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科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成23年8月1日(月曜日)10時~12時

2.場所

新霞が関ビルLB階 科学技術政策研究所会議室(201D号室)

3.議題

  1. 基盤的研究・人材育成拠点について
  2. 「大震災対応」調査研究の進捗状況について
  3. 政策課題対応型調査研究およびデータ・情報基盤整備について
  4. その他

4.出席者

委員

相澤委員、有信委員、有本委員、黒田主査、桑原委員、郷委員、小林委員、野間口委員

文部科学省

土屋官房長、常盤科学技術・学術総括官、阿蘇科学技術・学術政策局計画官、斉藤科学技術・学術政策局政策科学推進室長

5.議事録

【黒田主査】 
 それでは、第2回の科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会を行いたいと思います。
 本日は、朝早くからおいでいただきましてありがとうございます。前回、第1回目の議論で、幅広く相当御議論いただいたのですが、一つの課題は、議事録を何回か読み直しておりますと、やはりこの体制の人材育成、そして、科学技術政策の科学のやり方で本当に科学技術政策のための科学が推進できるのか、そして、本当に人材を育てられるのかということが一つの大きな課題になっていたように思います。
 今日は、中心がその人材拠点をどうやって、育成拠点をどうやってつくるかということが、御議論の課題になっておりますので、まず、この間の議論をもう少し延長して、内部の詳細について議論させていただければと思います。
 それでは、最初に事務局より配付資料の確認をよろしくお願いいたします。

【斉藤室長】 
 はい。確認させていただきます。お手元の資料でございます。
 1枚目、議事次第第2回がございまして、資料1が1枚紙でございます。それ以降、クリップ留めの資料が、資料2-1、2-2、資料3、資料4、資料5、それと資料6までございます。その後ろに参考資料が、これまたクリップ留めでずっとついております。1から4までついていると思います。不足がございましたら事務局のほうまでお願いいたします。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。よろしゅうございますでしょうか。

【斉藤室長】 
 一番最後の資料のところに、前回の議事録がついてございます。事前に先生方にお送りして御確認いただいておりまして、もうホームページに出てしまっていると思いますが、もし再度問題などありましたら御指摘いただければ修正いたします。

【黒田主査】 
 それでは、議事次第に従いまして第1の課題でございますが、基盤的研究・人材育成拠点について。まずスケジュールについて、事務局のほうから御説明いただきます。

【斉藤室長】 
 はい。資料1に沿って説明させていただきます。
 こちらは本日の御検討いただきます基盤的研究・人材育成整備事業の今後のスケジュールを図で示したものでございます。
 本事業につきましては、平成23年度の予算に計上されています新規事業ということで、今年度中に構想をまとめまして採択を決定し、執行していくというようなスケジュールを考えております。
 前回、5月の第1回の推進委員会以降、前回の委員会のほうで基本構想なり基本方針なりをこの場で御議論いただきまして、大まかな方向性を示していただきましたので、それに沿って事務局と主査に御相談いたしながら、相談してきました内容を本日御説明させていただくという流れになっております。
 今後のスケジュールといたしましては、本日第2回、一番左のほうにございますが、推進委員会を開きまして、拠点整備の基本方針や募集要項等について御議論いただければと思っております。
 さらに、約1週間あけまして8月9日に第3回の推進委員会を開かせていただきまして、ここで御議論いただきました基本方針等を決定いただきまして、8月中旬ぐらいには公募を開始したいというふうに思っております。
 締め切りが9月の下旬ごろを想定しまして、それ以降、推進委員会を準備、開いていただきまして、申請状況の確認ですとかヒアリングの対象の決定、ヒアリングの実施、拠点間の調整、拠点の決定などを行っていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。大体、今御説明いただいたスケジュールで、かなりタイトでございますけれども、進めさせていただきたいと思いますが、何か御質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、きょう本日の主要課題であります人材育成拠点の整備事業の整備の方針等につきまして、資料2-1に従いまして、事務局にまず御説明いただきます。

【斉藤室長】 
 資料に沿いまして御説明いたします。資料2-1と資料2-2を同時に見ながらめくっていただければと思っております。資料2-1が人材拠点の整備方針ということで、この委員会のお名前でこの整備方針をこの後進めていきたいという中身になっております。
 8月1日と右上のところに資料自体に日付が入ってしまっておりますが、きょうこれを決定いただくという趣旨ではございませんで、先ほどスケジュールのところで御説明いたしました通り、今日御議論いただきまして、次回の決定を目指して御検討いただきたいと思っているものでございます。
 中身にいかせていただきます。参考資料の2、基本構想、参考の3、基本方針のほうに大まかにまとめていただきました基本的な方向性に沿いまして、人材拠点の部分に集中的に検討して、整備方針、こういうのでいかがかというのをまとめたのがこの案ということになってございます。
 まず1番目、拠点形成の理念と推進方針ということで、資料の2-2のほうですと2ページに当たる部分でございます。
 この部分は制度全体の方向性といいますか、メッセージを伝える部分だというふうに思っておりまして、1行目の一番後ろあたりから、科学技術の発展に寄せられる社会の期待は、世界規模で高まっているというようなことを述べつつ、少し下にいっていただいて、人類の持続的な発展に向けて我々が解決すべき課題が多様化・複雑化していると。そういった中で、科学者自身が解決すべき社会の課題を発見し、解決するための科学研究を進めることが重要であるというようなことが書いてあります。
 次のパラグラフにいっていただきまして、現代社会の解決すべき課題の多様性と複雑性ということのゆえに、科学技術政策推進において、客観的な根拠(エビデンス)に基づいて論理的な政策形成が要求されているというようなことが書いてございます。
 その少し下に、それを支えるために科学技術イノベーション政策のためのプログラムを担う研究者の育成と政策立案・実施者の専門性を高める人材育成プログラムが必要であるというようなことが記載してございます。
 次のページ、2ページにいっていただきまして、2行目、そのためには、自然科学及び人文社会科学の各分野が融合した知見を有するような人材を育てる必要があると。その少し下で、国際的な視野を持ち、多様な場で活躍できる人材が求められていると書いてございます。
 その下には、幅広い分野の垣根を超えた連携が不可欠でありまして、大学間及び国全体として関係機関が相互に連携・補完しながら、体系的な方法や体制の下で進めることが必要である。
 したがって、ネットワーク型の構造をもつ拠点を複数構築して、少し下ですが、体系的な人材育成が実施されるように、人文社会科学や自然科学の各学問分野の枠を超えた拠点をつくると。そのために国は今後10から15年をかけて持続的に支援していくということにしまして、欧米諸国に匹敵する水準の拠点の形成を目指したいというふうに思っております。
 2.「政策のための科学」の担い手としての育成人材像でございますが、育成人材像としましては、科学技術の現状をふかんし、解決すべき社会課題に対して方向性を的確にとらえて戦略を提言していくというような人材像を求めております。
 少し下で、自然科学分野の現状をふかんできる知見とともに、人文社会科学の各分野の視点から現実社会への科学技術の影響を観察して、客観的根拠を構造化する能力が求められており、さらに、世界的視野も求められるというふうに記載してございます。
 次のページ、3ページでございます。資料2-2のほうも同じく3ページに当たりますけれども、そのような人材としまして、主に三つの類型が想定されるというふうにしております。
 1番目、政策形成・実施を担う高度専門人材ということで、社会における課題を的確に把握するとともに、政策を立案して、利害関係者の利害を調整しつつ、政策形成・実施のシステムそのものの改革の担い手となる方々ということで、少し下にいきますと、このような人材の活躍の場は狭義の政策担当者(国・地方の政策担当者)に限らず、大学や公的機関、民間、各種メディア等々にも及ぶということになっております。
 2番目、新たな研究領域を担う研究人材という意味では、科学としてこの分野をとらえまして、利用及び方法論を発展させて、その成果を実際の政策形成や政策形成システムの改革に活用する人材というふうになっております。
 3番目は、自然科学あるいは人文社会科学におけるみずからの専門領域と、科学技術イノベーション政策のための科学をつなぐ人材ということで、自然科学か人文社会科学のほうで特定の領域に専門性を持ちつつ、科学技術イノベーション政策の科学についても一定以上の水準の知識と能力を同時に持っている人材で、それらをつなぐ役割を担っていただく方というのを想定しております。
 4ページにいっていただきまして、二つ目のパラグラフですけれども、これらの三つのタイプの人材につきましては、客観的根拠に基づいた政策形成の実現のために、政策形成の各段階を通じて、それぞれのタイプの多様な人材がそれぞれの責任と役割分担を踏まえて連携していく必要があるということで、少し下にいきますと、これらの人材が歩む多様なキャリアパスというものを考えていく必要があるというものでございます。その多様なキャリアパスというあたりは、資料の2-2ですと、4ページあたりの図に書いてございます。
 続きまして、4ページ、3.です。2-2では5ページになりますが、それら人材に求められる能力というものはどういうものかというのを整理させていただいたものです。
 その能力を様々事務局のほうでも検討させていただきまして、類型化してみると、この下にあります五つに分けられるのではないかというふうに考えております。
 一つは、社会状況に応じた客観的な根拠を抽出、理論化・モデル化するという能力。2番目にその中から課題を発見して、設定するという能力。次は、それに対応して政策を立案する能力。その政策を決定し、さらにその政策を実施するという能力というふうに五つの項目に分けてございます。
 5ページを見ていただきますと、5段階に今、五つのグループに分けましたけれども、例えば育成された人材が政策担当者になる場合には、1から5の全体を理解した上で、主に2から5あたりを担う。
 また、研究者の場合には、全過程を理解した上で、仕事上は1から3あたりを担うのかなというふうに思っておりまして、それぞれの活躍の場により発揮される能力に濃淡があるというようなことではないかと考えております。
 それらの人材について、期待される人材育成の在り方というのが4.でございます。2-2のほうだと6ページになりますが、それらについて必要な在り方というものは、その下に1から4でございます。
 必要な能力という意味では、一つは、科学技術及びイノベーションを体系的に理解するための知見を含むことが必要であると。
 2番目としまして、政策及び政策形成を体系的に理解する必要がある。
 3.としましては、分析対象を的確に分析していくために、分析するための理論や手法といったもの、手法や方法論を習得する必要がある。
 さらに、それら全体に関連する実践的な無理を涵養する必要があるというふうに思っております。
 一番下のあたりですけれども、多岐にまたがる複合的な知見の習得が求められるとともに、自然科学や人文社会科学における各分野が融合した知見が求められるというふうにしております。
 6ページにいっていただきまして、5.でございます。以上述べたような期待される能力や、習得が期待される内容について、どういう拠点をつくっていったらいいかという基本構造の部分がこの先でございます。2-2ですと、7ページから12ページあたりにあたりますが、その中身でございます。そのような拠点を考えるに当たっては、二つのタイプの拠点が必要ではないかというふうに考えております。
 1といたしましては、総合的なプログラムを通じて、主として政策形成・実施における高度な専門人材や、この分野を担う研究人材を育成するとともに、全体のネットワークでの中核的な機能を担う総合拠点というものをつくったらどうかと。
 2番目、それぞれの専門領域を主軸としつつ、「科学技術イノベーション政策のための科学」との間にまたがる新しい領域を開拓していくという、幅広い人材を育成する「領域開拓拠点」というものの2種類がいいのではないかというふうに思っております。
 関係する全ての機関間で必要な連携協定などを結んでいただいて、全体が協力して事業を進めると。全拠点が連携・分担して多様な人材を輩出するということ。
 共同のプログラムを実施することや、政策形成や政策分析の現場における知見を反映して実践的な人材育成を進めることを関係機関と協力を行うこと。基盤的な研究を実施することなどが書いてございます。
 さらに、人材配置や人材育成プログラムに運営におきましては、全学的に組織的な支援体制を構築すること。事業は最長15年にわたる支援を想定し、事業終了後も各拠点を構成する大学において、自立的に拠点を運営・維持していくことが求められるというふうに書いてございます。
 7ページにいっていただきまして、総合拠点、今申しました二つの種類の拠点のうち、総合拠点についてもう少し詳しく書いてございます。
 主たる対象者にしましては、自然科学、人文社会科学の学部修士を出た方で、「科学技術イノベーション政策の科学」を専門的に学んで、学位を取得する人を対象としておりまして、それを専門とする専攻やプログラムを設置する、総合的なカリキュラムを設定する、修了者には学位(修士・博士)を授与すると。全体の共同プログラムを運営するという機能も担っております。
 領域開拓拠点につきましては、主たる対象者は、それぞれの専門領域に専門性を有しつつも、今回対象とする分野についてより深く学び、学位取得を希望する者というものを対象、もしくは学部卒業、修士卒業程度の資格を有しておりまして、一定水準以上のこの分野の習得する希望する方ということを考えています。
 内容的には、人材育成プログラム(専攻、副専攻、プログラム、コースなど)を幅広く開設いただいて、この分野のすそ野を広げるような活動を想定しております。
 以下のようなものが想定されるということで、一つは、既存または新設の専攻において、このコースを立ち上げまして、修了者に学位を授与するというのが一つのタイプ。
 8ページにいっていただきますと、大学院専攻に所属する学生を、学部学生も含めてですが対象にしつつ、サーティフィケートを授与するようなプログラムをつくっていただくというのがもう一つのタイプというようなイメージでございます。
 8ページの6.拠点の連携についてです。2-2ですと13ページあたりですけれども、こちらについては、それぞれの拠点が相互に連携・補完すると。それぞれがネットワークを形成するということを想定しておりまして、この分野のコミュニティの形成の基盤を構築していく必要があるというふうに思っております。
 その下の部分ですが、共同プログラムの例といたしまして、例えば拠点間で共通に実施されるような事業みたいなものですとか、全拠点の学生や教員や政策担当者などが集まって実践的な議論を行う。例えばサマーキャンプのようなイメージですけれども、ディスカッションの場を提供するですとか、国内外の行政機関・立法機関等にインターンシップで派遣されるもの。産業界や政策担当者などを交えた利害関係者との議論や交流の場を提供する。短期集中コース、フェローシップ等々、そういうものも共同プログラムとして想定されるのではないかと思っております。
 9ページ、最後ですが、7.拠点整備にむけた進め方、評価でございますが、今まで御説明申し上げたこの方針をもとに、本委員会におきまして我が国全体としてふさわしい拠点の構造を目指して御議論いただくということを考えておりまして、こちらで御検討いただきたいと思っております。
 その内容が、大学からいただく提案がこの紙に書いてある要件の中だけで議論するというだけではなくて、全体として本事業の趣旨を満たすものであれば、より幅広い提案も柔軟に受け付けていくということを考えております。
 整備に当たっては、特に留意すべき点としまして、大学のほうで必要な人員の配置をいただけているかどうか、人材育成プログラムに全学的な支援体制が組まれているかどうか、全体として体系的なカリキュラム、実践的な人材育成という形になっているかどうかなどがポイントになるかと思っております。
 今後の検討・審査におきましては、通常の公募のように、出てきた提案にまるばつをつけていくような採否のみを判断する選考方式ではなくて、必要に応じて大学からのヒアリングを行いつつ、推進委員会のほうで検討した内容を具体的に御議論いただいて、具体的な構想案というのを再度おまとめいただいて、全体として、例えば一部分について非常にすばらしい提案があれば、その一部分だけを切り出して、日本全体の絵の中に入れていただくようなイメージですけれども、そのような全体としての総合調整を委員会のほうでやっていただきまして、オールジャパンとして一番いい良い絵がかけるような審査をしていただきたいと思っております。
 本年度中には、参加大学について補助金を交付して、25年春には人材育成プログラムを開始するというイメージを持っております。
 7.2.評価につきましては、推進委員会のほうで引き続き進捗状況への報告を求めたり、中間評価を行ったり、その結果によっては変更あるいは計画の打ち切りということもあり得るということで、具体的な評価方法・内容については、今後、推進委員会のほうで御議論いただくということを想定しております。
 長くなりましたが、御説明は以上です。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。関連しますので引き続き公募要領とか構想調書を説明いただけますか。その後、議論に入りたいと思います。

