども、この裏面の方は特にそういった要素もないので、全体として評価をすることにしています。担当課としては、この振興企画課が担当ということで、まとめて項目ごとの評定を付すという整理にしているということです。

【植田座長】
ほかに御質問はございますか。
じゃあ、ちょっと私の方から。もともとSとかAとかいう評点が付いているときは、何か特別の理由を付けろというのがあったような気がするのです。Bはある意味ではもう順調にいっていますよということだから、特に何か特別のコメントをしないでよかったのですが、高い評点を出すときには、やはりそれなりのことを我々もちゃんと推薦文みたいなコメントを付けないといけなかったように思うのですが、今回はそのようなコメントは要らないのですか。内部でやられた評価を正当であるというふうに評価すれば、それでいいということですか。

【松本課長補佐】
基本的にはそうだと思うんですけれども、やはり自己評価をされていますので、それに対して妥当かどうかという観点でコメントを頂ければと。それ以外でも、公表すべきコメントとか、公表すべきとまではいかなくても、お伝えしたい内容とか、いろいろなコメントが想定されますが、全般的にいろいろコメントを頂いて、こちらの方でまた整理させていただいて、改めて確認させていただくということになると考えています。

【植田座長】
感じとしては、もし応援できることがあったら、少し応援コメントを有識者から出しておいた方が、事務局もまとめやすいかなとは思いますので。

【岡村委員】
これは、例えばS評価について、今から御説明いただくわけですけれども、その御説明の中ではどうしてSになったという部分は、具体的に御説明いただけるということですね。

【松本課長補佐】
はい、そうです。

【植田座長】
それでは、よろしいでしょうか。(全委員了承)。
それでは、原案どおり決定いたします。ありがとうございました。
続いて、議題3「平成30年度業務実績に係る自己評価について」。ただいま、各委員が重点的に助言を行う項目の分担について確認したところですが、早速、日本学術振興会が実施した自己評価の内容について、同会からヒアリングを行います。
まずはヒアリングの進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
それでは、説明させていただきます。資料につきましては3-1、3-2、3-3、3-4となってございます。3-1が1枚物、3-2も1枚物、それから3-3が自己点検評価・外部評価報告書の本体、3-4が自己点検評価の要旨ということになってございます。今回、資料3-4を中心に、振興会から説明を頂く予定になってございます。ヒアリングは、振興会からまず30分ほど説明をしていただいた後に、先生方との質疑応答を実施したいと考えてございます。
以上でございます。

【植田座長】
ありがとうございます。

【松本課長補佐】
申し訳ございません。補足説明です。資料3-4で一部お手元の資料の訂正がございますので、19ページをごらんください。3の「知の開拓に挑戦する次世代の研究者の養成」(4)のところですけれども、ここの真ん中あたりに業務実績、卓越研究員事業ということで、提示ポスト数などが載った表がはめ込んであるんですけれども、こちらの採用決定者数のうち「関連研究者」というのがあります。「15」という数字が入っていますけれども、こちらが前年度の数字のままだったということで、「27」に訂正させていただきたいということです。それから、計のところが「70」から「82」に訂正させていただくということでございます。
資料の説明は以上でございます。

