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科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成26年9月17日(水曜日)9時30分~11時00分

2.場所

文部科学省 3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 各機関の取組の進捗状況等について
  2. 「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』推進事業」の今後の進め方について
  3. その他

4.議事録

【黒田主査】 
 本日、朝早くからどうもありがとうございます。第15回の科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会を開催させていただきます。
 本日の議題でございますけれども、大きく分けて二つございまして、一つは関係機関から現在までの事業の進捗の状況を御説明いただいて、御意見を頂くという件と、それから文科省の方から、来年度中間評価も控えていますので、そういうことを含めた今後のこの事業の進め方について御説明を頂いて、御審議いただくということが主な議題でございます。
 事務局の方に人事異動が若干ございましたので、御紹介を頂きたいと思います。

【坂下室長】 
 8月1日から、科学技術・学術政策局次長として岸本が着任いたしましたので、御紹介申し上げます。

【岸本室長】 
 岸本でございます。よろしくお願いいたします。

【坂下室長】 
 また7月25日より、企画評価課長として江﨑が着任いたしました。

【江﨑課長】 
 江﨑です。よろしくお願いします。

【坂下室長】 
 また9月3日より、大臣官房政策課評価室長に生田が着任いたしました。

【生田室長】 
 生田でございます。よろしくお願いいたします。

【坂下室長】 
 生田は政策科学推進室次長を兼務しております。以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。それでは引き続き、配付資料の確認を頂きたいと思います。

【坂下室長】 
 配付資料でございますが、お手元に議事次第、それから資料1-1から1-7、2-1から2-4、それから参考資料として名簿が1枚ございます。資料1-5が抜けている方がいらっしゃる可能性がありますので、抜けておりましたら、事務局の方にお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますでしょうか。

【坂下室長】 
 本委員会は設置規定に基づき公開としておりまして、出席者の了解を得た上で議事録を公開することとなっておりますので、御了承いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますか。それでは議題1に早速移らせていただきまして、各関係機関から現在までの事業の進捗状況を御説明いただきたいと思います。恐縮ですが、余り時間がございませんので、各機関5分程度で御説明をお願いしたいと思います。
 最初は事業全体につきまして、まず文科省の方から御説明いただきたいと思います。

【坂下室長】 
 お手元の資料1-1を御覧いただければと思います。資料1-1は4月7日の前回の本推進委員会でお決めいただきました、「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』『事業の目標、行程管理及び評価に関する基本的な考え方2014』」でございます。1ページおめくりいただきまして、2ページ目から、基盤的研究・人材育成拠点の進め方が書かれております。3ページ目から、本年度から開始された、中核的拠点機能の整備について記載されております。改めて少し振り返らせていただきますと、中核的拠点機能の整備ということで、これまで3年間、基盤的研究・人材育成、公募型研究開発、政策課題対応型研究及びデータ・情報基盤の構築をそれぞれ推進してきましたが、事業全体の実施の方向性を収れんさせることが必要になってきているということがございまして、このような状況を踏まえて、エビデンスに基づく政策の実践のための指標・手法等の開発を行うとともに、中長期的に得られたデータやノウハウなどの知見と経験を蓄積していくための中核的拠点機能を整備するということとされました。
 三つの領域が整備されることとなっておりまして、一つ目は政策デザイン領域、二つ目として政策分析・影響評価領域、三つ目として政策形成プロセス実践領域ということでございます。
 また中核的拠点機能を整備するに当たっての留意事項としまして、科学技術イノベーション政策形成プロセスにおける政治・行政・産業界・国民等の政策ニーズを的確に把握できること、人文社会科学から自然科学までの多様な知見を活用して、科学技術イノベーション政策の科学を探求できること、国民各層の理解と支持を得る透明性を保持できること、「政策のための科学」を深化させるための中核拠点として、様々な研究機関や大学に広くかつオープンな研究、議論及び実践の場を提供できることなどが重要であるとされております。
 そして、現在の基盤的研究・人材育成拠点大学のネットワークを生かしつつ、その他の大学や研究機関を巻き込んでいく方向性が妥当性を持つと思われる。したがって、政策研究大学院大学(総合拠点)を中心とした東京大学、一橋大学、大阪大学、京都大学及び九州大学(領域開拓拠点)との連携協力・協働の下に中核的拠点機能を整備することが適切であると、このように前回の委員会で決めていただいております。
 これを受けまして、資料1-2は7月11日に開催されました本委員会の下にある、基盤的研究・人材育成拠点の整備のための分科会において定められた、「基盤的研究・人材育成拠点における各拠点の役割と拠点間連携の仕組み2014」でございます。一番最後のページ、19ページに(3)というのが中ほどにございます。こちらに中核的拠点機能といたしまして、前半には先ほど御説明しました基本的な考え方に書かれている内容が再掲されておりますけれども、その最後の2行、2014年度は総合拠点に中核的拠点機能の核となる科学技術イノベーション政策研究センターを整備するということが定められております。この分科会では拠点間での話し合いがなされておりまして、また拠点間の運営協議会も何度か開催されておりまして、センターの整備について検討をしております。また、政策研究大学院大学の中におかれましても、その整備の準備を進めていただいております。本日は、この後御説明いただく予定になっております。以上です。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますか。ここにつきましてはこれから御報告いただきますので、その中で御質問を頂きたいと思います。
 早速でございますけれども、先ほどお話の出ました科学技術イノベーション政策研究センターの整備状況につきまして、それから続けて基盤研究・人材育成拠点の活動状況につきまして、政策研究大学院大学の有本教授にお願いしたいと思います。

