平成21年8月12日(水曜日)14時00分~16時00分
文部科学省 5階 5F5会議室
平成21年8月12日(水曜日)
【吉田原子力規制室長】 それでは、定刻となりましたので、第9回のINES評価ワーキンググループを開催させていただきたいと思います。
先生方、ご参集いただきまして、ありがとうございます。
本会合は、お手元の参考資料に委員名簿がございますけれども、委員は10名でございます。10名でございますけれども、今遅れている先生もいますけれども、7名ですから過半数を超えていますので、定足数を満たしておりますので、開催したいと思います。
それから、山中委員は欠席ということで、連絡をいただいております。
それでは、本日の進行は、委員長でございます中込先生にお願いしたいと思います。それでは先生、よろしくお願いいたします。
【中込委員長】 それでは、第9回になりますが、INES評価ワーキンググループを開催させていただきます。
ご承知と思いますけれども、本会合は公開になっておりますので、ご発言は私のご指名の後に発言を行っていただきたいと思います。
また、傍聴者の方も円滑な議事運営にご協力お願いしたいと思っております。
それでは、初めに、前回会合以降に事務局の異動があったということでございますので、ご紹介の方をお願いしたいと思います。
【吉田原子力規制室長】 それでは、私の隣の杉山運転管理・検査管理官でございます。
【杉山運転管理・検査管理官】 杉山です。よろしくお願いいたします。
【吉田原子力規制室長】 それから、江頭安全審査調整官でございます。
【江頭安全審査調整官】 江頭です。よろしくお願いします。
【吉田原子力規制室長】 以上です。
【中込委員長】 よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、本日の配付資料の確認についても事務局の方でお願いいたします。
【横井専門職】 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
お手元の座席表が1枚ございまして、その次は議事次第1枚紙、それからINES9-1としまして、「常陽」の回転プラグの一部阻害についてというパワーポイントの資料でございます。
それから、INES9-2といたしまして、JRR-3原子炉自動停止について。
それから、参考-1としまして、INESワーキンググループ委員名簿が1枚紙。
それから、参考-2といたしまして、「常陽」の件のプレスリリース。
それから、参考-3といたしまして、JRR-3の自動停止に係るプレスリリース。
それから、参考-4といたしまして、INESのユーザーズ・マニュアルの2008年版。表紙のみでございます。
それから最後、参考-5といたしまして、前回のワーキングの速記録でございます。
なお、今、ご紹介いたしました参考-4のINESのユーザーズ・マニュアルにつきましては、本年の6月にIAEAの方から2008年版ということで出版されておりますので、一応、本日の場はご参考ということで配付をさせていただきました。後ほど日本語版を作成いたしましたら、また委員の先生の方にお渡ししたいと思っております。
あと、傍聴の方には参考-4と参考-5につきましては、表紙のみということにさせていただいております。
以上です。
【中込委員長】 ありがとうございました。
配付資料のうち、参考-1に委員名簿がございますが、まだ石田委員と越塚委員、お見えになっておりませんけれども、その他の委員の方で、ご所属とか、一応、修正はしておりますけれども、変更等ありましたら、事務局の方にご連絡願いたいと思います。
それでは、続きまして、メインの議題になるわけですが、本日は、その他を入れまして、3つほど議題を用意していただいています。最初ですが、原子力機構の高速実験炉「常陽」がありますが、そこの計測線付実験装置の干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害についてということで、INESレベルの評価結果について、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【橋本安全調査係長】 それでは、資料INES9-1に基づきまして、ご説明させていただきます。
まず、タイトルを読ませていただきます。独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(南地区)高速実験炉「常陽」計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害についてとなってございます。
本件は、原子力機構から当省に対して、平成21年7月22日に最終報告があった事象になります。
1ページめくっていただきまして、2ページ目ですけれども、1.の件名、2.の事象、3.の施設につきましては、ご覧の通りになってございます。また、4.の発生日時につきましては、燃料交換機能の一部阻害が確認された日ということで、平成19年11月2日となってございます。
さらに1枚めくっていただきまして、3ページ目、5.事象内容についてでございます。
まず、燃料交換機能の一部阻害の発生に至った状況について、ご説明させていただきます。
平成19年5月15日から施設定期検査を実施中の高速実験炉「常陽」におきまして、5月28日に回転プラグを操作して、照射を終了した計測線付実験装置、こちらは通称MARICO-2と呼ばれている装置になりますけれども、その装置を炉内の照射位置から炉内ラックに移動しまして、5月30日にMARICO-2の保持部と試料部の切離作業を行い、6月1日に再び回転プラグを操作しまして、MARICO-2の保持部のみを照射位置に戻してございます。
こちら、ちょっと文章だけですと分かりづらいと思いますので、次ページの図をご覧いただければと思います。
まず、一番左、MARICO-2の概略図になりますけれども、こちらMARICO-2につきましては、下から試料部、保持部、駆動部という構成になっておりまして、この実験装置におきましては、高速炉用の被覆管材料の照射試験などを行っておりました。
このMARICO-2を真ん中の図、「常陽」原子炉と書いてある部分ですけれども、こちらの炉心の照射位置から炉心の脇にあります、「炉内ラック」と書かれている、(R16)と書かれているものですけれども、こちらに回転プラグを回転させて移動させてございます。この回転プラグといいますのは、真ん中の図ですと、原子力容器の上蓋の部分になりますけれども、青と緑で示した部分になってございます。
右上に回転プラグ上面イメージということで載せさせていただいておりますけれども、こちらの大回転プラグ、小回転プラグを独立して回転させることによりまして、回転プラグに取り付けられている実験装置などを炉心などの任意の場所に移動させることができるというものになってございます。
こちら、MARICO-2を炉内ラックの方に回転プラグを操作して移動させまして、その後、炉内ラックの部分で試料部と保持部を切り離す作業を行ってございます。試料部は、右下の図のように、炉内ラックに正常であれば収納されることになっております。
恐縮ですけれども、前のページに戻っていただきまして、3ページ目の6行目になります。MARICO-2の保持部は照射位置に戻した後ですけれども、MARICO-2の試料部を回収するために、6月11日に回転プラグに燃料交換機を取り付けまして、炉内ラック近傍で燃料交換機を下降させたところ、燃料交換機のホールドダウン軸に荷重異常が発生いたしました。その対応としまして、6月19日に点検を行ったところ、ホールドダウン軸の先端部分に2カ所の圧痕が確認されました。そのため、この原因調査を行いまして、8月頃からですけれども、回転プラグに炉内検査孔というものがございまして、そちらにカメラやファイバースコープを設置しまして、炉心上部機構の下端周辺の詳細観察を行ったところ、11月2日に炉心上部機構等がMARICO-2と干渉するため、燃料交換機能に支障が生じたことが判明しました。
この燃料交換機能に支障が生じたことにつきましては、5ページ目をご覧いただければと思います。まず、炉内ラックで切離作業を行った場合、通常ですと、右下の正常な試料部切離後の状態ということで、炉内ラックの中に試料部が収納される形になりますが、今回につきましては、真ん中の試料部切離後の状態という図になりますけれども、MARICO-2の試料部と保持部が切り離されない状態で回転プラグを操作して保持部を照射位置に戻してしまったために、試料部が切断される形となってしまいました。その結果、試料部の一部が炉内ラックから突き出す形、真ん中の図の下の部分ですけれども、なりまして、この突き出した部分が炉心上部機構などと干渉することによって、燃料交換機能に支障が生じることになりました。また、真ん中の図の上の図ですけれども、試料部の上部部品が炉心上部機構内に残存することになりました。
また3ページ目に戻っていただきまして、次に(2)の炉内観察結果についてですけれども、こちら燃料交換機能の一部阻害が判明した後に炉内観察を実施した結果としまして、試料部が所定の位置に収納されていないこと、試料部の上部部品が固定ピンから外れたこと、上部部品が炉心上部機構内に残存していること、炉心上部機構の一部が破損・変形していることが確認されました。
これにつきましては、6ページ目をご覧いただければと思います。炉内観察結果ということでお示しいたしておりまして、炉内観察では、回転プラグの炉内検査口などにカメラやファイバースコープを取り付けて実施しまして、右下の図になりますけれども、炉心の頂部からの炉心上部の観察結果などが示されておりまして、試料部が炉内ラックから突き出していることが確認できるかと思います。
また、右上の丸い形の写真の部分になりますけれども、矢印でハンドリングヘッド、整流板など書かれている部分ですが、こちらにつきましては、炉心上部機構の下面から観察した画像になっておりまして、その観察を行うために、特別に観察用の装置を原子力機構で製作いたしまして、映像を撮ったものになります。
