○ 6月から7月にかけて実施した第1次の土壌採取等調査により、空間線量率分布、放射性核種毎の沈着量分布、線量に寄与する主な核種等、現在の詳細な汚染状況が明らかになった。ここで得られた知見さらには航空機サーベイで得られた知見を基に、適切な第2次調査を計画する必要がある。
○ 被ばく線量に寄与する主要な汚染核種はCs-137、134であることが明らかであり、今後これらの核種の分布、挙動を追うことが最重要課題である。線量評価、核種移行モデル、環境除染等への寄与を考慮すると、深度分布の測定が重要となる。
○ その他の核種に関して残された課題として、I-131の汚染マップを充実させるために、過去の文科省のモニタリングデータ及び加速器質量分析装置(AMS)を使用したI-129分析データを参照し、マップデータを改訂する作業があげられる。
○ 第1次調査で得られたような多数の自発的参加者の協力を次回も望むことは難しい。調査を実施する人員を組織的に集めることを考える必要がある。核種分析についても、第1次調査のように多数の大学で分担して分析を行うことは難しいことが予想されるため、信頼性を確保しつつ限られた機関での分析を行う。
○ 調査の実施方法についてはいくつかの改善点が考えられる。データ処理・解析に関しては、手書き記録方式を用いたことに起因して、電子化に多大な労力を要す等、本質的でない部分に相当の時間と労力を費やしたため、合理化が必要である。
○ 調査の継続性
○ 汚染状況の経時変化を調べるために、前回行った調査と同じ内容、同じ地点での測定を実施することが原則として必要である。一方、測定地点数は大幅に減らし、またより簡便な方法での置き換えを行うことが可能である。
○ 調査の最適化・重点化
○ 未調査地点のカバー
○ 視点の変更
○ 新しい技術の導入
○ 調査の効率化
(1) 土壌試料採取
a) U8容器による土壌採取測定
b) 深度分布測定
(2) in situ Ge 検出器測定
(3) 空間線量率のみ測定
(4) 走行サーベイ
(5) 関連詳細調査等
(2011年10月20日 原子力機構 斎藤)
文部科学省 原子力災害対策支援本部