【有本教授】 
 それでは資料1-3でございます。1枚めくっていただきまして、こういう図を出しています。右の方に政策担当者、役所の方、それから最終的には政治家の方々もいるわけです。こういう、今まで、3年間いろんな基礎的な研究、教育をやってきた。一種のアナリシスといいましょうか、それをデザインする、あるいはシンセシスをして、政策の方につなげていくプロセスです。こういうプロセスをもう少ししっかり明示的に仕組みを作り、人材の育成をするということでこういうセンターを構想したわけです。昨年の概算要求で文科省のイニシアチブで始められ、予算がついたということで、今、詳細設計をやっている段階でございます。その下の3ページを見ていただきますと、ミッション及び活動方針ということで、ミッションとして三つぐらい掲げております。今申しましたように、政策研究と政策課題の解決のための、これは「政策形成」と「研究」の二つをバランスをとって進める。
 それから2番目が、政策側と科学技術側のいろんな双方のインタラクションの空間を作る、あるいはその空間の中でのいろんなプロセス、それを開発し、試行し、実践を行う。それから政策オプション、科学に基づいた、オプションを作っていくということをミッションとします。活動方針としては、とにかく政策への実装を志向する、それからエビデンスに基づいた政策提言、学際的異分野連携、独立・公平性、様々なステークホルダーとの議論の場、それから現役の政策担当者との連携、海外機関との連携ということがあります。1枚めくっていただきますと、4ページ、5ページでございます。GRIPSの中に、各拠点大学との連携ということを踏まえまして、センターを作りました。センター長は白石学長になっていただきまして、私は副センター長ということで、全体の取りまとめをやっております。三つの当面の領域を作ってございまして、角南先生、黒田先生、森田先生がPMということです。下を見ていただきますと、全体のステアリングをする運営会議というものを設けて、月に1回、開催する。それから政策デザイン領域、ここは角南先生の領域でございます。それから黒田先生、それから森田先生の領域がある。
 左側の統括機能の下にありますけれども、これは扱う課題自身がフレーミングをしないといけないというようなもの、新規テーマですね、こういうものについて横断的なプロジェクトを探索していこうというような仕掛けを作りたい。これは各大学との連携の仕組みを作る、あるいはどういう課題があるか検討を始めたところです。その場合に大事なのは、そういう場を運営していくということで、一番下の方にありますけれども、政治、行政、社会の様々な関係者との議論の場ということを模索していきたい。政治家の方々にもアドホックにいろいろ参画いただくということも大事だと思っています。
 それから右の上の方にありますけれども、これは非常にユニークではございますけれども、政策リエゾンネットワークの検討。これは現役の行政官、中堅、若手の行政官、この方々に頻繁に議論をしながら、どういう課題があるかということ、あるいはその課題を最終的に行政の方に生かす、あるいは政治のディシジョンにプロセスとして生かしていくという場合に、この方々が重要な役割を果たす。
 ただし政治、行政とは、先ほど申しましたように中立あるいは透明性を確保するというところでのバランスをとりながらということになろうかと思います。この政策リエゾンの今後の運営というのは、非常に重要なポイントではないかと思ってございます。
 それで、6ページが先ほど角南先生の担当の政策デザイン領域。ここは各省にまたがる課題で、6か月ぐらい、1年以内の課題がかなり明確であって、政策ニーズがですね、それで速いレスポンスを求められているということで、最近、北極の問題の検討を始めました。北極は研究だけじゃなくて、国際政治とかあるいはセキュリティーも含めて、今非常に大きな、国際的なイシューになってございます。これを各省、各専門家を集めて、インテンシブに議論をしてございます。その他、今、総合科学技術会議で開始されようとしていますImPACTについて、アメリカのDARPAの方々と議論をするとか、そういう準備もしてきたところでございます。
 それから、その下が、黒田先生の担当の政策分析・影響評価領域でございます。黒田先生からまた補足的なコメントもあろうかと思います。ここは少し足が長いところで、データあるいはデータセットをきちんと集め、その構築をした上で、社会的なインパクト、いろんなプログラムのですね、あるいは経済的インパクトの準備を出していこうという領域、下の方にありますけれども、推進フォーラムという、専門家の方々、ビッグデータを取り扱っているような方も含めて、集まっていただいて、どういうクエスチョンがあるか、あるいはどういうフレーミングでやるかということ、あるいはどういうタイムフレームでやるかということを議論をしていただいています。当面、今年度はCRDSと組んだ上で、ITのインパクト、それを政策につなげていくという意味で新しい取組をやろうということでございます。
 それから次のページ8ページ、政策形成プロセス、これは森田先生の領域です。ワークショップなどをやりながら、どういうクエスチョンをどういうフレーミングでやるかというところと、それからそういうものをオプションを出した後、その政策のプロセスということで、行政あるいは政治につないでいく、あるいは市民、地域への実装というところでケーススタディー等を開始するという準備をしてございます。
 それから資料1-4でございます。これは従来からやってございます、教育、研究、あるいは基盤的な研究というもので、平成24年から始まってございます。ここに3ページ、その下にありますように、GRIPSが幹事校ということで、左側に東大、それから阪大、京大、それから右側に一橋、九州大学ということで連携をとりながらやっております。次の4ページ、学生の数としてどれぐらいか、昨年度から学生を受け入れを始めておりまして、それぞれの大学の事情によりまして、いろんなコースがございます。私の担当しているGRIPSの場合には、占めて総数、今18人でございます。今年は8人ほど、博士課程で7人、修士課程で1人ほど入ってございます。東大の場合には工学部の方が一時的にこういう授業を受けるというようなところでかなり数が多うございます。今年の場合では69人の登録。一橋が8人、阪大、京大、11、7人、それから九州大学で25人でございます。それぞれの数を単純に見るのでなくて、それぞれのコースの条件等も踏まえて、こういう状況になってございます。
 その下の方に、拠点間の連携ということで、今年は8月末から9月の初めにかけまして、兵庫県の淡路島で大阪大学と京都大学にホストしていただきまして、準備に大変だったわけでございますけれども、ここにありますように神戸の保健福祉局長の三木さん、それから今、人口減少の社会で非常に著名な藻谷さんに御講演を頂くと同時に、学生がかなり増えてきましたので、学生の基礎的な研究について発表、ディスカッションをやった次第です。その中で、今後の中核センターと各大学の連携、どういうテーマがあるか、どういうやり方があるかというところも議論をした次第です。
 次の6ページに、今年は一橋大学が持ち回りのホストで、10月2日に国際シンポジウムというものをやる予定でございます。そこに書いてございますようなスピーカーです。これはかなり戦略的に国際的なネットワークをこのプログラム全体として広めていこうということで、既にもう3回目をやってございます。
 7ページには今後の活動予定ということで、かなり共同プログラムについては定着をしてきましたけれども、もう少し学生とか教員の交換、連携というもの、あるいはインターンシップというものもしっかり取り組む必要があるのかなと思ってございます。
 もう一度申し上げますけれども、まずどういう課題を設定するのか。この入り口のところでの社会政治行政のニーズ、あるいはエマージングなもの、あるいは将来のフォーキャスティングというところ、それでフレーミング、いろんな条件を決めて、これをやることが価値があるかどうかも含めてですけれども。それからいろんなデータを集める、あるいはアナリシスをやる、それからデザインをする、シンセシスをする。それから、政策の形成プロセス、行政官、あるいは政治の方に持っていくという一連の活動が動き出したかなという気がいたしてございます。これは世界的にここまでトータルなシステムとして動かしているというプログラムはまだはないと思ってございます。キーワードはアナリシスとデザインのバランスといいましょうか。意識しておかないと必ず、アナリシスばかりで論文を書けばいいということになりやすいものですから、今度の政策研究センターというのは、政治、行政との対話する空間というものが大事、機能が大事になると思っております。以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。研究センターの方、今回初めての立ち上げでございますので、まずここで御質問等、コメントを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【有信委員】 
 研究センターに関しては、今の説明で非常によく考えられていると思います。ただこれ全体をずっと伺っていて、「科学技術イノベーション政策のための科学」という割には、何か科学技術のにおいが余りしなくなったなという感じで。というのは、もちろんここの陣容はもうこれ以上の人たちは考えられないというぐらいの形の構成になっていて、これはこれでいいと思うんですけれども、一番抜けているのは、やはりもう一方で科学技術政策というのがあるわけですね、文部科学省でやっている。その科学技術政策とどうリンクしていくのかというところの部分がないと、あるいは実際に科学技術政策を作っていく、そのプロセスの形成だとか、あるいはデータアナリシスだとかいうところに、やはり科学技術の芽がないといけない。これはそれなりの配慮の仕方はあると思いますので、是非御配慮いただきたいのと、一番気になるのは、やはり科学技術政策とどうリンクをしていくのか、そちら側にうまく影響が出てこないと、結局片方は政策だけ一生懸命やっていて、全体の政策提言についてのことは一生懸命やっているけれど、科学技術政策は科学技術政策で、独立に進んでいるような形になるのは余りよろしくないのではないかと感じたので、是非その辺の配慮をお願いしたい。

