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科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会(第8回) 議事録

1.日時

平成24年2月6日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省15F科学技術・学術政策局会議室1

住所:東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 基盤的研究・人材育成拠点の運営について(※非公開)
  2. 基盤的研究・人材育成拠点整備事業の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

相澤委員、有信委員、有本委員、黒田主査、桑原委員、小林委員、森田委員

文部科学省

田中 総括審議官、土屋 科学技術・学術政策局長、阿蘇 科学技術・学術政策局計画官、山下 科学技術・学術政策局政策科学推進室長

5.議事録

<公開議事のみ>

【黒田主査】 
 それでは、引き続きまして推進委員会を、今度は公開の場として開催をさせていただきたいと思います。
 最初に、事務局から資料について、簡単に御説明をいただきたいと思います。

【山下政策科学推進室長】 
 それでは、お手元に改めて配付させていただきました資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第と、その後に資料がございますが、資料につきましては、資料1から資料9まで、お配りさせていただいてございます。あと、それに加えまして、参考資料が、全部で3点ではございますが、参考資料1と2ということでございます。後ほど御説明等々申し上げますので、その場で結構でございますけれども、配付資料に御不足ございましたら、事務局のほうにお知らせいただければと思います。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますか。
 それでは、最初に、資料1から4、それから参考資料1から2につきまして、事務局のほうから簡単に御説明をいただきます。