【斉藤室長】 
 はい。引き続き説明で恐縮ですけれども、資料3と資料4に基づいて御説明いたします。
 今、御説明いたしました資料2-1、2-2という整備方針を全体としてまとめた上で、それに沿った公募要領、構想調書をつくってみたのが3と4という位置付けでございます。なので基本的な方向は、整備方針のほうに沿った内容になっております。
 資料3でございますが、公募要領(案)ということで、1.のところに先ほど申しましたような事業の背景・目的が簡単に書いてございます。
 一番最後のパラグラフに、平成23年度予算において、これらの人材育成の拠点の取組を3件程度選定するということにしております。
 2.ですが、国公私立大学の大学院を有する大学を対象に総合拠点、先ほど申しました科学技術イノベーション政策の科学を専門に学ぶような拠点を1か所、領域開拓拠点、その他の専門領域から科学技術イノベーション政策を学ぶような拠点を二、三件程度ということを想定しております。予算的な制約もありまして、この程度を想定しておりまして、実施期間は最長15年、支援開始後3年ごとに中間評価を行いまして、評価を踏まえて計画の変更、打ち切りもあり得ます。
 なお、次年度以降の新規の拠点の募集は現在のところ予定しておりませんという現状が書いてございます。
 (4)対象とする構想につきましては、当該大学の中長期的なビジョンの下に人材を育成しようというようなものを出していただきたいということで、1ページの下から2ページにかけては、先ほどの総合拠点と領域開拓拠点の説明が書いてございますが、これは先ほどの説明と重複するので先に進みます。
 2ページ、一番下、(6)ですけれども、申請の件数は一つの大学につき1件まで、学長名で申請をお願いします。複数の大学における申請については、3ページですが、基幹大学の学長名で出していただくということを考えています。
 (7)費用については、補助金によりまして、執行し、1拠点当たり年間7,000万程度というのを想定しております。
 なお、(7)の一番下のぽつですが、先ほど御説明しました全体の拠点に共同的に、共通的にかかわってきます共同プログラムについては、7,000万円とは別途で支給しますということで考えています。
 3.選定方法ですけれども、選定のための審査は推進委員会のほうで進めていきたいと思っておりまして、審査に係るヒアリングは、大体、先ほども御説明したスケジュールですと10月ぐらいになるのではないかというふうに思っております。
 (2)審査の過程におきまして、全体構想の観点から御提案いただいた内容に意見をしまして、それを受けて再度の調整、統合、内容の修正などがあり得ますというふうに書いてございます。
 4ページ、事業の実施についてですが、一番上ですが、事業の実施をすることとなった大学は毎年度、報告書を出していただくですとか、(3)は推進委員会の助言を得つつ、改善を求めることがあるというようなことが書いてあります。
 それ以降は提出いただく方法ですとか留意事項などが書いてございます。先ほどの御説明と重複しますので割愛いたします。
 資料4、構想調書のほうですけれども、今、御説明しました公募要領を受けて調書という、そのフォーマットの形に書かせていただいたものがこの紙でございます。先ほど御説明いたしました全体の責任者、学長名で出していただくとか、構想責任者としまして、担当の理事ですとか学科長クラスの方も書いていただきまして、実務責任者、事務連絡担当者は我々のほうから問い合わせをするときに中心的に動いていただく教員の方や事務の方を想定をしております。
 2ページ以降、それぞれ我々の、先ほどの整備方針に沿って、当方として確認したい内容について書き込む欄をつくっておりますが、全体といたしましては書いていただく側にある程度裁量を持って書いていただけるようにということで、大体こういうことを書いてくださいというふうにお示しして、大枠を示させていただいていて、その中で、ある程度裁量を持って書いていただくような形にしています。
 さらに、先ほどもう少し申しました日本全体として考えてこういう形があるべきじゃないかというその提案いただく大学の中に閉じた話だけではなくて、オールジャパンで積極的に提案を期待したいというようなトーンでフォーマットもつくられているという状況になっております。
 御説明は以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。第1回目のこの委員会で御議論いただいたことを踏まえて、事務局と議論させていただきまして、今回のような整備方針等々を御提案させていただいたのですが、何かまず御質問があれば、御質問から承りたいと思いますが、よろしゅうございますか。いかがでしょうか。相澤先生、いかがでしょうか。

