試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ施設・構造サブワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成21年11月27日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15階 科学技術・学術政策局会議室1
(住所:東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 新耐震指針に照らした試験研究用原子炉施設の耐震安全性評価について
  2. その他

4.速記録(施設・構造サブワーキンググループ(第1回))

平成21年11月27日

【吉田原子力規制室長】  おはようございます。ちょっと和田先生が遅れているようですが、始めさせていただきたいと思います。

 委員の先生におかれましては、ご参集いただきましてありがとうございます。

 本日の進行は、本サブワーキンググループである二ノ方先生にお願いしたいと思います。それでは、先生、よろしくお願いいたします。

【二ノ方主査】  はい、わかりました。

 それでは、原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループでございますけど、そこのグループにおきまして、本サブワーキンググループの主査を指名されました二ノ方でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、第1回目になりますが、試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループの施設・構造サブワーキンググループの会合を開催させていただきます。

 このサブワーキンググループは公開となっておりますので、発言は私の指名後に行っていただきたいと思います。また、傍聴される方々には円滑な議事進行にご協力いただきますようお願いいたします。

 それでは、初めに本日の配付資料について、事務局のほうから確認をお願いしたいと思います。

【林安全審査官】  議事次第に基づき配付資料の確認をさせていただきたいと思います。

 議事次第の下の「配付資料」に沿ってご確認下さい。施設・構造1-1「地質・地震動サブワーキンググループにおける耐震安全性評価の妥当性の確認結果について(案)」、施設・構造1-2「試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ現地調査(第1回)報告」、施設・構造1-3「バックチェック報告の妥当性確認の主なポイント等について(案)」、施設・構造1-4「試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ(第1回)~地質・地震動サブワーキンググループ(第2回)における主なコメントの整理(案)」、続きまして、施設・構造1-5、京都大学の資料になりますが、「京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)新耐震指針に照らした耐震安全性評価(中間報告)(原子炉建屋の耐震安全性評価)」、最後になりますが、施設・構造1-6「京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)の耐震安全性評価の妥当性確認に係るクロスチェックについて(案)」です。

 不足がございましたら、事務局までお申しつけください。

 また、資料、速記録については今後、文部科学省のホームページにて公開させていただくことになっていることを報告させていただきます。

 また、試験研究用原子炉施設耐震安全性評価妥当性確認ワーキンググループ(第1回)の速記録については、既に文部科学省のホームページにて公開させていただいていることを報告させていただきます。

 なお、傍聴者の方々にはホームページをご参照くださるようお願いいたします。

 以上です。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 それでは、続きまして、次の議題に移りたいと思います。

 本日の最初の議題は、議事次第にあるとおり、地質・地震動サブワーキンググループにおける確認状況についてです。

 では、事務局のほうから、よろしくお願いします。

【鎌倉保安管理企画官】  資料のほうは施設・構造1-1でございます。

 確認結果の説明の前に、確認の経過について、まず説明させていただきます。

 全体のワーキンググループを7月15日に開催しておりまして、その後、地質・地震動サブワーキンググループについては、第1回会合を7月31日、それから、第2回の会合を10月14日に開催し、確認を行っております。

 第2回の会合以後、懸案になった件についてはメールなどにより確認を行っております。この間、後ほど説明がありますが、全体のワーキンググループとして現地調査を行っておるところであります。

 確認内容の詳細については資料の施設・構造1-4に主なコメントの整理ということで、京都大学からの説明に対する委員からのコメント、それに対する京都大学からの回答ということで整理させていただいておりますが、説明は割愛させていただきたいと思います。

 それでは、資料の施設・構造1-1にお戻りいただきまして、京都大学が実施しましたKURの耐震安全性評価のうち、基準地震動、並びに、基準地震動に基づく入力地震動についての地質・地震動サブワーキンググループにおける妥当性確認の結果について説明させていただきます。

 最初に結論を説明させていただきたいと思いますが、基準地震動、並びに、基準地震動に基づく入力地震動などについて、さらに、それらを導き出すための手法などの内容についても、地質・地震動サブワーキンググループでは妥当なものと判断しております。

 それでは、耐震安全性評価の手順、順番に従って、確認結果を説明させていただきます。

 まず、(1)活断層の調査でございます。地質文献の調査、地質調査、地球物理的調査などを実施しており、基本的に必要な調査は実施されていると地質・地震動サブワーキンググループでは判断しております。

 それから、(2)活断層の評価でございます。敷地周辺の陸域、海域の活断層の評価、それから、影響の大きいと考えられる中央構造線断層帯の断層の傾斜角については、43度としております。このことについて妥当なものと判断しております。

 続きまして、(3)から(10)までが地震動にかかわる確認結果でございます。

 京都大学では安全委員会の耐震指針に沿いまして、震源を特定して策定する地震動、それから、震源を特定せず策定する地震動について検討を行っております。

 (3)では震源を特定して策定する地震動ということで、検討用地震動として中央構造線断層帯による地震、上町断層帯による地震、以下、ここに示した地震について検討用地震として選定しております。このことについて、サブワーキンググループでは妥当なものと判断しております。

 続きまして、(4)です。検討用地震として選定されました中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震、ここに示した以下の地震について、その基本震源モデル、それから、そのパラメータについても妥当なものと判断しております。

 続きまして、2ページ目に移りますけれども、(5)と(6)が地震動の評価になります。京都大学では耐震指針に示されている応答スペクトルによる地震動評価、それから、断層モデルを用いた手法による地震動評価の検討を行っております。

 まず、(5)応答スペクトルに基づく地震動評価でございます。中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震ほか、検討用地震について、応答スペクトル手法として耐専式を用いた地震動の評価を実施しております。敷地の地下構造特性などを適切に考慮しているということで、地質・地震動サブワーキンググループでは妥当なものと判断しております。

 続きまして、(6)断層モデルによる地震動評価でございます。ここでは応答スペクトルによる地震動評価で地震動の大きいものということで中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震について断層モデルを用いた手法による地震動評価を実施しております。

 短周期側は統計的グリーン関数法、長周期側は三次元差分法を用いて評価し、それらの合成にはハイブリッド法を用い、敷地の地下構造特性なども適切に考慮しているということで妥当なものと判断してございます。

 続きまして、(7)震源を特定せず策定する地震動でございます。これについては断層モデルを用いた震源を特定して策定する地震動が優位である、影響が大きいということで震源を特定せず策定する地震動については考慮しないとしておりますが、これについても地質・地震動サブワーキンググループでは妥当なものと判断しております。

 続きまして、(8)基準地震動の設定でございます。3つほど基準地震動として設定しておりますが、いずれも中央構造線断層帯による地震動でございます。

 1つ目として、応答スペクトルに基づく手法による地震動について、基準地震動Ss-1としております。

 それから、断層モデルを用いた手法によるアスペリティ位置の不確かさを考慮した地震動、これは敷地の近くに大きなアスペリティを配置したもので、それによって求めた地震動を基準地震動Ss-2としております。

 さらに、応力降下量の不確かさ、これは応力降下量を1.5倍としたものですが、それによって求められた地震動を基準地震動Ss-3としております。

 いずれについても、サブワーキンググループでは妥当なものと判断しております。

 続きまして、年超過確率でございます。これは「参照」という位置づけでの確認で、結果として10のマイナス4乗から10のマイナス5乗程度だったということでございます。

 以上のことから、基準地震動Ss-1、2、3、いずれについても妥当なものと、地質・地震動サブワーキンググループでは判断しております。

 続きまして、入力地震動に係る確認結果でございます。まず初めに、地下構造モデルでございますが、解放基盤表面以浅の堆積地盤における増幅特性を考慮するための地下構造モデルについては、妥当なものと判断しております。

 続きまして、3ページ目です。(12)のところですが、原子炉建屋の耐震安全評価に用いた地震応答解析、並びに、それにより求めました基準地震動Ss-2とSs-3に基づく建屋基礎底位置における入力地震動についても妥当なものと判断しております。

 (13)地震随伴事象でございます。施設の安全機能が重大な影響を受ける津波、それから、周辺斜面の崩壊が起こらないとしておりますが、これについても妥当なものと判断しております。

 それから、説明を省きましたが、点線で囲った部分については最終報告書に追記する、あるいは、まとめていただく内容で、最終報告書に反映していただく点を記載しております。

 以上が、京大が実施しましたKURの耐震安全性評価のうち、基準地震動、入力地震動について、地質・地震動サブワーキンググループの確認結果でございます。

 以上でございます。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 それでは、ご質問等ございましたらば、お願いいたします。

【和田委員】  結果として得られたスペクトルは、一般の建築物で想定しているスペクトルより、どれくらい大きいものになっているのか。今日の資料に、相対的評価のようなものはあるのでしょうか。

以前も、3C0とかあり、今回も、アスペリティとか、スペクトル法からのものは意外に小さかったという内容もありましたが、最終的には、どの程度の大きさの地震動だったのか、どこ見たら書いてありますか。

今日のこのパワーポイントの中にはないのですか。

【林安全審査官】  私のほうから。今日のパワーポイントにはちょっとございませんが。

【和田委員】  一言ででもいいですけど、別に詳しい説明は要らないので。

【林安全審査官】  赤いファイルが、今までの地質・地震動サブワーキンググループを含め、審議したときに用いた説明資料になってございます。そのファイル中の見出し「地質・地震動」がありまして……。

【和田委員】  どうぞ。ページで言っていただいて。

【林安全審査官】  後ろの方、「施設・構造」の後ろのページからめくっていただき、9ページ目あたりですか。

【釜江先生】  すみません、ちょっと口挟んで申しわけない。今日のパワーポイントに最近決まりました入力地震動を、少しリニアで書いてございます。告示(国交省)スペクトルとか、見ていただいたらいいと思うのですが、何ページですかね。

【鎌倉保安管理企画官】  施設・構造の1-5、4ページです。

【釜江先生】  4ページ目です。そこに下に今回、基準地震動Ssから求めた建屋ベース位置での入力地震動の加速度の応答スペクトルを、左側は水平動ですね、右側に上下動。ですから、建物の固有周期あたりからいくと2,000、少し赤の部分が非常に大きく出ていますけれども、このレベルの入力地震動です。

【和田委員】  これは一般の建築物をここに重ねて描くとどうなるのですか。

【釜江先生】  告示スペクトル、なかったかな。

【上林先生】  よろしいですか。

【和田委員】  簡単でいいので。

【上林先生】  上林です。すみません。資料の16ページになりますが、ここに和田先生がおっしゃっている建築レベルでいう、保有水平耐力式で、振動特性係数を1.0、かつ、用途係数を1.5倍したものの値が、大体、今回の応答を少し下回っている位のレベルになっているという見方をしていただければよいと思います。

【和田委員】  今度は、実際にレスポンスさせた場合にということですね。

【上林先生】   レスポンスとの比較でいいますと、そのレベル程度になっているという。

【和田委員】  わかりました。すみません。じゃあ、また構造の話のときにでも相対的にわかると思うので。

【二ノ方主査】  そうですね。

【和田委員】  そんなに絶対的な学問として、地震がどのように起こるかから、建物がどうして壊れないか、壊れるか、すべて解明されている訳ではないという中で、やっている仕事だと認識しております。

「妥当である。妥当である。」と、本当かなという思いがあり、やはり、相対的にしか言えないと思います。

【上之薗委員】  1つよろしいですか。

【二ノ方主査】  上之薗さん。

【上之薗委員】  1ページ目の(3)で、最終的には、検証に使われる地震動としては、中央構造線断層帯による地震が3つ、あと、それぞれ1つずつあるという意味ですよね、多分。