【植田座長】
お手元の資料は訂正されていますよね。

【松本課長補佐】
されています。

【植田座長】
ありがとうございました。
本日は里見理事長に出席していただいておりますので、一言御挨拶をお願いいたします。

【里見理事長】
改めまして、日本学術振興会の理事長をしております里見でございます。本日はどうもありがとうございます。自己評価についての御説明を申し上げるに当たりまして、一言御挨拶申し上げたいと思います。
私から申し上げることはないと思いますけれども、日本学術振興会は、我が国の学術の振興を担う唯一のファンディングエージェンシーといたしまして、科研費をはじめとする学術研究の助成、特別研究員事業などの若手研究者の養成、学術の国際的な交流を推進、また大学改革や大学のグローバル化の支援など、非常に多岐にわたる事業を実施いたしました。研究者の活動を安定的、なおかつ継続的に支援してまいりました。
これも、先ほどお話がありましたように、昨年度より5か年間にわたりまして、今回は新たな中期目標期間をスタートさせております。この目標期間の間に、世界レベルの多様な知の創造や、知の開拓に挑戦する次世代の研究者の養成、また、大学等の強みを生かした教育研究機能の強化、強固な国際研究基盤の構築、総合的な学術情報分析基盤の構築という5つの大きな基盤を立てまして、学術振興に不可欠な諸事業を積極的に現在実施しているところでございます。
これも先ほどお話がありましたように、我が国の研究力の低下というものが非常に懸念される昨今でございますけれども、振興会といたしましては、研究者がその自由な発想により挑戦的な課題に取組むことができるように、国を挙げて支援することが大事と考えまして、知の開拓に果敢に挑戦する研究者を支えるという使命を果たしていきたいと考えております。
座長の先生からは、もし応援できるものなら応援したいという意見も頂きました。学術の振興は短期的また定量的な評価にはなじみにくいものだと思います。是非そのようなことも御配慮いただきながら、御議論いただければ幸いに感じております。本日頂きました御意見に関しましては、今後の我々の事業の更なる質の向上、業務の運営の効率化に役立てていきたいと考えております。
以上、簡単ではございますけれども、私からの挨拶といたします。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【植田座長】
どうもありがとうございました。
それでは、平成30年度業務実績と自己評価について、日本学術振興会より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【牛尾理事】
はい。それでは、私、牛尾から御説明させていただきます。
まず、自己点検評価のプロセスですけれども、資料3-1に簡単にまとめてございます。当会では会内に計画評価委員会を設けまして、そこで自己点検評価を実施しました上で、3-1の裏面になりますけれども、外部有識者の御協力を頂いて外部評価委員会を設置し、そこで自己点検の中身を検証していただいております。その上で最終的な評価を決定し、取りまとめているところでございます。
それから、資料3-2には評点だけまとめたものが出ております。自己点検及び外部評価の評点を一覧にまとめておりますけれども、基本的に外部評価でも自己点検と同じ評価を頂いておりますけれども、5番の「強固な国際研究基盤の構築」の(1)だけ、外部評価と自己点検評価がずれております。ここについてはまた後ほど御説明したいと思います。
それでは、具体的な中身につきまして、資料3-4の要旨の方で御説明させていただきます。時間に限りもございますので、主に標準を上回ったS、Aを付けさせていただいているところを中心に御説明したいと思います。
まず、1ページ目をご覧ください。1番の「総合的事項」でございます。ここは更に3つの評価項目に分かれておりまして、(1)のところでございますけれども、研究者の意見を取り入れた業務運営ということにつきましては、外部の研究者を含めた評議員会を開催して、その意見を取り入れた業務運営を図っているということで、この点についてはb評価としております。それから、(2)の第一線級の研究者の配置による審査・評価機能の強化。これについては後ほど詳しく御説明しますが、a評価としております。(3)の学術研究の多様性の確保ですけれども、学術研究の多様性の確保ですとか、現代的要請を踏まえた業務運営を着実に行っているということで、b評価としておりまして、全体としてこの項目はB評価としております。
それでは、おめくりいただいて、3ページをご覧ください。補助評価単位でaを付けさせていただいております1の(2)について詳しく御説明したいと思います。
当会では様々な事業を行っておりますけれども、その事業の審査等に現役の研究者の皆様の意見を適切に反映するために、学術システム研究センターを設けております。こちらで各種事業の審査委員の選考、あるいはその審査の検証等をやらせていただいております。現役の研究者130名弱で構成されております。
平成30年度につきましては、特に(2)の各種会議のところの四角囲みの右下に書いてございますが、科研費改革推進タスクフォースを設置しまして、精力的な御検討を頂きました。科研費については応募件数が年々著しく増加しておりますので、その実態でありますとか、先般実施しました審査システム改革2018がうまくいっているのかどうかについて精力的に検討いただきまして、更なる改善策についての御提言も頂いたということで、この点を踏まえて、私どもとしてはa評価とさせていただいております。
続きまして、5ページをご覧ください。大きな項目2番の「世界レベルの多様な知の創造」でございます。こちらも補助項目として3つございます。(1)の科研費の助成事業につきましてはs評価、それから(2)の国際的な共同研究の推進につきましてはa評価、(3)の学術の応用に関する研究、これは人文社会系の共同研究を推進する事業ですとか、人文社会系の研究データのインフラストラクチャーを構築するという事業でございますが、これについては着実に実施しているということで、b評価としております。
では、(1)と(2)について詳しく御説明します。6ページをご覧ください。科研費事業についてまとめているものでございます。私どものやっておることを幾つかまとめておりますけれども、まず「審査・評価の充実」というマル1のところでございます。現在年々応募件数が増えておりまして、平成30年度では10万件を超えるという数でございます。これはただ多いというだけではなくて、増えているということがポイントでございまして、対前年で言うと2,400件ぐらい増えておりますし、5年前の平成25年に比べると1万件増えているということでございます。このように急激に増え、かつ多数の応募について短期間できちんと審査をして、研究者の皆様が困らないように4月当初に交付内定通知を発出するということを、こういう状況にも関わらずしっかりとやらせていただいているということでございます。
そうなりますと、当然、審査委員の皆様の審査負担も非常に増えておりまして、そのために平成30年度におきましては、審査委員一人当たりの審査件数の上限を低減するという試みをしております。この結果、逆に言うと審査委員の数は増えてしまっておりまして、7,000名を超えており、この審査委員を適切に選ぶということも私どもとしては非常に苦労・努力している点でございます。
それから、マル2の「助成業務の円滑な実施」でございますが、各種改善を年々しているわけですけれども、2つ目のポツにございますように、基本的に全ての研究種目において電子化するということで、負担軽減を図っております。それから、海外での研究活動も滞りなくできるようにということで、科研費の研究期間中に海外渡航時における科研費を中断・再開できるという制度を平成31年度から導入できるように、必要な準備を行っております。