【相澤委員】 
 まだここで進めなければいけない議論がかなりあるんではないかと。そういう意味では、それはそれとしてということで進んでいくということに多少心配をするところがある。これがもうこういう段階まで進んでしまうと、これでどんどん枠組みができていってしまうと思う。そこのところに対する危惧です。
 これがまず第1点、もう一つ、人材育成という公募形式でのプログラムでは、各大学は少しでも拡大できればいいという観点から、積極的に応募するとは思うんです。
 しかし、人材育成として支援を受けることができるのがどの範囲までかということを明確にしておかないと、この教育システムですから、結局はその大学の他のところにかなりひずみがいくという可能性があるということです。
 どういうことかといいますと、この専門的観点からの専門人材を育成するということばかりが強調されていますが、大学院のコースにしても、もっと基盤として支えておかなければいけない部分があるわけです。それが全く触れられてないので、これは専攻なりもう少し大きな規模でものをやるにしても、その部分というのは一体どこが支援してくれるのか、あるいは支援がないのか、これは各大学できちんとやりなさいよということを前提にしているのかという、ここのところが非常に不明確です。これはやはりここでも議論しておかなければいけないのではないか。副専攻というような形でやる場合には、かなりその心配が軽減されるわけですが、本当にこのための専攻を設置するということになると大変重大なことになるかと思います。そういう意味で、危惧するところだけをまず申し上げました。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。おっしゃるようにいろいろな、まだまだ詰めなければいけない点は多々、私もあると思うんですけれども、私の理解では、その基盤形成になっているその中核拠点というところは、きちんとした専攻の分野を持っていて、それなりに基盤がしっかりしているところに政策科学の科学として、この分野でより明確な人材を育成するようなプログラムが描けるところを前提としていると考えています。
 一方、領域専門型のところは、基盤としてはそれぞれの領域の専門分野が基盤なんですけれども、その基盤の中を生かしながら、政策科学の科学というものに対して副専攻的なプログラムが施行できる、そこの部分を支援するという形の構成になっているのかなと思っているんです。
 それで、今までいろいろな形での人材育成と大きく違うというか、このプログラムでどうしても考えなければいけないのは、この間の議論の中でも出ましたけれども、日本の科学技術政策の根幹がいろいろな領域のアカデミアもそうであるし、それから、行政もそうなんですけれども、それぞれの縦割り仕組みになっていて、そのリンケージが非常に希薄であったという一つの反省があって、その大学の人材育成プログラムの中に、領域間のもしくはアカデミアを超えたネットワークによる幅の広い人材をつくることが重要であるという点が、科学技術政策の科学というものを考えるときの一つの考え方になっているように思います。
 それで、それがかつ大学の一つだけで閉じるのではなくて、日本全体が一つのネットワークが組めて大学間、それからアカデミア間、そして、政府のいろいろな機関等々との連携であるとか、海外のそういった機関との連携のインターンシップ制度だとか、フェローシップみたいなものも大学が行うことを支援する格好で幅広いネットワークをつくっていくというのが、今回のプログラムの大きな特徴になっているのかなと私は思っているんです。ただ、その中で、おっしゃるように本当に基盤に対する整備がどうなるのかということがおろそかになっては困りますので、それ自身をどういう形で考えるかというのは御指摘のように重要な点かなと思ってはいるんですけれども。いかがでしょうか。

【有信委員】 
 今のような目標というのは非常によく理解できるんですけれども、申しわけありません、前回欠席したものですから理解が不十分かもしれませんが、ここで挙げられた人材育成の、例えばその担い手に必要な能力というので挙げられていますけれども、この内容というのは、企業の中なんかで議論していても、対象を正確に認識して、課題設定ができて、その課題を解決する実行能力があるという人間を育成しなきゃいけないというのは共通認識なんですね。
 現実に博士課程で育成すべき人材に要求される能力としてもこういう内容が記述されていますし、この内容だけだったら今はもう共通認識の部分が書かれている。つまり、政策のための科学に特に要求される能力ではないということになりますので、特に要求される能力があるのかないのか、あるとすればそれは何かということをもうちょっと明確にする必要があると思います。もしそうでないとするならば、基本的には今回の特徴は、対象の特殊性である。つまり、従来は行われていなかったような領域の学問をここで新たに進めてその学問を担う、あるいはその学問をベースにして活躍する人材を配置することが特徴であるというのであれば、そこの部分をやはりもう少し強調して、そこにフォーカスしたような内容で公募をすべきだろうと思うんですね。
 そうだとすると、ここでもう一つ引っかかってくるのは、現在、高等教育局のほうで、リーディング大学院が公募にかかっていて、リーディング大学院の基本的な人材育成目標で目指しているのは、第4次科学技術基本計画の中でも言われている社会的課題を解決するようなイノベーションをけん引する人材を育てるということを想定しながら、まだ議論しながら走っているところはありますけれども、進んでいます。
 そちらのほうは、ある意味では大部分がいわば具体的にイノベーションを、具体的なそれぞれの専門分野を背景にしながら、ふかん的能力をもってけん引するという人材を育成することになっていますので、その対象としてはここからずれる部分が多いんですけれども、その中で一つ、オールラウンド型というのがあります。ここの政策のための科学というイメージをより明確に出さない限り、オールラウンド型で要求されている能力と、みんなかぶってしまう可能性があります。そうすると大学サイドとしては、どういうふうにアプローチすればいいのかというのがあんまり明確でなくなってしまうので、ここのところはちょっとよく議論していただく必要があるかと思うんですね。
 政策のための科学で特に要求される能力というのを特徴的に表現できるかということと、あるいはそれも含めて今回の対象、政策のための科学という部分の内容をもう少し特徴的に言わないと、従来の話からあまり出ないような気がするんですよね。ですから、そこをぜひ議論していただけるといいと思います。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。いかがでしょうか。はい、どうぞ、じゃあ、桑原先生。

【桑原委員】 
 ちょっと外縁の話も含め3点ほど申し上げたいんですけれども、こういう学際的な分野を育成しようという試みは過去にもなかったわけではありません。残念ながら、あまりうまくいっているとは思えないといううらみがあります。
 その大きな理由のひとつは、ディシプリンの問題が出てくるんだと思うんですね。例えば1970年代から80年代にかけて、英国で、科学政策の科学とかあるいは科学計量学が発展した時期には、彼らは新しいジャーナルをつくったんですよね。要するにその発表の場をつくると。そうすると研究は、それが社会的ニーズがあれば自立的に回るようになります。
 ですから、この分野について中心、既存の学会のジャーナルがそれに十分こたえていただけるなら、それはそれでいいんですけれども、それが仮に不十分であるとすればこの総合拠点の大学が中心になってほかと連携しながら、形態は何でもいいんですけれども、その発表の場をきちんとつくっていく必要があります。そうしないと特に領域拠点のほうの問題として、それぞれのもともとのディシプリンの世界では、こういう研究というのは通常あまり評価されないんですよね。そうすると発表の場がないと。発表の場がないとなると、リサーチャー養成というのは不可能になるので、結局、もとのオリジナルのディシプリンのコンテクストの中に戻っていってしまうことになります。そうすると、インテグレーションを起こそうと思ったものがまたばらばらの、ただ寄せ集め状態に戻ってしまう恐れがあります。
 ですから、とにかく発表の場を形成していくこと、これをこの提案の中で求めるべきです。例えばオールジャパンとしての構想提案なんていう部分もありますから、そういうところに記述してほしい例として示すのでもいいと思いますけれども、そういう提起をされたらいかがかという気がいたします。
 それから、2点目は人材をどう育てるかというのも重要なんですけれども、やはり育てられる学生さんのほうのことを考えると、彼らのキャリアパスがどうなるかというのは非常に重要で、それでこのプログラムをきちんと実行していくために、やっぱり相当程度のポリシーミックスを一生懸命やらなければいけないと思うんですね。
 今日の御提案の中にも、例えば領域拠点で育った人材はいろいろな学会において、その学会のオリジナルディシプリンとこの政策のための科学に橋渡しをするんだと、こういう役割を期待するとありますけれども、そうであれば、学会がそういう活動をやってくれるように、私、学会に対する支援政策、今、詳しく存じ上げないんで、うまくいくのかどうかわかりませんけれども、学会に対する様々な支援事業の中で、こういうコンテクストが生きるように調整をしていく、何かそういった総合的視点が必要だと思います。同様に対政府機関あるいは役所自身についても同じような努力を行い、そういうポリシーミックスをまさに進めないとこれはなかなか実にならないという懸念がございます。
 それから3点目は、各大学拠点の機能です。私もともと思うんですけれども、ヨーロッパの大学が、これは科学技術に限りませんけれども、様々な政策に対してかなり強くコミットして、コントリビュートしています。その一つの理由として、政府の調査研究プロジェクトを請け負っているというケースがかなりあると思うんですね。この業界だと昔だと英国のSPRUとか、あるいは今だとPRESTが非常にアクティブですけれども、そういうところの若い人とつき合っていると、EUのプロジェクトとかOECDのプロジェクトとか、あるいは英国政府のプロジェクト、これを例えばPRESTが請け負って、その相当部分の責任を持たされる場合があります。そうすると3年ぐらいたつとものすごく伸びるんですよね。3年前に会ったときと別人のようになっているというのを私、何度か見ましたので、やはりそういう真剣勝負のプロジェクトに日本でもこういう組織が貢献してもらうことが必要だと思います。
 もちろん、政府の側は公募するだけでいいんですけれども、そういうのに積極的にかかわってもらうというようなことが必要なんだというメッセージを出すことが重要じゃないかなというような気がしております。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。野間口先生。

【野間口委員】 
 私も前回の議論がこういう形にまとまったのは非常に意外な感じを持ちながら聞かせてもらいました。それはそれとして前回も言いましたように、こういう非常にトップドメインのところから考えることが日本ではあまり得意でないので、こういう発想もいいのかなと思いながら、今いろいろ参加させていただいていて思っています。
 この政策のための科学ということからちょっと離れまして、その上流にある、科学技術イノベーション政策、これを何のためにやるのかといったら、文部科学省の施策、政策といえども、世界人類のためだけにやっているのではなくて、我が国のためだというのもあるのではないか。そういう視点がなければ15年も続かないのではないか。やはりパブリック、国民のアクセプタンスはいると思うので、こういうのをやって日本というのは世界を先導し、敬意を持って接せられる国になるのだなというのもわからなければいけないので、そういうのがここに出てないのではないかなという気がします。
 1.のところの前半、私もそのとおりだと、ここに書いてあるとおりだと思うのですが、これはあくまでも政策をやる立場から考えた現在の問題点であって、科学技術のおかげで我々はものすごく恩恵を受けているわけですけれども、科学技術のいろいろな面というのも先進国といえども課題があるということ、行き詰まり感というのも感じています。それに対してどういう政策的な施策を見つけるのかというのは、非常に課題になっている。
 それから、科学技術分野でも南北問題がありますね。グローバル化といいますけれども、そのグローバル化はビジネスだけじゃなくて、やはりイノベーションの世界、あるいはコミュニティをいかに形成するかという点でも南北問題が非常に出ている。そういうのに対して、我が国あるいは先進国、そういうところの施策がどういう答えを出そうとしているのかというのは、ここで挙がっているような問題意識では解決策は出てこないのではないか。そういう意味で、最初に少し言いましたけれども、我が国の競争力というのにどう貢献するんだというのを一度考えてみるというのも必要なのではないか。それが南北問題などを考えるとき、それを世界の場に展開したらどうなるのかというような形で出てくると思うので、非常にこの科学技術政策の根幹にかかわるようなところを担うような人材というのであれば、そういった視点を入れてもらいたい。その文科省がやろうとしているいろいろなタイプの人材がありますね。産学官連携人材、知的財産何とか人材、ベンチャー育成何とか人材、それのちょっと毛色の変わったものというふうに出してしまうのではないかなというような気がします。
 だから、そういうところの科学技術イノベーション政策というのは、我が国はどういう形の考えでやろうとしているのか、非常に多様な政策がありますね。それぞれに対して政策のための評価なり方向づけなりであると、それが政策のための科学じゃないかなと私は思っております。その辺をもうちょっと明確に確認しなければ、育ってくる人材もあんまり魅力がないのではないかなと。
 それから、いろいろな先生が人材育成の話をされましたけれども、文部科学省あるいはほかの省庁もあると思いますけれども、人材育成にものすごく力を入れている国だといってもいいのではないかと、項目だけでもね。それだけでは物足らない何かがある。そこのところをここでやるのかやらないのか、やるとしたらどういう考えでやるのかというような基本的な考えというか哲学とか、そういうのを示すと非常におさまりがつくのではないかなという気がします。
 以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。いかがでしょうか。小林先生、どうぞ。

