資料第1-5-1号: 農地土壌の放射性物質調査における土壌の採取について

■調査の目的と試料採取の考え方

 農地土壌の放射性物質調査は、平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故に伴い放射性物質が環境中へ放出されたことを受けて、今年度収穫される玄米が食品衛生法の暫定規制値を下回ると予測される、(水稲を作付けても良い)土壌中の放射性物質濃度を明らかにすることを目的として実施しました。
 畑作物も含めて、農作物は、根のはる範囲全体から放射性物質を吸収することが想定されます。このため、土壌中の放射性物質濃度から可食部中の放射性物質濃度を予測するには、土壌表層の放射性物質が耕起作業によって撹拌される深さや農作物が根をはる深さ(約30 cm(稲の場合は約15 cm))を考慮して土壌を採取し、放射性物質を測定することが必要です。
 このことから、本調査における土壌採取は、水田:深さ15 cm、畑地:深さ30 cmとしました。

■畑地土壌試料の採取方法

1.ほ場内の採取地点を決定
(1) ほ場に対角線を引き、その交点1点と、交点と頂点を結んだ線の中点4点の計5点を土壌採取地点とする。ほ場が広い場合は中心付近の約10 aを対象に本作業を行う。
(2) 土壌採取地点は、農作物残さやマルチ、草木、雪等による被覆がない箇所並びに水がたまっていない箇所とし、(1)の地点に農作物が作付されている場合は(1)の地点にほど近い所とする。

2.土壌試料の採取、梱包手順
(1) 乾燥した土壌を採取することとし、降雨時及びその直後を避ける。
(2) 土壌試料の量は1kg程度。
(3) 円柱型の採土器を使用し、1で定めたほ場内採取地点(5カ所)において鉛直に作土層または作土層が30 cmよりも深い場合は30 cmの深さまでの土壌を採取する。表面に農作物残さなどがある場合も取り除かないでそのまま採取し、直接ビニール袋に入れる。ビニール袋は容易に破れない厚手の未使用のものを使用する。試料採取後、採土器内を水道水でよく清掃する。
(4) 5ヶ所の土壌試料を袋に入れた後、土壌試料をよくもみほぐし混ぜ合わせる。
(5) 土壌試料を入れた袋は、中の空気をぬき輪ゴム等で密閉する。これを2枚目のビニール袋に入れ、同様の方法により梱包することにより2重に密閉する。

お問合せ先

文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)