資料2-1_公正な研究活動の推進に関する平成30年度実施方針について(案)

公正な研究活動の推進に関する平成30年度実施方針について(案)

  公正な研究活動の推進等に関し、平成30年度に文部科学省において以下の取組を実施する。

1.個別の研究機関への啓発、指導・助言等
(1)平成30年度チェックリストによる状況の把握及び指導・助言
  各研究機関におけるガイドラインに基づく取組の状況を把握するため、文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的資金を中心とした公募型の研究資金に応募する研究機関に対し、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づく取組状況に係るチェックリスト(平成30年度版)」(以下「平成30年度チェックリスト」という。)の提出を求める。
  なお、平成30年度については、平成28年度チェックリストの提出があった機関においてガイドラインに基づく体制整備等が完了したこと、データの管理等の徹底に当たって整備したルールについてより実効性のある運用が求められることに鑑み、ガイドラインに基づく取組の適切な実施についても把握することとする。
  具体的に把握することは以下のとおりである。

    ○対象機関:文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的資金を中心とした公募型の研究資金により研究活動を実施する研究者が所属する研究機関、基盤的経費(国立大学法人や所管する独立行政法人に対して、文部科学省が措置する運営費交付金、私学助成等)で研究活動を行う機関
    ○実施時期:公募型の研究資金への申請時等にチェックリストの提出を求める。
    ○チェック項目例:
      ・研究倫理教育を実施する体制を整備しているか。
      ・研究者等に研究倫理教育の受講を義務付けているか。
      ・研究者等に研究倫理教育を実施しているとともに、研究者全員がそれを受講しているか。
      ・研究者に対して一定期間研究データを保存し、必要な場合に開示することを義務付ける規程を整備しているか。
      ・特定不正行為に関する相談や告発を受け付ける窓口を設置しているか。
      ・特定不正行為の疑惑が生じたときの調査手続や方法等に関する規程を整備しているか。

(2)体制整備等詳細確認調査による状況の把握及び指導・助言
  平成29年度チェックリストの結果、平成30年3月末現在、78機関に対して指導・助言を進めている。速やかな対応が行われないなど、体制整備等の状況に不備が見られる研究機関に対しては、体制整備等詳細確認調査を実施するとともに、管理条件の付与や翌年度の間接経費の削減等を検討していくこととする。
  調査結果に基づき管理条件が付与された機関に対しては、履行期限後に、管理条件対応状況調査を実施する。「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインに基づく調査及び措置に関する要項」に基づき、管理条件対応状況調査を、面接調査により実施する。調査の結果に応じて、公正な研究活動の推進に関する有識者会議からの助言を踏まえ、間接経費の削減や競争的資金の配分停止等を行うこととする。(参考 資料2-2)


2.優れた取組事例等の普及・啓発等
(1)「研究活動における不正行為への対応に関するガイドライン」を踏まえた体制整備等の状況に関する実態調査の実施
  研究機関への訪問等により、当該研究機関におけるガイドラインを踏まえた体制整備等の状況を確認するとともに、他の研究機関の参考となる特徴的な取組や、当該研究機関で認識できていない体制整備の不備等を把握し、それを公表することにより、他の研究機関の取組を促進させる。

    ○対象機関:平成29年度チェックリスト及びそのフォローアップの回答から、ガイドラインを踏まえた体制整備等の状況が進んでいると考えられる研究機関の中から、地域性、規模、研究分野、過去の不正事案の有無等を考慮し、対象を抽出する。(15機関程度)
    ○実施時期:平成30年8月~平成30年12月目途
  ○調査内容:
        (a)研究不正防止に係る体制及び規程等の整備状況
        (b)研究倫理意識の醸成に向けた取組
        (c)一定期間の研究データの保存・開示に関する取組
        (d)その他研究不正防止に向けた取組


3.公正な研究活動の推進に関する施策等の検討に向けた調査
(1)「諸外国の研究公正の推進に関する調査・分析業務」について    
  公正な研究活動の更なる推進や今後のガイドラインの改正も見据えて、日本における制度改善の検討に資する知見を得ることを目的に、諸外国における研究不正対応に係る制度やその具体的運用について体系的な調査を行い、日本の制度への展開の可能性を含めて検討を行う。
 
    ○調査の対象・方法:
        (1)各国の研究公正局や研究費配分部署等、政府当局の担当部署に対して、調査票による調査を実施する。(対象は20か国以上を想定。)
         <主な調査項目>
         ・研究不正対応の体制・制度の基本的考え方についての調査
         ・研究不正事案調査に関する調査
         ・責務(ペナルティー、指導監督等)の程度の調査
         ・その他(研究データ・試料保存/研究公正責任者/公表/相談窓口/研究倫理教育/特徴的な取組 等)
        (2)上記の調査結果に基づき、事業委員会において「詳細調査・分析計画」を作成し、同計画に基づく詳細な調査(文献、現地、招聘等)・分析を実施する。

    ○スケジュール:
        ~6月下旬  事業委員会の開催
        ~7月下旬  調査票の発出
        ~10月下旬 詳細調査・分析計画の作成
        ~12月下旬 調査実施・完了
        ~3月下旬  分析・検討、報告書のとりまとめ、提出

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究環境課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874
メールアドレス:jinken@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局研究環境課研究公正推進室)