【有本教授】 
 第5期科学技術基本計画に向けて、この1年が非常に大事になるわけです。それで、このプログラム、活動がどれぐらいそういう政策形成の方にリンクをするか、あるいはいろんなデータなりアイデア、オルタナティブを提供するかということが非常に大事になると思います。後から政策研も、RISTEXの活動もいろいろそれにリンクするものがあると思いますので御紹介もあろうかと思います。
 具体的に申しますと、科学技術外交、第5期では国際協力が非常に大事になると思うんです。いろいろ国際的なファンディング機能がある、例えばSATREPSとかe-ASIAとか。それらの経験を、このセンターの準備の一環として、関係者に集まってもらって議論をして、データも集めて、制度的にもう少し改良すれば、本当に地域にインパクトがあるようになるのかということでかなり分析をして、既に文部科学省の国際戦略委員会に報告をしております。小さくてもそういう形で意識的にやらないと。ユーザー側もまだ十分こういうのが動いているというのも認知がないというところがあります。
 それともう一つは、後から黒田先生からもあるか分かりませんけれども、こういう活動を通じて、経済学会がかなり科学技術に関心を持ち始めていただいた。
 それからもう一つの動きは、ポリシー・フォー・サイエンスと、サイエンス・フォー・ポリシー、科学的助言です。これが今国際的に大きなイシューになっています。要するに科学技術振興のための政策とナショナル・アジェンダ、グローバル・イシューの解決に対して科学技術がどう貢献するかということ。これも政策のための科学の新しい動きです。

【有信委員】 
 そんなに大げさな話でもないのですけれども、一つは今言ったようなその架橋の部分が、どこかで明示的になっていると忘れないで済むなということと、それからもう一つは、今言われたグローバルイシューのような大きな問題はもちろんあるんだけど、やはり日本の経済成長をどうしていくかという問題も極めて重要で、この日本の経済成長とグローバルイシューとをどう折り合わせていくかという問題がその次にある。例えば経済成長という観点からすると、GDPをどれぐらい増やそうかということに関して、どれぐらいの投資が適正かというような検討は、多分いろんな意味でできると思うんですよね。で、それが25兆円が適切かどうかという議論になるのだろうと思います。
 そういうところでのある種の、科学的な物の見方がどこかで入るようになっているといいという部分の話と、もう一つはやっぱり国がやっている科学技術政策の中で、この「政策のための科学」が何で言及されないのかと思うことが時々あるわけですけれども、そういうことがうまく架橋できているとなるといいと思っています。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。ほかに何か御意見は。どうぞ。

【相澤委員】 
 基盤的研究・人材育成の拠点と、それから今回のセンターがGRIPSに総括機能を集約させた。全体を見ると、もう一度人材育成の拠点と、このセンターとの役割関係をきちんとした方がよろしいのではないかと思われます。本来このセンターはGRIPSに置くということが想定されていなかった。その段階で人材拠点がスタートしたわけですね。最終的にはセンターの在り方から考えると、いろんな意味での中立性から、等距離にある大学がよかろうということでGRIPSになったと。ですからここは順序も違っていたわけですね。
 そこで、今、人材育成拠点の方は教育プログラムだけに集約されているけれども、振り返ると、当初は基盤的研究というのが位置付けられていたわけです。基盤的研究をGRIPSが全体を統括的に進めるということもあったのではないかと思います。
 なぜかというと、この分野の人材育成が企画されたときに、議論としてこの研究領域というのは一体何なのかという議論が随分あったわけですね。それで、これはだから人材育成が先に行くというのは、ある意味では順序が違うかもしれないけれども、これから人材育成をしつつ、研究領域としても形成していくということが相当議論された記憶があるわけです。
 そういう意味で、今回の両方の説明を見ると、センターの方は研究ということで、むしろその今の人材育成拠点のところにあった研究的機能でしょうか、そういうのがセンターの方に移してしまうというような見方も、あるいはそう見えるともあります。先ほど来のセンターのミッションでは、そういう意味の、この分野の研究基盤をきちんとしていくということが果たしてこういうミッションの中に含まれているキーワードをつなげるとそういうことになるのか、それはそれということなのか、ちょっとそこのところが分かりにくいという印象を受けました。
 これは先ほども言いましたように、いろいろな経緯があってこうなったわけですから、現在のこの仕分けは、私はこれでもう十分だと思うんですが、そこをこうしないと、本来のこの分野の基盤的研究を強化していくというここのところがちょっとはっきりしなくなってきちゃったという印象を受けましたので、まずそのことをお伺いしたいと思います。

【有本教授】 
 当初からその話はありまして、もともと人材育成拠点のところに研究費がないわけです。これはやっぱり一つの制度的な問題として考えないといけないと私は個人的には思っています。いろんなケースを動かしてみるということを今やって、それで来年の評価で、そこで一遍ちょっと立ち止まって、全体をレビューして、リソースも含めて再配置をするならするというようなことなのかなということ、私個人はそう思っています。だからこそフレーミングといいましょうか、テーマのセッティングのところが非常に大事になってくるんじゃないかと思います。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。相澤先生のおっしゃったこと、この分野でディシプリンをどう確立するかという、SciREXが始まった最初からずっと議論があるわけですが、今回のセンターの整備を決めた後、拠点大学の先生方ともいろいろ議論をする機会がありまして、そこでもやっぱり拠点大学は人材育成だけじゃなくて、育成するためには基盤研究が当然必要だという御意見もあり、文科省の方も最初ほど厳格に縛らないとのこと、で、若干の予算を研究に回して、研究として、使える形に徐々にしていただけるとなってきました。
 それで、もう一つやはり、これはもう拠点大学そのものが3年間やってきたことによって、それぞれ拠点大学が持っている研究分野の強みみたいなものが相当はっきりしてきたし、そういう意味ではまさにインターディシプリナリーという言い方がいいかどうか分かりませんけれども、そういったもの全体をどう包括していくかというのがこれからの一つの課題になると思いますし、センターの方にも拠点大学からインターンシップで入っていただいたり、課題ごとには先生方にも研究ないし分析そのものに入っていただいてデザインもやっていただくというのが、これから形を作っていく一つの時期だなと私は思っています。