【山下政策科学推進室長】 
 それでは、資料に基づきまして、まずは拠点整備の進め方の議事につきまして、御説明申し上げます。
 まず、お手元、順番でございます、資料番号1としてございます。本推進委員会の設置でございますが、これまで公開の規定があまりきちんと整備されていなかったものでございますので、この会議、原則公開といたしますということをきちんと書かせていただいてございます。政府全体の中で若干、審議会あるいはいろんな会議の公開の規定の部分、新聞報道でもいろいろございますけれども、実態のところ、非公開のもの以外は全て、この会議は資料の公開もしてございますし、議事録についても、先生の御了解をいただいて、公開は既にしてございますが、規定を設けさせていただくというものが、資料1でございます。
 続きまして、資料2-1でございます。昨年来より御審議いただきました基盤的研究・人材育成拠点の公募に対する審査、あるいはその選定に当たりまして、御審議いただいた際に、拠点構成大学の全体構造やコミュニティ形成に当たって、様々な御意見を賜りましたので、外に対して、審査の際に出た意見を整理しまして紙にまとめましたのが、この資料2-1になってございます。3ページにわたる資料でございますが、1ぽつ目につきましては、「政策のための科学」の目指すべき姿ということで、事業全体に共通する目指すべき姿として、昨年5月にまとめていただいている基本構想などでもきちんと書いていただいてございますが、基盤的研究・人材育成拠点のプログラムにおきましても、この全体像をきちんと照らして立ち位置を考えて進めていくべきという御意見がございましたので、1ページ目から2ページ目にかけまして、「政策のための科学」を推進していく上での方針というものをきちんと書かせていただいていると、そういったものでございます。
 1ページおめくりいただきまして2ページでございますけれども、基盤的研究・人材育成拠点がどのような役割を果たすのかと。今回は、この拠点、2種類ございますので、それぞれの拠点がどのような役割を果たすのかということを端的に整理させていただいたものです。この2ページ目の中段からでございます。まず、四つの共通項があるのかなということでこのような整理にさせていただいてございますが、2ぽつの2行目からでございます。まる1からまる4まで、「政策のための科学」の深化でございますとか、「政策のための科学」により産出される成果の共有でございますとか、「政策のための科学」のコミュニティ形成でございますとか、あるいは人材育成を進めるプログラムを実施すると、こういったことが拠点に共通して求められる役割という整理かと思ってございますが、特に、総合拠点、領域開拓拠点につきましては、総合拠点は、事業全体の主導的な役割、あるいは領域開拓拠点の牽引、取りまとめ機関としての総合調整ということをきちんと書かせていただいて、領域開拓拠点につきましては、それぞれ強みを持つ専門領域の専門性・独自性を生かしながら、「政策のための科学」をきちんと支えると。あるいは、科学であるとか、社会であるとか、科学技術イノベーション政策も踏まえた部分をつないでいく人材を育てると、そういった整理。これは募集する際にもお示ししているものではございますけれども、改めてきちんと整理させていただいているというものでございます。
 3ページ目でございますが、人材育成拠点自体がもちろんコミュニティをつくっていく一つの礎になるとは思いますけれども、それに加えまして、「政策のための科学」に関心を有する大学や関係機関にも幅広い御知見あるいは取組があるということは承知してございます。したがいまして、3ぽつの2パラでございますが、関心を有する大学や関係機関と協働で取り組むべきアジェンダをきちんと設定したり、あるいはそれらの機関の参画や協力を促す別途の仕組みにつきましても、拠点構成大学の意向や取組も踏まえながら、この推進委員会において御検討いただきたいというふうにまとめてございます。
 この資料2-1につきましてはちょっと字面がわかりづらいものもございますので、資料2-2のほうに少し全体の概要を、これも文字数が多くて読みづらくて恐縮でございますけれども、ポンチ絵の形でまとめさせていただいてございます。特に1ページ目は、これ1枚で全体像がわかるようにというものでございまして、2ページ目から5ページ目までは、先ほど御説明申し上げました文章の部分をポンチ絵に落とし込んでいるというものでございます。
 続きまして、資料3でございます。資料3につきましては、これも設置をすることは決まってございましたが、拠点の方々に集まっていただいて今後の進め方について御議論いただくというもので、基盤的研究・人材育成拠点整備のための分科会の設置についての案でございます。
 具体的な検討事項につきましては2ぽつ目に三つほど検討項目を記載させていただいてございますが、実際ここは各大学の個別の利害に絡む取組も御審議いただくということで、もちろん、推進委員会ですとか、政策のためのプログラムに主体的にかかわっていただく方には御審議に御参加いただくのですが、非公開という形で進めさせていただいて、まとまったものをきちんと推進委員会の場を通じて公開させていただくというふうに整理をさせていただいている案でございます。
 あと、資料4でございます。資料4につきましては、これまでの審議でたくさん御意見を賜ってございましたが、この基盤的研究・人材育成拠点の事業は15年にわたる長期の支援ということでございますので、その大まかな進め方も含めて現時点で整理できるものというものを整理したものでございます。最初の枠囲い、これは今まさに進めつつありますが、24年度以降の進め方の中の三つ目でございますけれども、再来年度末までにきちんと評価のために必要となる評価方法や基準などをこの推進委員会に諮った上で定めたいと、このように思ってございます。また、評価自体は、この推進委員会という場、あるいは第三者的な評価の場は5年ごとにということで整理させていただいてございますが、各大学それぞれ、みずから自己点検をはじめとした評価をやるということが構想の中でも書いてございますので、第三者的な評価につきましては、重複を排除しながら、あるいは、客観的な評価という視点で言うと、外国人評価者の活用可能性ということも今後考えていきたいというふうに考えてございまして、そういうことを書いてございます。
 実際、5年ごとの評価を中間評価で2度やりまして、最終的な事後評価につきましては、次のページになりますが、事業終了の平成37年度ということになろうかというふうに思ってございます。
 あと、参考資料でございます。既にこれはプレス発表させていただいてございますが、基盤的研究・人材育成拠点に選定された大学の取組というものを、1月17日に参考資料1-1の形でプレス発表させていただいてございます。
 また、参考資料1-2でございますが、これを選定するに当たっての推進委員会、これは全て非公開の議事でございましたが、いつどのような審議をなされたかということを簡単に整理しております。
 参考資料2でございますが、これも今はまだ国会の審議という段階でございますが、平成24年度の「政策のための科学」の事業全体の予算の状況でございます。昨年度の予算に比べまして2億7,000万増程度、事業全体としましては10億7,700万円という形になってございます。
 資料の説明につきましては、以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。
 一つだけ、ただいま御説明いただいた幾つかの資料の中で、この前に開かれました推進委員会のほうで、文言の使い方についてもう少し整理をしたほうがいいんじゃないかという御指摘も幾つかいただきましたので、その点に関しましては、議論を踏まえて若干修正をさせていただいて、後ほどもう一度改めさせていただくということで、よろしゅうございますか。
 では、そういうことでやらせていただきます。
 基本的考え方、最初の資料2-1ですけれども、趣旨は、これから進める整備事業の全体像をきちっと、推進委員会の意図を拠点の大学等々に伝えるということが1点。それからもう一つは、拠点の大学、総合拠点1校、領域拠点4校、今回選ばせていただきましたけれども、このプログラム自身は、それ以外の大学、そしてそれ以外にこのプログラムに関心のある方にも大いに加わっていただきたいという御趣旨が推進委員会の中でありまして、そういうことも踏まえてこれから展開していくということをもう一度徹底させていただくというのがこの基本的な考え方の趣旨でございますので、御理解いただきたいと思います。
 それでは、何か御意見ありましたら、どなたからでもどうぞ。
 よろしゅうございますか。これから大分長丁場になりますので、いろいろ議論をしていく中でまた変わっていくこともあろうかと思いますが、現状は、これでよろしゅうございますね。それでは、先ほど一度御議論いただいたことも含めて、修正を施した上で委員の先生方にもう一度回覧をさせていただいて、文科省のホームページに本日の資料は掲載させていただくということにしたいと思います。