【鎌倉保安管理企画官】  いえ、中央構造線断層帯による3つの基準地震動が優位になるということで。

【上之薗委員】  優位だから、その3つだけでやると。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。

【上之薗委員】  ここに妥当なものとして、ほかにも幾つか挙げていますよね。これは使われていない。

【鎌倉保安管理企画官】  妥当というのは、「検討用の地震として選定したこと」が妥当だという意味です。

【上之薗委員】  最終的には、Ss-1からSs-3までの3つを選択したという意味ですか。

【鎌倉保安管理企画官】  はい。

【上之薗委員】  わかりました。

【二ノ方主査】  ほかにいかがでしょうか。

 もしよろしければ、次の、ワーキンググループによる現地調査が行われました、その調査結果について報告をお願いいたします。

【江頭安全審査調整官】  私のほうから、ご報告させていただきます。資料は施設・構造1-2でございます。1枚紙、写真付きのものがあると思います。

 9月30日午後、約3時間程度の現地調査を行いました。今日ご出席の委員の方も、かなり参加いただいております。事務局としては、私と林が同行させていただきました。

 実際に調査内容は、4.に書いておりますが、(1)、(2)の記載のとおり、建屋等の状況を確認しました。資料下段右側の写真は、ボーリング調査時の土質サンプルを並べて頂き、そのサンプルの状況、それから、机の上で図面を広げているところもありますが、施設の建設当初の図面、地質調査時の報告書等をご確認いただいたところでございます。

 それから、左側の写真は、実際に原子炉建屋内で生体遮へい体の上部に上がり、冷却材等の様子を確認している写真ですが、この他にも原子炉建屋内の施設・設備等の状況をご確認いただきました。

あと、建屋周辺については、建屋外観及び地盤の高低差等をご確認いただいていたというところでございます。

 京都大学におかれましては、釜江先生以下、かなり丁寧に、熱心にご説明いただいたのではないかと、私自身、印象を持っているところです。

 実際に出席された先生の方で何か補足等ございましたら、お願いします。

【二ノ方主査】  何かございますか。よろしいですか。

 3人の先生方、ご出席だったので、特に、新たにご質問などはないと思いますが、もし何もなければ、次に、バックチェック報告の妥当性確認の主なポイント等について、事務局のほうからご説明をお願いします。

【林安全審査官】  資料は、施設・構造1-3と1-4を用いて説明させていただきます。

 バックチェック報告の妥当性確認の主なポイントについては、先般、第1回目の親委員会において、ご提示したものから若干修正させていただいております。施設・構造サブワーキンググループでご審議いただく内容については、施設の耐震安全性評価ということで、大きくは「建物・構築物」と「機器・配管系」に分け、「建物・構築物」の中は「原子炉建屋」と「原子炉建屋・屋根版」と、中項目として分けております。

 原子炉建屋については、地震応答解析モデルの水平方向には「スウェイ・ロッキングモデル」と、スウェイ・ロッキングばねを考慮していることになってございます。鉛直方向については、「FEM立体モデル」と書いておりますが、正確にいうとFEMというよりも、「有限要素の立体モデル」かと、ちょっと「M」まで付けるのかどうか疑問でしたが、ひとまず、「FEM立体モデル」と書きました。あと、地盤の鉛直方向についても「軸ばねを考慮している」との報告になってございます。

 建屋減衰についてはRC構造ということで3%、コンクリート強度は設計基準強度を用いている中間報告になってございました。

 あと、「動的な地盤ばねの設定」というところで、容積法を用いた動的サブストラクチャー法を用いて設定しておりますが、少し勉強不足で、具体的にどのように設定しているかというと、軸対称FEMモデルによりサブストラクチャーのモデル化を行い、それによって動的ばねを設定していることになってございます。

 その次、評価基準、耐震評価基準については、耐震壁の最大応答せん断ひずみについて評価基準を設けて、その基準値をもって安全性評価を行っております。

 続きまして、屋根版については地震応答解析モデルとして、水平・鉛直方向とも「FEM立体モデル」と、これも「FEM」と書かきましたが、「有限要素部材の立体モデル」といったほうがよいのか。これからの京都大学の報告で確認したいと思います。

 あと、鉛直方向については、地盤の鉛直ばねと建屋軸剛性が考慮されてございます。

 評価基準については、屋根版については鉄筋を考慮した許容応力度設計によって確認がなされております。

 このようなところが、「建物・構築物」でご確認いただく主なポイントになっております。

 このほかに、今日の報告を聞いて追加すべき事項がありましたら追加致しますので、意見等をいただければありがたいです。

 「機器・配管系」に移ります。

 上段の5項目については、機器・配管系を評価、あるいは確認するときに、一般的に想定される項目について列記させて頂きました。床応答スペクトル、水平・鉛直方向地震力の組み合わせ方法、地震応答解析手法及び応力評価手法、減衰定数、評価基準です。

 今回、中間報告で報告されている内容は、生体遮へい体、制御棒、一次冷却配管系になってございまして、生体遮へい体については1質点系モデルによって地震応答解析を実施し、応力評価してございます。

 制御棒、一次冷却配管系については、梁モデルに置換し、許容応力度設計をしてございます。その発生した応力を用いて応力評価してございます。

 参考として、施設・構造1-3に後ろにつけております資料については、妥当性確認の考え方ということで、先般、お示しした資料になってございます。その中で、評価対象となる原子炉施設については、「既に確認し選定した、耐震バックチェックを実施する原子炉建屋及び当該施設の評価対象設備・機器等を確認対象とする」ことになっておりますので、申し添えておきたいと思います。

 施設・構造1-4に移ります。

 いまの「確認の主なポイント」を基本的なベースとして、施設・構造サブワーキンググループの審議をしていただきたいと考えておりますが、先般の、地質・地震動サブワーキンググループにおけるコメントとそれに対する回答という形でまとめております。地質・地震動サブワーキンググループにおいて、いただいたコメントに対して、どう回答を行ったか、そのような経過を見ていただければと思います。

 施設・構造サブワーキンググループについては、7ページ目の下段になります。

「4.施設の耐震安全性評価」「マル1建物・構築物 原子炉建屋」のところで、第1回の親委員会において発言のあった内容について述べたいと思います。

「表層部の地盤が非線形領域に入った場合、建屋スウェイ・ロッキングモデルのばね定数の評価については、単純にせん断波速度から算定しているのか、非線形になったあるひずみレベルでばね定数を算定しているのか。」という質問がございました。

 それに対して京都大学から、「基準地震動の地盤増幅については、等価線形解析により地盤の非線形性を適切に考慮したものとなっている。また、建屋と地盤の相互作用を考慮した地震応答解析に用いる動的地盤ばねは、容積法によって、建屋と地盤との境界部での地盤ばねの力と変形の関係から求め、地盤パラメータは、等価線形解析に用いた地盤パラメータとしている。基礎底部付近での非線形化された地盤の影響は、地震応答解析モデルの動的ばねによって反映され、地盤の等価線形定数は非常に大きな値となっている。水平方向で40%、回転で23%程度の減衰の定数になっている。」という回答になってございます。

 続きまして、8ページ目になります。「コンクリート強度」についてです。

「建屋の耐力評価時に用いたコンクリート強度はどのように設定したのか。」という質問がございました。

京都大学からは、「設計基準強度で評価している。なお、実際には10年程度の間隔で健全性調査を実施し、設計基準強度を上回ることを確認している。」という回答です。

 続きまして、9ページ目です。「マル2 機器・配管系」です。

 「評価結果には余裕度の少ない箇所がある。地震動の応答スペクトルから上下方向のサポート周りが厳しい状況にあると想定される。原因として、上下方向のサポートを普通に設計した場合の固有周波数の領域と、上下方向の床応答が、ある周波数帯において共振し、ピークの値となる場合が想定されるが、如何か。」という質問がございました。

 京都大学からは、「新耐震指針は上下方向の地震動についても、適切に考慮するよう規定され、建屋屋根版については大きな応力を発生している。機器・配管系の詳細については、本施設・構造サブワーキンググループ時に資料を提示し、説明する予定としている。」という回答でございました。

 一応、親委員会においてコメント、及び、回答のあった内容について述べさせていただきました。

 以上です。

 今後、このような形でまとめてまいりますので、よろしくお願いいたします。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 それでは、ただいまのポイント等について、何かご質問、ご意見ございましたら、よろしくお願いします。

7月15日からの追加・修正したポイントについては、どの部分でしょうか。

【林安全審査官】  追加というか、修正という形で、動的地盤ばねの設定に関しては少し理論的な書きぶりとなっておりましたので、事務局として、わかり易い表現に変えさせていただいております。この内容についても不適切であるということであれば、今後、修正していきたいと思いますので、意見等をお願いできればと思っております。

【和田委員】  上下方向のサポート周りで、何か屋根なんか、配管。何だっけ。

機器の配管、サポートですね。

【林安全審査官】  そうです。配管等のサポートになります。

【和田委員】  柏崎発電所が12月に動き出すようですが、浜岡も、駿河沖での地震に対して、配管サポートの間隔を短く直すなど、実際に耐震改修をやっておりましたし、この夏にも地震を受けておりますよね。

このような意味で、何十年か前に、京大の原子炉は真剣に設計されたから、何も問題が無いということであれば、それでも良いのですが、柏崎、浜岡も、建設当時は一生懸命やって、やはり至らないところがあるから、直しているわけです。

柏崎は何度か確認し、構造物の耐震設計を一生懸命にやった結果として、壁のクラックは0.1ミリも満たなかったとか。私の専門は建築ですが、どうも、配管、機器類の方が、今まで甘かったという印象があります。今回は建物だけではなくて、もちろん、設備関係についてもやられるわけですよね。

 なぜ、柏崎が2年以上もかかったのか、浜岡は何を直したのか、その辺の情報がわかれば、当然、同じ設計フィロソフィーでつくっていたはずですので。

【二ノ方主査】  機器・配管系については、後日、報告いただけることになっています。

【林安全審査官】  そうですね。今日のところは建屋ということの説明になります。

【和田委員】  今言いたかったのは。

柏崎、浜岡等の原子力発電所施設において、建設当時は良かったことでも、現時点において耐震補強したということは、規模は小さいが京都大学の原子炉も、基本的には同様の考え方で耐震設計をしているはずなので、柏崎が何の支障が起き、2年半の間で何を直したのかということを調べたら、今回の確認においても、役に立つと思います。

【二ノ方主査】  ただいまのご意見、コメントについては。

【吉田原子炉規制室長】  事務局で調査して、次回以降に報告できるようにしたいと思います。

【二ノ方主査】  よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

【和田委員】  どうもすみません。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

【上之薗委員】  1つよろしいですか。

【二ノ方主査】  はい。

【上之薗委員】  資料の施設・構造1-3の、最初のページで、原子炉建屋・屋根版の評価基準で、「許容応力度設計」という言葉を使っていますから、多分、力の比較ですよね、多分。応力度というか。

【林安全審査官】  はい、そうです。

【上之薗委員】  原子炉建屋の「確認の主なポイント」には「せん断ひずみ」が記載されており、多分、ひび割れ等が想定できますが、屋根版の方は、なぜ力だけの評価で、ひび割れを超えているのか、超えていないのか、そのような、ひび割れに関するチェックは行わないのですか。

 いや、当然、力のチェックは必要ですが、ただ、原子炉建屋の気密性についても論点かと思います。部材にひび割れ、ひずみ等を考慮し、どの程度のひび割れが発生するのかという評価基準も、屋根版のところにあっていいと思います。

【林安全審査官】  はい。ただ、今回、原子炉建屋というのは、クラックが入ったからといって、何か放出されるわけではなく。そのような論点で言えば、生体遮へい体等がメインな評価対象になっております、建屋自体は倒壊に至らなければよいという評価基準です。したがって、このような内容もよいと考えておりました。