炉心上部機構下面の観察結果といたしましては、炉心上部機構内に試料部の上部部品、ハンドリングヘッドと書かれている部分ですけれども、こちらが残存していることや、炉心上部機構の一部、こちら整流板になりますけれども、それが破損・変形したことが確認されてございます。
次のページに行っていただきまして、6.環境、作業員への影響についてになります。
今回、「常陽」は原子炉停止中でございまして、閉じ込め機能及び炉心の冷却機能に問題はなく、原子炉の安全性は確保されていました。また、環境への影響につきましては、排気筒モニタ及びモニタリングポストの測定値に異常は見られませんでした。また、作業員への影響ですけれども、作業員の被ばくは生じておりません。以上のことから、事業所外、事業所内での影響というものは確認されてございません。
次に、8ページ目、7.原因究明についてになります。
燃料交換機能に支障が生じた原因といたしましては、2つ原因がございます。1ページめくっていただきまして、まず1つ目ですけれども、(1)炉内ラックにおいて試料部と保持部の切離作業を実施した際に、試料部が正常に切り離されなかったことになります。また、もう一つは、今回、切り離しができたかどうかの確認というのを、切離前後で装置の重量を荷重計によって測定しまして、試料部の重量に相当する重量差を確認することで行っていましたが、荷重計による測定において、試料部の重量に相当する重量差が確認されたことで、切り離しが成功したと誤って判断してしまったということがございます。
さらに、この2つの原因につきまして精査した結果が、次のページになります。
10ページ目ですけれども、まず試料部が正常に切り離されなかった要因としましては、上のポツになりますけれども、設計・製作を実施したメーカーによる試料部切離機構の設計において、試料部の切り離しが確実に実施できるよう寸法が的確に設定されていなかったこと。設計不備があったということになります。また、2つ目のポツになりますけれども、過去に同一メーカーが設計・製作した計測線付実験装置において試料部の切り離しができたことから、メーカー及び原子炉機構において切離機能の検証が実施されなかったこと、検証作業の未実施という、この2つの要因がございました。
次のページをご覧いただければと思います。こちらは試料部の切離動作を説明した図になってございます。
まず、一番左の1.の初期位置の図になりますけれども、試料部と保持部というものは、試料部のハンドリングヘッドと呼ばれている緑色の部分が、フィンガと書かれている黄色の部分がございますけれども、こちらに引っかかる形でつながる形となっております。正常な設計でありますと、切り離しの際にはカッタ支えと書いてあります、赤い部分ですけれども、こちらが下降してきまして、黄色い部分、フィンガを内側に押すことによって、3.の上の図、正常な設計による動作という部分ですけれども、その図のように試料部が切り離されることになります。フィンガからハンドリングヘッドが落ちる形になります。しかしながら、今回につきましては、3.の下の図になりますけれども、設計不備があったということで、カッタ支えがフィンガを内側に押すことができず、試料部を切り離すことができなかったということが分かりました。
さらに次のページに行っていただきまして、もう一つの原因としまして、切り離しが成功したと誤って判断したことがございましたが、こちらの要因としましては、荷重計による重量測定で、試料部の切離作業前の摩擦力に対して作業後の摩擦力が減少したため、見かけ上の吊り上げ重量差が発生したこととなってございます。
次のページ、13ページですけれども、そちらに重量測定における摩擦力の影響を示しております。
まず、一番左のMARICO-2の2つの図ですけれども、重量測定では装置の駆動部に荷重計というものを取り付けまして、装置を30ミリ程度吊り上げます。そして、重量が安定した所で重量の測定を行います。
その右上の図になります。矢印で右上に行っていますけれども、保持部には原子炉容器上部のカバーガスのバウンダリとしまして、シリコンゴム製のシールパッキンが使用されてございます。重量測定においては、このシールパッキンと外側延長管と書かれておりますが、赤い部分ですけれども、こちらの接触部位につきまして、摩擦力が発生することとなります。
さらに矢印下に行っていただきまして、吊り上げ操作によりまして、赤色の外側延長管というものが上方に移動しまして、それに伴いましてシールパッキンが変形をいたします。そうしますと、シールパッキンの復元力に相当するような摩擦力が発生する形になります。また、シールパッキンと外側延長管との接触面につきましては、しばらくすると接触面が馴染みましてシールパッキンの変形が解消されるという形になります。すなわちシールパッキンが元通り復元をする形になるんですけれども、そうしますと、摩擦力は減少する形になります。
次に、14ページ、15ページですけれども、こちらに実際の切離作業前後で測定を行った吊り上げ重量のチャートの一例を示してございます。
まず14ページですけれども、こちらは切離作業前の吊り上げ重量チャートになります。縦軸が重量になっていまして、横軸が時間になっています。横軸の右に進むにつれて時間が経過する形になってございます。
まず、装置の吊り上げ操作を開始いたしまして、こちら、グラフの左下の方なんですけれども、1と書かれている部分ですが、その後、重量が上がってきまして、チャートが上下に波を打つ形になっているかと思うんですけれども、これがシールパッキンが変形と復元を繰り返すことによって摩擦力が変動しているというふうになってございます。
その後、チャートの中ほどですけれども、300ミリ位置到達時という所以降で重量が安定する部分がございますけれども、こちらで重量を測定してございます。
次に、15ページになりますけれども、こちらは切離作業後の吊り上げ重量チャートになってございます。このチャートにつきましても、切離前と同様の挙動を示していることになってございますけれども、まずシールパッキンによる摩擦力、波打っている部分につきまして、この摩擦力が切離作業前では20キロ程度と書かれておりましたが、切離後というのは約10キロ程度となっておりまして、摩擦力が低下してございます。
また、重量測定を行っている水平な部分ですけれども、この直前の摩擦力の減少の割合というものが、切離作業前と作業後を比べますと異なる形になっていることが分かるかと思います。
このように切離作業前後で摩擦力の影響に変化があったことから、重量測定において、見かけ上の吊り上げ重量差が発生したとのことです。
次のページに行っていただきまして、16ページになりますが、以上のことから、燃料交換機能の一部阻害が発生した原因などをまとめますと、以下のようになります。
まず原因としましては、試料部が正常に切り離されなかったこと、また切り離しが成功したと誤って判断したことになります。また、それぞれのポツの下に書かせていただいておりますのは、今後の対策ということで、参考として記載させていただきました。
また、環境モニタリングの結果及び作業員の被ばく状況に異常はありませんでした。以上が事象の中身になります。
さらに1枚めくっていただきまして、それでは、これまでの説明を踏まえまして、INESの評価に移らせていただければと思います。
まず、既にご承知の通り、INESは以下の3種類の評価基準で行うことになってございます。1つ目が基準1、事業所外への影響、2つ目が基準2、事業所内への影響、3つ目が基準3、深層防護への影響になります。これらにつきまして、INESの検討を行いたいと思います。
1ページめくっていただきまして、こちらがINES評価尺度の主な基準ということで書かせていただいてございます。
さらに1ページ進んでいただきまして、19ページになりますけれども、こちらがINESユーザーズ・マニュアルのINES評価手順になってございます。これに従いまして評価を進めさせていただければと思います。
まず、中ほどの上のスタートから進んでいただきまして、INESに該当するかどうかにつきましては、本件は法令報告事象となってございますので、評価対象ということで、イエスの方に、左側に進んでいただきます。そうしますと、次に基準1の評価になります。事業所外への影響があるかどうかにつきましては、先ほどご説明した通り影響はございませんので、ノーという右側に進んでいただきます。また、基準2、事業所内での影響があるかどうかにつきましても、既にご説明した通り影響はございませんので、ノーとなります。右側に進んでいただきまして、そうしますと基準3、深層防護の影響について評価を行うことになります。深層防護のサブ手順ということで、Eの右下の所に書いてございますが、こちらでは層アプローチ、起因事象アプローチ、追加要因などを検討しまして、深層防護の最大レベルを採用しまして、評価レベルを確定させることになります。さらにFに行っていただきまして、最後に、これまで評価を行いました事業所内外への影響、また深層防護の影響、それらを勘案しまして、最大レベルを採用することになって、INESの評価は終了することになります。
それでは、次のページ、EとFの間の深層防護のサブ手順に進ませていただければと思います。
20ページですけれども、シート4、深層防護におけるサブ手順。こちらでは、まず今回の燃料機能の一部阻害の潜在的な起因事象について検討を行うこととなります。
まず、今回は切離機構の設計不備というものと、切離機能の検証を実施しなかったということを潜在的な起因事象として挙げさせていただいておりますので、こちらイエスということで下に進ませていただきます。
次に、それらの潜在的な起因事象というものが定例サーベイランスで発見された欠陥かどうか。また、それは許容基準内の欠陥かどうかということを検討いたしますが、今回の潜在的な起因事象につきましては、定例サーベイランスで発見されたものではございませんので、ノーの方に進ませていただきます。