 それでは、次に、「政策のための科学」の推進事業に対する民間企業の受けとめにつきまして、文科省のほうで複数の民間企業からヒアリングをしていただきました。それを若干まとめていただきましたので、御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【山下政策科学推進室長】 
 お手元に資料5を置いていただければと思ってございます。表裏になってございますけれども、「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」に対する民間企業の関心や期待」と書いている資料でございます。
 こちらにつきましては、先ほど主査よりも御紹介賜りましたとおり、昨年度11月~12月にかけまして、文部科学省におきまして、複数の民間企業に御協力をいただきまして、「政策のための科学」全般のお話ですとか、あるいは基盤的研究・人材育成拠点の進め方に関しての関心ですとか印象といったものを聞き出すための、非公式な意見交換を行った次第でございます。具体的には、シンクタンクに該当する会社から2社、大手の製造業に類する会社から6社、ここは、経営の部門の方とか、技術戦略を御担当される部門の方ですとか、あるいは、企画の部門ですとか、渉外関係の部門とか、いろんな方々がいらっしゃいましたので、網羅的にということではないですけれども、そういった企業からの示された意見というものをまとめたものでございます。少し御紹介申し上げたいと思います。
 1ページ目の1ぽつの「政策のための科学」全般に関することの部分でございますと、最初の●に書いてございますとおり、これは印象論ということでございましたが、政策という切り口が、どうしても行政だけの取組というふうに、見た瞬間、あるいは聞いた瞬間に感じたという御意見はございました。あるいは、その下の●でございますけれども、MOTがこれに近い取組なのかなあという御意見が幾つかございましたが、そういう取組との差別化を工夫してはどうかということで、特に、これをいただいた方は、MOTに対して少し否定的な御意見というか、印象をお持ちだったというところもございますが、人材育成だけが先行しがちなので、きちんと研究の取組も同時にやっていく必要があるのではないかといった点でございますとか、輩出される人材がMOTではなかなか、役に立っているケースもあるとはもちろん聞いてございますが、この方は、企業で役に立たないので、会社が独自のMOTの講座をつくるようなケースもあるのではないかと。あるいは、三つ目でございますけれども、大学にはなかなか企業の技術経営の実務のノウハウをお持ちであるということではないので、教員の方はなかなかそういう方がいらっしゃらないのではないかということを、一つの意見ですが、おっしゃっていたというものでございます。
 2ぽつ目でございます。「政策のための科学」で育成される人材像についてもいろんな御意見を賜りまして、一番多かった御意見が一番上でございます。イノベーションを起こせる人材、いろんな切り口でおっしゃっていらっしゃる方がおられましたけれども、実際に社会科学と理系をつなぐ、あるいはコアな専門領域を持ちつつも周辺に目配せができるといった、どちらかというと利害関係をつなぐような人材、あるいは、きちんとそれを活用してイノベーションに持っていける人材というものをこういう「政策のための科学」からも輩出いただければ、非常に我々としても期待が高いと、そういった御意見でございました。特徴的な意見の中には、下から三つ目の●でございますけれども、大学で育成される人材は、完成されたものである必要はないと。あまり狭いと、逆に民間企業の中でつぶしがきかない可能性もあると。これは民間企業だけではないですけれども、そういった御意見もございました。あるいは、一番下でございますけれども、情報サービス産業で求められる人材については、業務変革ですとか、ビジネスの標準化ですとか、ある意味、取組全体の広い視野、あるいは、分析力、実践力といった能力が必要で、この事業で目指す人材像と重なりが多いのかなあというふうにおっしゃっていただける御意見もございました。
 次、裏のページをごらんいただければと思います。次のページは、ちょうど審査のタイミングでもございましたので、基盤的研究・人材育成拠点、大学における取組について、特に幾つかの御意見を整理したものでございます。
 まず、人材育成プログラムにつきましては、実際、大学の中で取り組まれるものでございますけれども、二つ目の●にございますとおり、座学というよりも、刺激的な議論ができる機会ですとか、人脈づくりの機会ですとか、政策形成の現場に関与できるといった、実践的な機会というものを期待したいと、そういう御意見がございましたし、あるいは、その一つ下でございますけれども、企業の仕事に近い個別のテーマを設定し、それを解決するために皆で議論・検討できるような機会が御提供いただけるのであれば、企業としても非常に関心が高いと、そういった御意見もございました。
 あるいは、ここから下はかなりぎちぎちしたお話になってきますが、人材育成拠点に各企業から派遣する可能性みたいなのがどの程度あるのか、あるいは派遣するのであればどういう条件かということについてもノンコミッタルな意見交換をさせていただきましたが、一つ目の●にございますとおり、いきなり若い社員というよりも、現場や実務の経験を積んだ中堅というものが期待されるのではないかと。ただ、二つ目の●、三つ目の●、共通する部分でございますけれども、大学への通学というのは、会社負担というのは非常に厳しいかなという御意見が、どちらかというと多かったという印象でございます。あるいは、その下にシンクタンクの御意見ということで書いてございますが、社員が会社の抱える課題を大学に持ち込んで、大学の先生と一緒になって問題解決を検討して、それをシンクタンクがパートナーとしてサポートするような仕組みで御協力できるというようなやり方があるのではないか。あるいは逆に、拠点に在籍する学生のインターンシップ先としてシンクタンクを御活用いただくということもあり得るのではないかと、こういった御意見もございました。
 最後の整理の人材育成拠点で輩出される人材の企業における採用可能性についても、これもノンコミッタルでございますが、御意見を聞いてまいりました。最初の●にございますとおり、「政策のための科学」を学んできたと言われると、企業としてはキャリアパスの選択肢が狭まってしまうかなと。これは多分、先ほどの印象論と同じかもしれません。中身というよりも、そういう印象だということでございましたけれども、他方、二つ目の●にございますとおり、人材育成拠点で養成されるベーシックな能力といいますのは、各自の能力を高めていくまさに基盤であるというイメージなので、シンクタンクは非常に採用可能性があるのではないかという前向きな御意見でございますとか、あるいは、地方ではより地域の政策と企業との関係が密接なので、こういった人材が活躍できる、あるいは採用可能性というのがあるのではないかなと、こういった御意見でございました。
 これにつきましては、何か終着点を求めるためにやったものではございませんし、あくまでもノンコミッタルなものではございますが、一つの参考にはなるかと思いましたので、御報告させていただきました。
 以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。
 この事業の推進については、企業、ビジネスとのかかわり合いが非常に重要だという御指摘をしばしばいただいているわけですが、事務局のほうは、24年度の委託調査でもってより深掘りした調査をやる準備も進められているということでございますので、その構想、将来の調査の内容を含めて、何か御意見がございましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【森田委員】 
 私の印象ですけれども、大学側で「政策のための科学」、人材育成の研究で考えていることと、また、こちらにも書かれていますが、政府の側で政策の質を実質的に高めるためにはどうするか、そこで求められている人材とか知識というものと、企業が期待しているものとの間で微妙なずれがあるのかなという気がいたしまして、これは気をつけませんと、どこかだけに焦点が絞られ過ぎますと、ほかのところは失望される可能性があるんじゃないか。その意味でのすり合わせというのも重要ではないかなという気がしました。今まではどちらかといいますと政府側と大学側の話が中心だったんですけれども、企業の側がこういうふうに思っていらっしゃるというのはある意味で非常に貴重な情報だと思いますし、特にMOTで輩出される人材が役に立たないというのは、なぜそうなのかというのは、大学側も含めてよく……。