【上之薗委員】  わかりました。それで、許容応力度設計、力による確認をしている。

【林安全審査官】  はい。

【上之薗委員】  壊れないということ。漏えいに関しては、中に鉄板が張っていますよね。外側でしたか。

【林安全審査官】  はい。外側です。

【上之薗委員】  わかりました。

【二ノ方主査】  閉じ込め機能じゃないのですね。

【林安全審査官】  はい、そうです。

【二ノ方主査】  よろしゅうございますか。ほかにいかがでしょうか。

【鎌倉保安管理企画官】  よろしいですか。先ほど林のほうから申し上げましたが、京大の説明の中で、さらに確認したいという点があれば、ここに追加してまいります。

【二ノ方主査】  先ほどの「FEM」の「M」をとるか、とらないかということと、後でご検討いただければと思います。

 いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、京都大学さんのほうから耐震安全性評価の中間報告について、お願いしたいと思います。

 これは7月15日に行われました妥当性確認ワーキンググループ、親委員会のほうで、原子炉施設の概要、及び、耐震バックチェックの中間報告の概要についてご説明いただきましたが、和田先生はご出席できなかったということで。

【和田委員】  どうぞ、進めてください。

【二ノ方主査】  本日、機器関係は間に合わなかったようなので、建屋についての耐震安全性評価に関する、詳細なご報告をいただきます。釜江先生、よろしくお願いします。

【釜江先生】  報告は、あとにやりますが、少しご報告の前に、一言ごあいさつ。

 只今、事務局からも現地調査に関して少し報告がありましたが、もう1カ月足らずになります。現地調査当日は雨でありながら、また、遠方から来ていただき、ありがとうございました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。

 それと、本日、施設・構造サブワーキンググループということで、本来は、原子炉建屋だけではなく、施設についてもと思っていましたが、事務局からも少しお話がありましたように、中間報告段階から、地質・地震動サブワーキンググループにおいて、基準地震動Ssに対する考え方についてご意見をいただきました。そのため、中間報告の内容から少し変わったところがあります。

 最終的には、結果として、基準地震動Ssが少し変わったことにより、建物の応答計算をもう一度やり直しております。そのため、少し時間がかかってしまい、今回、機器・配管系に関しては、間に合いませんでした。ご勘弁いただきたいと思います。

 それと、只今、建物の性能に関して、いろいろなご意見等、それに対する回答がありましたが、我々の原子炉建屋については、事務局からお話がありましたように、構造物はBクラスで、Sクラスの内容物に対して、「波及的影響を及ぼさない」ことが条件になっております。なお、「閉じ込め」については、建屋中の生体遮へい体で行い、構造物に関しては強度評価といいますか。ひずみについては、原子力発電所のほうの設計クライテリアでは、壁のせん断ひずみが2掛ける10のマイナス3乗というひずみでおさえており、我々も少しは意識しておりますが、最終的には強度の方で。

要するに、ひび割れに対しては、特に意識していなく、強度で評価をしています。ただし、原子力発電所の設計で用いられているクライテリアでもあるので、それも少し見ながら、今日はご報告申し上げたいと思います。

 このようなことで、中間報告から基準地震動Ssが少し変わったため、建屋の結果についても少し変わっております。その詳細についてご報告させていただきます。

 それでは、施設・構造の報告の前に、基準地震動Ssがどのように変わったかというところを、少しだけレビューし、その後、施設・構造についてお願いしたいと思います。

【川辺先生】  続きまして、京都大学の川辺でございます。おはようございます。

 前回までの地質・地震動サブワーキンググループでご審議いただいた内容を取りまとめて、説明させていただきまして、その後、上林の方から、建屋の応答解析について説明をさせていただく流れで進めさせていただきます。

 それでは、お手元の資料 地質・地震動1-5の2ページのところ、入力地震動の選定ということで、3ページに行かせていただきます。

 まず、第1回の妥当性確認ワーキンググループの際に、設定した断層モデル、中央構造線断層帯の断層モデルというものが、少し小さいですが、右下の図になります。これは傾斜角、南から北に向かって斜め45度でもぐり込んでいくものと、もう一つ、南側の断層面を80度の傾斜角、高角にしたもの、2つ設定してございましたが、地質・地震動サブワーキンググループでご審議いただいた結果、45度のほうの断層モデルを採用するということになりました。

 さらに、以前はこの右下のものを基本モデルと……。

【釜江先生】  43度。

【川辺先生】  申しわけございません、43度のものを基本モデル、従前は、真ん中にアスペリティを置くものを基本モデルとしておりましたが、地震調査研究推進本部の設定しているモデル、左下のモデル、アスペリティを原子炉建屋の近くに置くのではなく、地震調査研究推進本部のモデルを基本モデルとするということになりました。

 なお、地震調査研究推進本部のモデルは、西側のアスペリティ下端と、東側のアスペリティ下端の2つの破壊ケースを設定しており、その2つを基本モデルとして設定しております。

 それから、ケース3としては、アスペリティ位置を原子炉建屋に近づけたものを1つ設定してございます。

 それから、ケース4としては、この基本モデルに対しまして、西側のアスペリティ下端から破壊するモデルについて、応力降下量を1.5倍とし、不確かさを考えるという4ケースを設定しました。

 結果として、地震動が大きくなるのは、ケース3とケース4となり、周期帯によって、少し異なるので、この2つを基準地震動Ss-2とSs-3とさせていただきました。

 Ss-1については、前回の妥当性確認ワーキンググループでの報告同様、応答スペクトルに基づくものを基準地震動Ss-1として設定しており、地質・地震動サブワーキンググループの場においてご審議いただきました。

 それに対しては、基準地震動策定後に求める建屋への入力地震動の際に、この応答スペクトルに基づく地震動評価は、断層の直近、直上のところでは、応答スペクトル法の適用範囲に入らないこともあったため、断層近傍では断層モデルを設定する地震動評価を重視することで、基準地震動Ss-2とSs-3について選定してございます。

 ただ、こちらの地震動と比較もしてございまして、地質・地震動サブワーキンググループでも、建屋の固有周期あたりでは、こちらのほうが有意に大きくなっていることも確認してございます。

 ということで、この入力地震動、表層地盤の増幅特性を考慮するのは、基準地震動Ss-2とSs-3で進めさせていただきます。

 続きまして、入力地震動の算定ですが、2つのケースの、基準地震動 Ss-2とSs-3を解放基盤表面、ここでは地震基盤面となりますが、うちのモデルではこの上に解放基盤表面がありますが、解放基盤表面で設定した基準地震動を、入力地震動として建屋の基礎底位置まで増幅特性を考慮し、地震動を計算しています。

まず、埋め込み効果を、建屋というものは、実際にはグランドラインがあり、その中に基礎底が埋まっておりますが、ここでは、基礎の横の土を考慮した検討を行い、地中での応答結果を用いるのではなく、より厳しい評価として、この上の土を取り払った解放面とした入力地震動を設定しています。

左側の方が、右側のモデルよりも、厳しい値になっており、こちらを地表面と仮定し、その応答結果を採用しています。

 それから、前回の妥当性確認ワーキンググループでは、等価線形法によって増幅を考慮すると報告しておりましたが、地質・地震動サブワーキンググループで、非線形解析結果も参照するようにとコメントがあり、両方を用いております。

その応答解析の結果について、基準地震動Ssを増幅させた入力地震動の応答スペクトルがこの2つの図となります。

左側が水平動、右側が上下動になり、上下動については線形で上げてございます。

水平動については等価線形解析と非線形解析によって、NS、EW方向の2成分それぞれを上げております。この結果に、建屋の固有周期をプロットしてございますが、固有周期のところで有意に大きなものは、太い赤線と、青線になってございます。赤線はSs-2のEW成分を非線形解析で上げたもの、青線はSs-2のNS成分を等価線形解析で上げたもので、この建屋の固有周期周辺で、有意に大きくなるこの2ケースの地震動を用いて、建屋の応答解析を進めていくことといたしました。

 上下動については、基準地震動Ss-2の方を採用しておりますが、Ss-2の太い線の方が、建屋の上下方向の1次固有周期で、2次は1次よりも少し短くなりますが、この加速するところがありますので、上下動についても、基準地震動Ss-2の方を採用することで、危険側の評価ではないと考えてございます。

【和田委員】  横軸は秒ですか。

【川辺先生】  申しわけございません。お手元の資料、建屋の固有周期が1けた間違ってございまして、「1.6s」と書いてあるところは、「0.16s」となります。申しわけございません。また、水平方向は「0.25s」です。

後ほど、建屋の解析のところで、1次、2次、3次の固有周期はまた出てきますので、そちらもご確認いただければと思います。申しわけございません。

【和田委員】  そうですね。

【川辺先生】  そうしまして、これが、今求めました2つの、検討に用いる入力地震動の加速度波形と速度波形になります。左側が加速度、右側が速度。上から、等価線形解析で上げたもののNS成分、非線形解析で上げたもののEW成分、上下動は線形解析でしか上げておりませんので、その線形の上下動と。

この3つの波形を用いまして、建屋の応答解析を進めていくことといたしました。

 以上、ここまでが入力地震動の説明でございます。

 続きまして、建屋の説明に移らせていただきます。

【上林先生】  それでは、建屋の方を、上林のほうから説明させていただきます。

 まず、建屋のモデル化から報告させていただきます。これが原子炉建屋で、直径28mの円筒形のシェル構造というか、壁シェル構造になっております。上は原子炉棟となっております。

この2棟は、名称が非常に似ているので、ここで定義させていただきたいと思います。原子炉建屋は、この原子炉を、炉体を含むシェル構造で、原子炉棟は附属施設と見ていただければよろしいかと思います。

 この原子炉棟の一部地下部分に、現地調査でも見ていただきましたが、燃料をこちらに運び、保管するためのプールが地下にございまして、断面図ではこの部分になりますが、プールの水が外へ漏れることはよくなく、ひび割れを発生させることは許容出来ない部分になっております。評価対象としては、地下のプール部分の基礎を含めた形で評価することになっております。なお、平面図ではハッチングの部分となります。

 ただし、原子炉棟の上屋については、崩壊し、原子炉建屋側にその影響が及ばないことを確認し、応答解析の結果では、一応、安全は担保されておりますが、この上屋の応答解析におけるポイントは、この基礎、このプール部分、あるいは、プールから介して原子炉建屋に作用する力を原子炉棟基礎部でのせん断力を、原子炉建屋及びプール部分のせん断力に加算し検討を行っております。ここは、また後ほど、改めて詳しく説明させていただきます。

 それで、基礎の部分は一体となっておりますが、上屋部分についてはエキスパンションジョイントで分かれているため、分離して解析しております。

 次に、方向の定義ですが、只今、川辺のほうから説明ありましたNS、EW成分は、ちょうどこの方向と、直交のこの方向になります。応答解析のX方向はこのNS方向、Y方向はこのEW方向と合わせておりますので、特に、方向性の分離はなく、そのままのNSとEWの成分を、ここに入力として与えております。

 次に、モデル化ですが、これがまず断面図になっており、この真ん中に生体遮へい体があります。

まず、水平方向の復元力特性を導くために、このような形で、屋根版の重さは考慮しておりますが、屋根版を除いたこのような円筒形を16等分した、正十六角形で置換したモデルを、FEMメッシュでモデル化し、X、Y 2方向の静的増分解析により復元力特性を導き、その復元力特性を、この質点系のばねのばね定数として与えております。

 基礎部分は非常に堅い建物なので、相互作用ばねをこのように介した計5質点系のSRモデルとして、地震応答解析を実施するモデルとしております。

 先ほど申し上げました、原子炉棟については、実際、このような3質点系に置換しておりますが、このM2FとRFの質量はあまりなくて、質量のほとんどが2F部分に集約されているようなモデルになっております。この地震応答解析では、原子炉建屋と同じ地震波を入力し、得られたせん断力を、原子炉建屋側の層せん断力に付加するという形にモデル化しております。