下に進んでいただきまして、さらに定例サーベイランスで発見された潜在的な起因事象は、安全機能を劣化させたり、安全機能を始動させたりする可能性があるかどうかについてですけれども、こちらは設計不備や検証作業の未実施があったことによって試料部が切り離されなかったということにつながっておりますが、原子炉の安全に直接影響をしないことからノーと考えまして、右の深層防護はレベル0と評価をさせていただければと思います。
さらに矢印を進んでいただきまして、次のページになりますが、21ページになります。
次に、評価レベルを上げるような付加的要因があるかどうかの検討を行います。検討すべき事項としましては、共通原因故障、手順の不備、安全文化の欠如などがございます。その後、先ほど評価を行ったレベル0というものと付加的要因の検討結果を踏まえまして、深層防護のレベルを決定することとなります。
それでは、1枚めくっていただきまして、付加的要因の検討に進ませていただきます。
22ページになりますけれども、付加的要因の検討につきましては、先ほどのサブ手順にあった事項について検討を行いました。
まず、共通原因故障についてですけれども、本件は試料部の切り離しができなかったことで、燃料交換機能に支障が生じたという事象でございますので、単一の事象や原因の結果として多数の装置や機器が機能しなくなるということはなかったと考えられますので、こちらは該当なしというふうに考えられます。
次に、手順の不備についてですけれども、こちらは、今回の手順としましては、試料部の切り離しの手順や試料部の切り離しの確認を行う手順、重量測定による切離確認の手順、回転プラグの操作などがあると思いますけれども、これら決められた手順というものに従って、それぞれ行われておりましたので、明らかな問題はないだろうと考えてございます。
さらに、安全文化に関連する事象についてですけれども、それぞれ運転制限条件手順に対する違反というものはありませんでした。
1つ飛ばさせていただきまして、ヒューマンエラーというものは特にございませんでした。また、放射性物質の適切な管理というものも、しっかりと管理されておりました。また、事象の再発によるものではございません。
上から2つ目の品証プロセスの所に戻らせていただきますけれども、品証プロセスにつきましては、切離機構の設計や切離機能の検証において、それぞれ設計不備や検証作業の未実施ということがありましたが、試料部と保持部が切り離されなかったということは、原子炉の安全に直接影響しないことから、評価のレベルを上げるほどの理由はないとしてございます。
以上のことから、次のページですけれども、深層防護への影響のまとめになります。
本事象は、安全機能を劣化させたり、安全機能を始動させたりする可能性はございませんでしたので、レベル0と評価してございます。
また、付加的要因につきましては、切離機構の設計や切離機能の検証において品証プロセスの不備がありましたけれども、それが原子炉の安全に直接影響しないことから、評価レベルを上げるほどの理由はないのではないかと考えてございます。
1枚めくっていただきまして、最後に結論になります。
これまでに評価手順に従って検討した基準1から基準3までの評価レベルというものは、まず基準1、事業所外への影響につきましては、放射性物質の影響はなく、適用されないので、「-」と判断してございます。該当なしとしております。
基準2の事業所内への影響につきましても、事業所内への放射性物質の影響はなく、適用されないということで、該当なし、「-」としております。
また、基準3、深層防護の影響につきましては、本事象が安全機能を劣化させたり、安全機能を始動させたりする可能性がないこと、また付加的要因として、品証プロセスの不備はございましたが、評価レベルを上げるほどの理由ではないということから、レベル0と評価しております。
以上の結果から、最大レベルというものを採用いたしまして、当省としましては、INESの暫定値をレベル0とさせていただきました。
説明は以上になります。
【中込委員長】 ありがとうございます。
ただいまの事務局からのご説明について、まず、皆さんのご意見を伺いたいと思います。
私の方から先に。これは一昨年前の話ですよね。起こったのは平成19年5月。
【橋本安全調査係長】 はい。
【中込委員長】 最終報告は平成21年。今、この評価をするということなんですが、この時間的な遅れと、それから現在常陽はどういう状況になっているかというのを、説明していただけるとありがたいんですが。
【橋本安全調査係長】 はい。
こちらは発生の確認が平成19年の11月で、今回の最終報告が約2年、今年の7月ということになってございますけれども、こちらにつきましては、3ページ目の(2)に書かせていただいておりますけれども、炉内観察というものを行ってございます。こちらは通常ですとナトリウム中にある部分を観察しなければいけないということで、まずナトリウム液面というものを炉心と同じ高さまで下げるという作業がございまして、そちらで、まずは炉内の崩壊熱の低下を待たなければいけないということがございました。
また、今回、炉心上部機構と試料部の炉内ラックから突き出した試料部が干渉することで、炉心上部機構の下面を、若干、破損・変形させたということがございまして、こちらの状況を確認する必要がございました。その確認に当たりまして、先ほどちょっとご説明をさせていただきましたけれども、下面観察のための装置というものを、機構の方で設計・製作してございます。また、その後、設置をする作業もございまして、そちらの作業と、さらには今回の、そのような炉内観察用の器具を製作するということと、炉内観察後のとられたデータというものの整理に時間を要したというふうに聞いてございます。
【中込委員長】 それで、7月に最終報告となったわけですか。
【橋本安全調査係長】 はい。
【中込委員長】 分かりました。
現在は? まだ決着出てないから、そのまま?
【橋本安全調査係長】 現在につきましては、炉内観察用の装置というのは取り外しまして、今後の復旧に向けた準備を行っている所になっております。
【中込委員長】 じゃあ、ナトリウムの面、下がっても何もなく。
【橋本安全調査係長】 はい。そうです。ナトリウムの面は下げた状態です。
【中込委員長】 そのような状態にあるということですね。
ありがとうございます。
という状況を踏まえて、ご質問をお願いしたいと思います。
【須藤委員】 2つばかり。
炉心そのものの安全機能は何の阻害もされていないということは、この通りだと思うんですけれども、確認したいのは、4ページ、5ページの図でちょっと説明したいんですけど。炉心は大丈夫なんです。この試料部が5ページの真ん中では上部が変形、曲がってて、破損している状態ということで、試料部が破損して放射能が放出されるとか、そういう可能性というのはないのかどうか。あるいは、その試料というものはどういうものなのか。放射性物質じゃないようなコールドのものなのか、あるいは何か核燃料を含んだものなのか、それによる潜在的な放出の可能性というのはなかったのかどうかというのが1つ。
もう一つは、多分大丈夫だと思うんですけれども、この試料部を移動する時というか、炉の燃料をこの上部機構をもって動かして、何かこういう同様の事象が発生するような可能性はないのか。同じように、今回、試料を破損させちゃったわけですけれども、炉の燃料も同じような操作をする可能性があって、もしやっちゃったら、炉心の燃料が破損させるという可能性はないのかという2点。
【中込委員長】 まず試料から放射性物質が出たのか、どういう状況になっているかということですね。
【橋本安全調査係長】 試料部に実際に入っていた材料というものは、今後、高速増殖炉の被覆管などで使われるような材料ということになってございます。
【須藤委員】 材料ですか。
【吉田原子力規制室長】 クリープ試験の材料。要するに照射材。要するに鋼鉄、ステンなり、いろんなもの。
【中込委員長】 チップみたいな、そういうものがずっと入っているわけですね。
【吉田原子力規制室長】 そうです。チップです。それが700幾らです。700幾らのが入ったのかな。だからデータはとれています。データはとれているんだけど、現実、非破壊試験とか、いろいろ今後やる予定だったので、これもとらないと今度はだめなので、その試験は残っていますが、基本的な温度調整でもやりましたので、ほぼデータはとれているということです。
【須藤委員】 仮定の本質では全然ないということですね。
【吉田原子力規制室長】 そうでございます。実験は、だからうまくいっているんです。
【中込委員長】 切断されたことによって、試料が傷付くという話ではないと。
【吉田原子力規制室長】 その通りで、そういうものはございませんでした。
【中込委員長】 燃料取り扱いも同じやり方なのかと。
【橋本安全調査係長】 燃料の取り扱いにつきましては、今回のような試料部と保持部の切離作業というものはございませんので、今回、計測線が試料部まで保持部からつながっていったということで、それを切断するとともに、試料を外すという形になってございまして、この切り離しの作業というものは、同じような切り離しの作業というものは燃料では行っておりません。
【須藤委員】 はい。ありがとうございます。
【吉田原子力規制室長】 通常は燃料交換機をこの上に付けて、燃料交換を行う時に、この二重回転プラグでやるので。
【須藤委員】 全然別の作業ですよ。
【吉田原子力規制室長】 全然機構が違うので、そういうことは起きないというふうに思っています。
【中込委員長】 よろしいでしょうか。
【須藤委員】 はい。
【中込委員長】 それでは、二ノ方先生、どうぞ。
【二ノ方委員】 これが法令報告事象であるということの根拠というか、何に対してなのか。これは燃料交換機能の一部阻害ということになっていますけど、現実問題として、別に燃料交換をやっているわけでもないし、今後、燃料交換をやる予定があったわけでもないと。そういう時に、こういう、いわゆる実験の途中の1つのトラブルだと思うんですね。しかも、シャットダウンしていますから。そういう時の、例えば、法令報告事象に当たるということの根拠というのは何になるんでしょうか。
【杉山運転管理・検査管理官】 根拠的には、この事象が起きたために通常の運転がもうできない。