【相澤委員】 
 もしそうであるならば、基盤的研究を確立していく、あるいは進めていくということを、この基盤的研究・人材育成拠点の方に残しておいて、そのミッションはちゃんとあるんだよということを明記しておく必要があるのではないかと思うんですね。これだとどんどん消えていっちゃうんです。何となくセンターがそこを引き取っているようにも見えてしまう。すると、センターの方のミッションは、さっき有本さん言われたように、もう少し実際に対応していくようなところで、ロングレンジと言わないまでも、ある程度の基盤を整備していくという、各大学がやるであろう研究というものまでは、そんなにここを強く意識して推進するということではなく、むしろもっと明確な形でパフォーマンスも分かるようなところを進めざるを得ない。
 どっちにしても、その基盤的研究が浮いてしまうので。これからいろいろと両方の整備をしていくところで、できる限りそういうところを強化していくとか、何かその種の、この段階でのそういう判断を含めた明確な表記が必要ではないかなと思うんですが。

【黒田主査】 
 先日の大学の先生方、リーダーとの議論の中では、やっぱり基盤的研究非常に大切だという思いが皆様おありのような気がします。それで、そういう意味では基盤的研究でそれぞれの、少し分野がそれぞれ違っていても、基盤をどうやって作っていただくかというのは非常に重要なことで、むしろそれからの知見をどう政策のデザインの中に取り入れていくかということの方がセンターの役割かなと思っています。

【有信委員】 
 そのとおりだと思うんですけれども、有本さんが言われたのは、多分基盤的研究がそのまま切り離されて、独自に大学の中で埋没していくようなやり方では困ると。そのために、センターの中でどちらかというとケーススタディーのようなことをやりながら、基盤的研究と具体的な実装の部分との関連をうまく回していく、そういう中で多分具体的に、この「政策のための科学」のディシプリンというのが確立していくというプロセスを多分思い描いているんだろうと思うんですけどね。私は個人的な希望としてはそう進んでいってほしいと思いますが、これはかなり難しい話だと思います。是非そういう意味で、各大学側がやる基盤的研究はもちろん重要だけども、そこが完全に大学で沈没しないような部分の取っ掛かりがちゃんとこのセンター側にあると。それが具体的に、例えばケーススタディーのようなところとの関連の中で見直されていくという形で回るのが多分理想的かなという印象を受けました。今の相澤先生の意見を聞いて。

【有本教授】 
 そのためには基盤的研究の出口というのは投稿先です。いろんな学会もある。例えば日本で言えば、一番今やっていただいているのは研究・技術計画学会です。それから、海外の雑誌。この政策研究センターだけが、行政と政治にリーチするわけではなくて、いろんな地方行政も含めて、ほかのところからもマルチなパスができていくという、サイエンスとしてのペーパーを作る出口と、それからこういう行政に生かすいわゆる実装の出口が上手に、ダイナミックに両方が動かないと、人は持続的に育っていかない。

【黒田主査】 
 ありがとうございます。ほかに御意見どうぞ。

【相澤委員】 
 今度はセンターの方のミッションのことですが、先ほど有信さんが科学技術政策との関連ということで、科学技術がもう少し表立ってくる必要があるのではないかという面と、もう一つは先ほど有本さんの説明では、行政、政治、そういうようなところと密に、しかし中立性を保ちながらというところで、ここで非常に微妙になるのが、文科省との関係です。もちろんファンディングのもとでもあるから当然 名前は出るんですが、5ページのこの図はこれは注意した方がよろしいのではないかなと思うわけです。というのは、文部科学省が上の方にあって、そことこのセンターの検討するプロジェクトというところに矢印が行っているんですね。そうすると、これはここで検討するのが文科省関係のことだけのように見えるんです。だから、文科省があること自体は大変重要なことであり、いいのですが、やはりこれはこのセンターの議論の最初にもありましたように、科学技術政策を中心として考える。今回はイノベーションも入ってくるわけですが、そういうときに少なくとも日本の政府関係で考えれば、各府省に対してもかなり等距離であって、文科省のための政策策定だけではないと。で、文科省はそういう各府省に横断的に、あるいは密接に直接関係があってもいいのですが、そういうようなところを大局的な立場から進めていくという、このスタンスが重要ではないかと思います。そういう意図でここに書かれているとは思えないので、むしろそういうようなところが明確に中立性とか、そういうようなことが分かるようにしておいた方がよろしいのではないかと思います。

【有本教授】 
 最初から相澤先生が言われていることで、これは文科省の予算で立ち上げるけども、将来は全省庁なんだと、オールジャパンだというのは原則じゃないかと思っております。政策リエゾンも文科省だけじゃなくて、経産省の方とか厚生省の方とか、少し実績を作っていけば、参画いただく壁が低くなるんじゃないかと思っております。

【黒田主査】 
 昨年実践プログラムというので糖尿病やりましたけれども、科学技術政策というのを軸としてやっていっても、必ず社会経済的な影響ということになると、他省庁との関係がまた必ず出てまいります。そういう意味では、私はいろんな省庁の持っている政策なり所轄分野が、基本的には科学技術のところである意味で結び付くのではないかという気がしていまして、そういう観点を視野に入れておくと、科学技術政策といえども、当然各省庁との議論も含めて、将来はやっていかなきゃいけないということになるのだろうという気がします。何か文科省の方からありますか。

【坂下室長】 
 御指摘ありがとうございます。今の点は文科省としても非常に重要なポイントだと思っておりまして、今回このようなセンターを作って、大学に設置していくという考え方の中で、中立性、独立性、それで関係省庁の方に是非使っていただきたいということがございますので、この図の方はまたGRIPSと相談をして、修正したいと思いますけれども、考え方としてはそのように考えております。
 それから相澤先生からお話のありました基盤的研究を確立していくという部分でございますけれども、この中核的拠点機能を作っているのは、この基盤的研究・人材育成拠点の全体の枠組みの中ということで、一つはこの中核的拠点機能を構成する関係大学の連携協力・協働の中で、その基盤的研究の確立の部分も併せて考えていくという要素と、もう一つは人材育成拠点のもともとのプログラムの中に拠点間共同プログラムというものがありまして、ここでコアとなる共通科目の検討ですとか、そういったことは取り組まれておりますので、そういう中で検討していく部分と、それぞれあると思いますので、また拠点大学の皆さんとも相談しながら、引き続き進めてまいりたいと思います。