【和田委員】  ちょっと、途中ですいません。

16等分に置換するのはいいのですが。この壁の面外の柔らかさと、側面の面外の柔らかさと、左右方向に荷重が作用した時、側面のせん断力としての剛な。

要するに、この円は横に揺すると、真上から見たら場合、円のままでは動かなく、楕円になると思います。

このように、等価な質点に置換える場合、どこの変形をもって、各層の代表変位としたかという説明が無いと、先ほど、原子力発電所施設は剛な床がたくさん入っておりますが、それでも、いろいろ棒をたくさん立ててモデルを作っております。

このようなシェル状の構造は、同一変位にならないので、質点系に置換える場合は、このようにしましたという説明が必要と思います。

【上林先生】  ここの部分は、剛性が無いように見えますが、プッシュオーバー解析時に、ここに屋根版のシェルがあり、それを含めた剛性を考慮し解析しております。その結果、各ノードの水平変位は概ね剛体的に動いていることを確認しております。

【和田委員】  屋根版の有るところは、一応、理解できますが、その下の部分は、同一変位にはならないと思います。それに、一方向の静的な荷重であれば、回答された内容でいいかもしれませんが、もう少し、円筒の壁変形も考慮すべきではないでしょうか。

【釜江先生】  ちょっと壁厚が、少し違うんですよ。

【和田委員】  そうですか。

【釜江先生】  それぐらいの話しかないんですけれども。

【和田委員】  じゃあ、そうですね、屋根がそんなに立派ならいいと。

【上林先生】  一応、この屋根と、この辺の梁がありまして。

【和田委員】  そうですね。

【上林先生】  先生がおっしゃっている部分にもあると思いますが。

あるAi分布の仮定で、各層レベルの水平変位をについて、全体見渡すと、一応、剛床仮定が成立することは、ここには記述しておりませんが、一応、バックグラウンドには確認しております。

【和田委員】  わかりました。それでは、先ほど、屋根は質量として見たと報告しておりましたが、平面の一体性にも役に立てているということですね。

【上林先生】  そうです、平面保持には。

【和田委員】  平面保持には使っているということですね。

【上林先生】  はい、そうです。

【和田委員】  わかりました。

【上林先生】  今、ここに示しておりますのは、復元力特性を導くときには屋根の剛性は含まれておりますが、応答解析時には屋根版は、別途周辺、今申し上げました剛床仮定が成立するということで、屋根版は別途、剛床仮定のもとでFEM解析を振動解析でやっています。

 したがって、建屋はSRモデルの質点系で解析を行いますが、屋根版内の応力はこの状態では算出されないため、別途、FEMのモデル化で解析を行っており、後で、屋根版のモデル化の部分で出てきます。そこでご説明させていただきたいと思います。

 次に、その復元力特性のモデル化ということで、これがモデル化の図です。

プッシュオーバー解析において、Ai分布の形で水平力を与えたときの復元力特性で、ピンク色の線になります。これからTri-Linear型の復元力特性を、どのように設定したかということが、ここでのご説明になっております。

 まず、初期剛性K1を置き、このK1が、この赤い線に沿って徐々に剛性が低下し、初期剛性の85%の接線剛性になった点の水平変位をδ1、そのときのせん断力をQ1と定義します。さらに、せん断力を漸増させ、予備応答解析、この実際の剛性を導く前に、概略モデルでの地震応答解析で見積もられた最大応答となるときの水平層間変位をδ3と、この点のせん断力をQ3と定義しております。ここの接線剛性がK3になっております。

K2の剛性に関しては、プッシュオーバー解析したときの曲線と、このδ3までのひずみエネルギーが等価となる、つまり、等価な面積になる点δ2を置いております。そのときのせん断力がQ2と。この点をコントロールポイントに示しまして、それぞれの点を直線で結んで、このような形の復元力特性を設定しております。

 戻るときの履歴特性ですが、今回はJEAGに基づく最大点指向型として定義しております。

 これが、実際の荷重増分解析の結果と、モデル化した復元力特性とのずれを見るための図ですが、ここでは参考に、X方向だけ載せてありますが、プッシュオーバー解析はピンクの線に、置換した復元力モデルは青い線になっております。

 また、コントロールポイントは青い四角で示しており、参考までに、壁のせん断ひび割れ発生点を緑の四角で示しており、壁のある部のせん断応力がFcの15分の1に達したところをプロットしています。

地震応答解析結果の最大応答は赤い丸で示しており、ここでのポイントは、この赤い丸で示したところまでは、この置換したモデルとプッシュオーバーしたモデルとの差がほとんど無く、設定した復元力特性は、一応、プッシュオーバー解析との比較から、妥当なものと判断しております。

【和田委員】  先ほどの質問に関係しますが。

Ai分布というのは支えている重量に掛けると、せん断力が算出されるので、有限要素法の場合でも、何か16分割で解析した場合でも、せん断力では解析ができないため、外力(P)を与えている必要があるわけですが。

それで、16分割に、各節点ごとに荷重をかけ解析したのか、剛床仮定とし、中央部一箇所に荷重をかけたのか、どちらですか。

【上林先生】  最初は、まず、各節点ごとをかけ、その結果、一応剛床仮定が成り立つとしております。

【和田委員】  そうすると、今日の結果は、剛床仮定が成り立つとした結果ですか。

【上林先生】  そうです。

【和田委員】  ちょっとすみませんが、先ほど、梁があるから剛との回答でしたので、次回、平面的に真上から見た、梁の曲げモーメント分布等をご提示頂きたい。

要するに、円筒部側面を押す力は、まず、梁の曲げモーメントにより円筒部側面に伝わり、それから側面壁のひび割れ等の検討になっていくと思います。

 屋根版が剛だとするならば、梁の曲げモーメントによって伝わるのではなく、屋根面の剛性によって、側面に伝わらなければなりません。

丸いもの、パイプ状のものに、せん断力かけると、側面には、せん断力を全断面積で割った値の2倍のτ(せん断応力度)が発生します。

 そのようになるには、平面が剛でないと成立しない。この原子炉建屋のように、直径に比べて高さが低い場合には、この原理は成立しなく、壁自身が面外曲げを受ける可能性もあり、その剛床仮定で解いたという程、剛な床があるとも思えない。

【上林先生】  壁自身は、一応、面外曲げは応力として出てきます。

【和田委員】  そうですよね。

【上林先生】  だから、節点回転角は生じている。

【和田委員】  壁のリテーニングウォールといいますが、キャンチレバーの壁としてのモーメントと、たがとしての梁の変形と、建屋全体としてせん断変形と、そのような組み合わせで振動しているので。

壁が厚くても、壁にひび割れが入る程の力を伝達するのに、あの程度の梁で足りるとも思えない。

【上林先生】  ちょっと、この部分の曲げの発生とかというのも一部はチェック……。

【和田委員】  壁としてのこういう曲げですね。

【上林先生】  そうです、はい。

【和田委員】  それから、たがとして拘束するものがあって、初めて、全体として動くわけで。まず、最初にその話がないと。「一本棒です」と唐突に言われても、ほとんど理解できません。

【上之薗委員】  ちょっと追加で、似たような質問ですが。

最初は、剛床仮定ではなく、その重さに相当する力を各節点に分布させ、荷重を加えたということですよね。その結果が、剛床とほとんど同じ変形だったので、最終的に、剛床仮定で全部プッシュオーバー解析やったということですか。

プッシュオーバー解析は、各節点ごと全てに荷重を加えて求めたんですよね。その時に、中が剛床であるとか、そんなことは言っていないですよね。

【上林先生】  ええ。要するに、節点が、ここのこういうある角度で、こういうふうに屋根版が曲がることは含まれています。ただし……。

【上之薗委員】  いや、「加力」の話です。各節点に荷重相当分の力を加えたと、それでプッシュオーバー解析を実施したということですね。

【上林先生】  そうです。3次元モデルで行っております。

【上之薗委員】  それを1質点、質点系にモデル化した。

【上林先生】  そうです。節点間の水平変位は、全て同じ変位はしています。

【和田委員】  それが知りたい。

【上林先生】  ただ、その節点の、この、こういう節点回転角は生じている。

【上之薗委員】  しかし、剛床仮定は考慮していないので、各節点の移動量が変わるんですよ。

【上林先生】  それは変わっています。変わっていますけど、そうなん……。

【上之薗委員】  ほとんどないということでしょう。

【上林先生】  その節点の変位が少ないので、それで剛床仮定に基づいて質点系に置き直したという言い方です。

【和田委員】  だから、剛床仮定は考慮せず増分解析を行い、質点系に置き直しなら、それでもいいし、また、大差が生じないので、剛床仮定を考慮し16分割モデルを解いてもいいですが。

全部フレキシブルとし、どんな動きをする構造物かを、先に説明いただかないと、シェル構造を見せ、直ちに、質点系でいうのは、ジャンプし過ぎです。

 もし、剛床仮定を考慮せずに解析したモデルから、質点に置換した場合などは、解析結果における各節点の変位も、3桁、4桁まで等しい訳ではないでしょうから、1桁目なのか、3桁目なのか、そのようなところから置換時の対応が変わってくる訳ですよね。

 そうすると、平均とるとか、何か作業がないと、一つの棒には受けられないですよね。同じセクションにいろんな動きがあるわけなので。

【上林先生】  要するに、力と変位の関係を節点ごとで、何か、こういう平均を見るという、何か入れないと、それは出ないということ。

【和田委員】  そうです。

【上林先生】  それでは、そのあたり、次回に補足する根拠資料をお示しさせていただこうと思います。

【上之薗委員】  理解のために、1つ、よろしいですか。

【二ノ方主査】  どうぞ。

【上之薗委員】  8ページ。最初に予備応答解析をやって、最大応答の層間変形角δ3を決めて、それから、そこの接線剛性を出したんですよね。

【上林先生】  そうです。

【上之薗委員】  そうすると、例えば、一番左下の図を見たときに、その予測した値というのは8mmで、ここでδ3を設定してんですね。

【上林先生】  いえ、これは、δ3は、まだこの先になっております。

δ3というのは、この右下の図は1、2、3のところまで見えていますが、この図では、実はここにプロットされていなく、範囲外、グラフの左側にあります。

【上之薗委員】  そう。じゃあ、でも、そうするとδ3が、どこかにあって、そこで接線剛性を出したのですか。

接線剛性は、8 mmのところでの接線じゃないのですか、これ。

【上林先生】  いえいえ。これは、たまたま、この先のところになっております。赤い線が囲む部分の面積と、青いモデル化した線の面積が同じになるように青い点の位置が設定され、たまたま、ここで、こう交わっているように見えているということです。

【上之薗委員】  いや、青い線は赤い線に接していますよね。これ……。

【釜江先生】  この下の4つが、上は模式図ですよね。4つは、今の質点それぞれの壁のプッシュオーバー解析した時の復元力特性で、左下は1階で、右側が地下1階ですか。だから、1階の第3折れ点というのはもう少し右の方になり、応答がそこまでなので、絵としては、そこまでしか入っておりませんけど、ほんとうは、もう少し右の方に行っているところに3つ目が……。

【上之薗委員】  でも、よろしいですか。

δ3がどこかにあり、そこで接線が出ますよね。その接線は、例えば、左下の図で、その外にδ3があれば、接線はもっと寝ているのではないですか。

その接線はこのグラフの赤い線から引いたのですよね。δ3のとき。δ3がもっと右にあるのでしたら。

【上林先生】  すみません、予備応答解析したときの赤い線と、プッシュオーバー解析の赤い線は違います。

【上之薗委員】  違うのはわかりましたよ。じゃあ、そこの接線というのは……。

 第3勾配というのは、なぜ最終的な赤いプッシュオーバー解析の結果の線から引かないのですか。

【上林先生】  多分、鶏が先か、卵が先かの話になってしまうのですが。

本来であれば、戻って、またイテレーションして近づけるのが筋だと思いますが。ある仮定でプッシュオーバー解析をやった時の応答解析結果になりますので。

 これが、もし、余りにもかけ離れていると、もう一度、予備応答解析するときの剛性を、こちらから反映したものを持っていて近づければいいのですが、一応、ここでポイントは、この赤い点のところまでというか、ほぼエネルギーというか……。