【小林委員】 
 科学的な知見をその政策に結びつけるという、そこのつながりを合理的に行うというのはそもそも難しいというか非常に距離の遠い問題ではないかと。どうすればいいかというのはないわけで、だからこそ、そういう新しい研究分野だとおっしゃるのかもしれませんけれども、そこの中身なしに一体ここで何を教えるんだろうというのが、もう一つ、イメージが描けないんですね。下手をすると、何か周辺の技術的なことだけでそういう学問だということになりかねない。本当にそこをつなぐのに何が欠けていて、何をどういうことをやればいいかという、そこの核心に迫るようなものという気がちょっとしないのですが。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。郷先生。

【郷委員】 
 先ほど野間口委員がおっしゃった哲学や歴史観の大切さを感じます。私は大学に居りましたが、桑原委員がおっしゃったように、現場では文理の融合的な教育とか研究とかというのは非常に難しい。
 一つには、科学技術に対して、文系の方や、日本の国民の多くがいろいろ心配を持っていることがあります。科学技術に対して普通の御家庭では、組みかえ食品に対しての抵抗とか、科学技術というものに少し距離があるんですね。
 文理融合がうまくいかないということの背景に、哲学とか歴史とかを、理系の人は、あんまりちゃんと勉強してないので、本当を言うと接点はあるはずなんですが。一方、日本で科学技術がやはり大事なんだと、これから生き残るためにはというのは文系の人にも理解はできるはずなんですけれど、融合となるとなかなかうまくいかない。
 でも、苦労して試みているところもあるんですが。私は科学技術のための政策というのは非常に大事だと、ある程度考える経験をさせていただいたおかげでそう思うのですけれども、大学の現場の先生は「何なのそれ」と、思われる状況が現実だと思うんです。
 その中でこれをやっていくのは、大変重要なことなんだけれども、もうちょっとフィジィービリティスタディとか、助走期間があって、その後にプログラムがあることが大事じゃないかという気はしております。これをやるならば、政策を本当に進めてくださる中核的な形で活躍してくださる人材を育てたいです。競争的資金でちょっとやって、やはりうまくいきませんというのは嫌です。
 学部卒の人が文系、理系を勉強して、政策がどうあるべきかを専門にすることは本当にできるか、とても無理じゃないかと考えます。例えば理系で修士を終わって、どれだけ本当の研究とか技術というのが身についてわかっているかというと、これは難しい。とても政策まで持っていけないと思うのです。
 学歴は修士でも足りないかもしれない、博士ぐらい出ている、しかも、その上をいく、今までなかったような深い教育を受ける人がここで育ってくるというのでないと、安心して政策に入っていただくというようなことはまず無理じゃないかなと思います。
 例えば生物系は非常に進んでいますから、本当の意味で研究をしようと思ったら、新しい装置がどんどん開発され、その装置がどういう原理でできているのか、自分の研究テーマだけじゃなくて、そういうことまでわからないといけない。
 分子生物学や生命情報学でも物理や化学や数学が必要と言われますけど、実際には博士課程で、全てを勉強できないです、博士論文を書くだけで精一杯。それに加えて政策とかいろいろ勉強するのは、ある程度の年齢の方でないと。しかも年齢だけじゃなくて、産業界で活躍されたとか、いろいろな経歴の方が、その気になって勉強していただくということが私のイメージとしてはあります。それぐらい本格的な、非常に重厚な、入ってきてくださる方の要求があって、それから、こういうことをだれも研究してないのですから、教えるほうの人材はいないわけです。そういう中で各学部からお願いして、とにかく分担してくださいとやるしかないので、大学間の連携という前に、まず一つの大学の中でどうやるかということが大きなネックだと思います。
 それで5年か何年かして次の人材が、先生として教えられる人が出てくるという、そういうスケールで15年ぐらいは必要だろうと思うんですね。
 この募集要項を拝見すると、やっぱり考え方を詰める必要があるという気がいたします。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。有本さん。

【有本委員】 
 二つぐらいです。一つは、今、先生方がおっしゃっていたことは非常に大事で、ということはこれがサポートすることによって何人ぐらい人材を出すのか、博士を年間どれぐらい、総合的な拠点はどうなのか、それから、これは領域開拓拠点ではどうか。これがはっきり出てないものだから、何となくふわっとしているような気がします。
 逆にいえば、ディシプリンが確立していないで、走りながらやるときに大事なのは、先ほど、郷先生、桑原先生もおっしゃいましたけれども、リアリティのあるものを各拠点でやっていくということ。抽象的な理論とか、海外からの導入だけではなく。第3期から始まって、科学技術基本計画をつくるときにエビデンスベースでやろうということで、総合科学技術会議が振興調整費のかなりの額を使っていろいろなことをやられてきたわけです。第4期のもそうでした。これはかなり役に立ったと思う。それから、人材もかなり広がってきたと思います。
 そういうものを踏まえて、第5期にむけて何をやるのか基本計画のようなハイレベルだけでなくても、各々リアリティのある課題はあるはず。大学側もそういう意味で強い問題意識なり、学内でのドライビングフォースというものが出てくるような気がいたします。もう一つ。混乱を生じる可能性があるのは、さっきの斉藤さんが説明された整備方針、資料2-1の一番最後のところです。拠点整備に向けた検討の進め方のところで、これは一体公募型なのか。それとも、構想だけ、アイデアだけもらって、最後はこの推進委員会がリオーガナイズしてやれということになるのか、そこのところが非常に中途半端じゃないかと思います。
 そのボリュームとの兼ね合いだと思いますが、そこをもう少しはっきりしてあげないと、各大学で今から検討する際、困る事になる。非常にタイトなスケジュールで、9月いっぱいで募集締め切りになっています。一応、募集ということになっているものだから、そのときにどれぐらいのものを大学の中で、さっきの相澤先生もおっしゃいましたけれども、基盤的なところをどういう仕掛けでサポートを受けながら、基盤というのは、多分、郷先生もおっしゃったような歴史観とか世界観みたいなものも入ると思いますよね。それはむしろリーディング大学院みたいなところでやるんじゃないかと私は思っているんだけど、そういう基盤的なものの上に乗っかった上で、このプログラムを学内で走らせるという議論が9月いっぱいかけて各大学始まるときに、もうちょっと審査基準から、審査のプロセスをはっきりしてあげないと、学内で混乱をする。その混乱は日本全体の構成にも波及しかねない。スケジュール的にも、11月の中旬から第五回、第六回、第七回となっていますけれども、ここで何を決めていくのかというところをはっきりしてあげる。これらの点がプラクティカルには大事なところではないかなと思いました。
 以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。一あたり先生方の御意見を伺って、若干感想めくのですけれども、おそらく各先生方の御意見で一番心配なさっているのは、この政策科学の科学という領域で一体何をやろうとしているのか、そのためにどういう人材をつくろうとしているのかということが極めてブロードで、まだ焦点が絞られていないんじゃないかと。そういう中で、何らかの形で拠点形成の公募にまで進んでしまうというのは極めて危険であるという、こういうお話だろうと思いました。
 片方で諸外国でも今、科学技術政策の科学ということを本気にやろうということが、各国一歩踏み出しているように思うんですね。我が国もそれをまねしてやろうということではないんですけれども、私が一番これからの科学技術政策なり、日本の科学領域の進め方について心配なのは、今、多くの先生方がおっしゃったような、諸外国とはちょっと違った各領域なり各アカデミアなり、それから、各年齢層の間の壁のようなものが非常にあって、そこを破らない限りは、おそらくインターディシプリンな学問というものも進まない
し、科学技術政策の科学ということを進めることに一歩踏み出せないのではないかという非常に大きな危惧があります。
 プログラム、完璧ではないんだけれども、一歩ここで踏み出さないとという気が非常にしておりまして、いろいろ議論してきたわけですが、つい先だって、アメリカでScience for Policyという本が出まして、それはハンドブックというふうに言っているわけですけれども、ごらんになった先生が多いと思いますが、それ自身の中身は、いろいろな学問分野の目下並列です。それ自身が一つのディシプリンから成り立っているものでは決してなくて、それをこれからどうやってつくっていくかということに向けて、いろいろな分野の人たちが議論をしていこうというのが一つの方向性になっていると思います。
 その中のイントロダクションで、マーバーガーが書いている部分がありまして、科学技術イノベーションというのは、単なる科学を今までのようにあるだけではなくて、ディシプリンの追求だけじゃなくて、最終的にはインプリメンテーションが問題なんだと。あらゆる政策というのは、政策があってその政策を実行するための戦略があって、その結果としてインプリメンテーションが出てくるんだと。
 それをやらないと科学と技術とイノベーションはつながらないんだということを盛んに強調しているように思いますけれども、そういう意味では、科学技術政策の科学というサイエンスというのは、今までのディシプリンベースの何か科学をここでつくるという以上に、イノベーションにまで含めた、社会システムの改造まで含めたインプリメンテーションをどうやるかということを課題にしているんだろうと私自身は理解しておりまして、そういう意味で、そのインプリメンテーションをいわゆる方向と何を目的にするかということについて、現在日本なり社会が抱えている課題は一体何なのかということの発見からやることが必要で、その発見自身をこれはCRDSで議論していて、吉川センター長ともいろいろ議論して、センター長の考えでもあるんですけれども、科学者自身がキュリオシティドリブンな形だけではなくて、社会の問題を解決するほうに科学を向けるとすると、科学者自身はその科学で何を解決できるか、何を解決すべきかという問題を発見しないと、そここからキュリオシティは出ない。そういうことから科学者が考えていく、そういう場をつくらないといけないんじゃないかということをおっしゃっておられますけれども、そういう意味での、ちょっと今までの、また日本がこの科学政策の科学をやり、それが縦割りの科学になっちゃうと、これは何のためにこれをやったのかわからないんだと思うんですね。
 そうじゃなくて、そこから一歩踏み出して、まだ全くディシプリンが確立しないところにチャレンジするということが、この課題の一番大きな問題なんじゃないかなと思っています。
 それで野間口先生のおっしゃった点ですが、アメリカのSciSIPというのは、国際競争力をつけるということと、雇用を確保するということをはっきり全面に打ち出されています。それをどうやって科学的に戦略を練るかということにもはやターゲットを絞っているように思うんですけど、そういう意味で政策をどうやって実行していくか、もしくは科学技術政策の知見をどうやって使っていくかというときには、そのターゲットを日本の戦略として絞るということが必要で、そういうことは絞り方ができるという人材をつくることもものすごく重要な課題なんだろうという気がしています。
 そういう意味でいかがでしょうか。今日、いま御議論いただいたことをもう少し考えてみていきたいと思います。