【相澤委員】 
 ちょっとよろしいですか。この人材育成拠点の資料1-4の2ページにある最初の図がありますね。それからその次の3ページの図、こういうところに、研究という要素がすっかり抜け落ちている。だから、結局これだけが独立に行ってしまうので、先ほど私が質問したのも、こういう図があるから、なおさら基盤的研究をそういう位置付けで捉えているならば、常にこういうところに顔を出しておくようにしておく必要があると、そういう意味です。
 ですから、今回センターと人材育成拠点を一緒にした、この資料1-3の2ページにあるこの図ですね、この図が両方の組織を一つのくくりにしましたから、その中に今のような要素をきちんと明記しておくと、全体がまとまった大きな組織になったんだということで訴える力にもなるのではないかと思います。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。少し時間が過ぎましたので、次の報告に移らせていただきたいと思います。CRDSの方から、佐野フェローに御説明を頂きたいと思います。

【佐野フェロー】 
 CRDS佐野でございます。資料1-5に沿いまして御説明をさせていただきます。CRDSで行っている取組でございますが、本年度、まず1番目として、「科学技術イノベーション政策の科学」に関する俯瞰(ふかん)・構造化に向けた取組というものを行ってございます。こちらにつきましては、今年7月に構造化研究会というのを開催してございます。この研究会でございますが、本年度は3回を予定しておりまして、まず1回目ということでございます。この7月の構造化研究会でございますが、主催3機関、それから文部科学省、それから公募型研究開発プログラム等関係の方々、約50名ほど御参加を頂きまして、ここに書いております二つのテーマについて意見交換をいたしました。
 一つ目のテーマにつきましては、これまで行われましたSciREXプログラム、これを振り返りまして、この科学技術イノベーション政策の科学の進捗につきまして御意見を頂いたというところでございます。そしてその中でディスカッションということで、『「科学技術イノベーション政策の科学」の成果実装・展開に求められるものとは』ということで意見を頂きました。下の方に、「科学技術イノベーション政策のための科学」の各種取組の位置付けについてということで図を書かせていただいておりますが、これはそのときに御議論いただいた図でございます。この中では、この一番左のレイヤー、これが関係する諸分野というところでございまして、その次のレイヤー、左から2番目のレイヤーでございます、ここが政策の科学の研究ということで、ここに書かせていただいておりますRISTEX、それからNISTEP等々の研究につきましては、今度ここの次のレイヤーにあるということではないかということで御提示をさせていただいております。
 その次のところに、例えば昨年行われました政策形成実践プログラムというもの、それから先ほどから御説明ありました中核的拠点であります科学技術イノベーション政策研究センター、そういうところが成果の実装・展開というところを担いつつ、右の方の社会経済要請というようなところに向けた政策形成システムの方につなげていくというふうなことにつきまして、御議論を頂いたというところでございます。
 それから(2)でございますが、俯瞰(ふかん)・構造化に向けた調査活動ということで、こういった構造化研究会を開催していく中での俯瞰(ふかん)・構造化に着手をしたということで、これからは海外も対象としていきたいと考えておるところでございます。
 それから資料の2枚目でございます。活動の二つ目でございますが、対外広報活動についてでございます。広報活動につきましては、これまで行われましたSciREX事業の取りまとめを実施いたしておりまして、関係機関へ情報提供させていただいております。この事業の取りまとめというものでございますが、公募型研究開発プログラム、データ・情報基盤整備、それから政策課題対応型調査研究、基盤的研究・人材育成拠点、政策形成プログラム、こういった各プログラムの情報をプログラムごとに収集をしたということをまず作ってございます。これは今後俯瞰(ふかん)・構造化の観点から整理をして、また対外的にも発信をしていきたいと考えてございます。
 それからSciREXのポータルサイトというものでございますが、ここにつきましても、様々な事業につきまして関連するイベント、成果等について情報発信を開始してございます。
 それからまた今後の話といたしまして、海外の関係する国際会議等、国内外におけるイノベーション政策の科学の活動、取組についても発信していきたいというところでございます。
 それから柱の3本目でございますが、政策分析・影響評価への寄与ということでございます。こちらは先ほどから御説明がございました、科学技術イノベーション政策研究センターの黒田先生の領域でございます分析・影響評価領域と密接な連携を図りながら、CRDSの技術分野ユニットが俯瞰(ふかん)した研究領域のうち、戦略的な重要なものについて、社会的・経済的評価を実施するということでございまして、今年はICT分野を念頭に現在準備を進めておるというところでございます。説明は以上でございます。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。御質問あろうかと思いますが、大分時間が押していますので、ほかの事業についても御説明を受けた上で御質問を受けたいと思います。それでは公募型の研究開発プログラムの進捗状況につきまして、RISTEXの泉センター長からよろしくお願いいたします。

【泉センター長】 
 資料1-6でございます。公募型研究開発プログラムにつきましては、まずは今年度プログラムとしては第4回の研究プロジェクトの公募選定ということになりますけれども、そこに書かせていただいておりますようなスケジュールで、既に面接選考のところまで来ておりまして、今月中に課題を決定して、10月から研究開発を開始するということになります。ちょっと資料の一番後ろひっくり返していただきたいのですけれども、ここに過去3年間にわたって、これは前にも出した資料ですけれども、今進めておりますプロジェクトをプロットしてございますが、ここに五つぐらいのプロジェクトが新たに加わるということです。2011年、平成23年度スタートのプロジェクトは今年の11月で終わりますので、これからそちらの方は評価のフェーズになっていくということでございますけれども、現在走っているこの16に加わって20前後のプロジェクトで、このプログラム全体を構成していくということになっていくわけでございます。
 それで個々のプロジェクトの推進マネジメントにつきましても、毎回御報告しているとおりではございますけれども、直近の進展といたしまして、このプログラム全体がより「科学技術イノベーション政策のための科学」という意味で、いい方向に向かうようにいろんな視点からの声を取り入れるということで、海外からのアドバイスを受ける目的で行っております国際ワークショップ3回目を7月の半ばに行いまして、これは横浜で開かれました世界社会学会の機会に来日しましたドイツのカールスルーエ工科大学のテクノロジーアセスメントの研究者を招きまして、研究紹介、意見交換を行ったところでございます。概要は1枚めくっていただきました参考1のところにお付けしておりますので、細かくは言及しませんけれども、御覧いただければと思います。
 それからプログラムのアウトリーチとして、産業界向け機関誌、これは科学技術と経済の会で発刊されております月刊の『技術と経済』でございますけれども、これに領域総括、森田先生や領域アドバイザーの先生方等を中心として、連載記事をお出ししてございます。
 それから先ほどCRDSの佐野さんから説明がございました構造化研究会にも参加をさせていただいております。
 それから先ほど申し上げましたように、終了するプロジェクトが出てまいりますので、プロジェクトの事後評価を行うということで、23年度スタートのプロジェクト、最後の表の黄色というか、緑っぽい黄色でマークしてあるプロジェクトでございますけれども、これらについて、来年の1月にプロジェクトの事後評価を行うということにしております。それでこのプロジェクトの事後評価と、それからこれまでの活動を踏まえまして、このプログラム全体についての中間評価を来年の4月を目途にまとめまして、そういった御議論を踏まえて、第2期の公募といったことについての検討に向かっていきたいと考えております。簡単ですけれども、以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。それでは引き続きまして、NISTEPの方から、政策課題対応型の調査研究とデータ・情報基盤整備について、斎藤総務研究官の方からよろしくお願いいたします。