【二ノ方委員】 できなくなる。それは事実ですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。それがもう法令報告の対象。
【二ノ方委員】 ということになるわけですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【二ノ方委員】 ですから、ここであえて燃料交換機能というふうにしたのは、どういうことになりますか。
【吉田原子力規制室長】 本来は起きたのは6月ですよね。分かったのは11月。それで燃料交換できない。何か出っ張っていて回転プラグを廻したら、ガチンとぶつかる。結局、動かないということになった。
【二ノ方委員】 これを動かすと。
【吉田原子力規制室長】 それで燃料交換が出来ないという話です。だから6月から11月まで、中はどうなっているのかということで、いろんな観察方法とかを開発して、炉内を見たんですけれども、カメラを開発して、やっぱり壊れていると。上部機構が壊れて損傷しているというのが、まず11月の段階で、これで、もう法令報告にしようということにしたんです。
【中込委員長】 私が理解したのは、この回転プラグ燃料交換機能があり、ここの上に乗っている。プラグ全体の名前が回転プラグ燃料交換機能という名前です。そこが燃料を使う時もそうだし、このMARICOを評価しているのもそうなんで、そこが具合悪くなったので、具合というか、結局、MARICOのところが破損したので、それ全体。MARICOだけのことを言っても仕方ないというので、全体で機能の一部阻害と言ったのかなと。
【吉田原子力規制室長】 このプレス文もわかりにくいんですけど、一番いいのは、この4ページですが、本来ですとMARICOを取って、その上にこの上部機構がありますよね。回転プラグ大と小。ここに本来、燃料交換機能を別から持ってくるんです。それで、その上に乗せてやります。だから、ここは燃料交換機の装置は付いていません。装置は別にあります。
【中込委員長】 これは極端に言うと、MARICOを取っちゃったら、下は傷付いて、ちょっと曲がっているかもしれないけど、これを取れば、上の回転プラグというか、装置自身は使える。
【吉田原子力規制室長】 使えるというのは?
【中込委員長】 変なようですけど、回転プラグ燃料交換という、この大きなプラグありますよね。大回転と小回転の。それは。
【吉田原子力規制室長】 その上に機械が乗るんです。装置が乗るんです。燃料交換用。
【杉山運転管理・検査管理官】 多分、回転するかどうかという話ですよね。
【中込委員長】 それは大丈夫?
【杉山運転管理・検査管理官】 炉内ラックの試料を保持する所がありますよね。ここにも絡みますので、ここからちょっと出っ張りがありますから、回転させると、そこにぶつかってしまうということは。
【二ノ方委員】 いやいや、中込先生言ったのは、そういう……。
【中込委員長】 名前が燃料交換機能というから、極端に言うと、そこがなくても運転できるのではないということなんでしょう。もちろん、蓋がないと話にならないことはわかっているんですけど。
【吉田原子力規制室長】 要するに、燃料交換はできないと、機能というのは、そういう意味です。
【二ノ方委員】 試料部のこれを、MARICOの装置を外してしまえば大丈夫でしょうという先生のご質問。
【杉山運転管理・検査管理官】 だから、それはだめなんです。
【中込委員長】 できない?
【杉山運転管理・検査管理官】 先ほど言いましたが、こちらの方の周り側に炉内ラックってありますよね。だから回転させていくと、この回転プラグの黄色い部分の底が、ここにぶつかるんですね。
【吉田原子力規制室長】 ぶつかります。
【杉山運転管理・検査管理官】 ですから回転できなくて、燃料交換できないんです。
【中込委員長】 オレンジ色の所が、もうぶつかっちゃうから。
【吉田原子力規制室長】 そうです。ぶつかります。
【中込委員長】 これを取るとか取らないとかという話ではなくなってしまうということね。
【杉山運転管理・検査管理官】 要するに、この炉内ラックの部分ですよね。この部分から試料部の上端が出ていますので。
【吉田原子力規制室長】 上端が出ています。
【杉山運転管理・検査管理官】 それがこの回転プラグの黄色い部分にぶつかってしまうということで、回転できない。
【中込委員長】 ぶつかっちゃうという意味ですか。
【吉田原子力規制室長】 炉心上部機構にぶつかります。
【二ノ方委員】 結果的に、上部機構の付いている整流板が壊れる。ですから、このまま運転は続けることはできない。
【吉田原子力規制室長】 もちろんできない。それがようやく分かったのが11月です。
【二ノ方委員】 そういうことですね。
【吉田原子力規制室長】 確かにおっしゃる通り、名前と事象とが、ちょっとね。
【中込委員長】 そういう意味で法令報告と。
【二ノ方委員】 法令報告と言うんだったら分かるんですけどね。あえて燃料交換機能というふうに特定したのが、ちょっと、なぜかという。
まだ、他にいろんなトラブルあると。現実問題として、故障じゃなくて、いわゆる破損部分。それから固定ピンが、まだどこにあるか同定されていないわけです。ですから、そのまま運転を継続するのは、すぐには運転には入れないだろうということで、当然、法令報告だと思うんですけど。
【中込委員長】 今回、この機器類のことについて、レベルがどうかという話だということです。
その他に。
【土屋委員】 別な質問をしていいでしょうか。
【中込委員長】 どうぞ。
【土屋委員】 別に判定には関係ないんですけれども、まず、何度もこういう作業をしてらっしゃると思うんですけれども、この機構を使って、どの位の頻度で使われていたのかということと、報告書の方にはMARICO-1もあってとかっていう話もあって、ある意味、こういうのは汎用品として、よく一般的に使われているものなのか、特注品で原子力機構さんが特別に設計されているのかということを、ちょっとお伺いしたいなと思ったんですけど。
あとは、これまで何か引っかかっちゃったとか、うまくいかなかったという経験があったのかなかったのか。本当に全く初めてなのかどうかというのはお聞きしてみたいですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 この機構については、それほど難しい機構ではないんですけれども、MARICOとしては特注品です。
【土屋委員】 ああ、特注品。
【杉山運転管理・検査管理官】 たまたまMARICO-1までは、うまく外れていたということです。
【土屋委員】 たまたま。
【杉山運転管理・検査管理官】 そうですね。
【中込委員長】 たまたまなのですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 設計上、外れやすいような作り方になっていた。
【中込委員長】 いや、たまたま引っかかったのなら分かるけど、たまたま動いていたというのは。
【杉山運転管理・検査管理官】 そのわずか1ミリだと。
【土屋委員】 あ、1ミリですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 1ミリの誤差というので、今回だめだったということになっています。
【土屋委員】 すごい大変ですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 たまたま前回までは、その1ミリが0.9ミリ位なんですけど、その裕度があって、ちゃんと外れたということだそうです。
【中込委員長】 どうぞ、蜂谷委員。
【蜂谷委員】 それでは、今の所だと、結局、もし重量差があったらば。又は、重量差がなかったら、そこでもう分かったので、回転せずに、無事にこういうことは起こらなかった。たまたまこの重量差と摩擦力でしたっけ。それによるものの数字がたまたまあってしまったためにという、本当にまれな事例と考えていいんですか。今言ったように、今までも重さの差がきちんと出て、それでここで切り離されなかったんだなというのが分かったということもあったというふうに、今の質問は考えていいんでしょうか。
【杉山運転管理・検査管理官】 まず、これを今回、炉心の中から引き上げるという所で、300ミリ動かすというのは報告書の中にも出ていると思うんですけど。
【蜂谷委員】 書いてありました。
【杉山運転管理・検査管理官】 14ページです。
ここに大体300ミリ位動かすというふうに書いてあります。これを1回だけやって切り離ししているわけではなくて、付けたままで6回位かな。それから切り離した状態で10回以上やっています。その結果が、ちょっと飛び外れて違う数値を抜いても、たまたま全部同じだったということで、ちょうどMARICOの試料部の20キロという、その20キロがたまたま出てしまったという状況になっています。それで、そこで外れたというように勘違いしたということはあり得ます。
【中込委員長】 吊ったまま、こう行く。吊ったまま行くと、ギッギッギッてなっていくんですよね。それがこのディップみたいになっていますよね。ゴムが、摩擦で馴染んでは、また行きと、そういうふうに行きますよね。それが、例えば、切り離されたとして、そうやると、こういうパターンを示すと。離されなかったら20キロ分重いわけですけれども、その差がゴムの摩擦とよう似たような、そういう意味では、離したか離さなかったかというのは全然分からないということになるんですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 たまたまこの2つも、このグラフに出ていますけれども、上の方、これは単なる一例ですけど、たまたま総重量として、最後は340キロ位ですね。下の方で320キロという重量になっていまして、たまたまこういう状況が何回も繰り返している状況で出ていたと。
【中込委員長】 通常ですと340キロ、自重がね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 それでガッガッガッと行くと、離されたら解放されているわけだから、ノーマルに行って、こういうパターンで行って、じっとしておいても、もう20キロ分減ったなという感じで分かるんでしょうけど、くっついていても20キロ。どうなのかな。その辺がちょっとね。
