スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議(第4回) 議事要旨

1.日時

平成30年3月29日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 事業の成果・効果の検証(評価指標、評価基準等(案)について)
  2. 今後のSSH支援事業の在り方について(先進的な取組の方向性について)
  3. その他

4.出席者

委員

重松委員、千葉委員、荒瀬委員、菊池委員、末冨委員、隅田委員、竹内委員

文部科学省

塩崎人材政策課長、鈴木教育課程課長補補佐

5.議事要旨

○運営規則に従い、会議を非公開とすることとなった。
○事務局、JST、千葉委員、末冨委員より、資料について説明が行われた。

それに関連して以下のとおり意見交換が行われた。

【主な意見】
(事業の成果・効果の検証について)
○国(JST)
(標準取組モデルについて)
・各学校がそれぞれの特色をいかしてSSHに取り組んでいるという点がSSHの良いところなので、標準取組モデルというものをつくるのは難しい。例示という形で取組例を示すのは可能か。
・仮に単純に人数で支援モデルを分けるということにしても、普通科・理数科・職業科等の設置の有無によって状況が異なるうえ、学校指定科目にしているか否かが必ずしも良い実践かどうかとはつながらない。人数が少なくてもすばらしい取組をしている学校はあるので、単純に人数で分けると、学校として非常に対応しづらくなる可能性がある。
・主対象生徒数について、現在JSTでは、指定校の判断を尊重している。
・評価指標の表を採択校が見た時に、正しくニュアンスが伝わるようにしなければならない。「標準取組モデル」というと、必ずやらなければならない取組ととらえられるので、あくまで例示であるということをきちんと記さなければならない。
・SSHは将来、科学技術人材になり得る層を厚くすることが重要であるのと同時に、そのためには各校で多様な取組を行ってもらうということが重要。
・事業開始から一定程度期間が経っていることから、SSH校の取組で共通する部分というのはあっていいと思う。必ず押さえてほしいところと、自由度をもたせて学校のオリジナルが出るところというのを整理する段階に至っているのかもしれない。
・3期目以降の学校は内容がしっかりしているので、予算で差をつけることがかなり難しいと思う。
・地方の小さい学校で、生徒数は多くないが、良い取組ができる可能性があるというようなところに対して、予算の小さい枠などをつくれば、小回りが利いて手を挙げる学校数が増える可能性もあるかもしれない。

(その他)
・SSHが継続を認めているのは非常に良いこと。5年サイクルを何度か繰り返すことにより、より高度な取組が実現できる。

○管理機関
(「指導」について)
・「指導」という文言が何か所かあるが、管理機関から指定校に対して、取組内容の具体的な指導は難しい。
・「指導」という言葉が一様に適しているかどうかは要検討。一般的には「支援」という文言を使うのではないか。

(私立学校等との関係について)
・国立、私立高校について、教育委員会と連携することはもちろん良いことだが、各自の管理機関ともきちんと関わってほしい。
・私学に対して教育委員会がデータを求めるとすると、かなり慎重に行う必要がある。

(人事について)
・管理機関として、能力の高い教員をSSHに配置するといった観点の評価指標はないのか。
・管理機関の人事により、SSHの取組がレベルダウンしてしまうことがあるということについて何らかの記載が必要。
・スクールリーダ―等の計画的な養成と配置といったような表現なら記載可能ではないか。

○SSH指定校
・ルーブリックによるSSH校の共通尺度の設定というのは難しいのではないか。

○千葉委員、末冨委員ご発表
・日本学生科学賞について、SSH採択後に受賞者数は増大している。SSHが受賞者数増大に寄与していると言える。
・イギリスのSTEM教育では、理系に進むための基礎である数学を全生徒対象に実施している。質とともに量も確保している(ファンディングフォーミュラ)。
・イギリスはテクニカル分野に重点をおいている。ICT分野との連携、接続をどう考えるかが重要。
・イギリスでは、STEMセンターの初等教育段階のプログラムが非常に充実している。SSHの成果の還元に当たっては、教職員支援機構とも協力すると良いのではないか。その際、JSTもプログラム開発などに関わるとよい。


(今後のSSH支援事業の在り方について)
(学年を超えた連携の促進について)
・学年を超えた連携をすることは良いことだが、うまく取り組んでいる学校がある一方で、形式的な取組になってしまっている学校もある。これを例示として挙げるのであれば、具体的にどのような形で学年を超えた連携をするのが有効であるのかというのを詳しく解説するべきである。
・上級生と下級生の人間関係について留意が必要。

(取組を行うに当たっての留意点)
・成功体験というのが重要なのは当然であるが、失敗体験というのも生徒の学びの中では非常に重要。

(SSH校におけるその他の取組として考えられる方向性)
・女子生徒の理数分野に関する関心の喚起については良い取組であるが、あくまで例示であるということがわかるような記載にした方がよい。
・小中学生に対する普及など、啓発活動を行うことも重要。高校の設置者が都道府県であっても、小中学校との連携ということは可能ではないか。


○最後に、事務局より今後の開催スケジュールについて説明があり、閉会した。

以上

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