【有信委員】 
 今の黒田先生の話を聞いて大分理解が深まったんですけれども、要求される人材のところについて言うと、人材育成の内容を今のその黒田先生の説明の深さで表現すれば、ここでの特徴になると思うんですよね。このレベルでの表現だといわゆるその共通認識の範囲を出ていないのでということだと思います。
 それから、もう一つ、今の話で感じたのは、ここで養成すべき、全ての能力を全部兼ね備えているかどうかは別としても、ここで期待されている人材を育成するということと、科学技術政策のための科学という、新しい学問的なディシプリンをつくるということと両面あるんですよね。この両面をきちんと明確にして進めていかないと、特に新しいディシプリンをつくるというところは、従来型のサイエンスやテクノロジーの分析的な知性というか、物事をより細分化し、分析し、その間の関係性を見つけ、あるいは新しい現象を見つけるという、いわゆるサイエンスの方法論ではないものになる。実際のイノベーションは、個々のディシプリンが特定の目的、社会の課題を解決するという目的のために新たに統合されていく。普通、会社で新しいことをやろうとしたら当たり前の話で、別に難しく言わなくても、一つのものを開発しようと思ったら、ありとあらゆる知識を動員しなければいけない。ただ、政策のための科学というのは、それをより抽象的な次元で新しく構成的に知識をつくり出すという、新しい方法論も含めたディシプリンをつくるというところをやはり考えていかなきゃいけない。
 産総研で、「Synthesiology」という雑誌を発行し始めました。あれが今どうなっているかよくわかりませんけど、そういう試みも実はあるわけです。
 そういうところも踏まえて、提案の中にそのような試みの提案もやっぱり出してもらうといいのではないかという気がします。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございます。どうぞ。

【相澤委員】 
 私が冒頭申し上げたのは心配していることを申し上げただけなんですが、その心配はこれから議論を続けていくということで一応了解したとして、この具体的な公募を行う内容について、ちょっと二、三申し上げておきたいと思います。
 まず、この3ページの育成人材像という、これはあまり長くて結局何なのというところがわからないというように申し上げざるを得ません。通常、育成人材像として出されるべきは、こんな未来が開けるんだ、そこを開拓していくんだという明確なる旗印が必要です。
 これはいろいろ書いてあるけれど、やっぱり今科学技術政策にはこんな問題点がある、だから、こういうことが必要だということを言っています。これをいきなり人材育成の目標にするというのは大変なギャップではないかというふうに思います。
 黒田先生が先ほど述べられたことは人材育成の目標ではないと思うんです。今、日本の科学技術政策が非常に困った状態にあるということを言っておられるんであって、それをいきなりこれから育成されてくる人たちに像としてぶつけるのは、教育システムとしてはいささか問題ではなかろうかと思います。
 ですから、ここのところを早急にもう少しわかりやすく、かつ若い人たちに希望が持てるような表現にしていただく必要があるんではないかと思います。
 それから、もう一つは、これはあくまでも人材育成のプログラムですから、もしこれが専攻なり研究科とかそういうレベルになってくると、かなり設置審を意識して構成されるべきではないかと思います。そういうような教育プログラムとしてのたたずまいというものを何ら求めてないんではないか。これが私が先ほど申し上げた基盤的なところをどうするんでしょうかという質問でもあるわけです。つまり、これは全体が教育システムという立場でとらえられてないんではないかと。研究者が相互に異分野でこれを連携しながら進めなければいけないとか、そういうレベルと何ら違わないようなスタンスで位置付けられていると思いますので、ぜひそこのところを各大学が責任を持ってというような表現になっているところこそ、こういう新しいディシプリンをつくりつつ、人材育成を進めるというところに最も重要なところだと思います。ですから、そこのところをぜひ強化していただきたい。
 それから、先ほどの若い人たちへの希望のある方向性でということは、実は、キャリアパスにかかわるところです。この書き方はキャリアパスの確立も必要であるということで、ここにも何ら明るい希望を与えていないんだと思うんです。こういうところに人材が育成されてくると社会が求めてるんだと、だからこういうところにみんな働く道があるんだよという書き方でないと。ですから、ここのところも意識していただきたい。
 これはプラクティカルに公募の要領であるということですから、今、私が指摘した3点は、しっかりとしたものが出されないと、文科省が誘導してプログラムを始めるということにしてはちょっと問題ではなかろうかというふうに思います。

【黒田主査】 
 ありがとうございました。ほかに何かございますか?

【斉藤室長】 
  よろしいでしょうか。

【黒田主査】 
 はい。

【斉藤室長】 
 今いただいた御意見と、その前にもいただいたものも少し含めまして、今まで議論してきた中の中身をちょっと紹介させていただきたいと思っております。
 先生方に御指摘いただきましたとおり、今回対象にしています人材というのが非常に幅広い、分野としても非常に幅広いですし、どれぐらいのその割合で科学技術政策をつくるほうにかむのか、そのバックデータをつくるとかという研究の側に組むのか、さらには、その政策だけではなくて大学なり企業なり、科学技術に関するマネジメント的な意味でかかわってくる方もいらっしゃいますので、その幅も深さも非常に幅が広いというようなことがありまして、どこをどういうふうに狙っていくのかというのをまさに様々な議論させていただいていたところでございます。
 相澤先生に長過ぎてわかりにくいと御指摘を受けました部分につきましても、我々頭の中の整理では、まずこの分野の方々が育成していく人材が政策形成なりで主に、端的に言うと飯を食っていくような方なのか、政策を対象にそれを分析・評価して論文にして、論文で食べていただく方なのかというのがまず一つの軸として大きく育てるべき人材の意味では違うと思っておりまして、さらにそれぞれについてもう一つの軸として、科学技術イノベーション政策で今回のこの分野を中心にやっていく方なのか、それとも経済学なり工学なり全然違う分野にいらっしゃって、この分野により入ってくるなり、より知見を持っていただく方なのかという、その深みの部分でも、深みというか、関与の度合いの部分でもかなり違うと思っていまして、多分、その軸が幾つかあって、それぞれの軸にどの程度までいったところにどういうふうな人材がいるというのがマッピングされてくるのかなと思って議論をしてきております。
 そういう意味でいいますと、この1、2、3というのもそのマッピングに沿って書いているつもりでございまして、1の部分は、論文でなくて政策で食べていくという側の方を1にしていまして、2と3は主に論文なりで食べていかれるんでけど、科学技術イノベーション政策への関与の度合いがどれぐらいなのかというので書き分けているつもりでございまして、わかりにくいというのはおっしゃるとおりなんですけれども、そういう整理の仕方についてこの程度の関与で、この程度のその範囲の深みでというのをもう少し書き分けられるようにしたいなと思っております。
 加えまして、先ほど設置審の問題ですとか、郷先生のほうでは学部ですとか修士ですかの問題も御指摘いただきました。その部分に関しましても、今申し上げた御説明と同じなんですけれども、科学技術イノベーション政策のための科学ということで、この分野の科学技術イノベーションの現状なり、政策評価の分析手法なり、一般的な教養みたいな話なり、幅広く学ぶ必要があると思うんですけれども、学んでいただく方についても、まさにこの分野で極めていただく。ほかの分野でドクターを持っていつつ、この分野に入っていただいてさらにドクターまで取っていただいて、本当にスーパーマンのような、ある程度の分野をまたいだ、本当に上に立っていただくようなスーパーマンみたいな方ももちろん想定しつつも、一方で、現状では普通に経済学なり、普通に工学なりを学んで、お互い何の関心のないまま普通に社会に出ていっている方が、途中で今回のこういう科学技術イノベーション政策の科学という、このプログラムによってできたサーティフィケートなり、サーティフィケートまでいかないまでも、全体にそのふかんするような講義なりが大学にあって、それに触れることによって、少しでもこういうものに関心を持っていただいて社会に出ていただくというようなこともある程度このプログラムの目的なんだろうというふうに思っておりまして、なので、本当にこの分野でばりばりドクターを取る方から、これによってできる講座によって触発される方みたいなものも含めて、幅広く対象にしているんだろうというふうに認識をしております。
 という意味ですと、その拠点の設計のほうも、総合拠点というふうに書かせていただいています、7ページのほうの1あたりの総合拠点は、そのドクターを取って、まさにこの分野でやっていただく方に対応できるようなものを想定しておりまして、これに専門の学位を出していただく必要もありますし、そのためには、御指摘いただいていた教養的なというか基盤的な講義についても、その大学の中でしっかり用意していただいて、それにサポートするような位置付け。事によるとその設置審が必要かもしれませんし、設置審までいかないまでも、かなりこれに特化したような基盤的なものも全学的に集めてきて、しっかり基盤をつくれるような拠点をイメージしております。
 一方で、領域開拓拠点のほうは、もちろんその分野でドクターを取られる方がいらっしゃってもいいんですけれども、もう少し幅広いすそ野の拡大のようなものを想定しておりまして、サーティフィケートコースをつくって、関心はあるんだけど、なかなか今まで共通のコースがなかったような方々になるべく多くの方に取っていただいて、すそ野を広げるというようなことを主に担っていただくことを想定しています。
 さらに、これら全体について実践的な教育、今までと何が違うのかという意味ですと、その実践的なという意味で、役所に来ていただくインターンシップみたいなものですとか、政策関係者と企業などの方々と実際に一緒に集まって、ひざ詰めでいろいろ議論してやっていただくようなことをかなり共通プログラムとして入れたいというふうに思っておりますし、あと、もう1点、桑原所長からもいただきました、政府の調査研究に参画しているとか真剣勝負でやる必要があるという意味に関しましては、この拠点のタイトルが基盤的研究・人材育成拠点事業となっているんですけれども、この基盤的研究というものは何かというのを議論していく中で、まさに桑原所長がおっしゃったようなこういう政府による、今まさに政府が困っていること、今後まさに想定されていることをこういう大学と一緒にテーマ設定をして、一緒に議論して、調査して、その結果についてもまたフィードバックしてもらって、議論して次につなげるようなやりとりを、まさにこの基盤的研究という部分でやりたいというふうに思っておりまして、今回、人材育成の部分が中心なので、基盤的の部分はあまり書いてないんですけれども、次年度以降につきまして、もしくは今年度中、採択が決まった後におきまして、その基盤的研究の部分をどういうふうに進めるかということもまたこの委員会なりで御指示いただきまして、いかに真剣勝負の実際的なプラクティカルな研究開発・人材育成になるかということについても、まさにここでのテーマとして含まれているという認識でおります。
 以上でございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。いかがでしょうか、何かほかに、コメント。