【杉山運転管理・検査管理官】 上部案内管の横にあります、この赤い部分の外部延長管がありますよね。こういうものは切離状態ということになった後の、切離状態になっているんですけれども、物は付いているという状態で上下動かして、その時に摩擦力が少なくなったということがあるみたいです。このシリコンゴムが。
【中込委員長】 340キロ+20キロで360キロ位になりますよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 そうすると、摩擦力は、それほどギクギクってならずに。
【杉山運転管理・検査管理官】 本来は単純に重さだけだと変わらないんですけれども、ここの部分のフィンガが、ちょっと中途半端に開いている状態になっている状況での荷重というんですか、それがやっぱり多少軽く出るような状況があったというようにも聞いています。
【中込委員長】 ちょっと、もう一つ理解しにくいんですが。違った視点で言うと、11ページなんですけれどもね。これ、一見なるほどと思って見ていたんですが、よくよく見ると、この黄色い部分がありますよね。これ、形が右と左と違いますよね。これは何かよく分からない。これは、1つのピンだけがこうなっているのか。上のカッタ支えは同じ形状なのに、右だけが悪者になっている感じがする。これは何ですか。
【吉田原子力規制室長】 3本あるそうです。右側の形状が1本で、左側の形状が2本だと。
【中込委員長】 ということは、1本だけが離すか離さないかを決めているということなのですか。
【二ノ方委員】 違う。
【杉山運転管理・検査管理官】 多分、これはフィンガの部分の、ハンドリングヘッドの形状に合わせて違っているんだと思うんですけれども。
【中込委員長】 何となく下がってきて、黄色い部分の、どっちも3本でも4本でも構わないんだけど、きちっと全部をこういうふうにしてくれないと、狭めてくれないと困るよ。僕もよく見たら、違う。わざと違っているのかなと。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
3本あるうち、どれがどれに該当するか分からないんですけれども、下の方のハンドリングヘッドの形状がありますよね、支持される部分。ここの形状によって形は変わっている。
【中込委員長】 カッタ支えは同じでしょう。カッタ支えってリング状ですよね。多分、こういうふうに、ずぼっと降りてきますよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 ええ。だから、その下のフィンガありますよね。右と左、たまたま違いますけど、そのフィンガに引っかかっている部分のハンドリングヘッドの所の形状ですね。これが違います。
【中込委員長】 違いますよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。だから、これに合わせて、このフィンガの形状も変わっています。
【横井専門職】 今、図面を確認しましたが、左側の滑らかな方が2本で、右側のちょっと四角張っている方が1本であることを確認しました。
【中込委員長】 ということは、3本のうち1本だけがカッタ支えで押さえられて当たりますよね、出っ張っているから。押さえられると、残りの2本も自動的に一斉にシュッと。1つだけが信号出すということなんですかね。
【吉田原子力規制室長】 いや、信号じゃないでしょう。
【中込委員長】 いやいや、信号というか。
【吉田原子力規制室長】 物理的な。
【中込委員長】 物理的に外せよと言わないと、1つだけ押さえられて外せても、あとの2本がカチャッて噛み込んでいたら意味ないですよね。だから、1つがメカニカルにへこむ。それと同時に、周りの黄色い2本のフィンガも縮まるというふうになっていないとおかしいですよね。外れないから。私も見ていて、何で違うのかなと思って。設計に。図面がおかしいのか。
【杉山運転管理・検査管理官】 カッタ支えの図面は今持っていないみたいですので。
【二ノ方委員】 確認された方がいいですよ。確認されないと。
【中込委員長】 一番大切な所ですよね。いずれにしても外れなかったことが、どう見ても、もしこの図の通りだと、えらい難しい設計をしているなという感じがしましてね。別に、この方式が悪いとは私は思わないんですけれどもね。それで動くなら構わないですが、あまりにもちょっとリスキーな設計かなという。
【二ノ方委員】 ちょっとよろしいですか。
一応、設計の不備というふうになっていますけど、設計そのものは不備ではなかったはずなんですけど、物を作る、製作の時と設計図面、製作図面と、いろんな段階があった時に、それの設計。図面が何種類かあって、それが全部統一されていなかったということがあるのと、それから物を作った後に設計性能を確認しないまま、こういうふうな実験装置を納入したメーカーも、メーカーの責任かもしれないし、納入された側が完全に性能を確認しないまま、そのまま実験に入ってしまったという所があって、そういう意味では、品質保証というか、品質鑑定、品質保証の問題点として指摘されていると思うんです。
必ずしも設計不備というわけではないと思いますけど、現実問題として、原因を徹底的に究明した時に、今、明らかになっているんですよね。ですから、そういう観点でいった場合に、この11ページの一番右側のこういうことが、基本的にはこういうふうなのが何で起こったのかという、そういうことなんですけどね。現実問題としては、原子炉の安全性とかそういうこと、安全機能とか、全然関係ない話になる。ですから、こういう品質保証とか、または後で出てくる潜在的な欠陥とかありまして、構造的な欠陥ということになっていますけど、これは原子炉の安全性とか何とかと関係ない所の構造的な欠陥だと思うんです。ですから、安全機能に関係がないというのはいいんですけれども、例えば、20ページの深層防護によるサブ手順の所で、これでイエスになるというのは、ちょっと変だなと思ったんですけど、いかがですかね。潜在的な起因事象としてとらえるんでしょうか、これ。
設計の不備というか、確かに、これは実験装置の取り扱いの機器、装置の品質保証の問題だと思うんですけど。いわゆる、止める、冷やす、閉じ込めるに対する、関連するような構造的な欠陥とか、そういうことにはならないような気がするんですけど。
【中込委員長】 この装置自身、この考え方自身は、他にはここだけなのですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 ここだけですね。
【中込委員長】 これだけですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 これが働かないと炉の運転ができないということにもなるのですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 機能しなければということですが。
ただ、ここの部分については設工認の対象……。
【中込委員長】 やっていないということですかね。
【杉山運転管理・検査管理官】 試験の対象ではない。材料の検査とかはやっているんですけれども、この機能についての試験はやっていない。
【中込委員長】 極端には、そこは動こうが動くまいが、炉の安全とは直接関係ないから、使用前検査というか、そっちは。
【吉田原子力規制室長】 やらなかったです。
【中込委員長】 やらない。それは、実験設備、その他附属の実験設備、その他附属設備でしたっけ。その他にも入らないんですか。
【橋本安全調査係長】 その他には入っています。
【吉田原子力規制室長】 入っているから設工認は受けています。
【中込委員長】 設工認は受けているわけですね。
【吉田原子力規制室長】 ちゃんと設工認は全部受けて、ただ、今、材料検査とか外観の検査をしていますけど、そこの性能検査までは切り離しですから、実験装置の切り離しとか、そこまではやらない。やるとしたら自主的にメーカーでやる話でしょう。だから炉心に影響しない所ということで、外観検査、耐圧検査、そういうのは全部。もちろん、炉にどの位入るのかという、そういう検査はちゃんとやっています。
【二ノ方委員】 確かに、私やりましたから。
【吉田原子力規制室長】 二ノ方先生が今言った、ここの20ページの潜在的な所のイエスが変だと言うところですけれども、確かに炉だけを見れば関係ないと思うんですよね。と言いますのは、実験装置は、同じような、さっき言ったように、これ何回も今まで、MARICOは1もあるし、その前に別の装置の同じ装置、全部でこれで5機目でしたっけ。5機目ですね。種類としては3種類の装置がある。MARICO-1、MARICO-2、それからその前にインターとか何か。インターか。
【二ノ方委員】 インター。
【吉田原子力規制室長】 インターというのがあって、インターが3つ。MARICOが2つですか。
【二ノ方委員】 MARICO-1、2のことですか。
【吉田原子力規制室長】 1、2です。今回は5機目で、設計思想は全部同じです。ここの設計は。MARICO-1、2の設計は同じだったけど、先ほどたまたまという話が。設計は、図書を見ると同じ設計ですので、さっき1ミリの違いといいましたが、1ミリ、全部設計通りだったら取れなかった、外れなかったはずなんです。過去に遡って、資料に書いていますけど。そういう意味では、たまたま今回うまくいかなかった。逆にたまたま今までうまくいっていた。それがこの参考資料17ですか。
【中込委員長】 たまたま顕在化したということですか。
【吉田原子力規制室長】 そうです。
この報告書の参考資料である参考-2の資料。
【中込委員長】 そうなると、潜在的な起因事象があったということになりますよね。
【吉田原子力規制室長】 後ろから3枚目の参考資料17という所にあります。17-2という所を見てもらいたいんですけれども、ここの3.2ということで、観察結果に基づく分析評価という。
【中込委員長】 どの資料?