マル3でございますけれども、「研究成果の適切な把握」ということで、科研費の研究開始時でありますとか、終了時における公開情報の内容について充実を図ったということも平成30年度に行っております。
このように、非常に増えつつある膨大な件数を審査しつつ、制度の改善にも努力しているということで、s評価を付けさせていただいたということでございます。より詳しい中身はそのページ以降にまたそれぞれ付いておりますが、時間の関係で省略させていただきます。
続きまして10ページでございます。2つ目の補助評価項目の国際共同研究の関係でございます。こちらは科研費と別の枠組みでございまして、諸外国の学術振興機関との協定に基づいて、国際共同研究を支援するというものでございます。(1)の二国間交流の支援は、大体年額300万円以下の比較的小さな規模の研究を支援するものでございます。それから、(2)の国際的な共同研究の推進は、大体1,000万円規模の比較的大きな共同研究を支援するプログラムでございます。
この中でも、(2)の国際的な共同研究の推進の方では、平成30年度から新しくリードエージェンシー方式という審査方式を試行的に導入しております。これについて簡単に御説明しますと、通常外国の機関と共同でマッチングファンドで行う場合には、外国の研究者の方は外国の機関に申請して、日本の研究者の方は学振に申請すると。それぞれで審査して、結果を擦り合わせて採択を決めるということなのですが、このリードエージェンシー方式というのは、お互いの学術振興機関の評価を信頼して、一方の機関で基本的に審査をしていただくということで、効率的に課題を適切に選べるという仕組みでございまして、これは初めての試みですが、平成30年度に導入いたしまして、きちんとできたということで、こういう新しいことに挑戦したということで、a評価を付けさせていただいております。
続きまして、ちょっと飛ばさせていただきまして、資料の13ページをご覧ください。3番の「知の開拓に挑戦する次世代の研究者の養成」という部分でございます。この中更に4つに分かれておりまして、(1)のところですが、これはいわゆる特別研究員事業の関係ですが、これについてはa評価。それから、(2)の国際舞台で活躍する研究者の養成、これは大学院生ですとか博士号を取得された若手研究者の方の海外での研さん機会を支援するという事業でございまして、着実に実施したということでb評価。(3)の研究者の顕彰・研さん機会の提供でございますけれども、日本学術振興会をはじめとしまして、優秀な研究者の方の顕彰事業を、これも着実に実施させていただいたところで、b評価としております。(4)の研究者のキャリアパスの提示ですが、これは文科省からの補助事業でございます。卓越研究員事業でございまして、これについても審査業務等を着実に実施したということで、b評価としております。
a評価の特別研究員事業について少し詳しく御説明します。14ページをご覧ください。特別研究員事業ですけれども、若手研究者が安心して研究に専念できるように経済的な支援をさせていただいているものでございます。現在1万人を超える申請者がございまして、約1,500人の審査委員の方で、これも短期間に適切に審査を実行しております。
平成30年度、特に改善した事項につきましてその下にまとめてございますが、1つは若手研究者ということですので、子育て中の研究者の方がいらっしゃいますので、そういった方への配慮を手厚くするということで、保育所入所等の行政サービスを享受しやすくなるように、そもそも特別研究員というのはどういうものなのか、自治体の方は御存じない方もいらっしゃいますので、その説明文書を作ってウェブサイトに載せております。また、採用見込証明書の発行も2か月程度早くしましたので、これで早く保育所に応募できるというような改善策をしております。
それから、特別研究員の中に新たなメニューを作るということを検討させていただきました。海外での研究期間3年を含む5年間、若手の方に研究に専念していただけるようにということで、特別研究員CPD(国際競争力強化研究員)という制度を平成31年度から創設することにしまして、平成30年度は制度設計と募集準備をさせていただきました。
こうした今御紹介したような改善、見直し等をさせていただいたということで、この項目はa評価とさせていただいております。
続きまして、大きな4番に移らせていただきます。20ページをご覧ください。「大学等の強みを生かした教育研究機能の強化」でございます。こちらは文部科学省の補助事業で、大学改革関係の事業につきまして、審査・評価の事務を受託して日本学術振興会で行っているものでございます。
中身は3つに分かれておりまして、まず(1)でございますけれども、世界最高水準の研究拠点の形成促進ということで、いわゆるWPI事業でございます。これにつきまして、外国人委員等の協力も得ながら着実に実施しているということで、b評価とさせていただいております。(2)は大学教育改革の支援ということで、こちらは大学教育改革関係の補助事業でございます。こちらについてはa評価。(3)の大学のグローバル化の支援、これについてもa評価とさせていただいております。
この2つについて少し詳しく御説明いたします。22ページをご覧ください。大学教育改革の支援でございます。これも具体的には、その下にございます4つの補助事業につきまして、審査・評価等業務をさせていただいています。それぞれ改善に努めておりまして、マル1の博士課程教育リーディングプログラムにつきましては、広報の充実ということを積極的にやっておりまして、平成30年度新たに英語版の事業紹介パンフレット、それから広報用成果報告書の発行をさせていただいております。
それから、マル2の卓越大学院プログラムでございますが、これは平成30年度から始まった新しい事業でございます。審査等をきちんとさせていただいた上で、審査委員の皆様にアンケートを実施しまして、次年度以降の公募に向けた審査プロセスの見直しについての御提言を頂きまして、そういったことについて文科省にも改善点の提案をさせていただいております。
それから、マル3、マル4の事業でございますけれども、いずれについても現地視察等のフォローアップを現在しているところでございますが、従来は課題のある事業についてだけ現地視察をさせていただいておりましたけれども、平成30年度については好事例についても現地視察をさせていただきまして、優れた取組事例の横展開、水平展開を図るということに努めさせていただきました。
こうした審査評価プロセスの改善をさせていただいたということで、a評価とさせていただいております。
続きまして、23ページをご覧ください。大学のグローバル化の支援でございまして、これも更に中身は、大学の世界展開力強化事業とスーパーグローバル大学創成支援事業という2つの補助事業の審査等をさせていただいたところでございます。
この中では、特に世界展開力強化事業につきまして、新たな試みをやっておりまして、平成31年度公募におきましては、EUのエラスムスプログラムとのマッチングファンドというものをこの事業の中で初めて取り入れておりまして、そのために相手側機関、EUのオンライン審査システムを使った英語による審査というものを適切にできるような体制整備をさせていただきました。
日本学術振興会の他の事業ではこういうことをやっておりますけれども、こうした大学支援のための事業の中で海外機関と共同で新しいシステムを整えたということで、この点などを評価しまして、a評価とさせていただいているところでございます。