【斎藤総務研究官】 
 科学技術・学術政策研究所、斎藤でございます。資料1-7を御覧いただきたいと思います。私どもの事業は政策課題対応型、データ・情報基盤の二つございますが、いずれも前回の推進委員会で御報告したものと若干オーバーラップしておりますので、その後の進捗の部分を中心に、かいつまんで御説明申し上げたいと思います。
 まず2ページですが、これが当方の調査研究の全体像、将来展望を含めた見取り図でございます。大きくミクロ、メソ、マクロという三つの階層を意識しながら取組を進めておりますが、この中で特に青色で書いてあるところが、「科学技術イノベーション政策のための科学」の下で取り組んでいる事業でございます。
 まずその1番、ミクロレベルにつきましては、それぞれの研究のグラニュールといいますか、論文の単位でその動きを見ながら、いわゆるスター研究者を浮かび上がらせていったり、新興研究領域を見出していくというタイプの取組。代表的なものは、この事業の予算では直接ないのですけれども、サイエンスマップというものを作成しております。つい先日、最新の2010、2012のサイエンスマップを発表したところでございまして、これについてはかなり大きな反響、御関心を頂いているところでございます。ただこれはあくまでサイエンスの動きということですので、更にここに技術の動き、あるいは事業化に向けてのイノベーションフロントのようなものをどう模索して、リンクマイニングの手法を駆使しながら、これからの課題として取り組んでいくということになろうかと思います。
 2番目はメソレベルでありますが、これはいわば人と、研究の担い手である人、それから資金、成果のひも付けを目指すものでございまして、いわば前述のサイエンスマップにもオーバーレイしながら、見取り図を作っていくというタイプの仕事でございます。これに関連する事業として、博士人材のデータベースを構築したり、ファンディングに関わる機関を中心に、関係機関ネットワークによって、いわゆる成果のひも付けを行っていくという取組を今進めているところでございます。
 最後の3番目はマクロレベルの代表例として、現在5年に1回のいわゆる科学技術予測の取組を進めております。バックキャスティングを入れたシナリオワークショップを何回か実施した上で、今、第2段階のいわゆるデルファイ手法に基づく、科学技術の時間軸を入れた分野別の技術のロードマップを作る段階に進んでおります。これを総合しながら、最終的にはもう一度シナリオプランニングの横串を通して、次期科学技術基本計画の策定につなげていきたいと、こういった状況でございます。
 以下、個々の進捗のあった事項を中心に御報告申し上げますが、まず3ページのスライドは戦略マッピングの関連の仕事でございます。特に3ページの右端の真ん中の四角にございます「期待される将来の応用例」ということで、これがある意味で「科学技術イノベーション政策のための科学」の今後の方向性の手掛かりになるのではないかと思っております。一つは真ん中にありますサイエンスマップ等、時空間マップへの展開ということで、注目研究者、成果、あるいは対象となる大学・研究機関ごとにマップを作り、そこにプロットをしていくということも可能になってきております。
 さらにこれを地域レベルで見た場合には、地域イノベーションに関わる分析もこれからあり得るのではないかという示唆が得られているところでございます。
 これを生かす形で、戦略R&D領域の探索・策定プロセスに使うという仕事も、現在進行形で進んでおります。特に科政局に加えまして、文科省研究振興局の基礎研究振興課におきまして、毎年進めていますJSTの戦略創造事業の新たな戦略目標の策定プロセスに、このサイエンスマップ、あるいはそれをさらに専門家ネットワーク等により肉付けした形で領域課題探索に使えないかという、現在進行中のプロセスでございます。
 さらにこれはごく最近ですが、研究開発局環境エネルギー課の声掛けによりまして、文科・経産の合同によります来年度の新たな研究領域の策定のための会議でも、サイエンスマップ、あるいは関連する他の材料も重ね合わせた上で議論がなされ、かなり有力な示唆が得られるという御指摘を頂いたところでございます。あとは、注目研究領域のいわゆるキーパーソンの探索にも使えるのではないかということで、このあたり、今盛んに取組を進めるべく、対応をとっているところでございます。
 4ページのデータ・情報基盤ですが、これは前回御報告したものに加えまして、幾つか既に公開の段階に至ったものがございます。残っている項目につきましても、年度内には一応取組、整備を終える方向です。博士人材データベースにつきましては、継続的な取組ですので、引き続きやってまいりたいと思っておりますが、ほぼめどがついてきた状況でございます。
 今申し上げた博士人材データベースですけれども、5ページに全体像が出ておりまして、今年度から本格的な持続可能なシステムに移行するためのパイロット段階に移行したところです。続く6ページに今の状況を書いてございますが、左下を見ていただきますと、現在パイロット運用には12大学に御参加頂いておりまして、特にRU11、あるいは研究力強化事業の対象大学を中心に、博士データベースの構築に向け既に入力、あるいは試行が始まっているという状況でございます。具体的な大学名はここに書いてございますが、これとRU11の差分をとっていただきますと、今、これから是非御参加をいただきたいということでお話を進めておりますのが、一番の大手でございます東京大学、それから東北大学あるいは九州大学等とも、それぞれオブザーバー参加を頂いたり、協議を進めている状況でございます。特に東大につきましては、有信監事にも御指導、御意見を頂きながら、松本副学長や関係する学科長と協議を進めさせていただいている状況でございます。
 それから7ページ、関係機関ネットワークですが、これはいわゆるメソレベルの分析あるいは政策提言につなげていくプロセスとして、大変重要な意味を持つものでございます。参加機関はここに書いてございますが、今年度第1回の会合を7月に開催いたしました。今月下旬には第2回の会合を開催し、既に原案を今たたき台に載せておりますが、第5期科学技術基本計画の策定プロセスが今ちょうど進んでおりますので、これに対して特に先ほど御意見もございましたが、第5期基本計画の下でどういう取組が進んで、どういう成果が得られたかという、いわゆるエビデンスをしっかりビルトインしていくという意味でも、例えば、ファンディング情報を統一的に整備したり、標準化する、例えば謝辞コードを統一化するというようなことを何とか基本計画のプロセスの中に組み込んでいければ、文科省のみならず、いろいろな関係省庁、関係機関の取組の成果とのひも付けがぐっとしやすくなる、あるいはある意味でリアルタイムの成果のモニタリングができるのではないかということを考えているところでございます。今、文科省傘下の機関に加えて、NEDO、あるいは農研機構、NICTといった機関にも参加を頂き、議論を進めております。
 厚労省関係につきましては、NIBIOが昨年度末まで入っておりましたが、その後抜けております。これは、日本医療研究開発機構の発足をにらんだものでございまして、今後同機構が本格的に動き出す段階では、何らかの御参画、御関与を頂けるのではないかという期待の下に、今の動向を見ているところでございます。
 8ページのミクロデータを使った分析、これについては前回御報告したところと基本的には変わっておりませんので、詳しい説明は省略いたします。
 9ページはフォーサイトでございますが、これについては先ほど御紹介したように、デルファイの段階に今来ております。10月にはほぼまとまってまいりますので、特に今進んでいる文科省の総合政策特別委員会、あるいはこれから始まる内閣府における次期基本計画の検討に是非インプットをしていきたいと考えておりまして、特にシナリオプランニングのプロセスを重要視して、取り組んでいきたいと思っております。
 10ページに参りまして、前回からの大きな取組として、「政策のための科学」の事業全体の中間評価は来年度ということなんですが、我々のところは来年度の予算が白紙の状態でしたので、いち早く先んじて中間評価を進めさせていただいたところです。これについては机上に印刷した冊子をお配りしており、12ページ、13ページに書いてございますが、外部有識者8名に参画いただきまして、若杉座長を中心に3回の評価会合を開きまして、これまでの進捗と今後の見通しについて、いろいろ御指導、御評価あるいは御議論を頂いたところです。まだ中間まとめの段階ではありますが、10ページのスライドに戻っていただきまして、データ・情報基盤については、例えば公的研究機関のデータ整備については期待を上回る成果が見られるとか、科学技術予測、あるいは博士課程の追跡システムについては幾つか課題があるのでそれを改善するようにという御意見を頂いて、それを反映しつつあるところです。政策課題対応型については、ミクロデータによる分析にはそれぞれ、それなりに期待を上回る成果は見られるけれども、残りのテーマについては一部課題も指摘されたということでございます。
 あと、幾つか課題・要改善点も指摘をされておりますが、これについては既に幾つかフォローアップとして対応を進めておりまして、そのポイントを11ページに書いております。例えば関係機関との連携強化につきましては、関係機関ネットワークを強化したり、さらにプラットフォーム作りを進め、特にこれから重要になります、本日も御議論をいただいておりますGRIPSの新しく発足したセンターとの連携、さらには同センターとの人的、あるいは研究面での連携・協力というところかと思っておりまして、それをできれば次期科学技術基本計画の議論にもつなげていきたいということで取り組んでおります。
 さらにその下に記載のあるリサーチマインドある行政人材の育成協力・支援につきましても、GRIPSの方でも政策リエゾンという仕組みがございますので、これも睨みながら、我々はより文科省に近いところにおりますので、本省との相互の行き来も含めて、これは科学技術・学術政策局のみならず、研究振興局他とも連携を図っていきたい、あるいは各種の勉強会を通じて、政策プロセスにも生かしていければということを考えてございます。
 さらに一つ飛ばしまして、国際的な発信も強化せよという御指摘を頂いたところですが、これについては本年7月に金沢で開催されました経営工学分野の大きな国際会議「PICMET」でスペシャルセッションを開催し、何人かのスピーカーが発表をいたしました。アジアの国々を中心に、非常に御関心や協力の芽が出てきたと受け止めております。あとは個人のレベルですが、在京の各国科学参事官を対象にした説明会でプレゼンテーションの機会を頂いたり、あるいは各種の学会での発表等についても、それぞれ取組を進めているところでございます。こうした取組は今後も強化していきたいと思っております。
 評価パネルについては年内にもう一度会合を開催し、最終評価をまとめたいと思っておりまして、それについてはまた次の推進委員会等で御報告を申し上げたいと思います。以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。CRDS、RISTEX、NISTEPから現状をそれぞれ御報告いただきましたが、ちょっと時間が押しておりますが、御質問があれば。