【上之薗委員】  わかりましたけれども、それでは、左下の図の接線は、どこで求めたのですか、第3勾配です。

【上林先生】  予備応答解析のピンクの線が、これに少しずれた形でおそらく出ていて、それが、こういう形で出ている。ここでの接線の角度がこの青い線になっている。改めて、もう一度、応答解析し直したら、それが少しずれて、こういう形になっております。

【上之薗委員】  じゃあ、この第3勾配は、別な赤い線から求めた第3勾配ということですね。

【上林先生】  そうです。この予備地震応答解析から求めた線です。

【上之薗委員】  何となく、よくわかりませんけど。何で、その赤い線から接線を出さなかったのかという質問です。

【上林先生】  このときのAi分布とかを、まず仮定しなくてはいけない。仮定する前提として、まず、予備応答解析したときの分布を見ながら、そのAi分布というのが、また決まってくる。

【上之薗委員】  それでは、第3勾配は予備応答解析に用いた荷重変形曲線の接線剛性なのですね。

【上林先生】  はい、そうです。その結果、もし、最大応答が発生しているところ、例えば、この左下の図のところで、この青い線とピンクの線が余りにもかけ離れていると、予備応答解析のモデルをやり直して、また、こちらへ持ってくることになりますが、ここでは近接しているので、イテレーションせずに、この結果を用いています。

【上之薗委員】  初期剛性は、この最終的にプッシュオーバー解析から求めた初期剛性ですね。

【上林先生】  そうです。その差はほとんどないので。

【上之薗委員】  初期剛性は最後のやつ。ほとんどないからではなく、最後に求めたプッシュオーバー解析の値の初期剛性ですね。つまり、ここに示されている赤い線の初期剛性ですね。第3勾配は、別な復元力特性からできた第3勾配ですね。

【上林先生】  初期剛性に関しては同じになっております。

【上之薗委員】  それでは、ここに出てくる第1の剛性、第3の剛性というのは、その別に求めた復元力特性から出てきた接線剛性ということですね。

【上林先生】  はい、そうです。

【上之薗委員】  ちょっと、それはわからなかった。

【二ノ方主査】  説明がわかるように、どこかで少し補足していただけますか。

【上之薗委員】  当然、最終的に求めたものから出した接線剛性だと思っていた。そういう方法もありますから、それでもいいのですが。

【二ノ方主査】  よろしいですか。それでは、続けてください。

【上林先生】  次の表は、置換復元力特性の青い線のモデルとして、最終的な地震応答解析を行うため、そのときの、各ばね定数の値を示してございます。

 ちょうど、これがX方向とY方向となっており、左側に重量を示しており、各質点の質量と見ていただければと思います。その右側に階高。X方向についてのプッシュオーバー解析による剛性とせん断力になっており、右側がY方向になっております。基礎のみSRモデルになっておりますので、回転慣性がこのような値として設定しております。この表には記載されていないですが、質点解析するときの減衰に関しては、ひずみエネルギー比例型として、3%として応答解析を実施しております。

 次に、下段がこの原子力建屋に使用されたコンクリートと鉄筋の許容値を記述しております。短期荷重時の許容値として記載しております。これらは初期ひび割れの発生に係る検討と、屋根版の弾性解析時に使用し、そのときのクライテリアに関係付けられる値となっており、それを示しています。

 コンクリートについては、FC180、短期許容圧縮で12N/mm2、引張は10分の1で1.2 N/mm2、せん断は0.9 N/mm2。鉄筋については、高張力鋼を使っており295N/mm2となります。

 なお、冒頭、少し前回の議事にございましたように、コンクリートの健全性については、昭和55年以降にコアサンプリングを行っており、圧縮試験も実施し、設計基準値をほぼ満足する結果となっております。さらに、コンクリートの中性化検査も何度かやっており、鉄筋には及ばない深さまでしか中性化は進んでないとされ、1cm弱程度と記憶しております。したがって、ここでの許容値としては、このように設計時の値を使いました。

 次に、原子炉建屋の地盤ばね、SRばねのパラメータの設定手順ですが、方法は、先ほど事務局のほうから少しご説明がありましたが、地盤ばねに関しては、上の真ん中の図にあるとおり、基礎をある力で押したときの基礎の水平変位、あるいは、回転力が作用したときの回転角、上下に対する上下の変位を、力と変位の関係から出てくるのが地盤ばねと。

 そのときの算出方法としては、このような地盤と基礎との境界に力を分布させて求める境界法と、基礎部分全てを土と見なし、土の中に分布する節点を設け、力を与えて、それによる土全体の変位を見る容積法の2種類の方法があり、今回は、この容積法でばね定数を求めております。

 そのときの地盤パラメータの算出に関しては、弾性状態ではなく、ここで用いているのは、強い非線形が起こった主S波と思うのですが、そういう部分に関して出てきた地盤パラメータ、要するに、剛性が低下したときのS波速度等の値を、SRばね算出の地盤パラメータとして用いています。

 その実際に求めた結果が2つの図になっており、左側が水平加振による水平応答、要するに、水平ばねです。このときの、ばね定数と減衰の算出方法はJEAGに基づいています。 

まず、地盤ばねの求め方は、力と変位の関係で位相がずれるため、このような複素ばねという形になり、その複素ばねの実部がこの実線で、虚数部がこの破線になっております。

 水平地盤ばねの求め方は、建屋、上の質量を入れた、先ほどのSRモデルで求めた建物全体の固有周期、ここでは振動数になりますが、X、Y方向それぞれで4.001と3.918という周波数が出ます。この値と実線との交点の横軸を読み、これが水平地盤ばねとなります。

 そのときの減衰に関しては、この交点と原点とを結ぶ勾配が減衰係数CHとなります。減衰定数というのは、この実部と虚部の値の比で定義されるため、これらの値から求めております。これが水平に関する結果で、同様に、回転に関しても同じ手法で、地盤ばねと減衰を求めております。

 一応、SRモデルに必要な入力パラメータの設定が終わり、次に、屋根版のモデル化に移ります。

 屋根版は、次回、補足資料で裏付け等のご説明をさせていただきますが、今日のところは、屋根版周面に関しては、一応、剛床という仮定の基で、説明を続けさせていただきたいと思います。

一応、周辺固定ということで、屋根版だけの応答解析を、FEMの板要素に置きかえて実施しております。そのときの入力波は、先ほどのSRモデルの最上階の応答波形を、この境界面の固定端に入力しているモデルになっており、これが水平動用のモデルになっております。

 また、屋根版は上下に振幅、振動することによって、この節点で回転角が発生するため、上下動に関しては、基礎底面から壁、屋根を一体化したFEMモデルでモデル化しております。これは、ワイヤで表していますが、ワイヤ内の中身全てはFEMの四面体の要素で満たされております。

 このときの上下垂直ばねも相互作用を考慮しており、上下ばねの算出方法も、先ほどの内容と同様、JEAGに基づいて設定しております。

 なお、SRモデルに関しては弾塑性応答解析を実施しておりますが、屋根版と上下方向のモデルに関しては弾性応答解析とし、このような意味で、クライテリアは短期許容応力度を比較対象としております。

【和田委員】  地中に埋まっている、ばねと減衰ですが、周辺の地盤も建物と一緒に動くと思いますが、質量はこの基礎部分のコンクリート重量だけで考えているのですか、一緒に動く周辺地盤の仮想的な質量も考えているのですか、その辺は、どのようなロジックになっているのでしょうか。

先ほど、回転慣性8,033,930kN・m2とか、スウェイを考えているので、何かしら、水平方向の質量もありますよね。

これらの検討に際して、構造体だけなのか、周辺の地盤も考慮されている内容なのか。

【上林先生】  モデル化の質点に関しては、基礎と建物のみの質量等を集約した形になっております。それに付随して、当然、土も振動するため、周辺地盤も引きずられた形の慣性力は土から入力されますが、振動するときのインピーダンスに効く部分に関しては、容積法で計算するときに、周辺地盤も一緒に揺れているという情報も含まれた形になっております。

【和田委員】  わかりました。

【上林先生】  12ページです。原子炉建屋、地盤ばねのパラメータの計算結果を、一覧表としてまとめております。

 SRモデルのばね定数と地盤ばねの部分だけですが、X方向とY方向のばねと減衰係数、減衰定数に置き直すと括弧書きで書かれているとおり、水平に関しては42%、回転に関しては25%となり、これについては、先ほども大きいと話も出ておりましたが、前の、入力レベルが少し低いときの基準地震動Ssでも行っておりますが、このばね定数に関して、それほど大差はない状況でした。減衰値が大きいのは、振動による地盤の逸散減衰がほとんどで、この大部分が減衰定数に含まれていると考えていただければよいと思います。上下に関するばねと減衰係数は、この右側になります。

 これらを用いて、まず、応答解析前の固有値解析結果を、下の一覧表としてお示します。まず、SRモデルの固有周期が赤枠で囲っておりますが、参考までに、基礎を固定とした場合の固有周期をこの上段に示します。括弧内は固有振動数に置き直した値です。

 このように、SRモデルのX、Yの2方向で円筒形にも係わらず固有周期が若干ずれ、また、上段の基礎固定の差が大きくなっているのは、基礎、壁が必ずしも軸対称にではなく、その影響で、SRモデルに対しても固有周期等の変化が表れているものです。

 その左下ですが、屋根版の水平地震応答解析モデル用の固有周期を示しており、10Hz以上の高い周波数の固有周期になっています。上下に関しては、建屋、地盤、一体となっているため、若干、屋根版だけの場合よりも固有周期は長目になって、0.16秒ぐらいの1次固有周期を持っています。

 この固有周期に対する固有モードを次のページにお示ししております。

 SRモデルに関しては、このように刺激係数という形で、ある固有モード分布という形で見ていただいても結構ですが、このような分布になっており、一番、刺激係数の絶対値が大きくなるのは1次モードになっており、刺激係数から、ほぼ1次モードで揺れる建物と思います。

 右側が、屋根版の屋根版周辺を固定としたときの3次までの固有モード図を記載しております。もっと高次までありますが、とりあえず3次までとしております。

先ほどの固有周期もそうですが、1次、2次、3次の固有周期はかなり近接しております。ただし、モード形状としては、1次というのは、周辺固定にしても、少し上下に振幅を持つようなモードですが、今回は、水平に波として入力しているため、おそらく3次モードぐらいが効いてくるような応答結果を、最終的にはお示しする内容になると思います。

 下の図が、上下動に関する固有モードで、1次モードに関しては、建屋壁の軸剛性が非常に高く剛体的であるため、地盤ばねによる上下変位が出ています。2次、3次モードになると、屋根版の変形による壁の面外変形が出てくるモード形状になっております。

 ここまでで、固有モード、固有値解析でのモデル設定が、終了したということで、次に、実際の地震応答解析結果をお示ししたいと思います。

 最初に、建屋SRモデルでの、水平地震応答解析による最大応答値の諸量を、表に示しております。

 ここで、この表の見方ですが、表の左側はSs-2のEW成分で、先ほど、川辺のほうから説明がありました、時刻歴非線形応答解析によるSs-2 EW成分による応答結果、右側が等価線形解析によるSs-2 NS成分による応答解析結果です。

 実際の入力としてはNS成分とEW成分という2方向がありますが、ここでの応答解析は、短周期側の入力波の不確定性を考慮して、Ss-2のEW成分の時刻歴非線形解析したときの波を、建屋のX Yの両方向に入力させた結果になっております。