続きまして、大きな5番の方に移らせていただきます。24ページをご覧ください。「強固な国際研究基盤の構築」でございます。これも更に中が4つに分かれておりまして、まず(1)の事業の国際化と戦略的展開でございます。これについては、私どもの自己評価はbですけれども、外部評価でaを頂きましたので、後ほど少し詳しく御説明したいと思います。
それから、(2)の諸外国の学術振興機関との協働につきましては、各国のファンディングエージェンシー等と各種会合等で積極的に連携・協働させていただいておりますので、b評価としております。
それから、(3)の在外研究者コミュニティの形成と協働ということですが、JSPSの事業に参加いただいた外国人研究者の方に同窓会を作っていただいておりまして、その活動を着実に支援しているということで、b評価とさせていただいております。
(4)の海外研究連絡センター等の展開でございます。日本学術振興会では主要国に海外研究連絡センターを設けさせていただいておりまして、シンポジウム等を開催して、日本の最新の学術情報を着実に発信しているということで、b評価とさせていただいております。
おめくりいただいて25ページをご覧ください。補助項目(1)の事業の国際化と戦略的展開でございます。この点につきましては、私ども平成30年4月に内部組織の改革を行っておりまして、新しく国際統括本部を設置しております。日本学術振興会は基本的な事業担当部として、国際事業部と人材育成事業部、研究事業部という3つの部がございます。従来はこの国際事業部の事業だけが国際的な事業というような意識で仕事をしていたことも否めないのですが、これからのことを考えますと、全ての事業においてやはり国際的な視点が重要であろうということで、事業部の枠を越えまして、理事長直轄で全体を統括するということで、国際統括本部というものを作らせていただきました。
具体的な一つの成果としましては、今後の日本学術振興会の国際的な指針を作るということで、国際戦略の案というものを作成させていただいております。外部評価におきましては、この国際戦略(案)というものをまとめて、今後国際的な取組の充実が期待されるということで、a評価を頂いたと認識しております。
それでは、先に進めさせていただきます。続きまして、6番目の「総合的な学術情報分析基盤の構築」でございます。これは(1)から(3)に分かれておりまして、全体としてB評価ということでございます。
まず、(1)の情報の一元的な集積・管理ということですけれども、これは振興会の各種事業で持っております情報を総合的に活用できるように、事業の枠を越えて活用できるように情報システムの在り方を検討しているということでございまして、その方向に向けて着実に進めているということで、b評価でございます。
それから、(2)の総合的な学術情報の分析ということですけれども、これは具体的に例えば科研費ですとか特別研究員について、様々なデータを日本学術振興会として蓄積しておりますので、それを分析することによって、今後の学術振興施策の改善等につなげるということでございまして、そのために学術情報分析センターというものを平成30年4月に設けさせていただいております。こちらについても着実にその取組を進めているということで、b評価としております。
(3)の学術動向に関する調査研究の推進でございますが、これは最初の方で御説明しました学術システム研究センターの取組でございまして、こちらに所属する研究員の皆様にそれぞれの分野の学術動向を調査していただきまして、それを振興会の事業に反映させるということでございます。これについても着実に進めているということで、b評価とさせていただいております。
続きまして、7番の「横断的事項」でございます。32ページをご覧ください。こちらも全体としてB評価、細かい項目も全てb評価でございます。
(1)の電子申請のところでございますけれども、募集要項を全てホームページから入手可能な状態にするなど電子化を推進しており、着実に進めているということで、b評価としております。
(2)の情報発信の充実ですが、振興会でやっております各種事業内容等をウェブ上できちんと発信するということと、振興会事業で生まれました研究成果について、この「ひらめき☆ときめきサイエンス」等の事業で国民の皆様への発信をしているということで、これも着実にやっているということで、b評価としております。
(3)の学術の社会的連携・協力の推進でございますが、これは学界と産業界の研究者の皆様が自由に情報交換・研究発表をする場を提供するという事業でございます。平成30年度につきましては新しく4件の委員会を設置するなど、これも着実に取組を進めているということで、b評価にしております。
(4)の研究公正の推進でございますけれども、これにつきましても、研究倫理教育教材の開発等を着実に実施したということで、b評価でございます。
(5)の業務の点検・評価の推進、今御紹介しているような自己点検・外部評価をきちんと実施したということで、b評価とさせていただいております。
続きまして、ローマ数字2の業務運営の効率化について御説明させていただきます。36ページをご覧ください。こちらについてもB評価とさせていただいております。
若干中身を御紹介しますと、1の組織の部分では、先ほど御紹介したような国際統括本部の設置をはじめ、機動的に組織を見直すということで、組織再編を平成30年4月にさせていただいております。
それから、2の一般管理費等の効率化でございますけれども、平成30年度におきましては、削減目標以上の管理費、その他事業費の削減を実施しておりまして、着実にやっているということでございます。
37ページ、3の調達等の合理化ということですけれども、細かくは御紹介しませんけれども、今まで単発だった契約を包括的に少しまとめるといったことをしまして、契約件数そのものを減らして合理化するというようなことを平成30年はさせていただいております。
それから、4の業務システムの合理化・効率化ということで、業務システムについて、セキュリティの確保等必要な改善、それから業務の効率化をさせていただいているということでございます。
続きまして、ローマ数字3の財務内容の改善でございます。こちらもB評価でございます。数字はそこに示してある通りでございまして、特段大きな財務上の問題はないと認識しておりますので、B評価とさせていただいております。
最後になりますが、次の39ページ、ローマ数字4のその他の業務運営に関する重要事項ということでございます。これについてもB評価とさせていただいております。
1の内部統制につきましては、関連する規程整備、研修を実施しておりますし、理事長の指示が的確に伝わるような会議も定期的に開催しておりますので、きちんと内部統制の推進を行っております。
2の情報セキュリティの確保でございますけれども、政府の方針に合わせまして、情報セキュリティポリシーを逐次見直しており、職員を対象とした研修等も定期的に実施しておりますので、着実に行っていると思っております。平成30年度、特に情報漏えい発生事案は発生しておりません。
3の施設・設備に関する計画は特にございません。
4の人事ですけれども、これについても適正な給与水準の維持に努めているところでございます。人事交流等も適切にしておりますし、各種研修も活発に実施していると考えております。
5の債務負担は特にございません。それから、積立金についても適切に取り扱っているところでございます。
以上、ポイントだけで恐縮でございますけれども、御不明な点等は、御質問を頂ければ、更に補足して説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【植田座長】
ありがとうございました。
それでは、今頂きました振興会からの説明について、御意見や御質問等はありますでしょうか。自由にどうぞお願いいたします。