【有信委員】 
 今の話でね。

【黒田主査】 
 はい。

【有信委員】 
 今の話でちょっとよくわかんなくなったのは、結局何によって学位を出すかというところが非常に難しいので、そこのところについての構想をやっぱり出してもらったほうがいいと思うんですよ。学位を出すとなると、オリジナルなディシプリンに戻らないと学位が出せないということで、結局、インターディシプリナリな話がうまくいかないということになるので、結局、またもとの自分の背景のディシプリンのところで学位を出していたんではちっとも前に進まないわけですよね。
 ですから、そこの構想はきちんとつくってもらう。1か月ぐらいで全部つくれというのは非常に難しいかもしれませんけれども、考え方を明確にして、こういう領域での学位の出し方ということについて、明確にしてもらう必要があると思います。

【相澤委員】 
 ちょっとよろしいですか。

【黒田主査】 
 はい、どうぞ。

【相澤委員】 
 スケジュール的には、8月9日にはもう公募の内容を決定しなければいけないというようなことなんですが、先ほど来いろいろと問題点が出てきていることと、それから、もう一つは、先ほど来、斉藤さんが説明されている中に、今回のこの時点における公募というのは、これから進めていく一つのステップだというふうに聞き取れるんですが、もしそうであるならば、これが本格的に進む構造というところまでやらないまでも、先ほど郷先生がフィージビリティスタディというような表現されましたが、そのような性格のものにまずして、そして、その次の年ぐらいにはその中身をさらに全体を固めていくというような、少しステップを切り分けて進めるということは現実な対応としては可能ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【黒田主査】 
 どうでしょうかね。スケジュール感としては、今年、公募という形でアイデアをいただいて、そこからセレクトして、来年1年間かけて各プログラムを推進委員会でやりとりしながら練りながら、来年度中に学生募集をやって、25年度からスタートという、そういうスケジュールになっていると思うんですけど、そういう意味では、来年1年間はやりとりをする時間と、それから、各拠点をつなげる努力をこの推進委員会でやらなきゃいけない期間になります。
 そこで、今、FSというやり方にしろ何らかの形でアイデアをもらわないと、FSがなかなかできないんだろうと思いますので、FSというふうに言っちゃうと、今度、大学のほうはここで切られるかもしれないと思うと力も入りませんし、形をつくるんだという形を明記しながら、推進委員会の先生方には非常に御苦労かけることになりますけれど、構想を実あるものに練っていくというのを、来年1年間かけてやっていくと。大学として、学生募集するということになると、やはり秋口には募集に入らないといけないと思いますので、そういう意味で、そこに間に合うようなFSを兼ねた議論を少し積み重ねさせていただくということでいかがでしょうか。

【有信委員】 
 そこは大事なところで、はっきりしないのは、この各大学での拠点構想を募集、8月30日までに募集するのか、その構想というのはどこまで要求しているかというところがみんな戸惑うと思うんですよね。それを今、黒田先生も相澤先生もおっしゃったこのスケジュールですよね。何かこんがらがるのは、通常の公募型で採否を決めてそれで走り出すような表現もあるし、構想をこちらで受けとめて、それを今年の秋にいろいろデフォルメした上で、数校にお願いをした上で、さらに数校ともまた協議をしてということなのか、今、おっしゃったように、そこら辺が非常に曖昧なんです。

【黒田主査】 
 なんですよね。

【有信委員】 
 ええ。

【黒田主査】 
 これは私の理解ですけれど、今年中というか、このプログラムスケジュールでいきますと、11月の下旬ですかね、それから12月の初旬になるのかもしれませんが、第七回の推進委員会のところでは、このチームでいこうという中核拠点と領域拠点を幾つか選択を決めるんだろうと思います。
 ただ、募集でいただいた、10月の最初にいただいた各大学のプロポーザルというのは、推進委員会で議論していく中で、こういう形のネットワークを増やしたほうがいいとか、こういう形のカリキュラムに改正をお願いできないかという議論を、ヒアリングを重ねながら順位絞っていく期間が多分あるんだろうと思っていまして、そういうことを経た後で、12月の初めぐらいまでにはともかく拠点をつくりたい、つくることをお願いするということがまずスタートではないかと。
 そのプログラムがどれぐらい実効性あるかという段階で、今回は一つ一つがインディペンデントな形ではなくて、拠点間で連携をとり、ネットワークを共同プログラムを開発するということもございまして、それから、NISTEPであるとかJST-CRDS等々との連携プログラムもあり得るということですから、そういうことを提案をさせていただきながら、各拠点間でネットワークを組むときに、協議会という表現があったと思うんですけれども、拠点同士の協議会をも進めていただいて、先ほどのFSになるのかどうかわかりませんけど、そういうことを組み合わせていきながら、来年の秋口ぐらいまでに固めていくという、そういうプロセスなのかなと思っているんですけど。
 今までのCOE等々とは大分やり方が違いますので、何回か言葉の中に「日本全体として」という言葉が出てくるんですが、その日本全体があるターゲットに向けて、これから科学技術イノベーション政策を推進していくについて、どういう在り方の研究者、そして、そこに参加する人材を育成していくかというのが育成プログラムだと思っているんですが、片方で、そういうサイエンスを、サイエンスポリシーをやるためのエビデンスをきちんと踏まえるデータベースであるとか、それから、そのエビデンスを加えて政策をどう展開するかという提案をする部署だとかという活動は、社会実装の実験を含めてCRDSなり、NISTEPなりRISTEXでやる形になりますので、それらを全体含めて拠点形成についてのインプットをどんどんやっていくという構造が一つあるんじゃないかなと思っているんですけれども、これは単なるどこかの拠点形成でぽっと大学つくれと、設置審にかけてそれがいいかどうかを見るという形ではなくて、その全体プログラムが設置審の中でどういう構成を持っているかというのを設置審で議論していただく必要があれば、そういう形をむしろ新しい試みとしてやっていくというのが問題で、その中で、新しいディグリーが生まれていくと。
 ある場合には、サイエンスフォーサイエンスポリシーとしてのディグリーであるし、ある場合には、ある領域を持っていて、そこに科学に関与する、政策科学の副専攻としての関与するようなディグリーもあり得ると、二つのタイプをディグリーとしては考えているということだろうと思います。

【斉藤室長】 
 少しこちら側の考えを述べさせていただきますと、いろいろ先ほど御指摘いただきましたとおり、本事業につきましては政策のための科学という、その科学技術政策をより合理的に持っていくための科学の側からのアプローチという意味と、政策そのものをそのような科学の結果、エビデンスに基づいて合理化していく、政策形成を高度化していくという、二つ大きな車の両輪であるということで、前回の基本構想などでも書かせていただいていると思うんですが、そういう認識を持っております。
 その際、私ども政策側からの人間から見ている範囲では、政策形成をより科学的にやるかと、そのためにどのようなエビデンスが出たときに、政策側を合理化していくためにどういうことができるかというのはもちろん役所の中で議論もできますし、いろいろ御意見を断片的にいただきながら議論はできるんですけれども、その政策のために科学側がどういうことができるのかというのは、役所や関係機関だけの議論や、このような審議会の議論だけではなかなか難しいところもあって、やっぱり科学をやる、もしくは人材養成を直接やられる大学側のほうで、こういうことが今現在行われていて、こういうことができるというのを、しかもこういうふうにかんでいきたいというのをいただいた上で、まさにその車の両輪を一緒に支えるべく行政側と大学側と議論していくようなプロセスが必要なのかなというふうに思っております。
 今まで、去年多分1年半ぐらい前から、この構想が始まってから現在までは、どちらかというとその役所側の中身の話をずっと、今回出させていただいたペーパーを中心に、役所側で考える構成的なものを検討させていただいていたと思うんですけれども、そろそろ黒田先生おっしゃるように、大学側でこういうものをというのを、まさにさらにこういう構想もありますという形じゃなくて、我々がこういうのできますという、その真剣に御検討いただいて、こういうことをやりたいというのをいただいた上で、それと一緒に議論をするフェーズに入ってくる段階なのかなというふうに思っておりまして、そういう意味で通常の公募のように、今回このこれで公募というのが行われて、まるばつがついてそれで終わりで、もうこの後全く中身も変わることなく続くということは全く想定しておりませんで、思いとしましては相澤先生おっしゃるとおりFS的に、まず幅広く公平にいろいろなところから御提案、構想をいただいて、それをこういう場で御議論いただいて、中身を詰めていって、ある程度、その全体構想が固まるまでにももちろんヒアリングなどやりますし、固まった後も、その後も引き続きずっと悪いところは直していくなり、新たなスキームを入れていくなりというのをずっとやっていきながら進んでいくものだというふうな認識はしておりますが、ただ、今年度からの事業ということで、今年度第一歩、本格的に一歩前に出るためには、まずは、幅広く公平に志のある大学から御提案をいただいて、一緒に入ってきていただく、その御提案を並べて議論するというのをまずスタートする必要があるのかなと思いまして、まだ生煮えで恐縮でタイトではございますけれども、一応こういう形の御提案をさせていただいているというような認識でございます。

【黒田主査】 
 よろしゅうございますか。多分よろしくないとおっしゃりたいんでしょうけど、あと1回、この議論はやる予定がありますので、そこでもう一度詰めさせていただいて、その段階でさらにここを煮詰めなきゃいけないようなことがあれば、それはまた、これからスタートが肝心ですので、よく議論させていただいてというふうに思っていますが、いかがでしょうか。

【有信委員】 
 今の黒田先生の話でよくわかったんだけど、一つだけ言葉じりで悪いんですけれども、政策のために科学が何ができるかと言いましたよね。そういう発想なわけ。

【斉藤室長】 
 すいません、何ができるかという……。

【有信委員】 
 政策のために科学が何ができるかというふうにおっしゃったんだけど、そういう発想と、政策のための科学で、私だけかもしれないけど、我々が理解している内容とは全然違う話になるんだけど。

【斉藤室長】 
 すいません、表現が悪かったら恐縮なんですけれども、政策と科学というものが、その車の両輪として一緒に進んでいかないといけないというふうな認識でございます。