【吉田原子力規制室長】 参考-2の資料17。
ページでいくと、17-1、2、3、4という所が。
【中込委員長】 ありました。
【吉田原子力規制室長】 17-2ページの3.2という所で、観察結果に基づく分析評価と。ここで図面寸法、製作公差、それから実寸法、こういうのを全部書いてあります。それによってMARICO-1が0.9ミリほど、推定値と括弧であるように、このフィンガ上の外部への移動量、これが0.9。たまたま0.9ミリ高かったので、今までは外れたと。
外側だから高かった。広がっていたんです。0.9ミリ。先ほど説明した黄色いフィンガの所ですね。
【中込委員長】 なるほど。
【吉田原子力規制室長】 フィンガが外側で高かったので、ちゃんと上から下へ降りると、ちゃんと中に沈んで、黄色い部分が沈んで外れた。これが今まで。過去のものは、たまたま、うまくそういう形でフィンガ部分が高かったから、ちゃんと切り離しができたというのが、ここでまとめてあります。逆に今回が、たまたま外れなかったという逆の方向になると。
【中込委員長】 たまたまと言われると、やっぱり潜在的にあったということになるんだけどね。
【吉田原子力規制室長】 そうです。潜在的。
【二ノ方委員】 だから、前のもの。
【土屋委員】 いつでも起きちゃう。
【中込委員長】 逆ならね。たまたま起こってしまったというなら。
【吉田原子力規制室長】 だから、ここでは今回、この今さっき言った。
【中込委員長】 で、イエスね。
【吉田原子力規制室長】 今回、実験設備の潜在的なものとしてはイエスになるだろうと。炉心に対しては全然関係ないですが。
【二ノ方委員】 だから、この実験装置、設備のね。
【吉田原子力規制室長】 はい、そこはちょっと迷った所です。
【二ノ方委員】 そういう不備をINESの対象にするのですか。
【吉田原子力規制室長】 それは……。
【二ノ方委員】 原子炉の安全性というか、そういう観点から。
【須藤委員】 起因事象は何かということですよね。
【中込委員長】 スタートラインが、まず法令報告事象から始まっていますね。
【吉田原子力規制室長】 そこからスタートします。
【中込委員長】 スタートしますよね。原子炉が安全かどうかというのではなくて、報告事象ですよね。まずスタートがね。それに対して、原子炉が直接安全かどうかということ。報告事象というのは、原子炉に直接の安全、間接の安全、運転パターン、ちゃんとできるかというのを総合的に見て。
【吉田原子力規制室長】 INESは総合的に見ているので。
【中込委員長】 まず報告事象はね。
【吉田原子力規制室長】 報告事象。
【中込委員長】 もっと広目に見ていますよね。
【吉田原子力規制室長】 そうです。
【中込委員長】 その中で、本質的にリアクターが安全かどうかというものは放射能漏れがないかどうかというのでINESは評価している。そうなってくると、私はこれでいいのかなと思っているのですが、その他の委員の先生方。いや、イエスに行こうがノーに行こうが、最終的に結果としては変わらないので。
【須藤委員】 そういうことなんですけどね。だから、潜在的な起因事象という、この起因事象は何を起こすか。やっぱり放射能放出を起こす起因事象であったかということだと思うんです。だとすれば、二ノ方委員が言うように、ここの時点で、もうないというのも気がしてきますけど。
【中込委員長】 ただ、離れなかった時に、試料まで傷付けないという保証があるかどうかですね。離れないとなると傷付けるでしょう。放射能、いわゆる炉心からの放射能はないにしても、サンプルから出ているのかなという気が。
【須藤委員】 試料そのものは、もう核物質じゃなくて、単なる材料なんで、試料が破断したって放出はないよと。
【中込委員長】 INESは核燃料だけでしたか?
【吉田原子力規制室長】 いや、核燃料だけではないので、それは。
【中込委員長】 そうですよね。全てですよね。
【須藤委員】 だから、何か材料片だということだから、別にそれが壊されたって何したって放出はないよね。
【中込委員長】 いや、炉から出るかもしれませんし、排気の方で出るかもしれませんよね。
【三澤委員】 必ずしもそうとは思わないです。たまたま先が折れ曲がったんで干渉したんですけど、実はこれ細かい破片がたしかたくさん出たんですよね。
【二ノ方委員】 いや、ピン。
【中込委員長】 ギロチンだったので。
【二ノ方委員】 固定ピンが外れて。
【吉田原子力規制室長】 固定ピン6本が不明かな。
【二ノ方委員】 それは行方不明です。
【三澤委員】 行方不明……。
【吉田原子力規制室長】 それは行方不明です。
【三澤委員】 なくなりましたよね。
【吉田原子力規制室長】 はい。
【三澤委員】 ということは、そこでもし折れ曲がらずに切れて下に落ちたとしますね。それで運転したら燃料を傷付けたかもしれないですね。
【二ノ方委員】 それは、だから今でも傷付かないという保証はないわけです。
【三澤委員】 ですから、今も当分、運転はもうできませんけど、これが起こって、たまたま折れ曲がったんで燃料交換ができないというのが分かったんですけど、折れ曲がって、ピンがなかった状態で、中に今、ここの所にストッと入っていて、運転をもし仮にしたら、燃料はやっぱり壊したと思いますので、何か傷付ける。そういう意味では。
【吉田原子力規制室長】 分かりました。
【中込委員長】 潜在的なという意味。
【吉田原子力規制室長】 その潜在的な話はちょっと置いといて、そのピンの話ですが、ピンの解析はしています。ピンが炉心にあったら、次運転するとどうなるかということまで含めて、この報告書は言っていて、それで安全です。結局は、そのピンは回転しないと。上昇というかな。6本ですね。ピンは全部で6本あるそうです。6本あって、それがどういう挙動で、流体挙動しても安全解析上、浮き上がってこない。それから、または燃料の所に入ると、入っても閉塞しないと、そういう所まで確認して、それで安全性を確認して、この報告書は、そういう形で出ています。
【中込委員長】 ということは、やはり潜在的な起因事象だと。そこまで解析することは……。
【吉田原子力規制室長】 解析結果は32ページ辺りに、これ流体解析だね。
【杉山運転管理・検査管理官】 さっきのピンの話。5ページですね。
【吉田原子力規制室長】 参考2の5ページの所に、7番の所ですね。観察結果に基づく影響評価ということで、そこの文章の「また」の所で、MARICO-2は固定ピン6本。ルースパーツとして、原子炉の安全性を評価した結果、以下に冷却機能に問題生じることはないのを確認したということで解析をしております。
【中込委員長】 ということは、解析しているということは、もしかしたらということなので、潜在的なものがあるというふうに見ているということになるんですね。
【吉田原子力規制室長】 それを詳しくやったのが、参考-2の参考資料9-1ページあたりから。
【中込委員長】 9-1ページ。
【吉田原子力規制室長】 ここがまず冷却の速度の計算。それから10ページには温度依存の話、それから11ページが、参考資料11の方が3次元計算。要するに、流体を計算しています。それから燃料。参考資料12の所で燃料集合体に固定ピンが落下した場合の影響力、こういうものを評価しております。どういう所にどういうふうに詰まった、詰まらない、そういうことまでやっています。それがずっと12-4ページまで。それから参考資料13ですね。制御棒にもしはまったら、今度、引っかかったらどうするのかという話で、制御棒の所との関係も評価している。それから参考資料14で、制御棒のハンドル部分にとどまった場合の機械的影響、その辺も解析しております。こういうことまでやって、そういうことを踏まえて、ちょっと潜在的な話にまた戻して議論してもらえればいいというふうに思います。
【中込委員長】 私も、これが炉のタンク外の話でしたら、多分大きな問題はないと思いますけれども、潜在的なということにはならないかもしれませんが、タンク内の話ですよね。ですから、そういう意味では、事務局の方も、この場合大丈夫かというのを危惧されるということは、やはり潜在的な起因事象があったのではないかという表れかなと、素直に受け取っている所なんですが。結論から言うと、この流れだろうなという感じをしています。
この流れと、付加的なのものは、また別な話になってきますので、流れ上、特に判定するのに、結論は同じだからどうでもいいということにはなりませんので、やっぱり流れというのは非常に大切ですので、その辺をご理解願いたいと思うんですが。
【石田委員】 いいですか。
【中込委員長】 どうぞ。
【石田委員】 今回、外れちゃったというか、落ちた固定ピンは6個でしたよね。それについては解析して、問題ないということだったんですが、先ほど、たまたまこういう事象が起こったということなんだというか、今まで起こらなかったのはよかったことで、今回起こっちゃったということなんですけれども、そうすると、例えば、今回のような事象によって、そういう落下したり炉の中に影響を及ぼす可能性のある部品が落ちて、今回はたまたまこういうものだったんで運転可能だけれども、場合によっては運転ができなくなるようなことになる可能性もあるわけですよね。そういう意味で、今の所は潜在的起因事象の中に入るのかなという気はするんですがね。たまたま落ちて、解析して大丈夫だった。起きたものについては大丈夫だったと。でも、それがもっと大きなもの、あるいは違うものが落ちていたらどうかというのは分からないわけですね。また、それはそれで。どこまでのものがどうなるかというのは、十分。これ以上のことは起きませんよということであれば、別にそれはいいのかもしれないですけれども、それ以上のことが起こり得るのであれば、そこまで潜在的起因事象という形で評価していって、INESとしては、実際の評価の結果、異常がなければ問題ないねという、0なり何なりという形になっていく、そういう評価の仕方なのではないかなという気がするんですけど。
