当サイトではJavaScriptを使用しております。ご利用のブラウザ環境によっては、機能が一部限定される場合があります。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしていただくことにより、より快適にご利用いただけます。

Home > 政策関連情報 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 研究機関における公的研究費の管理・監査に関する検討会 > （第6回）配付資料 > 資料4－1

資料6－2

分析結果報告書および各大学への訪問を通じての意見

080326　新日本監査法人　大久保　和孝

1．各研究機関の取組み状況について（視察した研究機関を前提に）

（ア）目的と手段の入れ違いがあるのではないか
- 　目的と効果について論じされず、形式的な要件を満たすことに主眼がいっていないか。
- 　重要な論点に対する対応ができておらず、その一方で、かなりの手間隙をかけているが、十分な対応がなされているとはいえないのではないか。
（イ）趣旨が理解されていないのではないか。
（ウ）取組みが、研究機関内部でばらばらになっており、取組みが部分的な対応になっている感が否めない。そのため、かえて、非効率を生み出している。全体的な対応をはかるというガイドラインの趣旨が理解されていない。
（エ）購買についても、検収センターを作ればよいという単純な考え方による対応があるが、目的が達成されるのであれば必ずしもその必要性はない。

ガイドラインの導入を機に、研究機関内の体制を見直そうということよりも、とりあえず、今回の検査に対応できればいいという程度の位置づけしか感じられない。
行動規範が、具体的に示されている研究機関が極めて少ない。あるいは、制定していたとしても、形式的かつ杓子定規なものとなっており、現場に対する組織としての具体的な方針が示せていない（教職員が読もうとするインセンティブがない。インセンティブを持てないものを作成しても浸透することはない）。

2．ガイドラインの取組みについて

（ア）ガイドラインは3年かけて体制を構築するものであることを研究機関に明示すべきではないか。性急な対応は、結果として形式的な取組みを促すだけである。監督官庁から、そこを明確にメッセージとして発信すべきではないか。
（イ）周知について徹底をはかるべきである。とくに、ガイドラインの趣旨目的が徹底できるようにするためには、階層別（マネジメント層（理事クラス）、実務者（課長、課長補佐クラス））に繰り返し（年に2回）、集中的な研修会を実施する必要がある。
（ウ）ガイドラインへの取組みをネガティブなものとして受け止めている感が否めないが、これを機会に研究機関内の風土を改善するのだというポジティブな捉え方をするように促す必要がある。（向かい風も立ち位置を変えるだけで、追い風に代わる）
（エ）ガイドラインの趣旨目的を適切に理解して対応をしていただくことは、結果として研究効率の向上に寄与するのだという前向きな意識を醸成する必要がある。

3．その他

（ア）今後
- 文部省としての研修制度の充実による適切な理解を促す
- モデルとなる研究機関を選定して、成功事例を作る。
- 取組みに当たっての事例集を作成する（中小組織版も含む）。たとえば、発注―検収についても、単に検収センターを作るということではなく、具体的にどのようにすれば良いのか、事例（購買センターの導入、内部監査の考え方によって対応、発注票の具体的な雛形等）をいくつか示す。
（イ）ガイドライン施工後に発生した不祥事への対応について
- ガイドラインで対応していていれば対応できた事項
- 巧妙な手法により生じたもの
  の峻別を客観的に行い、判断を行うことが必要。