【有信委員】 
 というか、ここではだから、政策のための科学ということを追求しましょうということで、つまり政策と科学がどういう関係にあるかということではなくて、政策そのものが、科学という概念をどうとらえるかということにもよるんだけど、科学的に政策が立案される、あるいは構築される、構想される、この全体のアウトラインを具体的に実行していくような人たちを育てる、あるいはそのための新しい学問の在り方をきちんと明確にしていくということだと思うんですよね。だから、その政策と科学が全く別物だという考え方でやっていくと、基本的なところで多分またそごが出てくるような気がするんです。細かいところにこだわり過ぎかもしれません。

【斉藤室長】 
 先生おっしゃるとおり、全く私もそういうふうに思っておりますし、ただ、今までの政策立案が、その科学的知見も含めて総合的に議論された上で、科学的に、合理的になっていなかったんじゃないかという反省のもと、それを全体として何とかするべく行政側と大学側ともちろんやることがあって、それぞれ全体としてよくしていきたいということだと認識しております。

【相澤委員】 
 ちょっと質問、よろしいですか。

【黒田主査】 
 はい、どうぞ。

【相澤委員】 
 今度、公募するのは総合拠点はどのくらいの予算規模なのか。それから、そのほかのところは、どのくらいの予算規模なのか。
 先ほどのFS的という内容も、この予算規模によってかなりとらえ方が変わるんではないか。資料3の後ろに費目の内容ということで、補助金の経費として、こういうことがということをこう見ると、これはおそらく補助金の全体のことを書いているんだとは思うんですが、いきなり設備備品とか、こういうレベルの話が出てくるとなると、これは今年の予算執行がもう非常に今年の末まで審査がかかって、それでということになってくると、今年、つけるという補助金はどの内容のものを支援するものなのかということを明確にしておかないと、先ほど来の議論がやっぱり成り立たないんではないかというふうに思います。

【黒田主査】 
 それはおっしゃるとおり。今、相澤先生からいただいた、僕も何となく違和感がありまして、これももう日本の予算制度なり何なりの大欠陥じゃないですかね。あることを決めて決定するのが12月で、その年度内にお金使ってしまえというようなことがやられているわけで、それはもう国民にとっては大損なわけですよね。
 それはこのプログラムだけに限ったことではなくて、COEでも何回も繰り返したことだと思うんですけど、そのことに対して、どうやったら実効性が上がるのかということを本気に考える場がどこにもないということが、日本の科学行政の大問題じゃないかなという気を僕もいつもしていまして、そこまで立ち入れるかどうかと、我々がそんな権限あるのかどうかわからないんですけど、ぜひそれをきっかけに議論になればというふうに私自身は思っています。大分御意見いただいて。

【有信委員】 
 ちょっとよろしいですか。

【黒田主査】 
 はい、どうぞ。

【有信委員】 
 ぜひ次の回には、このスケジュールが12月までで終わっているんだけれども、今の話で、先までですよね。

【有信委員】 
 かなり先まで。数年、二、三年先までぐらいがないと。それから、この推進委員会というのは何をやるのか、何かこれはものすごく介入的になりますよね。最近は研究助成のプログラムではPDPOがかなり介入的にやっているのもありますが、教育拠点ですから、どこかでやはり自律的に進むようにしておかないと、ちょっとまずいんじゃないかという気がするんですよね。

【黒田主査】 
 難しいですよね。

【有信委員】 
 今日の議論を踏まえてリデザインするときに考慮する。

【桑原委員】 
 私、次回、海外出張で出られないものですから今申し上げます、非常にこれから難しいオペレーションを事務局でやっていただくことになると思うんですけど、これは最後はやっぱり選定するわけですよね。であれば、いろいろないい提案が出て、それをつまみ食いして、どこかほかの大学に持っていって実施させるとか、そういうことが本当にできるのかどうか。そのフェアネスをキープすることは最低限必要だと思うんですよね。これ、機関提案ですから、個人提案の場合にPOやPDがコントロールする、これはもうある程度現実にあるし、ある種当たり前になっているんですけど、機関提案でそれをやろうというのは、多分、本邦初の話になるので、私はフェアネスをかなり重視しないといけないんじゃないかということを懸念しております。

【黒田主査】 
 今、お二人の先生方からいただいた意見、相当に重い課題だと思いますし、これは事務局が考える、もちろん考えなきゃいけないことですけれども、おそらく推進委員会全員が考えなきゃいけない最大の課題だと思いますので、ぜひ今後の議論でもう少し納得のいく形をつくっていきたいと思っています。
 きょう今までの議論は、もう一度整理させていただいて、次回の提案に可能な限り反映させるように努力をさせていただきたいと思いますが、二つ目の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。
 二つ目の議題は、このSciSIPのプログラムの中に震災対応という課題も、前回も御提案いたしましたようにありまして、それについての調査研究が若干進められておりますので、その進捗の状況を御説明いただきたいと思います。桑原さんのほうから。

【桑原委員】 
 それでは、資料5で簡単に御説明申し上げます。
 震災対応、私どもの担う政策課題対応型研究の中で実施するようにということをお決めいただきましたので、一部、今どんなことを始めたかということを御紹介します。
 1ページをごらんいただきますと、内容は二つございまして、震災が国民の科学技術に関連する様々な意識にどういう変化、影響をもたらしているのか、同時に同じく震災が科学技術者たちにどういう意見の変化をもたらしているのかと、この2点からの調査を今やっておりまして、それを御紹介します。
 まず、1ページから。右上に国民意識とありますけれども、一般の人々への調査で、これはそこの表にありますように、2009年からたまたまもう1年半ほど継続的に調査をやっておりました。科学技術にどの程度関心があるかとか、どういうテーマに皆さんが関心を持つのかということをネットベースで行っていたものです。
 ちょうど今年の3月の末が一応最終回だったんですけれども、そこで震災が起こったものですから、急遽エクステンドして今でも続けております。これは今申しましたように、インターネットの調査会社を使ったサーベイでして、回答者の年代のバランス等はとれております。
 それから、ネットサーベイは、やはりいろいろなバイアスがありまして、特に通常の世論調査の場合と学歴が大分違います。通常の世論調査では大学卒は回答者の3割程度ですが、ネットサーベイでは6割位になります。
 ということで、そこに明らかなバイアスがありますので、それを補正するための訪問面接調査もこれから何度かやろうと予定しております。
 データを簡単に御紹介します。2ページが科学技術に関する関心度で、真ん中の線が全員、上が男性、下が女性と。点線が震災の後ということになりますけれども、関心が上昇基調にあるということが見えます。特に、女性がわりと上がっています。
 次、3ページが社会課題、様々あるわけですけれども、そういうものに対して、人々がどういうことに特に関心を持っているのかということを見てまいりますと、震災後、特に資源エネルギー問題の解決、これは社会的なアジェンダですけれども、それから自然環境の保全、こういったものの認識が高まっております。
 それから、安全な原子力の開発というのは震災直後に一気に上がりましたけれど、その後ややフェードアウトして、もとのレベルに戻ってきているという特異な変化を見せております。
 4ページが、そのような社会問題に科学技術が貢献することを期待するかどうかということで、これをごらんいただきますと興味深いんですが、約2年間にわたって全体とすると右肩上がりで上がってきております。要するに科学技術に対する期待度は全体としては上昇基調にあると。特に資源エネルギー問題の解決ですとかあるいは自然災害の予知・被害、こういったものが高まっています。原子力についてはやはり先ほどと同様、4月に非常に上がったんですが、その後、もとのレベルに戻るという、ちょっと変わった変化を示しております。
 それから、5ページで、4月以降新たに加えた質問を御紹介しております。科学技術全体としてプラス、マイナス、どちらが多いかですが、点線から上は訪問面接調査ですので、絶対値を直接比較することは必ずしも適当ではありませんけど、レファレンスとして載せております。4月以降、科学技術をトータルでプラスと見る方の比率がだんだん落ちており、これは大変懸念されます。
 それから、同様に6ページでは、福島の事故に対して、どういうところに不安をお持ちかということで、これは新聞がいろいろ調査を行っているのと似た傾向が出ているということでございます。
 7ページは、今後の原子力発電利用に関する考え方で、これも点線から上は訪問面接により、日本生産性本部が過去にやってきた調査で、かなり大きな変動を示しているんですが、原子力の利用については、ポジの意見というのがやや縮小傾向にあるというのが最近の数か月の調査結果でございます。
 それから、8ページ、9ページがわりと重要だと思うんですけれども、科学者・技術者に対する信頼感、これはネット調査で過去にも時々やってきておりましたので、同じデータとして比較ができます。震災前と震災後、左側が科学者の話、右側が技術者の話と、こうなっております。2011年の4月については、括弧でくくっておりますけれども、このときは緊急で加えるということで、設問のいろいろな制約で前と全く同じ形式で聞くことができませんでした。ということでその設問の形式の違いによる影響があると思いますので、ここはあくまで参考とお考えいただければと思います。震災前に比べると5月、6月において、科学者・技術者の信頼感が、やはり一定程度下がっています。特に科学者のほうの低下が激しいというような傾向が見えております。
 その科学者がいろいろなメッセージを出しているかどうかという質問が、9ページ上にあり、あまり出していると思えないという評価になっております。では、それを聞きたいですかと質問しますと、ぜひ聞きたいという意見、あるいはどちらかといえば聞きたいという方が6割以上です。ですから、国民は意見を聞きたいと思っているけれど、なかなか発信がないと、こういう状況かと思います。
 10ページ以降は同じような内容で、今度は技術専門家に行ったものです。これは、科学技術動向研究センターの専門家ネットワークの2,000人弱の方々に質問したもので、10ページが、日本の科学技術全体にどんな影響を与えるかということで、問題解決型が進むだろうとか、あるいは科学者と技術者、信頼を回復する努力が必要であると、こういう意見が上位を占めています。
 同様に11ページでは、科学者・技術者の役割とは何かということで、国民に対してメッセージをきちんと出していくということが重要だとされています。これは、複数選択二つまでですけれども、半分の方がこれに丸をつけているということが目立っております。
 12ページ以降は、国民の信頼感について、科学者自身がどう考えているかということですが、信頼があるという意見と信頼がないという意見が、大体拮抗しているということで、これはネット世論調査とほぼ似た傾向が出ております。同様に、国民に対していろいろな意見を発信しているかどうかという質問に対しては、科学者自身もあまりしていないという意見で、これもパーセプションにギャップが全くありません。国民はそれを聞きたいと思っているだろうかという質問をしますと、きっと期待されているだろうという判断になっています。
 ということで、両者の認識は良く一致しておりますけれども、求められるコミュニケーションをこれからどう実現していくのかが課題であるというようなところが、現時点でいろいろ見えているポイントでございます。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。何か御質問ございますか。
 じゃあ、時間も相当迫っておりますので、第3番目の議題で、SciSIPの中で、まず政策対応型の調査研究と、データの情報基盤をつくっていくという、これもNISTEPのほうにモライアンスするプログラムとなっておりますので、それについて若干御報告をいただきたいと思いますが、桑原さんのほうからお願いします。