【秋元委員】
10ページ目のリードエージェンシー方式について御説明いただいたんですけれども、この方式を導入することのメリットについて、効率化が図られるだろうというのはすぐ分かるんですが、何かほかにもあるのでしょうか。

【牛尾理事】
そうですね。私どももまさに試行的にやっている段階なのですが、まずは効率化という、申請者の側も同じ書類を両方の機関に同じものでいいということで統一されますので、そこがやはり一番大きなポイントかと思います。もちろん結果として、良い課題が選ばれることになるということだとは思いますけれども。

【秋元委員】
はい、分かりました。

【植田座長】
どうぞ。

【岡村委員】
まず、ローマ数字2の業務運営の効率化に関する事項で、組織の編成及び業務運営について、こういう組織に再編しましたとか設けましたという記載はあるのですが、これがどう効率化に結び付いているかという何か具体的なものがあれば教えてください。

【牛尾理事】
そうですね。率直に申し上げれば、平成30年4月に始めたばかりですので、目に見えた効果というのはなかなか御説明しづらいのですが、1つ国際統括本部について、先ほども御紹介したように、国際戦略について、従来は国際事業部の事業についてだけ作っていたのですが、振興会全体についてそういう視点で統一の方針が作られたということで、効率化ということになっているかどうか分かりませんが、一つの大きな成果と思っております。

【岡村委員】
あとの組織はこれからという感じですか。

【牛尾理事】
そうですね。あと、学術情報分析センターを作りそこで具体的な情報発信も始めておりますが、効率化という観点で御説明できる材料がどのくらいあるかというと、今のところは余りないかもしれません。

【植田座長】
はい、どうぞ。

【瀧澤委員】
初めてですので、全体のそれぞれの事業の予算規模が私の中でイメージがまだわいていないのですが、もし可能あれば、項目ごとの予算の規模をお教えいただければと思います。

【牛尾理事】
そうですね。正しいものは後ほどきちんと資料でお渡ししたいと思いますが、大体科研費が2,300億円ぐらいございまして、これが振興会予算のほとんどを占めているというのが実情でございます。これは科研費用の補助金という形で頂いているものでございます。
それから、一般的な運営管理とか各種事業、私どもの裁量でできる運営費交付金という形では260億円ぐらい頂いておりまして、そのうちの160億円ぐらいが特別研究員の事業で、そこが運営費交付金で行っている事業の中で一番大きな事業になっております。国際事業は、各種合わせても多分100億円も行かないような、4、50億円ぐらい、57億円ですかね。

【瀧澤委員】
それは、この項目に割り振れるわけですね。

【牛尾理事】
割り振れますので、それはきちんと資料にしてお渡しした方が間違いがないと思うので、後ほどお渡しするようにいたします。

【瀧澤委員】
はい。

【鷹野委員】
1つよろしいですか。

【植田座長】
どうぞ。

【鷹野委員】
項目としては、ローマ数字4の中にあります情報セキュリティの確保について、情報セキュリティに関しましてはどこの機関も、もうある意味必死に守ろうとしてやっていますが、それでもやはり事故というのが頻繁に起こっておりまして、振興会の方では今のところそういった事故・事件がないということで大変喜ばしいことだと思うんですけれども、何か特に努力されているというか、そういう点というのはございますか。39ページの御説明の中で、標的型メール攻撃訓練を実施するとか、そういった記載がございますけれども、何かありますでしょうか。

【牛尾理事】
大きな取組としては、実は平成30年度ではなく、その前年になるのですが、情報システムを大幅に変えていまして、1つは各自が職務上使うデスクトップを、インターネット環境から切り離すようなシステム上の工夫をしております。

【鷹野委員】
イントラネットにして、外に出るときはまた何かチェックが入るような。

【牛尾理事】
はい。
あとは、やはり研修をしっかり実施するということで、実はちょっと受講率は必ずしもよくなかったのですが、研修の機会を毎月実施して、新しく振興会に来た人は必ず受講してもらう等、そうした取組を併せてしております。

【植田座長】
10万件の審査をやっておられる、ある意味で日本最大の審査機関なのですよね。それは非常に大きな影響を与えていて、必ずしもこの科研費だけじゃなくて、いわゆる世の中の審査のシステムとその評価の仕方ということを、日本の中のスタンダードを作っておられるのです。ですから、公益財団とかそういうところで研究助成をやるときも、何かあったら必ず科研費を見習いましょうというふうになっていくのは、これは公平性を確保する手段になっています。
ただ今度、ある意味では大きく審査の文化を変えようとされましたよね。分類とか分科も変えながら、同時に必ずしも専門にこだわらないというか閉じこもらないで、ある意味では専門を超えたところまで評価するようにしなければ学術がだめになってしまうと、専門家だけではだめだということでやられたので、これは大きな変化なので、研究者からもかなり反発があるのではないかと思います。従来とは考え方が違うため、それが定着するには、そんな簡単にはいかない。それを今、日本学術振興会の学術システム研究センターにおいて分析されておられると思います。それほどすぐに答えは出ないと思いますけれども、あれは受け入れられているのでしょうか。今非常に関心がある。日本はそうならないといけないと思ったから、是非そうやってほしいと思っているのですが。

【牛尾理事】
今、逐次検証を始めているところですが、今できているのは、その審査に携わった方がこの新しい仕組みについてどう感じていらっしゃるかというところまでは……。

【植田座長】
そうです。

【牛尾理事】
今、一応の検証をしておりまして、その中で新しい仕組みにして、例えば大型種目ですと合議審査をきちんとやりましょうというようなことを入れておりますけれども、その結果、やはり他人の意見を聞いてきちんと議論することによって、今まで以上に適切な課題が選ばれているのではないかといった御意見を頂いております。審査する方から見ると負担にはなっているという御意見も頂いていますが、それなりの適正な審査ができつつあるのではないかと思っております。
ただ、応募する方々がどう受け止めていらっしゃるかとか、あるいは今回の区分の見直しというのは分野にこだわらないような、今までの細かい細目にこだわらないような新しい研究をどんどん支援していきましょうという発想でやっておりますけれども、それがどれぐらい生まれたのかとかいったことについての検証は、もう少しお時間を頂いてやっていかなければいけないと思います。

【植田座長】
いや、それはもうそうですね。

【岡村委員】
ちょっと細かい話でいいですか。財務のところで、やむを得ず生じた未執行額という表現がありますけれども、これについて、もうちょっと具体的に教えてもらえますか。

【牛尾理事】
これは分かりやすく言うと、予算をある意味使い残しているということです。例えば運営費交付金で言うと、その相当数が特別研究員事業なのですが、特別研究員に採用されていても、途中で就職先が見つかるということになると、途中で辞められてしまうわけですね。そうすると、その後のお渡しする分のお金が浮いてしまうとか、そういったことの積み重ねがこの未執行分になっているということです。

【岡村委員】
すると、これは毎期ある程度はしようがないと思った方がいい?