【中込委員長】 そのほか。
【石田委員】 ですから、この評価の仕方で私はいいと思います。
【中込委員長】 ありがとうございます。
今の、特に20ページの過程ですけれども、よろしいでしょうか。どうしてもおかしいということになれば、またいろいろ議論しなければいけないんですが。
【二ノ方委員】 2つ目の判断基準、それは定例サーベイランスで発見された欠陥か、許容基準内の欠陥かということで、下にM2というのは、これはそうではないから、許容基準内の欠陥ではないから下ですか。
【中込委員長】 定例サーベイランスというのは、要するに……。
【土屋委員】 定検。
【中込委員長】 定検で機能試験が入っていないと。だから分かりようがないという意味ですか。作動試験で離れるかどうかというのがチェック項目にあったら、当然そこで、たまたま見つかるかもしれないということですね。
【二ノ方委員】 これは右にイエスで、許容基準内の欠陥であるということが分かれば右に行っちゃうんですか。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 この許容基準とは何ですか。サーベイランスで、こうしなくてはならないという基準があって、その基準のことなんでしょう。製作公差の話ではないですよね。
【石田委員】 サーベイランスの中身がないから、これは言いようがないじゃないですか。許容基準がないんじゃないですか。定期的に見て。
【中込委員長】 項目が入ってないでしょう。
【石田委員】 それでこういう項目ってあって、それに何らかの基準があって、それでだめだったら許容基準を外れているということになるけれども、そもそもそれがないので、この許容基準というもの自身もないんじゃないですか。この場合は。
【二ノ方委員】 基準そのものがないから下に行っちゃうと。
【石田委員】 じゃないかと思うんですが、違いますか。
【中込委員長】 上で、まずだめよと門前払いを受けたのですね。
【石田委員】 ええ。というふうに思うんですけれども。
【須藤委員】 これ、定例サーベイランスで発見された欠陥か、その基準内の欠陥かって2つあるんですけど、ちょっと現物見ないとわからないですけど、定例サーベイランスで発見された欠陥で許容基準内の欠陥かという感じ。
【中込委員長】 欠陥の場合は多分そうですよね。欠陥のサーベイランスで、欠陥かって。欠陥の場合、それは基準内から出てくるのでしょうね。
【石田委員】 そうすると変ですよね。この文章。発見された欠陥か。そうです。でも、それは基準内であったとすれば、イエスなのかノーなのかわからなくなりますね。
【横井専門職】 英文で見ると12ページです。
【中込委員長】 クライテリアと書いてある。andだよね。andだけど、これは文章の流れとして、これはまさにそうね。サーベイランスのルーチン・サーベイランスで分かるものですか。そして、それはクライテリアの中に入っていますかという書き方だから。
【石田委員】 日本に対する場合ですか。
【横井専門職】 ということですね。
【中込委員長】 orじゃなくてandだから、欠陥があるなら、それが基準かという話でしょうね。
【石田委員】 そうですね。
【横井専門職】 同じです。
【須藤委員】 そうすると、その下の次が、定例サーベイランスで発見された潜在的な起因事象はというのも、ちょっと上でノーで来ているんで、何だかつながらないですね。
【石田委員】 そうですね。
【須藤委員】 日本語をもうちょっと工夫した方がいいのかもしれない。
【中込委員長】 英語が悪かったのかもしれない。
でも、いずれにせよ、上でノーで来たら、もう最初からサーベイランスがなければ、自動的に右に行っちゃいますよね。ノーの方にね。
【須藤委員】 そうですね。ノーの方に。
【中込委員長】 もう入口のところで門前払いですよね、完全に。
【石田委員】 何かちょっとね。よくわからない。
【中込委員長】 INESのマニュアル自身が、それだけ幅広くカバーしているかどうかは、決めた人にも聞かないと分からないかもしれませんが、一応、流れとして、こういうふうに評価したことについて、まずよろしいでしょうか。
その後に、付加的要因です。ここでは何となく0っぽいんですけれども、付加的要因として、先ほどのご説明では、3つの中で、どれもいいということで、安全文化の欠如の中で、特に大きなのはないということで、最終的には、これ、Fになるのか。付加的要因の検討ですね。安全文化の中で、ヒューマンエラーの話とか、色々なことを言われていますが、ただ品証で不備があったけれども、直接は影響しなかったということで、これは単なる製作の話ということなのですか。機器類の。
【横井専門職】 そもそも今回の発端は、正常に切り離されなかった要因として、設計の不備というのがあります。ヒューマンエラーとかではありません。
【中込委員長】 設計上できるはずだったが、たまたま今までうまく動いていたということなのですか。たまたまうまく動いていたというのは、ちょっと理解に苦しむ所ではありますが。
仮に、ちょっと話を進めると、これで0ということだったとして、改善勧告といいますか、では0だからいいということにならないわけですよね。今後も、たまたまうまくいっていたので、たまたまうまくいっていたというのは起こらない。そういうことが作動しない方が、本当は確率が高いわけですよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 そうですね。今の設計では。
【中込委員長】 それに対して、こうします、ああしますというのは、これから検査の項目に入れるのかということに影響しますよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 そうですね。
【中込委員長】 この不備はあったが、目をつぶっちゃいますよでは。
【杉山運転管理・検査管理官】 改善策としては、製造者、それから原研機構の方で、この動作確認は必ずやるということで、それも品質保証上の記録として残る。
【中込委員長】 たまたまうまくいったというのは、全然理由にならないですよね。100%であっても、うまくいかなければならないわけですよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 それともう一点、その判断の判定の仕方ですよね。切り離しがどうかということだけで、パターンが似ているからいいのかというのも。
【杉山運転管理・検査管理官】 今後は、切り離しがちゃんと確実に分かるように、確認できるような装置を付けるということで考えております。荷重計だけに頼るということはやらないようにということもあります。
【中込委員長】 すいません。ちょっと整理させていただきまして、20ページまでの、先ほどの潜在的な起因事象があるかどうかという項目、その流れはこれでよろしいでしょうかということと、付加的要因についての判断ということで、総合で評価しなければならないことになりますが、流れとしてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。
【杉山運転管理・検査管理官】 先ほどのカッタ支えの形状ですけれども、逆円錐型だそうです。輪っかになって、このように、すぼまって。
【中込委員長】 カッタ支えは分かるんですよ。当然でしょうと思って、これでストーンと落ちてこないといけないので。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。フィンガ毎に付いているわけではないですね。
【中込委員長】 フィンガ、ぱらぱらぱらんってあるということです。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【中込委員長】 それから、図は事務局の方でちゃんと確認して、作動ですね。ちゃんと押さえておいた方がよろしいかと思います。
【須藤委員】 方向性があるのかもしれない。何か違った角度で入れるのはたまらないとかですね。
【中込委員長】 もしかしたらね。何があるのかな。
【須藤委員】 特定の方向じゃないとわからない。
【中込委員長】 なぜそういう設計にしないといけないのか、今後。
【須藤委員】 わざと変えたのかもしれない。
【中込委員長】 ちょっと凝ってますね。凝り過ぎているのかもしれない。なぜそういう設計をしないといけないのか。
【須藤委員】 わざと変えたのかもしれない。
【中込委員長】 ちょっと凝っていますね。凝り過ぎている。
【橋本安全調査係長】 フィンガの形状が異なることについては、先ほど管理官の方からご説明ありましたけれども、試料部とハンドリングで、形状が合っているものがあったかと思うんですけれども、その向きをそのフィンガに合わせるという形にするためということで、そうすることによって試料部の照射条件が向きによって変わってしまう形になってしまうんで、それを形状が違うフィンガに合わせて。