ここには記載していませんが、Ss-2のNS成分についても、当然、時刻歴非線形解析もやっておりますが、応答結果として、EW成分の方が入力として大きいため、厳しい側の判断として、入力の大きいものを建屋X、Y両方向に入力した結果となっております。

 同様に、右側のSs-2 NS成分についても、このNS波を、建屋のX Y、両方に入力したときの結果となっております。

 それで、この黄色い部分は、Ss-2 EW成分とSs-2 NS成分の応答を比較し、大きい方の値に着色したものです。先ほど、入力の応答スペクトルの部分で、一部Ss-2 NS成分が若干上回っている周波数がございましたが、応答として見た場合は、Ss-2 EW成分で決まっていることがわかると思います。

 上から順に、最大応答加速度、最大変位、層間変位、変形角、層せん断力、層せん断力係数、転倒モーメントとなっており、この高さ方向の分布を、右側の図に、最大加速度と最大変位、層間変形角、せん断力の4つに対して描いております。

 青い点線は、Ss-2 NS成分を参考までに載せており、実線の黒い線はEW成分です。これを見ていただくと、この高さ方向の分布からも、Ss-2 EW成分で応答が決まっていることがわかると思います。

 なお、赤い縦線は、各応答値の最大値を数値で記載しております。

また、右下の「最大せん断力」に関しては、建物が持っている保有水平耐力と比較した図となっており、応答値がこれを下回っております。なお、算出方法等の詳細は、また後のスライドでお示ししたいと思います。

 次に、保有水平耐力に関して、冒頭、少し和田委員のほうからもありましたが、実際の建築物を想定したときの入力レベルと、今回、想定している応答のレベルを、実際のプッシュオーバー解析により、保有水平耐力を算出しております。

保有水平耐力を整理する意味で、まず、必要保有水平耐力とは下の枠にあるとおりで、建築基準法で定められた必要保有水平耐力算定式は、Ds、Fe、Fs、I、Qudで構成され、Qudは層せん断力係数で、大地震時相当ということでC0を1.0で設定しております。

 係数の内容ですが、Dsは構造特性係数、Feは偏心率で定まる補正係数、Fsは剛性率、高さ方向の剛性分布によって決まる補正係数です。これらについて、プッシュオーバー解析を考慮しながら上表の値を定めております。また、Iは用途係数で、建築学会の荷重指針(案)にもあり、そこでは1.25という数値は、重要性の高い建物に対して定義されていますが、設計時において一般の地震力に対して5割増しとすることが唱われ、今回もこの1.5を引用し、建築学会の1.25よりも上回る値を採用しております。

ただし、これは係数で、実際の層せん断力は、このような形で設計時と異なるため、それに掛かる係数だけ同じ値を採用しています。参考値として見ていただき。上表の右から3つ目が必要保有水平耐力となっており、その隣が、確認保有水平耐力、建物が実際に持っている保有水平耐力です。

 これを各層ごとに比較すると、実際に持っている耐力の方が、建築で想定する必要保有水平耐力を上回っていることが確認されます。

 もう一つ、和田委員のほうから最初にありました、入力に対するレベルについては、右下のグラフに最大せん断力がありますが、必要保有水平耐力は記載されていないですが、確認保有水平耐力と必要保有水平耐力はほぼ同じ値になっており、必要保有水平耐力ぐらいの力が地震応答解析の入力として加わっているという見方ができると思っております。

 次に、地震応答解析結果の、変位とせん断力のグラフ、先ほど、この前のスライドにも出ましたが、改めてもう一度お示ししますと、17ページがX方向の結果になっております。モデル化した復元力特性が青い線になっており、地震応答解析の最大応答の結果が赤い丸になっています。

 それで、ここに赤の横破線で描かれているのが、先ほどお示ししたプッシュオーバー解析による確認保有水平耐力です。

 先ほどもありましたが、今回は、一応、Bクラスで、ひび割れは生じても、ひび割れによって最終的に崩れなければよいという発想での検討となっております。そのような考え方で、確認保有水平耐力と、赤丸点の最大応答値を見比べ、その間が安全裕度という見方をしていただければいいかと思います。

一応、補足で、赤丸のところでの、平均せん断ひずみを右上に書いております。

 この2F-1Fの層間が、若干、1掛け10のマイナス3乗程度のオーダーになっておりますが、ほかは10のマイナス4乗ぐらいのオーダーになっており、先ほど、釜江のほうからございました2掛け10のマイナス3乗というクライテリアから見ても、ひずみはこの程度に納まっているという見方をしていただければよろしいかと思います。

 次に、これは、Y方向の結果になっており、1F-B1Fのところで、少し近接はしておりますが、一応、確認保有水平耐力より下回っております。

 一つ、右下のところ、前のスライドにもありましたが、赤い点で2点があり、原子炉建屋のみのSRモデルにより応答解析した結果が白抜きの赤丸になっており、冒頭ご説明した原子炉棟の方からのせん断力を、基礎部分に付加した結果が、赤で埋められた丸になっております。隣の原子炉棟からのせん断力は、原子炉建屋自体のせん断力に比べると非常に小さいため、原子炉建屋に対する影響は少ないですが、丸の位置が少しずれているのは、そのような要因になっております。

 次がまとめの表です、各層の最大応答せん断力と、実際持っている保有水平耐力と、これらの比より安全裕度を示しております。一応、1を上回っております。

 最上階の「※1」に関しては、プッシュオーバー解析結果、3階と屋上間のレベルでは、Ai分布に基づくせん断力分布では、せん断耐力に達する壁は無かった。ただし、既に、下階の壁がせん断耐力に達したため、それ以上、プッシュオーバー解析をしても意味が無いため、そのときのステップで計算を止め、その値を採用しております。また、3階の確認保有水平耐力は「13,210以上ある」という意味で、不等号で表記しております。これがSRモデルの評価結果になっております。

次に、屋根版の水平地震応答解析による最大応答値については、このようなコンター図で描かせていただきました。これは、屋根版を上から見た図となっており、左側が最大曲げモーメント分布、右側が最大引っ張り力、軸力の分布になっております。

 加振方向は、X方向、左右方向に加振したときの応答状況になっており、円筒、屋根は軸対称のため、縦方向に加振しても、この分布が90度回転する形となります。

 最大値は、少し数字が見にくいのですが、最大値のみを右上に抽出しております。単位は左側に関しては1.5キロニュートン掛けメートルを1メートル幅当たりということで、「kNm/m」というモーメント単位になっています。単位1メートル幅当たりのモーメントと見ていただければよろしいかと思います。

 次に、上下地震応答解析による屋根版の応力を示しております。

水平に関しては、中間部から真ん中あたりで応答結果が大きくなり、多少、周辺固定の影響が出ていますが、上下に関しては、この両端のところで応答が大きくなります。これは円筒の壁部分と屋根部分の節点に回転角が生じるためで、その部分でのモーメントが大きくなっていると思われます。

 少し図の説明が抜けておりましたが、上の図は、法線方向ということで、半径方向のモーメント、軸力の値、下の図は、円周方向で、円周に沿った方向のモーメントと最大引張の分布で、直交する2方向についてお示ししております。

 次に、細かくて恐縮ですが、屋根版各要素に作用する応力度を細かく算定しております。

 まず、右側にあるとおり、算定する部分を分割しております。中心部をエリア1、それの外周に向かって次の要素をエリア2、エリア3、エリア4、一番外周部がエリア6という形で6つの領域に分け、それぞれのFEM要素内で発生する断面力の最大値を導き、その断面力による応力度を求めております。

 それで、長期荷重時の引張と圧縮、地震力は正負繰り返しで作用するため、圧縮力に対して不利な方、引張力に対して不利な方を採用して、応力度に換算した値が下2段部分になっております。

 上段が発生する応力度で、「OK」の下に書かれている値が、先ほどのコンクリートFC180の短期許容引張応力度と圧縮応力度です。短期許容圧縮応力度に関しては12N/mm2、短期許容引張応力度に関しては10分の1で1.2 N/mm2という値を採用しております。

 これと発生値とを比較しております。なお、ここでは、鉄筋は考慮されておりません。引張・圧縮力をコンクリートのみで負担するという検討になっており、右下のところ、赤丸の部分が、短期許容応力度を、実際の応答値が少し上回っているというところになります。この状況ではコンクリートでは負担できないため、この部分に関しては、鉄筋を考慮した形で検討を行っております。

 この表中で応答の最大値が、許容値を上回っている部分は「6-下部」。エリア6が対象となっており、この外周面に沿ったところで、円周方向と法線方向、両方とも最大値が、許容値を上回っている状況です。

 このエリア6に関しては、コンクリートスラブ厚さ200mmで、ダブル配筋となっており、ここでは鉄筋を考慮した形で検討しております。それが、この部分でのM-Nインタラクションで、縦軸は軸力、横軸はモーメントで、鉄筋入りのコンクリート断面が負担できる範囲は、この線に囲われた部分になっております。

 実際に、応答値をプロットすると、このような位置となり、弾性解析の範囲内において、納まる結果になっております。

 ここまでが建屋の屋根版まで含めた応答の結果になっており、次に、原子炉建屋の基礎のほうの支持力の検討の図面になっております。左側がボーリングの柱……。

【和田委員】  23ページですが。2つ赤丸は両方とも引張ですか。片方が、ほとんど軸力がゼロですね。下から1本目の線が、軸力ゼロのラインですね。

【上林先生】  そうです。ここが500の値になっていますので、ほとんどゼロです。

【和田委員】  下の赤丸は引張ですね。

【上林先生】  下が引張になっており、382kNという値になっています。

【和田委員】  このような精巧な解析をすればする程、表現はこのようになってきてしまいますが、まず、地震が来る前にどこにいたのか。

【上林先生】  ここは短期だけなので、地震の前に、既に、この半分ぐらい、6割ぐらいのところまで。

【和田委員】  それで、振動している訳ですよね。

このように、ある瞬間だけの検討では、ほとんど意味が無いと思います。

まず、常時と地震時の応力状態を把握する必要があり、加えて、地震時は赤丸のところにあれば、その反対側に振動しているわけで。

法線方向と円周方向について、上下、水平方向の地震動両方を同時に作用させて検討しているのですか。

【上林先生】  はい。それぞれ位相を考慮せず、両方の応答値の最大値をとっています。

【和田委員】  そういう意味では、厳しい検討になっているんですね。

まず、全体はシェルだから、法線方向は圧縮ですが、円周方向は常時引張ですよね。

応力状態はどのようになっていますか。

【上林先生】   卵の殻を上から押さえると、このように割れのす。つまり、このような力が働いていると考えます。

【和田委員】  そうですね。ですが、先ほど、剛床仮定と言われたので、この下のシリンダーの径は広がらないというモデルですよね。

【上林先生】  いえ、すみません。水平モデルに関しては、剛床を仮定しておりますが、この応答値のほとんどが上下方向の振動で生じているため、上下に関しては、水平の壁と屋根とは、剛床仮定を設けずに応答解析を行っております。したがって、壁の膨らみは、上下に関しては入っています。

【和田委員】  そうすると、先ほどの水平のモードは。

このように、真中から水を落としたときに加わっていくような、21ページは上下動ですよね。水平動に対しては、刺激係数がゼロだから、21ページのような振動は水平動では起こさない。20ページが水平動による動きになっていますね。

 そのときに、ほんとうに円筒周りが、同一変位で動くという考えは、折角、シェルの方は、このような動きを考えているのに、円筒はいつも円筒だと。

 まず、円筒が地震時に円形を保つのは、屋根版があるからだと、先ほど報告されたわけで。その屋根版の計算をするのに、屋根版周りは同一変位の動きをすると仮定するのは、何か仮定条件の使い回しになっており、全然、証明になってないと思うので、しっかりやったほうがよいと思います。