【有信委員】 
 これはかなり極端な意見だと思いますけど。

【黒田主査】 
 どうぞ。

【土屋科学技術・学術政策局長】 
 土屋です。おくれて参りまして、すみません。
 今、森田先生がおっしゃられた点ですが、我々、これを始めるときに、今でもそうなんですが、人材育成の対象者は、企業とか、役所とか、研究所とか、一つに固定して一生涯その道を歩く必要がないので、キャリアパス的にあちこち行けばいいんだろうとは思っています。それにしても、企業人にも役に立つはずだろうという前提でスタートしてきましたが、こうやっていろいろ聞いていますと、ひょっとしたら二兎追って中途半端なことになりかねない可能性もあるわけですし、ひょっとしたらMOTが先行事例的に何となくどっちへ軸足を置いてやっているのかわからない状態になって、こんな指摘もあるのかなというふうに思うんですが、そのあたりはどうなんでしょうか。二兎追っているようだったら、ターゲットをシャープに絞ったほうが結局、人材育成でも役に立つ人材になるでしょうし、調査研究にしても役に立つ調査研究になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、先生方に御議論というかコメントいただければと思います。

【黒田主査】 
 いかがでしょう。

【有信委員】 
 企業サイドに長くいた立場からすると、MOTはある意味で具体的なイメージがあって、研究開発の方向づけをどうやるかということで、こういうふうに役に立たないという評価もあるし、実際に企業から人を送っているケースもあるし、あるいはみずから自腹を払って行っているケースもあって、本当にだめなところはつぶれているし、ちゃんと生き残っているところはそれなりに動いているので、この意見は相当思い入れのある意見だと思います。「政策のための科学」というふうに企業が問われたら、まずは企業と何の関係があるかということになります。「政策のための科学」をやる側の立場から立つと、具体的な政策というのは産業の在り方だとか企業の動きと無関係ではあり得ないので、したがって、企業サイドの動向も含めたエビデンスをきちんと見る、あるいは政策の中で産業政策も含めて考えなきゃいけないという点では民間企業の意見を聞く意味はあるんだけれど、民間企業の人材育成にとって「政策のための科学」的な人材がどう役に立つかというふうに問われたら、ここにあるような答えしかないんですよね。だから、逆に言うと、企業の側にとって、論理的に考えてこういう人材が役に立つかと言われれば、質的に言えば、ちゃんと育てば役に立つんですよ。要するに、企業の中で具体的なことをやっていく上で、エビデンスベースで判断をしながら手を打っていく、その中で合意形成をどうやっていくかというようなことも含めて、そういうスキルが身についた人たちが役に立たないわけはないので、非常に抽象的なところでしか考えられないわけですね。だから、結果的に言うと、例えばビジネススクールとダブったような答えになっていたり、MOTとダブったような答えになっていたりということになる。MOTのときもMOTの専門家を出してもらっても企業は採用ないだろうという話をさんざんしてきたんだけど、これもその類いなんですね。例えば「政策のための科学」の専門家ですと言われて、企業が新人として採用するかというと、多分採用しないですよね。ただ、ある面で必要に応じてそこに企業から人を派遣するというケースはあり得るんだけど。
 もう一つは、日本の状況は随分違っていて、例えばアメリカなんかだと、シンクタンクの中に政策担当の人というのがものすごくいるわけですね。そこの人たちは実際にそれぞれの分野、例えば教育政策なら教育政策の専門家が例えば200人とか、そういう規模でいたりするわけです。だから、そういう状況と日本の中の状況は明らかに違っていて、日本の場合は、アメリカで民間のシンクタンクが支えているような役割を支えているのは、ごく一部のシンクタンクと、あと大部分は中央省庁なんです。その辺の差を見て在り方を考えないといけない。企業の在り方を知るという視点は必要なんだけど、企業で役立つ人間をそこで育てるという視点は、さっきおっしゃったように、そこまで入れちゃうと二兎を追うことになってしまって難しいかなという気がします。

【黒田主査】 
 ほか、いかがでしょうか。どうぞ、相澤先生。

【相澤委員】 
 この調査は企業を中心に調査したんですが、今、土屋局長が言われたことにかかわることでは、行政サイドが本当にこのニーズを認識しているのかどうか、むしろそのことを調査したほうがいいのではないかという気がいたします。といいますのは、この検討が始まったときに私が冒頭に言いましたように、なぜ文部科学省がこれをやるのか。今までの議論は全部、文部科学省ベースの中での人材の要求であるという気がしてなりません。ですから、むしろ行政だけとってもこれが本当に必要としている人材なのかどうか、ここはやはりきちっとしておかなければいけないのではないか。これは、中央だけではなく、自治体その他、あるいはその周辺ですね。この辺のところはむしろ、骨格の調査としてきちっとしておいたほうがよろしいのではないかなというふうに感じます。

【有本委員】 
 この推進委員会の最初のときにそういう議論があって、文部科学省がトリガーを引くのはいいんだけれども、将来はオールジャパンのプログラムにしていく、霞が関の行政も、地域も含めてですね。私は、せっかく調査をやるんだったら、NPOとか、ファンディングをやっているトヨタ財団か何かも含めて、ちょっと広げた形で今後の調査もやっていただきたいと思います。
 以上です。

【黒田主査】 
 どうぞ。

【土屋科学技術・学術政策局長】 
 最近、直接担当してなかったから、今動いていることと最初に考えたことがずれているかもしれませんが、オールジャパンであることも確かですし、きょうのタイトルも「科学技術イノベーション政策のための」云々と書いていますが、本当は、目指しているところは「政策のための科学」であって、科学技術イノベーションはワン・オブ・ゼムというふうな認識でスタートをしていると思っています。
 それから、なぜ文部科学省かというのは、文部科学省だからどうしても必要だというニーズが実はありまして、例えば、いろんな基礎研究を行うときに、基礎研究がどう世の中の役に立つのかみたいな簡単な議論がありますが、それは今まで先生もいろんなところで苦労して御説明されていると思うんですけれども、そういうところへ、新たな説得のためのツールというか、科学としてそういう必要性があるんじゃないかというようなのがあって、具体的な形にしているんですね。ですから、政府の中でも事業主管官庁だともう少し簡単にいろんなことが説明できるのが、我々、基礎研究を担当している文部科学省であるがゆえに、科学技術であるがゆえに、なかなか難しいところがあって、その辺の問題意識がだんだん絞られてきたというのが経緯です。

【相澤委員】 
 それは十分わかっているんですが、それでも当初ねらっていたことがだんだん特化されてきているので、ですから、それを当初の非常に広い考え方で進めていく、その第一ステップだという位置付けを忘れないように進めるべきだという趣旨です。そのときに、行政サイドだけをとっても、文部科学省のテリトリーの今必要とされているというところについてはニーズが明確かもしれないけれども、しかし、周辺を考えたときには、果たしてここで育成しようとしている人材が求められるのか、必要とされるのかどうか、ここはもう少し客観的に調査をしておく必要があるのではないかと、そういう意味です。

【黒田主査】 
 ほかによろしいですか。

【森田委員】 
 今、二兎追うならば絞ったほうがいいのではないかというお話もあったんですけれども、私自身は、関連しているから二兎でも三兎でもいいんじゃないかと。ただし、ばらばらになるのではなくて、先ほどからも議論が出ていますけど、何がそのコアになるのか、何を目指しているかということが共通で認識できれば、それでいいと思うんですね。
 一例を申し上げますと、今、日本の場合には新しいお薬を開発する創薬というのがかなり課題になっていますけれども、日本のメーカーがだんだん日本から撤退しています。これはいろんな原因があって、難しいというのと、コストがかかるとか、マーケットが小さくなるというのもあるんですけど、もう一つは社会的な制度の問題があるわけですね。企業がどうやって新薬開発に対して投資するかというときに、治験制度であるとか、新薬の薬事承認の制度、さらに言えば保険申請の仕組みとか、そういうことを全部考慮して決まってくるわけです。したがって、そもそも基礎技術でどういうふうに開発が結びつくかということの研究も重要ですけれども、それがビジネスに結びつくために、これはMOTのレベルだと思うんですが、どうやっていくかという戦略もありますけど、それを規定しているのはやはり国の制度の要因ですから、トータルに見て何をどう変えていけば一番いい結果が出るのか。それは、メーカーがもうかるために制度をつくっているわけではなくて、いいお薬を開発して国民の健康をよくするためということですから、それを全体として見ながら、どこにボトルネックがあって、どこが戦略ポイントなのか把握できる人材は、企業も必要だと思いますし、行政はもちろん必要だと思います。それが今まで何となく狭い範囲の、勘といいましょうか、経験則だけで行われていた。そこをもうちょっと科学的にして、エビデンスに基づいてその全体像を説明し、そこから戦略を考えられるようにしようというのがここのイメージではないかなと思いますので、そういう意味で言いますと、二兎でも三兎でもいいんじゃないかと。