【桑原委員】 
 それでは、資料6で状況を簡単に御紹介申し上げます。
 まず、1ページをごらんいただきますと、私どもの研究の枠組みをいろいろ議論をした末、今こういう格好で整理をさせていただいております。大枠として政策課題対応型の研究とデータ・情報基盤の整備と、この2本の柱がございまして、政策課題対応型のほうは経済・社会効果の話と、それから大震災対応の調査がありまして、これは先ほど幾つか御紹介申し上げました。
 経済・社会効果がまた幾つかのサブ構造になっておりまして、ミクロデータを用いた、統計個票ベースでの様々な分析、それから、トータルのR&D投資と、トータルのGDPのようなマクロベースでの分析。
 さらに純経済効果に限らない、様々な社会的効果、これをどう計測していくかという研究、この3本で枠組みをつくっております。それに加えて総合的検討があります。
 データ・情報基盤のほうは、大きく二つに分かれまして、1番目がデータ・情報基盤全体の設計です。これは様々な既存のデータベース、あるいは機関との連携・協力、さらに集まったデータをどういう形で研究者の方々、あるいは一般の国民の皆様に提供していくのかという全体像をつくり、それを実施していくという部分でございます。
 2番目のほうが、もう少し具体的な政策研究のニーズに基づいてデータを整備していくということで、かなり共通基盤となる中核データベースと、それから、個別の研究テーマにリンクするような個々の政策課題対応型のデータ整備、こういう全体の枠組みでございます。
 次の2ページをごらんいただきますと、政策課題対応型の研究の少し詳しい内容がございますので、状況を御紹介申し上げます。
 まず、内容に入ります前に全体といたしまして、これから、大学に対するプロジェクト公募も始まりますけれども、私ども科学技術政策研究所が担う研究領域について、いろいろな大学の先生とお話をさせていただいて、連携が組めそうなものについては、一緒に連携しながら進めていくという形で幾つかのテーマを整理してきております。
 まず、(1)のミクロデータに5本のサブテーマがありまして、最初の1まるが無形資産・イノベーション・生産性に関するミクロデータ分析ということで、これは主に企業が対象になりますけれども、R&Dを含む無形資産、それがイノベーションですとか、あるいは生産性の向上、これにどうつながるのかということを産業別等々で分析をしていこうと、あるいは地域別ですね、こういう研究テーマでございます。これは下のデータベース構築ともリンクをとりながら進める研究になっております。
 それから、2まるがイノベーション調査、これは科学技術政策研究所が既に2回実施をしてきておりますけれども、その第3回の実施、今年度は準備期間でございまして、総務省統計局への事前申請等々行いまして、来年度実施を予定しておりますが、それに向けた前回調査のフォローアップあるいはその準備、実施という計画を進めております。
 3まるが特定の分野領域、あるいは政策に絞ったR&D投資と経済効果の分析ということで、これは、まだ方法論ががっちりできておりませんので、今年1年間はFSベースで進めさせていただきたいと思っておりますけれども、根っこになりますのは、科学技術政策研究所がこれまでの科学技術基本計画についてのレビュー調査、あるいはフォローアップ調査など、基本計画に関するサーベイの中で蓄積いたしました各大学や独法等での代表的な研究成果の内容を千数百件データベース化したものです。その中には過去に詳しく分析したものと、あまり分析ができていないもの、いろいろまざっているんですが、幾つかのパターンをつくって、投資とその経済効果がどうつながるのかという分析をしていこうというものでございます。
 それから、4まるは大学と企業の連携ということで、これは、特に産学共同研究がその後企業にどう移転されてどう発展するのか、あるいは企業の発明者サーベイを行いまして、この産学共同研究等がどう評価されているか、大学、公的機関の成果がどう活用されているのかという、技術者サーベイを実施しようとするもので、これについては一橋大学との連携を今進めております。
 最後の5まるは、ノウハウ・営業秘密が企業のイノベーションに与える影響ということで、これは私どもの民間企業に対する調査を活用してこれから進めようとしているというものです。
 (2)のマクロ分析では、1まるが過去に政策研が開発したマクロ経済モデルの改良ということで、10年ほど前につくったモデルに新しいデータを加えまして、発散することなくコントロールできるというところまで既に確認できております。
 この後、タイムラグの問題ですとか、あるいは知識の陳腐化率のデータを更新する、さらに、分野のポートフォリオを変えたときにどういう効果が出るのかというようなトライアルをこれからやりたいと思っております。
 2まるは、別なプロジェクトでございますけれども、一般均衡モデルを使いまして、研究者数とか特許数、そういったものが生産性にどうつながるのかという新しいモデル開発に取り組むというものでございます。
 (3)の社会経済効果、これについては、現在、慶応大学の一部の先生と協力してこれからFSを進める予定でございますけれども、ソーシャルリターン・オン・インベストメントですとか、あるいはシェアード・アウトカムのように、他の行政分野でいろいろ使われている手法を科学技術関係にうまく適用できないかというチェック&レビューをまずやろうと思っております。
 さらに(4)の総合的検討としまして、こういう経済分析について、経済学者の方々あるいはその関連する人文社会の分野の方々、あるいは自然科学の分野の方々、いろいろ議論を積み上げていくことが重要だと思いますので、そういった議論の場を定期的に用意をして議論を煮詰めていくとともに、海外の状況をきちんとウォッチしていくと、こんな構想を考えております。
 データのほうにつきましては、基本的には様々な統計が分散して蓄積されておりますけれども、それをいかに統合するかというのが課題でございまして、いろいろな機関との連携、それから、政府統計では、例えば科学技術研究調査、学校基本調査、あるいは経産省の企活とか、こういったデータについて、政策研でこの1年来データ収集と連携構築の努力をしておりまして、ようやく全体像が見えてまいりました。
 さらに、JSTのReaD、あるいはNIIのリサーチマップですね、こういったところとの連携も重要だと思っております。特に競争的資金のe-Radについていろいろなことがわかってまいりまして、現行のe-Radでは、私ども全く誤解しておりましたけれども、データが累積される構造になっていないということがわかりました。ただ、内閣府のほうが累積データをお持ちで、内閣府にも非常にポジティブに御協力いただいておりまして、過去は門外不出で、私は見せてももらえなかったんですけれども、一定の条件つきではありますけれども、全データを使わせていただいて、それがどう役に立つのか、あるいはどう連携したらいいのかという分析をやってよろしいということになりまして、いろいろなことがうまく進むようになってきているというのが、この第1課題の全体像でございます。
 次に第2課題につきましては、公的機関の1まるは主に論文関係で研究機関名の名寄せ、あるいは著者名の名寄せに取り組み、海外についても2年目以降順次取り組んでいきたいと思っております。2まるのイノベーションは特許関係、3まるは私どもで定期的に実施しております調査を充実させて、いろいろな研究者の方にも活用していただけるようなデータセットとしてつくり、提供していきたいと思っております。4まるは、これからのチャレンジですけれども、博士データベース、すなわち博士をお持ちになった方をずっと追跡できるようなデータベースをつくっていこうというものです。それは彼らがどんなキャリアパスで、どういうところでどんな活躍をしているのかということを見ることにもつながりますし、これがある程度蓄積されれば、どういう博士養成システムが非常にいい人材をつくったのかというところへのフィードバックの研究もこれができればできるようになるのではないかという期待をしております。
 あと研究支援データにつきましては、1まるの無形資産、これは上の政策課題と連携したデータベースでございまして、あと政府関係のバジェットプログラムについてのデータベースをつくるということを考えております。
 これから進めていく上で、助言委員会というのを設けて、既に開催して、いろいろ御意見いただきながら進めております。黒田委員長にもメンバーとして御参加をいただいているということでございます。
 以上です。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。NISTEPのほうで着実にデータベース、それから、短期的な政策効果の測定のプログラム進んでいるように思いますが、何か御質問、御意見ございますか。どうぞ。

【野間口委員】 
 大変興味ある研究のように思うのですが、例えばこのパワーポイントの2ページの1.(3)のまる1のところで、政府投資によりもたらされたイノベーションによる社会的効果云々とありますけれども、私、長いこと産業界にいまして、この日本の統計でここがなかなかうまく出てないのではないかと、国内で実が結ぶのはGDPとか何とかで反映するのですけれども、中国とか東南アジア各国とか欧米、外国のGDPの増加に日本産業が貢献している量があまり明確に押さえられてないのではないか。
 我が国の科学技術投資が、R&D投資が産業界で実を結んで、世界のそういう経済発展に貢献している割合というのは無視できない、ものすごく大きなものがあります。中国に抜かれたと言いますけど、日本の貢献にしてみたら全然まだ抜かれてないのではないかと思います。その辺全くイノベーション論の先生方もそうしたことをおっしゃらないというのはおかしいのではないかと。
 よく出口のところをしっかりと評価しなければ、科学技術イノベーション政策のための政策もあり得ないのではないかと思って、非常にここで述べられている研究というのは、これが一番基本になるのではないかなと、ここで出た結果ですね。これをもとにしてどういうふうに政策をPDCAして決めていくんだ、修正していくんだ、イノベートしていくんだというのにつながると思いますので、そのときにこのより正確な、日本経済、今やもうグローバルな形になっているわけですから、そういう形で押さえていただくよう、時々聞かせていただきたいぐらいです。

【黒田主査】 
 ありがとうございます。桑原さん、何かありますか。

【桑原委員】 
 いや、もうおっしゃるとおりでして、先生の産総研でも産総研の成果についていろいろ研究をされているというのをこの前講演していただいたりしておりまして、我々それも勉強して一緒にやらせていただければとこう思っております。

【野間口委員】 
 よろしくお願いします。

【黒田主査】 
 どうもありがとうございました。ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 じゃあ、大体予定の時間が若干過ぎましたので、きょうの議論はこれくらいで思っておりますが、事務局のほうから何かございますでしょうか。特によろしいですか。

【斉藤室長】 
 いいです。はい。

【黒田主査】 
 じゃあ、次回予定を先ほど来出ていますように、お忙しいところ恐縮ですが、9日ということでございますので、まことに恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。ほかに何かございますか、事務局のほう、よろしいですか。

【斉藤室長】 
 はい、結構です。

【黒田主査】 
 じゃあ、長時間にわたりまして、ありがとうございました。今回、2回目の推進委員会を終了させていただきます。

 

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-- 登録:平成23年09月 --