ものを言うのに、このようにやったらこうなりましたと言う場合、使っちゃったものを、こうだったからとやるのは、同じものを二度使っていることになり、このようなロジカルに進める場合、一番やってはいけないことなのです。わかりますよね。

【上林先生】  はい。その辺、ご説明、仕方、ちょっと含めて……。

【和田委員】  というか、やり直さないと、やはり、円筒部の壁変形も考慮しないと。シェルは考えています、だけど、円筒は同一変位で水平に動きますというのは合ってない。

くどいようですが、円筒が同一変位をするのは、屋根版のおかげだと言ったわけだから。

【二ノ方主査】  あと、もう少しですから。最後までの、説明をお願いします。

【上林先生】  次、基礎の部分になりますが、この建屋周辺で実施したボーリング位置と地質断面を示しております。

 建屋位置は波線でお示しているとおりで、このように埋め込まれております。ここで、基礎底面での地盤を定義付けないと支持力算定ができないため、底面レベル位置では地層を確認すると、OC1という粘土層になっております。その粘土層は室内三軸試験結果より、粘着力を370kN/m2、内部摩擦角を5.8度と設定され、実際の支持力の算定に使っております。

 基礎の支持力算定は、基礎全面において反力は当然生じますが、この反力を求める場合、剛体とは考えず、上からの力に対して、この基礎盤は剛性を考慮して反力分布を求めております。

それにより、単位面積当たりの応力が一番大きくなる位置は、上からの重量が壁で伝わってくる外周フーチング部で、この部分において、単位幅当たりの許容値との比較で行っております。

 基礎の幅は、原図で申しわけないですが、上からの力はこのように壁を介して伝わり、壁から30度の幅で落としたこの幅、2.2mの幅が、実際の地反力に影響する幅としております。この基礎幅全てを採用してしまうと危険側となるので、このように30度という仮定をもって、2.2mということで算定しております。

 後にも示しますが、円筒状の上から基礎を見た線が描かれておりますが、この基礎部分も、上部の壁同様、16面体に置き直し、16面の各節点ごとにかかる接地圧を集約し、節点ごとに算定しております。当然、クライテリアは単位面積当たりとなるため、最後には、各節点ごとの荷重を面積で割るという形になります。

 次に、長期と短期のときの基礎の取り扱いですが、ここでは連続フーチング基礎で取り扱っておりますが、長期の場合、一節点の影響する等価長さを5.5m、要するに、節点、節点間の間隔の長さになっております。

 長期はこのような値を採用し、短期に関しては転倒モーメントが作用するため、この赤い線で示した27.5m、スパン長5Lになります。これが水平力に対して圧縮、あるいは、圧縮に対して一体となって抵抗することを想定し、この部分を直線的な連続基礎に、等価に置換し、地耐力との比較検討を行っております。

 地盤の許容支持力は、建築学会「建築基礎構造設計指針2001」に基となっている、国土交通省告示1113号の方法に基づいて算定しております。この方法は、ある程度の安全率を考慮した支持力算定式になっており、今回は、これを算定基準として用いております。

 実際の応答結果が、この図に示しているとおりになっており、少し小さな文字ですが、各節点に作用する力を4象限に分けて記載しております。上に凡例が書かれておりますが、「VL」は長期荷重に対して外周フーチング部分が負担する節点反力で、基礎底版の重量が含まれていません。その隣の括弧書きの部分は、基礎底版の重量を加えたものの反力です。

 なぜ分けた記載をしたかといいますと、建屋は土に埋め込まれていますが、もともとは埋め込まれてなく、その深度では、土の重量で釣り合っている状態になっております。建築で扱うようにフーチング底の反力は、基礎部分の重量を土に置き直して、それを差引いた上からの値だけで算定しており、これと同様に今回も算定しております。

 また、右側の括弧書きの「VL」は、基礎底版の重量を加えた値ですが、転倒モーメントによって引張応力が発生する基礎あり、その時に、基礎重量も含めた重量により抵抗するので、右上に書かれてあります。

 次、左下の部分は、X方向に地震力が作用したときの基礎反力「U1」、右下がY方向に力が作用したときの反力「U2」で、4象限の表現になっております。赤い四角が最大応答値になっております。

 これは水平力と長期に関する値で、地震時の鉛直荷重に関しては、ここには示しておりませんが、基礎底版に作用する鉛直方向の加速度を、重力加速度で割った鉛直震度を0.4と算出しております。この数値に、この重量を掛けたものを、上下の正負に作用する力と換算しております。

 次が、長期の地盤支持力算定になっており、テルツアギーの地盤支持力の基にした国交省告示式によって算定しており、このように、3分の1の安全率で、フーチング形状、地盤の粘着力、単位体積重量、地下水位を考慮して基礎底版から下については7.9kN/m2という小さな値を採用し、安全側となっております。次に、根入れ深さで、要するに、赤のアンダーラインが算定に用いた数値になっており、これらの数値を代入して、長期許容支持力を算定すると868kN/m2となり、これを切落し、許容値800 kN/m2という値としております。

 次に、短期の場合の支持力算定式は上にあるとおりで、短期の場合は、ほぼ長期を2倍した形になりますが、水平力が加わることにより、基礎底面には斜めの力が作用するため、それを考慮した算定結果が、一番下の計算式とその結果となっております。短期時は1,549kN/m2、これを切落し1,500 kN/m2という値で設定をしております。

したがって、800 kN/m2と1,500 kN/m2という値がクライテリアになっております。

 次に、先ほどの応力分布から、地盤の接地圧を検討した式がこのような値になっており、長期に関しては、発生した最大値が335 kN/m2で、先ほどの基準値の半分以下と、短期に関しては、左下にあるとおり、圧縮時に関しては837 kN/m2、発生時が1,500 kN/m2で約半分あたりと、引張が発生する部分がございまして、引張部分は、当然、杭等の抵抗要素もないため、その部分に関しては、別途、次のような検討を行っております。

 引張に関しては、根入れ部分があるため、根入れ部分の壁側面と周辺地盤との摩擦を考慮した日本建築センター「地震力に対する建築物の基礎の設計指針」という算定基準を用いても抵抗力を計算しております。

 その摩擦面のせん断抵抗力は、根入れ部分の面積にある摩擦的な係数を掛け算出しますが、この摩擦の係数はN値を参考にして求めており、一番軟らかなところのN値、3を用いてfaを算出しました。

 その結果、1平方メートル当たり150キロニュートンぐらいの摩擦抵抗となるので、これに面積を乗じて引抜きに対しての抵抗力が22万キロメートル、先ほどの、発生値が5,500で引張力は働きますが、一応、周面の土の摩擦抵抗で十分それは起こらないということを検討しております。

 以上、基礎までの検討結果ということでお示しさせていただきました。少し長々となって申しわけありません。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 途中で、いろいろコメント、質問をいただいたりしておりますけど、時間があんまり残っておりませんが、できる限り、本日いただいておきたいと思います。

 先ほどの、資料 施設・構造1-4、ポイントに従ってコメントをいただくというご説明が、事務局のほうからございましたので、これに沿って、確認をしていきたいと考えておりますけど、いかがでしょうか。

【林安全審査官】  ちょっと事務局から。

【二ノ方主査】  よろしいですか。

【林安全審査官】  本来であれば、コメントの整理表というところの1-4の資料で、私が説明した「確認の主なポイント」というところに沿って確認をしていただきたいと考えておりましたが、和田先生のほうから、本検討の根幹なるモデル化の妥当性についてコメントをいただき、やはり、その部分に明確な回答がないと、細かなところを話しても、らちが明かないかなと考えておりまして、先生、そうですよね。

 したがって、残る時間を、「確認の主なポイント」に沿わずに、全体的なところでコメントをいただければと思っております。

【二ノ方主査】  わかりました。

 もっと一般的な話とか、こちらのコメント整理表について、もしございましたらば、今いただいても結構だと思いますし、そういう意味で、あと10分ぐらいはいただけますかね。

【鎌倉保安管理企画官】  15分くらい結構です。

【二ノ方主査】  よろしいですか。ちょっとコメントをいただけたらありがたいと思います。

【上之薗委員】  ちょっと簡単なところで。

【二ノ方主査】  どうぞ。

【上之薗委員】  質点系のせん断モデルでモデル化していますね。

プッシュオーバー解析において、壁全体は回転するような動きは、ほとんど無かったわけですね。せん断変形だけではなく、回転系も出る場合もあります。

そのような変形は余り無かった、無かったからせん断系に置きかえた。

 せん断棒がありますよね。せん断だけで、そこに曲げは入っていないのですか。

【上林先生】  プッシュオーバー解析では、すべての変形が考慮された形で水平変位が算出されています。

【上之薗委員】  プッシュオーバー解析で、曲げ変形も考慮された状態となっており、それをせん断モデルに置きかえたということですね。

【上林先生】  そのとおりです。そうです。せん断力、せん断ひずみ、変形と両方。

【上之薗委員】  それは、当然わかりますが、そのときには、曲げ成分は少なかったと。

【上林先生】  少なかった。この抵抗要素としては、この壁のところでかなり持っているという。

【上之薗委員】  わかりました。

【二ノ方主査】  7ページ、図面中でハッチングしてある部分の上はプールの部分ですね。よくわからないので場所を特定して下さい。

そこですね。プール部分、原子炉棟のこちらは地下部分になるわけですかね。

【上林先生】  ちょうどこの断面図でいいますと、ここの部分です。

【二ノ方主査】  上の平面図でいうと、どこになりますか。

【上林先生】  これは1階の平面図になっており、断面図で切れている部分は、このような切り方、ここを通るような形で切った断面となっております。

 ここの断面の、ちょうど壁との境界がここになっており、この下に、地下壁がありまして、ここにプールへ行くためのキャナルの溝がありますが、溝は幅1mくらいですが、ここの断面は、その溝は表現されておりません。

ここに溝があり、こちら側に、このようなプールが存在していると。それが、プールになっています。

【二ノ方主査】  破線で囲んである部分が、全体プールになっているわけですか。

【釜江先生】  地下の図面があれば良かったのですが。

現実は、地下だけをみた場合、擁壁がこのようにあり、ここに本体がこう。キャナルという溝がこのようにあり、かなり厚い壁で、これが外に出て、こうですね。それで、ここが少しプールになっておりまして、こういう形で地下のプール。この部分にこの基礎が、基礎はこちらの基礎と共有して、地下の壁からいきますと、ここ、こうですけど、こういう形になっています。ここに使用済み燃料プールです。

【二ノ方主査】  基礎地盤の反力を評価される場合とか、プールの形状等を見ると、あんまり連続的でないと思いますが、ですから、その結合部分というか。

【上林先生】  先ほどの、基礎反力は、このあごの部分が出た状態での反力を、一応、求められた結果になっております。

【釜江先生】  地下は一体ですから、プールのところ。

【二ノ方主査】  一体になっていますね。それですね。

【上林先生】  ここでの値で、完全に剛床だと、正負が入れ替わるような、きれいな軸対称になるのですが、この床板はある弾性剛性を考慮し、また、プール部分にも剛性もあるため、地震時の応力算定ではイレギュラーな値になります。

このように、基礎梁とか含めた基礎に対しては、剛床仮定が成立しない部分の影響があるため、そのようなことを込み込みで評価した地盤反力になっております。

【二ノ方主査】  そうですか。

【藤田委員】  すみません、いいですか、1つ。

【二ノ方主査】  はい。

【藤田委員】  基礎的なところで。ちょっと戻って見ていたのですが。

入力地震動のところで、4ページの応答スペクトルですが、Ss-2 EW方向の一番大きくピークが出ている、大体0.4秒ぐらいで、なぜ、このように大きなピークになるのですか。