【有信委員】 
 それはそのとおりなんだけど、例えば今の例だと、企業はそのことを十分わかっていて、さんざんそういう主張をしているんだけど何も変わらないというような現実がある中で、そこにそういう人間をさらに送り込むと言われても、多分、企業はそんなにウエルカムな感情にはならないんですね。今の森田先生の話を否定するつもりは全くないんだけど、今、我々が一番感じているのは、むしろ行政当局の、例えば規制官庁と産業育成官庁との違いといいますか、そういうところは全然見直されてないので、規制官庁側には産業育成という観点が全くなくて、要は、規制だけをがっちりやって、国民に対してそれできちんと責任を果たすと、こういうスタンスでいるものだから、延々と主張しても全く話がかみ合ってないという、ここの議論ではないんだけど、そういうところが現実にあるわけですよ。もちろん、今、森田先生が言われたことを否定するつもりは全くなくて、そういうことをもっとシャープに指摘するような人材が例えば製薬業界等々にいれば、もうちょっと本当の意味での行政側との議論が成り立つのかもしれないんだけど、そこの部分はもちろんちゃんと留保しますが、我々は今、逆に言うとかなり絶望感にさいなまれているというのが現状ですね。

【森田委員】 
 否定されたわけではないので反論するというのも変なんですが、おっしゃるとおりなんですけど、私がかかわった範囲で言いますと、やはり企業サイドの人は、行政の視点に立って政策とか制度を考えるということはあまりなさらないと思うんですね。だから、こういうトレーニングを受けた人がそういう視点に立って物を同時に考えられるようになるということが、すごく重要ではないかと思うんです。だから、規制官庁は規制はけしからんで、推進官庁だけ頑張ってくれというようなことを、企業の観点から要望だけ出されても、これはやっぱり問題の解決にならないわけですね。むしろ今の傾向は、推進部分と規制部分とを明確に分けて、規制のほうは強力に規制に徹しろというのが昨年3月11日以降の経験で言われているところですね。それを、国全体として在り方を考えて、どういう仕組みがいいのかということを理解して企業の立場というものを考えるという人材だったら、矛盾はしないんじゃないかな。

【有信委員】 
 かなり本質的なところの議論になっているんだけど、それはそれでいいと思います。そういう部分は成り立つのだろうと思います。

【有本委員】 
 5年かけてこの分野でPhDを取る人だけじゃなくて、土日に行って、あるいは夜間に勉強したいというようなニーズはいっぱいあると思うのです。こういう拠点だけじゃなくて、拠点間を結ぶスチューデントシップとかインターンシップとか、そういうものをいろいろ取りまぜて人の流動をよくする設計にしてほしい。

【黒田主査】 
 どうぞ。

【相澤委員】 
 今まで議論をしてきた中で、国際機関がこういう人材を必要としているだろう。そのために、人材育成の視点として、国際的に活躍できるようなプログラムというものが必要であるということが出てきている。ですから、こういうような調査をするときにも、その視点で見ておくということも重要ではないかと思います。きょうは行政サイドのところだけが取り上げられました。行政サイドに偏り過ぎているのではないかということで議論が始まったわけなので、それは必ずしも民間ということではありません。この辺のところは人材育成のどこにフォーカスを合わせるのかということに絡むことですから、調査段階はでき得る限りニーズの高いところにフォーカスを置いて、そこで何が求められているかということをクリアにしてくるという視点ではなかろうかと。

【黒田主査】 
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 大体、皆さんのおっしゃったことに尽きるんだろうと思いますが、私は、二兎追うんじゃなくて、二兎というふうに考えるところが今までの日本の政策で非常に問題だったというふうに思っていまして、だから、行政側も社会ニーズをきちっと把握しなきゃいけない。それから、企業に限らずですが、社会側も行政がどういう意図でどういう形の政策を立案してこうしようとしているのかということを理解できなきゃいけない。その両方がないと多分、全ての政策がうまくいかない。そういう意味で、これは科学技術政策ということを中心に置いたプログラムだということですが、考え方は全ての政策につながることだと思いますし、その中でアカデミアとして科学というのを、本当によく科学という意味で知っているのはアカデミアだと思いますので、アカデミアが責任を持って科学技術政策の体系の中に科学というものを設立しようという意味では、文科省がきちっとやられるというのは至当なんじゃないかと考えています。それは、普遍的に言えば、全ての行政の政策につながることになるんじゃないかというふうに、私自身は思っているんですが。
 それから、相澤先生がおっしゃった国際的な人材も非常に重要だと思いますし、それからもう一つ、僕は地方にいるものですから、地方の人材、特に、行政なり、いろんな政策にかかわる人材というのは、ものすごく不足しているという言い方をしたら語弊がありますけれども、これから日本は考えなきゃいけない大きな課題ではないかなというふうに思いますね。
 それから、MOTのプログラムに対して企業の方が非常に批判的だったのは、大学の先生は経営をやったことないんじゃないかという危惧のあったことが根幹だと思いますね。外国のMOTプログラムは経営者がいっぱいいるわけすね。そういう中で訓練されていたことが大きな要素で、そこも日本がMOTについてできるようにするためには、ビジネスと大学との交流をもっとふやさないと、多分、MOT教育そのものはできていかないというふうに思っていたんですけれど、これは全く私の私見です。
 ほかに何かございますか。

【桑原委員】 
 民間企業の意見をいろいろ調べていただいて、これは議論の非常にいい種になっていると思います。ここでとりあげている研究というのは非常に学際的な研究で、日本はあまり得意じゃないんですよね、学問も縦割りでどんどん走っていってしまうので。そこで、どんなレスポンスになるかわかりませんけれども、経済関係も含めて、いろんな学会の意見というのもぜひ聞いていただきたい。最初に聞いた意見のみで終わらせるのではなくて、どんなレスポンスが来るかによって、いろんな分野をうまく巻き込んでいかないと、戦にならないんですね。もともとすき間の分野ですから、孤立してしまうともう学問として発展しなくなってしまうので。ただ、その第一ステップとして、いろんな学会がどう認識するのか。ひょっとすると「政策のための」って題名についた瞬間にもう関係ないという印象を持たれてしまうのかもしれないので、オフィシャルなプログラムはこうですけど、とりあえずの看板としては別の名前を考えたっていいわけですから、そういうのも含めて、いろんな学会の意見というのも順次聞いていただけるといいんじゃないかなと思います。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。
 ほかに、何か御意見ございますでしょうか。どうぞ。