【有信委員】 
 いいですか。CRDSでやられている構造化の話は非常に重要だと思うんですね。で、すごくよく議論してやっていただいていると思います。せっかくできたものにあれこれ後で言うのは簡単なんですけど、ちょっと希望としては、ここの中で構造化をやるときの一種の考え方として、一番最初に有本さんが言われたアナリシスとデザインという観点で知識側の構造化をもう少しきちんと整理していくと、この中にRISTEXのやっている公募型研究が入っていて、それでRISTEXの公募型研究の方は研究それぞれのマッピングがきちんと作られている。これもある意味ではこのマッピングとここのCRDSの構造化の部分がきれいに本当は連関しているんですね。ただ、ここの中で何となくプロセスの部分と知識の構造化の部分が一緒になってしまっている部分があるので、できればここのところを、後から言うのは簡単なんだけど、整理をしていただけると、もうちょっとそのRISTEXがやっていることなんかも含めて見やすくなるかなという気がしました。

【佐野フェロー】 
 ありがとうございます。こちらは今現在、構造化をしている中で、きょうの資料には出させていただいておりませんが、RISTEXのプログラムを少し並べてみて、関係性とかそういうことは少し議論を始めていることでございますので、その中でまた、頂いた御指摘を進めていきたいと思います。

【黒田主査】 
 よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。それではひとまずこの議論をこれで終了させていただきまして、もう一つ課題がございます。来年度がこの事業の中間評価の時期を迎えておりますので、その方針が1点。それから27年度の概算要求の状況についてというのが第2点目。3点目は第5期の科学技術基本計画の進捗の状況につきまして、文科省の方から御説明を頂きたいと思います。