 それと、等価線形ですと、同じ周期で、応答は小さいですよね。非線形解析と等価線形で、同周期で応答が、このようになることについて教えて下さい。

【川辺先生】  まず、等価線形解析をした場合と、非線形解析をした場合では、ひずみ分布は変わってきます。

等価線形解析をした場合は、100mよりも深い地盤で、かなり大きなひずみが出て、その上で小さな地震動になってしまうことがあります。

 非線形解析をすると、表層に近い部分まであまり大きくひずみが出ずに、大きい地震動が上の方まで行って、上の方に大きなひずみが出てくるという部分がございまして、このあたりで固有周期、卓越周期というものが変わってくるということで、このような違いになってきたのではないかと考えています。

【藤田委員】  よくわからないですが、逆に、非線形でやった方が、深いところでの非線形性が、上の方がむしろ弾性応答みたいになり、応答倍率が大きくなるという解釈でもいいわけですか。

【川辺先生】  そうです。

【林安全審査官】  その資料で、前回の。やはり翠川先生から指摘を受けておりまして、それで、逐次非線形でやるようにということでやっているのがこの新しい。

【藤田委員】  そうですか。わかりました。

【川辺先生】  その等価線形解析の方のひずみが3%ぐらいになっておりますので、かなり大きくなり過ぎたということで、非線形も見るようにということで、今回、どちらと判定するのも、非常に難しかったですので、大きい方を採用するということで整理させていただきました。

【藤田委員】  もう一ついいですか。僕、建物、わからないですけど、ちょっととんちんかんな質問をしたら、あれですけど。

 資料 地質・地震動1-3で、地震応答解析モデルの建屋減衰がRCで3%減衰とした計算になっていて、少しわからなかったのは、原子力建屋の復元力特性のモデル化というのは、一応、Tri-Linear型ということだから、3%というのは、これに載せるのですか。さらに、弾塑性解析に載るのか。

【上林先生】  3%といいますのは、載っていますけど。初期剛性のところで、3%がすべてに効いている減衰になっています。

【藤田委員】  効いているという形になるわけですね。

【上林先生】  ある点から降伏した状態では、ほとんど、こちらの減衰に依存する応答になります。

【藤田委員】  この3%という数値は、JEAG 1991の前版、建物設計のRCの値からは離れていないとか、ごく常識的な、規定されている値ですか。

特段、安全側を狙っているとか、保守的だとか、そういうことではないですか。

【釜江先生】  そうですね。

【藤田委員】  わかりました。すみませんでした。

【和田委員】  もともと、何十年も前に設計され、その当時に想定した設計外力と許容応力度のバランスもあるが、今回は、従前までの設計外力も大きな地震動により、耐震安全性を行ったが、建設当初にかなり余裕を持って設計がなされたから、耐震安全性が保たれているとか。何か、説得力の説明というか、一言ないですか。

【釜江先生】  その辺の話は、原子力発電所の方でも、いろいろと話題になっており、これは、もともとは0.3という静的地震動、建築基準法の1.5倍ということで弾性設計されている。

ただ、原子力発電所ではないが、やはり遮蔽とか、そのようなことで壁が少し厚くなっているということで、今のような余裕が出てきているのだと思っておりますが、ちょっと応答値と0.3のときの、そのような比べたものを見ていただくようにしたいと思います。

【和田委員】  そうですね。

【二ノ方主査】  また次回、そういうところを出していただければと思います。

【釜江先生】  はい。

【藤田委員】  現地調査において、昭和30年代の機器を見させていただき、基本的には相当なマージンを持って設計されているところがあるのですが、一方で、詳細図面等は完全に残っていなく、また、実際に造られた方も、会社には残っていらっしゃらないと思うので、その辺のところを分かり易く示されると、すごく、理解し易いと思います。

【釜江先生】  多分、当時は、そんなにガチガチな構造計算はしていなく、多分、機器にしても、何かマニュアルがあったわけでなく、プロポーショナル的な話として何かとあって。今だと、もっとスリムに出来る、という話があるのだと思いますが、多分、そういうのも背景があると思います。

【二ノ方主査】  時間が迫っておりますが、もう一件ございます。この辺りで、ちょっと切らせていただきたいと思います。

 ただいまの確認の主なポイント等についても含めて、いろんな追加とか、ポイントに対するコメントとか、本日いただきましたご説明に対するコメント等については、また次回、もう一回、再確認をさせていただきたいと思います。

 本日、出ましたコメントについては、また。

【鎌倉保安管理企画官】  次回以降。

【二ノ方主査】  整理して、議事録もございますので、それを確認していただいて、それから検討していきたいと思います。

 このコメントの対応表については、できる限り、埋めていきたいと思いますので、それに沿うような、ご報告をお願いしていきたいと思います。

【和田委員】  伺っていいかわかりませんが、釜江先生はあそこで教授をやられていて、今日のお二方は、京大の原子炉実験所の先生ですか。

【釜江先生】  すみません。私の研究室で、准教授と助教のものです。我々、地震分野を1講座をいただいておりまして、研究室の所員です。

【和田委員】  そうですか。わかりました。どうもすみません。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 それでは、何かございましたら、事務局のほうに、メールとか電話でお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 最後に残っていますのがクロスチェックの話でございますので、これについては事務局のほうからお願いいたします。

【林安全審査官】  クロスチェックということで、親委員会の第1回目の会合において、クロスチェックの実施については、2枚目の「(参考)」という資料に基づいて提示させていただきましたが、具体的な方法について、京都大学の中間報告に基づき、一旦この書面にまとめましたが、今回、和田委員のほうから、モデル化の根幹に係る内容についてコメントを受けて、それに対する我々のクロスチェックもこれでいいのかというところもあって、やはり、その部分が変わると、クロスチェックの内容も変わってしまうため、京都大学の検討を見ながら、改めて、クロスチェックの仕方を練る必要があると、というところがまず冒頭に話す内容です。

 ここに、まとめている内容は、大方、中間報告が了解、方法論的なものが問題ないと、ここで審議されたことを想定してまとめた資料です、クロスチェックについては、京都大学が実施した計算コードとは異なる計算コードによって、トレース的な解析を実施していこうと、そのようなところを主眼として考えてございました。

 実際には、1ページ目の裏側にあるとおり、我々、クロスチェックの業務委託を受けていただいております構造計画のソフトと京都大学の使用したソフトが違うものですから、これについては問題がなかろうと考えております。

 しかしながら、先ほど、和田委員のほうから言われた屋根版の剛床仮定がしっかり成り立つのか、あるいは、壁の面外剛性がしっかり保たれているのか、それによって、質点系モデルの妥当性は担保されているのかという根幹的の内容を、今日、コメントとしていただきましたので、それの対応方針を見ながら、当方のトレース的な解析、クロスチェックについてどうするか考えて、再度、述べたいと思います。

 しかしながら、書面としてまとめましたので発表させていただきたいと思います。

表1は、計算的なフローがどのような形になっているかをまとめたもので、我々、事務方として、専門以外の者もいるため、その者にも、分かり易く説明出来るかと思い、このように表としてまとめました。

 建屋全般としては、地盤のスウェイ・ロックングばねを算出し、一方で、その静的荷重漸増解析を行って復元力特性を求め、地震応答解析を実施していく。また、片方では鉛直方向の鉛直ばねを算出し、地震応答解析によって鉛直方向の応答値を求めていく。

 それらを用いて、建屋耐震壁の耐震裕度の確認、あるいは、屋根版の耐震裕度の確認につなげていく。また、地震応答解析の鉛直・水平方向の応答により、機器・配管系の耐震裕度の確認を行うと、そのようフローになっているということをまず認識しております。

クロスチェック解析の内容としては、大きく、基本的な確認と、個別解析に対する確認とに分けました。

 スウェイ・ロッキングばねの算定については、軸対称FEM解析という形で実施しており、やはり、諸係数が多く、それの設定も細かく専門的な内容のため、JEAGに定めている理論解によるインピーダンスの算出という地盤ばねの算出方法があるので、それによってどのようになっていくかを求めてみようと考えました。

 想定しているのは、京都大学が算出した入力地震動よりも、若干、大きなものになるのではないかと考えております。まずは、FEMモデルでばねを求めるのではなく、JEAGの指針によって求めてみようと考えました。

 それと、京都大学は、説明にもあったとおり、16角形に置換して静的荷重漸増解析を行って復元力特性を求めていますが、JEAGでは円筒形の耐震壁の復元力特性が定められておりますので、それを使ってみようかということを一旦考えましたが、何度も繰り返すようですが、実用炉と京都大学のものでは、やはり壁厚が違うもので、実用炉に対して定められた円筒形耐震壁の復元力特性が使えるかという確認を行っておりませんので、一先ず、確認の必要があろうかと考えています。

 このように、地震応答解析をSRモデルにより、上記のインピーダンスのばねと、円筒形耐震壁の復元力特性を使って地震応答解析をしようと考えておりましたが、今日の審議を受け、もう一度、考え直させていただきたいと考えております。

 あとは、FEM解析、鉛直方向に対する地震応答解析においては、有限要素の解析モデルとして、京都大学は弾性系での検討のようですが、我々としては非線形を考えております、どうしても応答が大きくなると想定しており、非線形のところまで考慮する必要があろうと考えております。

 大方は、このような形で、基本的な確認はトレース的な解析と、個別的解析に対する確認と考えましたが、再度、考え直したいと考えております。

 裏側を見て下さい。2.というところです。今述べたことを細かく書くと、このようになります。スウェイ・ロッキングばねの設定として、何度も繰り返すようですが、軸対称FEMモデルにより算出しているところを、我々は、JEAGで定められている内容を沿って行い、少し大き目の評価となることを想定しております。

 壁要素モデルについて、再考のため説明は省略しますが、詳細な確認が京都大学のほうと出来ていないので、その辺を確認しながら、当方のクロスチェックにおける解析モデルについて構築していきたいと考えております。

 それと、解析モデルに反映する開口ということで、実際に、委託者も現地調査を行っており、その調査で、解析モデルに考慮すべき開口等、確認しております。4箇所程度ですが、幅4,000、高さ5,000の開口がございますので、こういった開口を解析モデルの中に考慮しながらクロスチェックのほうに当たっていこうと考えております。

 まずは、京都大学の今日のコメント対応を確認しながら、クロスチェックについては再度考えていきたいと考えております。

 以上です。

【二ノ方主査】  ありがとうございました。

 今のご説明について、何か、もしコメントがございましたらいただきたいと思うんですけれども、よろしゅうございますか。まだ新しいご提案については……。

【吉田原子力規制室長】  新しい提案をさせていただきたい、もう一度。

【二ノ方主査】  はい。新しくつくり直すにしても、何かコメントがあればということでございますが。もしよろしければ、本日の議題は以上でございます。

 何かございますか、ほかに。よろしいですか。

 それでは、最後に連絡事項等ございましたら、事務局のほうからお願いいたします。

【鎌倉保安管理企画官】  本日はお忙しいところ、ご議論いただきまして、ありがとうございました。

 次回の会合については、本日の開催日程の調整にあわせて確認させていただいたとおり、12月18日の金曜日にこの場所で開催を予定しています。改めまして、事務局のほうから開催通知を送付させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

【二ノ方主査】  時間は何時ですか。

【鎌倉保安管理企画官】  時間も同じ、10時から12時半です。

【二ノ方主査】  それでは、今日はいろいろご意見いただきまして、ありがとうございました。またもう一回、最初からというわけじゃないと思いますけれども、次回またご報告を再度いただきたいということで。

 それから、傍聴者の方々にはいろいろご協力いただきまして、ありがとうございました。

 以上をもちまして、本日のサブワーキンググループの会合をこれで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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林、益田
電話番号:03-5253-4111(内線3923)

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