「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善等に関する協力者会議(第7回) 議事要旨

1.日時

平成26年8月19日(火曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省東館15階 15F1会議室

3.議題

  1. 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

委員:小林主査代理、一井委員、市川委員、大島委員、中村委員、南委員
協力者:安藤科学技術振興機構参事役、笹川日本学術振興会参事

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、岩瀬政策評価審議官、岸本科学技術・学術政策局次長、村田科学技術・学術総括官、片岡人材政策課長 他

5.議事要旨

○ 事務局より、「研究活動の不正行為への対応等に関するガイドライン」(案)及びパブリックコメントの結果について説明が行われた後、意見交換が行われた。

【主な意見】
(ガイドライン策定による研究者・研究機関への負担、不正行為を行った研究者個人への厳罰化について)
・研究者の中には、研究不正を働くのは本当にごく一部の研究者であって、ごく一部のために大多数の研究者の作業がとられることは不適切であり、そのごく一部の研究者に対して厳罰を強化していけば、この問題は解決するという考えが根強くある。
・米国のシンクタンクの報告によると、医療事故の場合は、事故を起こした人を捕まえて厳罰にしても数は減らないという有名なデータがある。その後には、予備軍を探し出して教育をすると医療事故が少なくなるというデータも出ている。
・ORIに調査に行ったことがあるが、年間数件しか事後対応はできず、いかに事前教育を行うかということにつきるというのが、ORI職員の意見であった。

(不正行為の定義について)
・オーサーシップについては、分野によって違いがあり、しかも雑誌においても、定義が異なっているため、ガイドラインで定義をすることには踏み込まないことが一案だと考えている。
・二重投稿や不適切なオーサーシップが、捏造、改ざん、盗用と並んで不正行為の代表例と考えることができるという表現ぶりを、メリハリをつけたものにした方がよいのではないか。
・二重投稿は、案では、多くの学協会で禁止されている「傾向にある」という表現になっているが、現状を認めているようにとられるため、この部分は削除してよいのではないか。
・「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」場合については、日本学術会議で御検討をお願いしているところであり、御議論をお願いできればと思っている。

(データの保存期間と方法について)
・データの保存期間と方法については、日本学術会議において検討を進めている。
・ガイドラインでは、ある一定の期間の保存を何らか規程を設けて定めることを求めており、研究機関がデータの保存期間を定めるときにどれくらいにしたらいいかという目安については、日本学術会議において具体的に検討いただいている。

(インターネット上の不正行為の指摘について)
・インターネットの情報は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)であるが、検討する対象ではあると考える。
・告発については、従来のガイドラインから匿名のものも受け付けるということになっており、インターネット文化の発達を見越して、インターネット上での指摘も同一に扱うべきということが考えとしてある。

(独立した調査機関の設置について)
・この問題については、これまでも議論してきたところであり、原案の通りでよいと考える。

(研究不正を誘発する環境改善の必要性について)
・過度に競争的な環境が、研究不正が起こる背景にあるという意見もある。ただ、そのような背景があるからといって不正をやっていいということには当然ならない。

(その他)
・調査期間の目安を設定する趣旨は、一定の目安を示し、調査が長くかかる場合には、研究機関がそれなりの説明責任を負うということ。
・ガイドラインについては、英語版の作成も考えているが、本質的には、研究機関が設ける規程が英語版になる必要がある。
・本ガイドラインについては、丁寧に説明していく必要があると思う。文科省は、研究者・研究機関が研究の独立性を本当に守っていただくために、本ガイドラインを策定するのだということを繰り返し説明していく必要があると思う。
・本ガイドラインが各研究機関に浸透していくためには、国立大学法人評価の項目として研究健全化が一項目入ることが重要。

○ 最後に、事務局より今後のガイドライン策定の予定について説明がなされ、閉会。

(了)

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