【牛尾理事】
そうですね。なるべく計画的にその見込みを立てた執行をと思っているのですが、辞めなければ逆に払わなければいけないので、そこの見込みはなかなか難しいため、ゼロにするのはなかなか難しいと思っています。

【植田座長】
まだまだ時間が十分ありますから、どうぞ。

【岡村委員】
あまりこれとは関係ないのかもしれないですけれども、振興会の科研費で、毎年度要するに使い切る科研費と、あと基金の補助という形のものがあると思うんですけれども、今、割合的には金額ベースで6対4ぐらい?

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
おおむねその程度です。

【岡村委員】
そんな感じですね。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
予算規模的にはそういうことです。

【岡村委員】
件数的には基金の方が多いみたいな表現がどこかにありましたけれども、これは振興会の方針として、今後この割合ぐらいで行くのか、それとも基金をもうちょっと、結構現場の大学の人たちですと、やはりまだ何とかして使い切らなきゃいけないという意識があるので、できればやはり基金的に、5年とは言わなくても3年ぐらいとかでやってもらうと、もっと落ち着いて研究ができるんじゃないかという感じはあるんですけれども、どうでしょう。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
ありがとうございます。その点については、総論としましては、私どもの事業を執行する立場としては、出来得る限り基金化対象研究種目が拡大されることを希望しております。
しかしながら、実は基金化される研究種目というのは、3ないし6年程度の事業期間の予算額を、事業の開始年度時点でまとめて確保しなければいけないというのが基本的な設計になっておりますので、基金化されていない補助金対象研究種目について基金化しようとすると、文部科学省で財政当局と交渉していただく際に、かなりの困難を伴うと聞いておるところがございます。
従いまして、研究者のニーズもございますので、出来得る限り基金化対象種目が拡大されるように希望してはおりますけれども、私どもの方針ありきではなかなか事が進むものではないものですから、そこは御理解賜れればと思います。

【瀧澤委員】
初めてですので、とんちんかんな質問かもしれませんけれども、先ほど来、どなたかからお話がありましたように、日本の研究力の低下というのは非常に言われていまして、例えば投入した予算に対するトップ10%論文の割合が、主要科学技術国19か国の最低であるというような結果もあります。日本学術振興会の科研費というのは、もう全くボトムアップで自由な研究に割いているところですので、非常に重要で、そういった面でのインプットに対するアウトプットの評価、そういう論文の質だけではないとは思うんですけれども、幾つかの指標というのはお持ちなんでしょうか。あらかじめ目標設定をしているなりして、それに対してどうかというような評価の仕方はある程度必要ではないかなと思うんですけれども。

【牛尾理事】
評価の仕方は難しいですけれども、引用度で見た場合には、科研費論文は非科研費論文よりも高い被引用度があると、そういうデータは持っておりまして、それもまた後ほど御参考までに差し上げられると思いますが、明確に一つ言えるのはそういうデータがございます。
あと、科研費の場合は、仰っていただいたように、研究者の自由な発想で行えるものですので、その成果が例えば何か社会実装に結び付くかどうかとか、それだけで評価してしまうと科研費の場合一面的な評価になってしまいますので、そういう点ではなかなか評価するのは、全体としては難しいと思っています。

【瀧澤委員】
そうすると、被引用度とかトップ何%というような、そういうところが主軸になってくるということですか。

【牛尾理事】
今、お示しできるものとしては、そういう材料があるということです。

【瀧澤委員】
あともう一つ、世界的に見ても研究不正の問題が日本は指摘されていると思うんですけれども、日本学術振興会の中でもいろいろ研究不正に対するプログラムをされていると思いますが、それについても他の研究予算に比べてどうかというような比較というのはあるんでしょうか。

【牛尾理事】
そうですね。プログラムごとに研究不正率が高いかとか、そういう観点では調べたことはないのですが、ここは私が答える立場ではないかもしれません。政府全体で基本的な足並みはそろえていまして、こういう競争的資金を受ける方には、倫理プログラムを受けていただかなくてはいけないというのを、基本的にどのプログラムも義務付けていると思いますし、そういうことはさせていただいているのと、特に日本学術振興会では倫理を学んでいただく教材作りに力を入れておりまして、ウェブ上で勉強できる研究者向けのシステムを作っていますし、大学院生向けの教材も作っておりますので、そういう減らす努力は各種させていただいています。

【植田座長】
どうぞ。

【小長谷監事】
よろしいでしょうか。先ほどの評価というか投資効率というか、研究費がどのようにという件についてですが、引用度はそもそも短いインターバルつまり、直近の状況でしか判断されていないんですね。
それで、ノーベル賞を取っていらっしゃる先生方が口々におっしゃるように、まだ日の目を見ないときから支えてくれたのが科研費であるということですから、引用度というすごく直近のショートレンジの評価をしてしまうと、やはり一番学術を損なうということになりますので、そこはお金を出してくださる側の方々の理解を社会的に求めていくというようなことが必要かと思います。

