【資料2-3】次世代放射光施設検討ワーキンググループ(第2回)プレゼン項目3
所属:株式会社東芝
氏名:佐野 雄二
1.今後取り組むべき研究課題について
・想定される社会的・科学的課題及び各課題の解決にあたり、取り組むべき研究課題は何か。
2.次世代放射光施設に期待する貢献について
・今後取り組むべき研究課題に関して、次世代放射光施設に対してどのような貢献を期待するか。
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産業利用(スクリーニング)では簡便で汎用性があり、フレキシブルな測定が望まれる(SPring-8 BL19B2などが良い例)
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定型的な測定は、自動化と郵送サービスを拡充(労力の低減)
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実環境、特殊環境(高温、高圧、低温、強磁場、ガスなど)への対応
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複合的な測定(イメージング+回折など)の充実
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大きな構造物、密度の高い材料を測定したい:高いエネルギーのX線が必要となり、感度低下やノイズが顕著になるが、何とかできないか
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検出器の高度化:高感度、大面積、低ノイズ、高速
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膨大なデータ(~1TB/day)の処理:データ収集システム、解析ソフト、解析サービス・サポートの充実
3.次世代放射光施設に期待する運営の在り方について
・次世代放射光施設に対して、どのような運営のあり方を期待するか。
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ビームラインサイエンティスト、コーディネータの充実:専門をまたいだ柔軟な対応(問題解決は専門で分けられない)
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一般の分析会社のような測定サービスが目指せないか(短納期で様々な手法を利用 → 特殊な分析手法・装置からの脱却)。種々の手法・装置に対して、ユーザーが自ら課題申請し、測定、解析するのは困難。粉末XRD、XAFS、HAXPESなどを簡単に切り替えられるビームラインを受託分析専用とする、複数のビームラインに十分な留保枠を設けて利用する、など
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課題募集方法の多様化(時期、頻度)の要求は根強いが、現実的か?
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SPring-8には時期指定利用課題があるが、開発は必ずしも予定どおり進まない。また、ビーム使用料が1.5倍と高額
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成果公開の制度はもっとフレキシブルに。1課題ごとの成果公開は効率的でない場合が多い。長期的視点でいくつかの課題をまとめて成果公開するのも良い
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食堂、宿泊施設、休憩場所、会議スペースなどの改善・充実
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車を利用できないユーザーにもやさしいシステムはできないものか?
放射光施設に対する要望
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施設・ビームラインの位置づけを明確にし、サイエンスと産業利用の役割分担を行う(初めてのユーザーにもわかりやすい)。産業利用はトップサイエンスの恩恵を受けて育っている。良いサイエンスがあってこそ、産業利用も充実
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役割分担により、施設間のアライアンスの強化も可能。紹介サービスなども期待できる
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インターフェース、ハード・ソフト、マニュアルの共通化(特に産業利用)。ユーザーの流動化を促し、慣れた施設・ビームラインの利用から最適な施設、ビームラインの利用へ
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次世代施設では、実験ホールを放射線管理区域から除外できないか
科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室