【小林委員】 
 同じことなんですけど、最初の広い意味の政策のための科学なのか、狭い意味なのか、この拠点形成を「科学技術イノベーション政策における」と言うと、わざわざ狭い意味だと宣言しているようなふうにちょっととれるんですね。先ほどからの議論を聞いていても、ここに期待されるのはもっと広い意味のような気がしますので、何かもう少しいい名前があるんじゃないかなという気がいたします。

【黒田主査】 
 ネーミングはいろいろ考えてもなかなかいいアイデアが浮かばないんですが、確かに「科学技術イノベーション政策のための」というのをもっと広めたいような気もするんですけど、広げると今やろうとしていることがぐちゃぐちゃになってきそうな気もして、そこら辺があまりまだ自信が持てないというところもあります。スタートは少し限定的にみえても、将来拡張することを視野にいれながら、そこをきちっとやっていくかだと思います。

【有信委員】 
 ここは、枠を入れるか、入れないかというのは、すごく重要だと思うんですね。少なくとも私たちの理解だと、科学技術イノベーション政策と言ったときに、基本的にはイノベーションというのは別に科学技術のブレークスルーだけによって行われるものではないという前提があって、しかし、科学技術が先導するイノベーションが、実際の将来の付加価値の増加だとか、雇用の確保だとかという点からすると、極めて重要である。したがって、科学技術が先導するイノベーションをもっと日本は系統的に起こしていかなければいけないという認識なんです。したがって、その認識が私はこの科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」ということに含まれているような気がして、これを取っ払ってしまうと、今度は、例えばイノベーション政策でもいいんだけれども、イノベーション政策だともっと広がってしまうし、政策と言ったとたんにもっと広がってしまう。そうすると文科省がやる根拠もなくなってしまうということにもなるので、私の個人的な考え方としては、そういう認識をやはりもうちょっと広めておくべきだと思うんですね。アメリカは科学技術が国を支えると信仰的に信じて進めていますから、それが正しいかどうかは別としても、日本のスタンスとしてここをきちんととっているんだということを明示するという意味では重要な気がしていますけど、小林委員とはちょっと……。

【小林委員】 
 むしろイノベーションが要らないんじゃないかと。

【森田委員】 
 それはちょっと気になるんですけれども、「政策のための科学」そのものだと、ある意味でもう何十年も歴史があって、それぞれ、社会保障政策、環境政策とか、いろいろ産業政策もあるわけですけど、この場合はむしろ、アメリカから来た場合はScience of science policyというわけで、そこは科学技術政策の科学となるわけですが、今、小林先生がおっしゃったように、イノベーションは必ずしも入っていないわけで、そこはいろんなものが集まってイメージができているのかなと。イメージそのものは何となくわかるんですけれども、今おっしゃいましたように、科学技術に限る必要はないんじゃないかという最初の相澤先生のもあるものですからね。

【黒田主査】 
 ただ、有信先生がおっしゃったのは非常に大切で、アメリカは、最初にマーバーガーが言い出したときのSciSIPは、科学技術プラスその技術による価値創造というか、インプリメンテーションが非常に大切なんだということを強調していて、そこの部分も科学的にやらなきゃいけないということなんだろうと思うんですね。だから、そこはやっぱりイノベーションがあってというのが新しい一つのステップになっているのかなあという気はしているんですけど。

【土屋科学技術・学術政策局長】 
 今、先生方は、非常に重要なというか、この事業の最も根幹部分の御議論をいただいているんですが、そこはあまり一気に決め切らないで、いろいろ多面的に議論をしていただきながら詰めていただければと思っています。その一つとして、この事業は研究と人材育成と二通りあって、人材を養成する部分で、養成する人材が即戦力でこういうところで役に立つという、そういう即戦力というよりもむしろ、ここで議論していることが対応できるような能力を育てるということなんだろうと思っています。ですから、コアカリキュラム的に養成する人材が身につける能力はこういうものだということを同時並行的に詰めていっていただければ、来年度から予定している、実際に学生さんに入ってもらって、そういう人たちへの教育というか、人材養成もするし、その際に、新卒者だけじゃなくて社会人、企業であるとか役所にいるような人も入って養成していくんだろうと思うんですが、そういうふうに少しやっていただくのがいいのかなあというふうに思っています。

【黒田主査】 
 それは多分、先ほど来の議論でも出ていたんですが、いきなりコアカリキュラムというものにぴしっと一つにはならないような気がするんですね。それは、いろんなディシプリン、まさに領域が違う分だけあって、その中で政策科学の科学としてのディシプリンをつくる方向になるようなコアというのはフィロソフィカルには持っておかなきゃいけないので、それをぜひ今度始まる分科会とか運営協議会の中で議論していただきながら25年度のカリキュラムに反映させることができればという、そこも多分、最終的にはちょっと時間がかかるという気がしていますけど。
 よろしゅうございますか。
 それじゃあ、時間が予定より大分超過しているんですが、SciSIPの事業を担っていただいている各機関から、簡単に現状を御説明いただきたいと思います。
 最初に、NISTEPのほうから、伊藤さん、よろしくお願いします。