【植田座長】
国際共同研究の問題ですけれども、分野によると思うのですが、大きなビッグサイエンスになってきたら、もはや国を越えて研究しないとできないような分野がいっぱいできてきていて、それは必ずしも科研費だけでとか、学振の中でサポートできる枠を越えてしまっていくものもいっぱいありますよね。ある意味では国と国との間の協定を結ばないと、進まないようなところが出てきている。
それが昔だったらビッグサイエンスだけだったのですが、バイオとかメディカルとかいうところも実はそういうネットワークが出来上がりつつあって、必ずしも個々の研究者の努力だけではできないというのを、ここでいろいろ工夫してくださって、それを後ろからサポートしてくださるんですね。同時にそういう枠を越えた動きをある意味では政府にもちゃんと情報提供しながら、政策を提言していかないといけない時代にもうなってきている。
つまり、日本が昔自分の国力でやれる研究がかなりあったけれども、国力もちょっと下がっていることもあるし、近隣諸国が異様に大きくなってきているときに、それが本当に意義のある研究をしようと思ったら、研究者だけではできないという感じがある。
そういう感じは何かありますか。もともと素粒子加速器というのはそういうところだったのですが、我々のようなレーザーの世界でも、あるサイズを越えたらもう一国を越えてしまうようなものでないと研究ができないというところへ来ている。そういうのがあちこちで存在するのじゃないかという気がするんですけれども。

【牛尾理事】
私が答える立場にあるかわかりませんけれども、日本学術振興会が支援させていただいているのは、今おっしゃっていただいたようにボトムアップで、かつ基本的には個人の研究者あるいは少数、場合によっては結構多数の場合もありますけれども、グループを作ってやっていただくところをサポートさせていただくのが私どもの役割と考えておりまして、大型プロジェクトについては、文部科学省の方で各種それぞれの事情もあると思いますし、あるいは学術会議等でマスタープランを作られて、それに基づいて文部科学省でロードマップを作られてといった別の枠組みで、今は支援していただいているのかなと理解しています。

【秋元委員】
先ほども、これまでのお話にも基礎研究の重要性ということが出ているんですけれども、例えばそういう基礎研究の重要性というのが、この評価項目との関わりで言うとどんなところで出てくるのかなとちょっと考えてみたんですけれども、総合的事項のところに多様性の確保とか、そういうところで部分的には重なるのかなとは思うんですが、もっとストレートに基礎研究を科研費がきちんとバックアップしているんだというようなところを、何か項目としてはっきり押さえるようなものというのは?

【牛尾理事】
そうですね。研究の捉え方は幾つかの角度でできると思うんですが、例えば科研費も基礎研究だけを支援しているわけではなく、むしろ、研究者の自発的発想なのか、あるいは国が示した政策課題に対応する研究なのか、そういうボトムアップとトップダウンというような切り口で私どもは研究を整理しておりまして、そういう意味でのボトムアップの支援をさせていただいているのが日本学術振興会ということですので、その中に研究者の皆様が自発的に応用研究をしたいというものも当然に含まれています。基礎研究が実態として多いのは確かなのですが、私どもとしては別に基礎研究だけを支援しているわけではなく、あくまで研究者の自由な発想に基づく研究を支援しているという立ち位置でやらせていただいております。
従いまして、こうした資料でも、特に基礎研究といった表現は出てきてはいないと思います。
【秋元委員】 ほかの科学研究費、厚労科研とかあって、その存在感の問題もあるんでしょうけれども、例えばほかのそういうファンドというか研究費は、割と今現在進行形の課題とかいうような色合いはあると思うんですよね。それに比べると、やはり科研費というのは自由な発想ということなんでしょうけれども、それと比較すれば、やはり基礎的な部分というのが重点になるとは思うんですよね。

【牛尾理事】
そうですね。はい。

【秋元委員】
だから、そういったようなところが、少し評価として目に見えるようになってもいいのかなと思ったものですから。

【牛尾理事】
なるほど。ありがとうございます。

【植田座長】
今回の海外へ行く際に科研費が中断されるのを、そこで止めないで、続けられるように改善されましたよね。ああいうある意味ではシステムと制度とちょっとずれているというところで、研究者が不利益を被るということが出てきたときに、やはりこういう検討をしてそれを改善していただくのは非常にありがたいのですが、どの程度のタイムラグでできるんでしょうか。今、割とそういうのが問題だよというのが出たら、すぐさまそれを議論して、それを修正するようなことができるのか。やはりどうしてもいろいろなプロセスがあって、何年か遅れるということが起こるのでしょうか。

【牛尾理事】
私どもの運用でできる範囲であれば、御紹介したような学術システム研究センターで常に審査の在り方などを検証させていただいていますので、できる部分もありますけれども、制度に関わってくるようなことになりますと、補助主体でございます文部科学省で決めていただいておりますので、そうしますとそれなりの検討期間が必要になります。事柄の大きさによってくると思っています。

【植田座長】
研究もボトムアップだけど、ある意味ではこういう実際の研究サポートも、ボトムアップでないと実際の問題は解決しないので、それは非常に重要なプロセスだと思うのです。よろしくお願いします。

【牛尾理事】
はい。

【植田座長】
はい、どうぞ。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
どの程度のタイムラグがあるかというのは、自分がやりたいことに対して、なかなか現行制度の建て付けではちょっと実施しづらいというふうにお感じになっている人がどれぐらいいるかということがスタートラインになろうかと思いますので、なかなかそれを定量的に計ることが難しいのは御理解いただけると思うのですが、それをできるだけタイムラグといいますか、文部科学省で検討いただくもの、あるいは日本学術振興会限りで検討可能なものもひっくるめまして、私どものところにできるだけダイレクトに御意見、御要望が届くように、日本学術振興会に御意見・御要望の窓口を科研費についても設けているところでございます。
そこに寄せられる御意見・御要望は、到底実現不可能なものももちろん来るのですが、それに対して、なぜそれが実現困難なのかという御説明をしたり、あるいは確かにそうだというところについては取り入れて改善に導こうとしたりということで、可能な限りの対応を考えているところでございます。