【坂下室長】 
 以上の3点につきまして、文部科学省の方から御説明をさせていただきます。報告事項として3点でございます。まず資料2-1を御覧いただければと思います。科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業の中間評価の方針(案)でございます。まず評価の目的でございますけれども、本事業は平成23年度に開始されまして、平成27年度で事業開始から5年目となっております。全体の支援期間は最長15年ということにさせていただいておりますけれども、ここで1回目の中間評価を行いたいと考えております。
 この評価プロセスを通じて、本事業のこれまでの成果と課題と明らかにし、今後の改善につなげていきたいということを目的にしております。
 評価の基本方針でございます。この基本方針につきましては、資料1-1の「基本的な考え方2014」に書かれている内容の再掲をさせていただいております。まず文部科学省科学技術・学術政策局に外部有識者から成る評価委員会を設置し、事業全体の評価を実施いたします。評価に当たっては、客観性及び中立性を保ち、個別プログラムの評価と有機的連携を図った事業全体の評価となるよう留意する。なお個別プログラムについては基本的に各プログラムの管理主体で評価の仕組みを検討するとともに、管理主体の位置付けや各プログラムの特性に応じた評価を実施するものとするということでございます。
 スケジュールでございますが、平成27年、来年の1月以降に科学技術・学術政策局に設置した外部有識者委員会を開催したいと考えております。来年度、おおむね4回程度開催いたしまして、7月目途に中間取りまとめ、年末まで11月目途に最終取りまとめということを考えております。この間に国際的な評価、レビューを実施することも現在検討中でございます。まだこれは案の段階でございますけれども、御報告でございます。
 2点目は概算要求の状況でございます。資料2-2と2-3を御覧いただければと思います。資料2-2は文部科学省関係概算要求のポイントのうち、科学技術予算の部分の抜粋でございます。平成26年度予算額9,713億円に対しまして、平成27年度要求・要望額1兆1,467億円、この要求・要望額には新しい日本のための優先課題推進枠2,578億円が含まれております。大きな柱としては、「日本再興戦略」及び「科学技術イノベーション総合戦略」における重点事項、世界で勝てる研究力・人材力の強化と研究開発インフラの整備・活用、国家安全保障・基幹技術の強化などが立っております。
 こうした全体の中で、本「政策のための科学」推進事業につきまして、資料2-3でございます。平成26年度予算額7億5,000万円に対しまして、平成27年度要求・要望額7億7,800万円の概算要求をいたしております。このうち優先課題推進枠要望額が1億2,100万円となっております。
 具体的な内容でございますが、下に水色で大きな三つの箱がございます。26年度からの一番大きな変更点といたしましては、NISTEP、一番下の箱でございますが、その下に米印が書いてございますけれども、政策課題対応型調査研究というものが26年度まではございましたけれども、本年度から科学技術イノベーション政策研究センターを中心とする中核的拠点機能の整備ということが実現いたしましたので、この政策課題対応型研究につきましては、こちらの中核的拠点の方で引き継いでいくといったような形をとって、NISTEPの事業としましてはデータ・情報基盤の構築というところに集約をいたしております。
 一方、基盤的研究・人材育成拠点につきましては、本委員会冒頭でも御審議いただきました、中核的拠点機能の整備、それから大学院を中核とした国際水準の拠点の構築、拠点間共同プログラムの開発及び展開、これにつきましては平成26年度と同額の概算要求をいたしております。
 さらに三つ目のぽつにございます、新たな拠点の整備による中核的拠点機能の強化ということで、この部分に優先課題推進枠の1億2,100万円の要望額を充てているところでございます。以上が概算要求の説明でございます。
 引き続きまして、資料2-4、科学技術・学術審議会における委員会の設置についてという資料でございます。第5期の科学技術基本計画に向けた文部科学省科学技術・学術審議会における検討の場として設置されました総合政策特別委員会の設置規定が最初の2枚でございます。めくっていただきまして、資料の3ページでございます。総合科学技術・イノベーション会議、CSTIにおきまして、今後第5期の科学技術基本計画に向けた検討が本格化する予定でございます。この次期計画に関して、CSTIにおける議論等に資するよう、文部科学省として総合政策特別委員会で先行的に検討を始めまして、年内を目途に中間取りまとめを行うということにしております。
 具体的には4ページでございますけれども、総合政策特別委員会のスケジュールが記載されております。現在第3回目の9月10日までが終了しておりまして、第3回は人材について扱われております。この後、第4回、第5回、第6回で個別論点の議論が扱われまして、第7回、第8回で中間取りまとめが成される予定です。
 個別論点の中で第5回の中に、科学技術に対する社会からの信頼獲得、政策の実現性確保というテーマが挙がっております。「政策のための科学」につきましては、この10月30日の個別論点の議題の中で取り扱っていきたいと考えております。
 その後は参考資料でございますけれども、最後7ページ目のところ、もう改めて申し上げるまでもないことですけれども、第4期基本計画において、「政策のための科学」が記載されている箇所を抜粋しております。第5期の基本計画、最終的には総合科学技術・イノベーション会議の方で検討されるわけですけれども、この記載をさらに深化させたものを盛り込んでいくということを考えております。以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明の3点について、何か御質問なりコメントございますでしょうか。一つだけ私の方から確認ですが、先ほど議論の出た、各人材育成拠点における基盤的研究への配慮というのはどういう形でなされていると考えていいですか。

【坂下室長】 
 先ほど相澤先生の方からも御指摘があった点でございますけれども、一つは現在の中核的拠点機能の強化というところの中で考えていく必要があるんだろうと思っております。もう一つの点としましては、これまでの拠点間共同プログラムの活動を活性化していくという2点で取り組んでいきたいと考えております。

【黒田主査】 
 それは予算も一応何らかの形で考えられているということですか。

【坂下室長】 
 はい。予算につきましては、基本的には中核的拠点機能の整備と人材育成のプログラムに関する経費につきましては、26年度と今、同額の概算要求、全体が非常に厳しい削減の中で同額の概算要求をさせていただいております。そこに加えまして、新たな拠点を整備するということで、1億2,000万円の要望を出しております。この新たな拠点の整備ということにつきまして、その具体的な内容については今後調整をしてまいりたいと思っております。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますか。ほかに何か御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは本日の議論、大体以上でございますが、事務局の方から、今後のスケジュールのことについて御説明いただきたいと思います。

【坂下室長】 
 次回の推進委員会の日程につきましては、後日改めて調整させていただきたいと思います。以上です。

【有本教授】 
 この中間評価をやるときの評価の基準というか、視点です。ここには客観性と中立性云々というのがあるんだけれども、これはサイエンティフィックメリットだけじゃなくて、社会とか政治とか行政に対するインパクト、これ非常に計りにくいんですが、そこら辺はしっかり考えた上でスタートするということが大事なんじゃないかと思います。えてして、こういう評価委員会は必ず論文が何本出たとかいうことが中心となる。このプログラムはそれは違う。

【黒田主査】 
 私見ですけど、この推進委員会自身も評価の対象に多分なると思うんですね。そういう意味では推進委員会での議論そのものをきちんと評価していただく、またやっぱりおっしゃるように、何か論文が出たってそれで評価するのではなく、この全体の意図をきちんと分かった方に評価していただくというのが一番重要だと思います。ほかに何かございますか。土屋さん、何かございますか。せっかくおいでなので。

【土屋審議官】 
 先生方、いつもお忙しい中、時間をとっていただきまして、またSciREXの推進につきまして、協力的に進めていただきまして、ありがとうございました。今、ちょうど有本委員の方から御指摘がありました、このSciREXの評価をどうするかというのは、これ非常に難しいわけですが、極めて重要で、どう評価して、どう社会に発信するかというところは、一つ勝負どころじゃないかなと思っております。
 特にSciREXの意義自身が、これスタートして、まだ三、四年ぐらいになりますかね、この4年間でも大分変わってきたと思うんですね。で、最初のうちは投資効果的な比較的プリミティブな問題意識からスタートしてきて、だんだん研究目標設定であるとか、研究とか技術開発、あるいはイノベーションまで広げていくと、社会システムをどう変えていくかという着眼点というか、そういうところまで来たと思います。そういう設定というのは非常に難しくなってきて、総合的な考え方をしないといけないと思いますので、評価される側があまり、こう評価してくれというのも妙な話にはなるんですが、これ評価できる人、恐らくそんなにいないというかですね。ここは、ですからどう評価されるかということを一度御議論いただいてもいいのかなと今思いました。以上です。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。ほかに文科省の方から何かございますか。よろしゅうございますか。それでは、15回の委員会を閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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-- 登録:平成26年12月 --