【伊藤NISTEP・SciSIP室長】 
 資料の7-1と7-2と7-3について、御説明いたします。
 科学技術政策研究所で行っています「政策のための科学」の全プログラムなんですけれども、実は、推進委員会では8月に一回御説明させていただきましたが、そのときはまだ始まって間もなくでしたので、タイトルのみでした。今回は、A3の資料7-1の紙で両面ありますけれども、8月から5か月ぐらいたちまして、実際の現状をここに示しております。
 まず、左のほうのカラムからなんですけれども、左のほうの列を見ていただきますと、政策課題対応型調査研究ということで、表面は政策課題対応型調査研究です。裏面のほうが、もう一つ、政策研でやっておりますデータ・情報基盤整備ということで、政策研は政策課題対応型調査研究とデータ・基盤整備というのを二本立てでやっております。左から四つ目のところの調査研究課題というところに各研究課題のタイトルがありまして、これは全て、今、政策研で行っているものです。その右隣のほうは概要ということで、細かく説明いたしませんけれども、その横、ちょうど真ん中に当たりますが、進捗状況というところで、今どういうふうに進めているのかということを示しております。その横のところにさらに、新しく取得するデータや実施する調査ということで、今後の予定ということが書いてあります。で、一番右端のカラムになりますけれども、このカラムのところは、私どもが少し重要視しているところなんですけれども、連携する外部機関ということで、政策研だけでやっている、閉じるというわけではなく、外部の様々な研究機関や大学等とともに研究を深めてやっていくというところです。そこから一つ戻ります、左側のところに利用する既存データや調査報告書等というカラムがありますけれども、こちらは、ごらんいただいたように、新たにつくるデータもありますが、既存のデータを利用し、さらにそれを改良しという形で研究を進めているというところです。
 というのが、表面のほうは政策課題対応型なんですけれども、裏のほうをめくっていただきますと、こちらがデータ・情報基盤整備ということで、こちらも同じようなつくりになっていまして、左のほうのカラムから、タイトル、さらに、概要、進捗状況ということと、新しく取得するデータと、どういうデータを使っているのかということと、今後連携していくところ、もしくは今連携しているところということで進めています。さらに、連携を進めていく中では、MOUという形で研究協力協定を結びまして、さらにタイトに進めていこうと考えております。
 というところが、非常にざっくりと細かく書いてあって申しわけないですけれども、こういう形で5か月間進めてまいりましたし、今後とも進めていくというところです。
 次に、資料7-2について簡単に御説明したいんですけれども、これは、2月28日に、今月の終わりですが、今御説明しました裏面のほうですけれども、データ基盤の構築についての国際会議を行うということの御案内です。これにつきましては、エビデンスベースの政策形成に向けてどういうデータ基盤の整備というのが必要なのかということで、Julia Laneさんを含め5名のデータ基盤の構築に関する方たち、さらにはSciSIPに関する方たちに御講演をしてもらいながら、これは完全にオープンな会議なんですけれども、さらに、どういう方向性で深めていくのかということを検討したいと思う会議です。これは、1枚めくっていただきますと、セッションを三つに分けていますけれども、どういうことをするかということが書いてあります。その次のページのところでは英語のバージョンがありまして、このような形で広くやっていきたいということです。これは公開ですので、やや広目の、文科省の中の講堂、第1講堂を使いますので、多くの方に参加していただければと思います。ということが一つ。
 さらにもう一つ、ワークショップというのを検討していまして、資料7-3なんですけれども、こちらのほうは、先ほどお見せしました進捗状況の表側のほうですね。政策課題対応型調査研究の中にあります、研究開発投資の経済効果分析とその政策立案への応用に関する検討会というのを用意しております。R&D投資の経済効果を分析するということに関しては、いろいろな考え方がございます。いろいろな考え方の様々な大学等の方たちに参加していただいて検討をして、どういう方向性で確実なものができるのか、どういう方向から攻めていけば何らかの結果が出るのかということを広く検討したいというところです。これは3月30日に行うんですけれども、この第1回目はセミクローズという形でやらせていただきたいと考えております。これは1回きりではありませんで、これ以降も何回もやっていきまして、その間では何とかオープンという形にして、さらに広い場で経済分析についてやっていきたいと思っています。
 というところで、簡単ですが、以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、CRDSのほうから。

【長野CRDSフェロー】 
 それでは、資料8に基づきまして、御説明申し上げます。
 先ほど民間企業における調査の結果の御議論がございましたけれども、本件につきましては、欧米における人材育成拠点等の海外調査ということで、今、文部科学省からの調査委託で私どもCRDSが実施しておりますこの事業の関係で、特に、人材育成拠点を核としたネットワークの構築及びコミュニティ形成、それから成果の構造化ということで、調査の委託を受けております。この中で特に今回御説明申し上げますのは、拠点に関係する、特にコミュニティ・ネットワーク形成という部分にかかわるような調査の計画について、御報告申し上げます。
 主な対象としましては、まず大学のほうですけれども、人材育成拠点として、アメリカのジョージワシントン大学とカーネギーメロン大学など、それからイギリスのサセックス大学のSPRU、また、マーストリヒトにありますUNU-MERITなどを訪問する予定でございます。それから、2ぽつのまる2にございますけれども、それらと関係するようなネットワークの構築ですとか、またキャリア形成の支援等、取組を支援しているような機関ということで、例えば、アメリカのAAASですとか、ナショナル・アカデミー、ECといったことを検討してございます。
 主な調査項目としましては、ここに五つ挙げてございますけれども、大きく分けますと、1)にありますようなキャリアパスの問題、それから、2)、3)、4)の、外部機関との人材育成プログラム面での連携ですとか、拠点間でのネットワーク形成、またコミュニティ形成の取組について、それから、5)の、それらにかかわるような政府機関等、大学以外の機関での取組に関する支援策といったことを調査する予定でございます。
 実は、これは昨年度、私どもCRDSにおいては、独自の調査ということで、既に基礎調査のほうは済ませてございます。机上に置かせていただいております報告書が詳細でございますけれども、資料8の3ページをごらんになっていただければと思いますが、昨年度は、アメリカ13大学、イギリス3大学、オランダ3大学につきまして、調査いたしました。その中で得られている情報をここに簡単に丸めてまとめてございますけれども、例えば大学院に所属する学生はどういった学生がいらっしゃるのかといったことについては、学部卒業生がすぐに入学する場合というのが主であるような大学は非常に少なくて、ある程度、特に数年程度というところが多かったですけれども、職業経験者が多いというのが一般的で、かつ、多くの大学では海外からの留学生の割合というのが高いということが見られました。それから、入学者の学問的なバックグラウンドでございますけれども、これはプログラムの目的に応じて対応でございますが、例えば理工系学生に政策や社会との関係の素養をつけさせるというようなミッションの大学院もございまして、そういったところでは理工系の出身者が大半を占めるといったところですとか、その他の大学では、理工系・人文社会科学系のバックグラウンドなど学生さんは多様であったというふうに見られます。
 それから、卒業生の進路ですけれども、これも当然のことながら大学の組織・部門のミッションですとかプログラムの設計によって大きく異なりますが、挙げられた就職先としては、政府関係機関、国ですとか州政府等、それから、一般の民間企業のほかには、もちろんのことながら、アカデミックなところで教べんをとられる場合ですとか、また、アメリカで非常に多かったのは、コンサルタント会社、シンクタンク、非営利団体等でアナリストとして活躍する場合、また、それ以外には、国立の研究所ですとか、専門誌の出版業界、それから国際機関に進路を求める場合といったことが挙げられてございます。
 それから、3番目にまとめておりますけれども、ネットワーク・コミュニティ形成に係る取組ですが、ここでは、ちょっと図式化しておりますが、いろんなネットワークを国内外で形成されていますが、例えば、各研究者等の関心に基づいて、下のほうにありますが、ボトムアップ的に形成されるようなものと、上側にありますけれども、資金提供等によってトップダウンで誘導して形成されるといった分類が見られるかと思います。また、ネットワークのつくり方につきましても、右側のほうに、組織間、大学等機関をベースにしたネットワークもございますし、また、人ベースでのネットワークというものもございました。
 それから、次の4ページですけれども、それらを見ていまして、これもちょっと図式化しておりますが、長期的な基盤としてのネットワーク形成を念頭に置きますと、機能ごとに重層的な形でのコミュニティというのが既に欧米のほうでも見られましたので、そういったところでネットワーク・コミュニティというのが開かれたネットワークとなるといったことの重要性が示唆されたところでございます。
 こういった基礎調査の結果もベースにしながら、今回、1ページに戻らせていただきますけれども、調査項目の中ではさらにもう少し突っ込んだ形で調査ができないかというふうに検討してございます。キャリアパスでも、実際にその拠点のミッションとの関係でどういった人材というものが育成されていくのか、どんな就職先があるのかといったこと、それから、連携・ネットワークにつきましても、具体的に日本におけるこれからの拠点とどういった連携方策があり得るのかといったようなことを念頭に調査を進めていきたいというふうに考えてございます。
 それから、実際に調査の進め方でございますけれども、2ページ目の4ぽつにございますが、既に日本国内の人材育成拠点の関係者の方たちからの情報収集・意見交換をさせていただきまして、往訪調査先の選定を進めているところでございます。2~3月にかけまして往訪調査をしたいと思っておりますが、拠点の関係者の方々も本件拠点のプログラムに関係して御出張の予定も幾つかございますので、同行させていただける場合には同行させていただいて、また、私どもがタイミングの問題等で参れない場合には、拠点関係者の方が御訪問されるときに、一部、本件調査について御協力いただけるように依頼をしているところでございます。
 また、結果がまとまりましたら、推進委員会のほうに御報告申し上げたいと思います。
 以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。
 時間がちょっと超過しておりますけれども、もう1件だけ、RISTEXのほうから。