【植田座長】
ほかに、どうですか。

【鷹野委員】
4の大学等の強みを生かした教育研究機能の強化に関しての中の話なんですけれども、先ほども御説明くださった資料の23ページで、スーパーグローバル大学創成支援事業で、構想の見直しの申請を受け付けて可否を決定すると。こういったことは、私はいろいろな事業申請をしたプログラムに対して、見直ししてそれをまた審議してというようなことってあまり多くはないかなと思うので、大変御苦労されながらこういうことを実施されていると思うんですけれども、具体的にどのような状況なんでしょうか。
37件のうち34大学からということは、ほとんどのところが構想の見直しをしているということで、これはやはり何年かやっていくと、かなりいろいろな問題が出てきて、よりよい事業実施のためには方向転換が必要とか、そういったことが多数出てきたというような状況なんでしょうか。そのあたり、もうちょっと具体的に御説明いただければ。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
個別具体の説明というのは、今、資料を持ち合わせておりませんので御了承いただきたいのですが、このプログラムは10年近くにわたって継続的に行われるプログラムでございまして、そのプロセスにおいて、例えば事業実施上、どうしても自身の努力だけでは解決ができないような話などもありますので、そういった状況については事業の目的ができるだけ達成されるように、多少の見直しは図っていくことが必要であろうという前提で、こういう取組をしているということでございます。
無論、各大学で計画された方向に沿って、変更したいのか、あるいはちょっとそれは認められないのではないかということも含めまして、各大学のその変更要望、変更を希望する部分については、一つ一つそれが事業の目的に照らして認められるべきなのか、あるいはそうでないのかということを個別に検証して、認められたものがここに挙がっている大学となるわけでございます。

【鷹野委員】
これは何年目ぐらいにその見直しをされているんですか。5年とか。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
5年です。

【鷹野委員】
それはもちろん予算は予算の範囲内で必要な形で、事業内容を変更していくというような?

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
当初の目的というのがありましたけれども、中間的な段階で実際に事業運営そのものをより効率的・効果的に図っていくために多少の見直しが必要という部分については、大学の要望も聞きつつ、それが認められるかどうかの判定を一件一件行っているということになります。

【鷹野委員】
何かその効果的な変更というか、そういった事例など思い付かれるものがもしありましたら、1つぐらい教えてください。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
分かりました。それは具体的な事例として、御説明の資料を用意させていただこうと思います。全てというわけにはいかないかもしれませんが。

【鷹野委員】
もちろんです。代表的なものでも。

【石田人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
典型的な例みたいなものをお示しできればと思います。

【鷹野委員】
はい、ありがとうございます。

【植田座長】
はい、どうぞ。

【瀧澤委員】
私の担当のところで、1か所だけ自己評価と外部評価が食い違っているという御説明があった、5(1)の事業の国際化と戦略的展開についてもうちょっと詳しく教えていただきたいんですけれども。
外部評価委員会の中では、新たに国際統括本部が設置され、国際事業全般を俯瞰する仕組みが構築されたことによって、戦略的な国際共同研究の在り方や外国人招へい事業の更なる発展を見据え、総合的な視点からということでaとされているんですけれども。

【牛尾理事】
はい。どの部分をもう少し詳しく御説明したらいいでしょうか。

【瀧澤委員】
その国際戦略案が優れていたからということなんですか。

【牛尾理事】
恐らく、外部評価の委員の皆様がどうお考えになったのか、直接詳しくはお聞きしていないのですが、私どもとしては国際戦略案を作ることによって、例えばですけれども、今までですとある国との交流について、日本人をその国に送り出す事業は人材育成事業部が、外国の方に来ていただく事業は国際事業部が行っており、よくある縦割りの形で、同じ国を相手にしているのに、両者が別箇に行うというようなことがありました。しかし、こういう会全体としての統一方針といいますか、大きな指針を作ることによって、そういうところがきちんと整合的に全体としてうまくやっていけるようになるのではないかということを、相当期待を込めていただいているという風に受け止めております。それを具体化していくのはこれからかと思っております。

【瀧澤委員】
わかりました。ありがとうございます。

【植田座長】
大体よろしいですか。では、おおむね御意見等が出そろったかと思いますので、平成30年度業務実績に係る自己評価に対するヒアリングはここで終了いたします。どうもありがとうございました。
最後に、今後のスケジュール等について事務局より説明をお願いいたします。

【松本課長補佐】
それでは、資料4をご覧いただければと思います。こちらに書いてございますけれども、本日ヒアリングが終了しまして、7月12日、今週金曜日を目途に、文部科学大臣による評価の事務局(案)をお示しした評価書を先生方にお送りする予定にしてございます。
先生方におかれましては、本日のヒアリング等を踏まえ、お送りした案について確認して頂き、例えば「この評価項目はこういった観点からも評価できるのではないか」でございますとか、「こういった課題があって、今後の業務運営の改善が求められるのではないか」といったような御意見・御助言を事務局までお寄せいただきたいと思っています。大変お忙しいところ恐縮ですが、7月19日金曜日までに提出いただければと思います。その御意見を取りまとめた上で、次回の有識者会合において評価書(案)を決定したいと思っています。
次回の有識者会合につきましては、7月26日金曜日15時から16時半を予定してございます。会場は、4階の会計課の会議室を予定してございます。直前になりましたら、改めて御連絡を差し上げたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
以上でございます。

【植田座長】
ありがとうございました。
それで、実はその御意見とか御助言を頂くのに関して、この有識者会合では割とフリーにまず意見を出していただきたいと思っています。そのうちでこれはどうしても重要だよというところはアンダーラインでも引いていただくなど、その重みを変えていただいて。まずは意見を出していただくことが重要です。それで必ずしも文科大臣の評価に直ちに反映させるようなコメントでないものも、日本学術振興会に対してこういう意見もあったよと別途意見としてお伝えすることをしたいと思っています。全てのコメントを重い取扱いにしてしまうとコメントが来なくなってしまうので、むしろそれよりは自由にコメントを出していただいて、そのうちから事務局である意味ではそれをきれいにまとめていただく、それを次回の会議で、それでいいかどうかチェックするというふうにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の有識者会合を終了いたします。本日のヒアリングに御協力いただいた日本学術振興会の皆様におかれましても、どうもありがとうございました。長い間ありがとうございました。
では、これで終わります。


―― 了 ――

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