地質・地震動サブワーキンググループにおける
耐震安全性評価の妥当性の確認結果について(案)
―京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)―
平成21年11月27日
地質・地震動サブワーキンググループにおける、京都大学が評価した基準地震動Ss、入力地震動等に対する妥当性確認の結果は、以下のとおりである。
なお、点線枠内は、地質・地震動SWG(第2回)におけるコメントについて、今後の対応方針を記したものである。
(1)地盤文献の調査、地質調査、地球物理的調査等を実施し、その内容は要求されている事項を満足していることから、基本的に必要な調査は実施されていると判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(2)敷地周辺陸域及び海域の活断層の評価は妥当なものと判断した。なお、中央構造線断層帯の断層の傾斜角については43度とした評価は、妥当性なものと判断した。
(3)「震源を特定して策定する地震動」として、中央構造線断層帯による地震、上町断層帯による地震、想定南海地震(M8.4)、想定東南海地震(M8.1)及び想定東南海・南海地震の連動した地震(M8.5)並びにプレート内地震(想定敷地下方の地震)(M7.4)を検討用地震としていることは妥当なものと判断した。
(4)中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震の基本震源モデル、及び、その不確かさとして、アスペリティの配置、破壊開始点及び応力降下量を考慮した震源モデルのパラメータについては妥当なものと判断した。また、想定南海地震、想定東南海地震及び想定東南海・南海地震の連動した地震の基本震源モデルのパラメータについても、妥当なものと判断した。さらに、プレート内地震(想定敷地下方の地震)の基本震源モデル及び発生位置の不確かさを考慮した震源モデルのパラメータについても、妥当なものと判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(5)中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震、想定南海地震、想定東南海地震及び想定東南海・南海地震の連動した地震、並びにプレート内地震(想定敷地下方の地震)の震源モデルをもとにした、応答スペクトル手法として耐専式を用いた地震動の評価は、敷地の地下構造特性等を適切に考慮しており、妥当なものと判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(6)中央構造線断層帯及び上町断層帯による地震の震源モデルをもとにした、断層モデルを用いた手法による地震動の評価は、短周期側に統計的グリーン関数法、長周期側に理論的方法を適用したハイブリッド合成法を用いて、敷地の地下構造特性を適切に考慮しており、妥当なものと判断した。
(7)「震源を特定せず策定する地震動」については、断層モデルを用いた手法による地震動評価によって策定された「震源を特定して策定する地震動」が優位であることから、基準地震動の選定に関して考慮しないことは妥当なものと判断した。
(8)「震源を特定して策定する地震動」のうち、応答スペクトルに基づいた手法による地震動評価において、中央構造線断層帯による地震動を基準地震動Ss-1とし、また、断層モデルを用いた手法による地震動評価において、中央構造線断層帯の地震におけるアスペリティ位置の不確かさを考慮した地震動を基準地震動Ss-2とし、中央構造線断層帯の地震における応力降下量の不確かさを考慮した地震動を基準地震動Ss-3と設定していることは妥当なものと判断した。
(9)基準地震動Ss の年超過確率は10-4~10-5 程度であった。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(10)以上のことから、基準地震動Ss-1、Ss-2 及びSs-3 は妥当なものと判断した。
(11)解放基盤表面以浅の堆積地盤における増幅特性を考慮するための地下構造モデルについては妥当なものと判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(12)原子炉建屋の耐震安全性評価に用いられる地震応答解析、及び、基準地震動Ss-2及びSs-3に基づく建屋基礎底位置における入力地震動については妥当なものと判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
(13)地震随伴事象の考慮については、施設の安全機能が重大な影響を受ける津波、並びに施設周辺斜面の崩壊が起こらないとしたことを、妥当なものと判断した。
最終報告書等に反映すべき内容 |
林、益田
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