【斎藤RISTEX室長】 
 お時間超過している中、恐縮でございます。JST社会技術研究開発センターの斎藤から、御報告申し上げます。資料9でお配りしております、昨年11月に採択をした初年度のRISTEXの公募プログラム、採択課題6件を正式課題として採択をしてございます。さらに、2件、若手中心のチームですが、企画調査ということで来年度の提案に向けてさらに提案内容を詰めていくという調査をしていただいております。人材育成拠点につきましては基本的に全て国立大学法人になっておりますが、RISTEXの公募プログラムにおいては、例えば、慶応大学ですとか、横浜国立大学、さらには同志社大学といった、その他の私学を含めた大学も採択をさせていただいておるところでございます。既に11月後半からプロジェクトがスタートしておりまして、個々のプロジェクトでは既に、年明けにシンポジウム、ワークショップ等で、成果の進捗なり今後の計画について、いろんな発表・報告をしているものもございます。
 この後の予定ですけれども、3月上旬に、合宿形式ということですが、プログラムのアドバイザーであるとか、各プロジェクトの代表者、参画者も含めた全体の会議を開催予定しています。場所は幕張でございますが、週末を利用した形で開催いたしまして、こちらには、科学技術政策研究所であるとか、あるいは拠点大学を含めた、このプログラムの関係者・関係機関にも、ぜひ御参画をいただきたいというふうに考えてございます。
 さらに、2月中にはホームページを立ち上げまして、既に概括的な情報はホームページ上で発表しておりますけれども、専用のホームページにおきまして、各プロジェクトの顔が見える形で、あるいはアドバイザーからのメッセージなども、来年度の公募も意識して発信をしていく予定にしてございます。
 来年度の公募ですけれども、4月後半から募集を開始したいと考えております。昨年度の採択課題を見ますと、基本的には大学の多様性はあるんですが、大学からの御提案が全てでございまして、例えば民間からの御提案、さらにはNPO等々の多様な提案者からの御提案もぜひ引き出していきたいというふうに考えてございまして、総括をお願いしております森田先生とも御相談をしながら、そういった幅広い提案を募るための呼びかけなり工夫もしていきたいと思ってございます。その一つの試みとして、アドバイザーにつきましても、やはり民間の視点が少し弱かったんじゃないかという指摘もございますので、イノベーションの現場ですとか、実際のイノベーションの事例などにも詳しい方にお二人ほど追加で入っていただこうということで、今、準備を進めてございます。
 さらに、この2月、3月ですけれども、既にかなり成果なり進捗が見えてきております、東工大の調准教授の科学計量学に関するプロジェクト、それから、3月ですけれども、東大の松浦さんの、これは若い方ですけれども、共同事実確認という新しい手法を活用した政策形成に向けての具体的なプラクティスにつきまして、それぞれ一般公開の形でワークショップ・シンポジウムの開催も予定してございます。もし、御関心、お時間があれば、御参画をいただきまして、御意見をいただければと思ってございます。今後も、こういったプロジェクトの進捗なり成果を含めまして対外的に公開の形でのシンポジウム・ワークショップもぜひ開催をしていきたいと思っておりまして、来年度はおそらく領域全体としてのシンポジウムもいずれかの時点で開催できると思ってございます。また、この推進委員会でも御案内をしますと同時に、関係者の皆様、ぜひ御参加をいただきまして、個別の御意見、御指導をいただければと思ってございます。
 以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。
 ただいま三つの機関から今後のプログラムの進行を御紹介いただきましたが、何か御質問等ございますか。
 じゃあ、時間もちょっと超過しておりますので、何かございましたら、各機関に直接お申し出いただくか、文科省のほうにお伝えいただければというふうに思います。
 それでは、最後になりましたが、土屋局長、何かございましたら。

【土屋科学技術・学術政策局長】 
 すみません、おくれて来て勝手なことをいろいろ言いましたが、私、1月6日付の人事異動で科学技術・学術政策局の担当に異動したんですけれども、ねらって異動することはできないとは思うんですが、一番異動したいところへ参りまして非常に喜んでおりますし、相当のめり込んでこの分野に取り組まさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【黒田主査】 
 よろしくお願いします。
 それじゃあ、今後のスケジュールについて、事務局のほうから簡単に。

【山下政策科学推進室長】 
 資料6に掲載してございますとおり、次回の推進委員会につきましては3月26日の午前中ということで予定をさせていただいてございます。議事の詳細につきましては、また追って御連絡・御相談をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【黒田主査】 
 どうも、長時間にわたりまして、ありがとうございました。第8回、これで終了させていただきます。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 政策科学推進室

(科学技術・学術政策局計画官付)

-- 登録:平成24年05月 --