【須藤委員】 位置決め。
【吉田原子力規制室長】 照射位置の位置決めです。下部機構との。
【中込委員長】 やっぱり意味があるんですね。
【吉田原子力規制室長】 回転とか何かではなくて、照射位置を下の試料部の照射位置が、どこに何が、どういう向きで入っているかという部分に、3本あるうちの1カ所だけ、ぴちっと決めておけば、それを求めて、どういう形で配置するかと決める。
【中込委員長】 1本だけは、ちょっと出っ張っているわけですね。かちっと押さえ付けた分。
【吉田原子力規制室長】 試料との関係の位置決め。
【中込委員長】 では、図が違うというのは理解できたと思います。
それでは、付加的要因についてはいかがでしょうか。ここでは特に22ページに書いていますけれども、一番のポイントは、安全文化に関連する事象で、品質プロセスにおいて、切離機構の設計及び切離機能の検証において不備はあったが、原子炉の安全に直接影響しないことから、評価レベルを上げるほどの理由はない。これが不備だからといって、直接原子炉を運転できないとかという話ではない。たまたまうまくいっていたから運転できたということですよね。最初から機能しないということがわかっていたら、当然のことながら、原子炉は運転できないから、これは欠陥だというので、その設計した所を言われるけど、ということなんですね、
何かご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特にないようですので、本事象について、INESのレベルの暫定評価になりますけれども、レベル0ということが妥当だということで、本会合の検討結果としますけれども、ご異議ございませんでしょうか。
(「はい」の声あり)
ありがとうございます。それでは、本事象につきましては、INES暫定レベルは0ということで妥当であるというふうに結論したいと思います。ありがとうございます。
それでは、次は原子力機構のJRR-3の原子炉の自動停止についてということで、INESレベルの評価結果について、これも事務局の方で説明をお願いいたします。
【横井専門職】 それでは、INES9-2ということで、3号炉の自動停止についてということでございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページからでございます。
事業所は茨城県東海村にあります原科研のJRR-3原子炉施設でございます。
発生日時は、今年の6月8日12時14分頃でございました。
3ページにまいります。事象の内容ということでございますけれども、ここに書いてある通りでございますが、3号炉につきましては、施設の共用運転開始を実施するということで、6月8日の11時に原子炉を起動いたしまして、出力上昇を開始しておりましたが、12時14分頃に原子炉の出力が3.3メガワット付近でございましたが、2系統ある安全系のうちのA系統の「安全系中性子束高」というスクラム信号が発生いたしまして、原子炉が自動停止をしたというような事象でございます。
なお、発生後につきましては、制御棒が完全に挿入されているとか、中性子出力が正常に低下していることなどを確認して、正常に終了しているということを確認しております。
次のページで、安全系の構成図ということで示しております。A系、B系同じですので、ここでは1つの絵になっております。
安全系ですけども、これは図の通りでして、中性子の検出器から送られてくる信号で、直流電流になるわけですけれども、これを中性子の計装盤内にあります線形増幅器という所に入力をいたしまして、電流を電圧に変換いたします。絶縁増幅器を介しまして出力を指示計に表示するというものでございます。
また、核出力が設定値に達成した場合には、このトリップ回路を介しまして、警報設備と原子炉の保護設備に信号を送るというような設備になっております。
後ほどご説明いたしますけれども、この図の2つ目にあります線形増幅器の中にあります自動レンジ切替回路という所の中のICという所が、今回、原因というものでございます。
その次のページにまいります。6.の環境、作業員への影響でございますけれども、こちらについてもガスモニタやダストモニタ、あとモニタリングポストにつきましても特に異常な値は見られておりません。あと作業員の被ばくにつきましても生じておらないということから、事業所外、内での影響は確認されておりません。
6ページでございます。ここから原因究明ということで、設備機器の誤作動の原因について究明をしております。具体的には7ページからでございます。
7ページでは、設備機器の誤作動についての調査ということで書いております。3号炉ですけれども、スクラム信号が発生いたしまして、安全系ですけれども、これについてテスト信号発生器というものを用いまして再現試験を実施しております。先ほど4ページの方に構成図がありましたけれども、線形増幅器にあります自動レンジ切替回路という所から異常信号が発生するということが確認をされております。
次のページ、8ページには、この原因究明を行った際の調査のフローということで書いております。
中性子束高。一番左の所ですけれども、中性子束高のスクラム信号が発生する条件ということで、定格の110%に達したことということと、あとそもそもの設備機器の誤作動という大きな2つのくくりから発生要因ということを考えまして、右の方にずれてきますが、調査の方法、調査の結果ということで、運転員誤操作の観点や、自動制御回路等の故障、あと設備機器の誤動作、ノイズの影響や安全系等々について、このようにフローで調査をしておりまして、今回、このうちの安全系の線形増幅機器という所で模擬入力を入力して調査をしたところ、切替回路が正常に作動しない場合があるということを確認したというような事象でございます。
7ページにお戻りいただきますが、5行目位ですけれども、この線形増幅器につきまして、詳細に調査を行っております。この自動レンジ切替回路の比較器に用いられております集積回路、いわゆるICの異常によりまして、比較器の出力波形に歪みが生じて、自動レンジ切替回路が異常に作動するということが確認されました。この件につきましては、この後の9ページ、10ページでご説明いたしますが、9ページでは、線形増幅器の構成ということで図を書いております。先ほどの縦型の図にもありましたけれども、この線形増幅器というのは、この3つの部類から構成をされております。電流電圧変換回路という所で中性子検出器からの電流信号を電圧に変換します。そこから電圧増幅回路という所で、この変換された電圧を増幅して、次に出力をしてやると。その次に、3つ目に入っているのが、自動レンジ切替回路という所になっております。さらに、自動レンジ切替回路という所を拡大したものが、この下の半分の図になります。自動レンジ切替回路というのは、原子炉の出力が上昇とか下降した際にも、出力に合わせて、レンジを自動的に切り替えるというような回路でございまして、このような比較器、それからレンジ切替信号発生回路、それからレンジ切替回路という、この3つから構成をされております。
具体的には、この比較器という所ですけれども、各レンジの80%に出力が上昇いたしますと、このレンジの切替信号発生回路という所にレンジの上昇という命令信号が出力されまして、また、各レンジの15%に下降すると、同様にまたレンジの下降命令信号というのが出力され、レンジの切替回路の方に入るというような形になっています。3号炉につきましては、数ワットから20メガワットまで出力の幅が広いということから、このようなシステムになっているわけですけれども、安全系につきましては、この下の右の方に書いてあります25メガワットから250キロワットという所で、レンジを4段階に分けて表示するというような形で、ある意味、これで分かりやすく表示をするというような性格のものです。
今回、この5メガワットのレンジにおきまして、この上位のレンジに切り替わる出力設定値の80%、前段にありましたけれども、3.2メガワット相当と申し上げましたけれども、この付近で今回発生したということで、80%に達した際に発生する信号の波形を測定いたしまして、この比較器というのが正常に作動しているかどうかということを、さらに調査をしたということでございまして、その時の出力の波形図というのが、また次のページの10ページという所で、出力波形ということで示しております。上がA系、下がB系ということで書いておりまして、さらに交換前、交換後ということで、それぞれ図が載っています。今回はA系でスクラム信号が発生しておるわけですけれども、調査の結果、この比較器からの出力信号の波形が歪んでいるというのが、この上の方の図で分かると思います。その程度によって、そのレンジの切り替えというのが誤作動するという場合があったということが今回判明したというものです。レンジの切替回路が本来正常であれば、各レンジ80%の所で上のレンジに切り替わるということになりますので、通常、スクラム信号は発生しないわけですけれども、今回、この自動レンジ切替回路という所の誤作動によりまして、5メガワットのレンジから1つ上の25メガワットに切り替わるはずだったんですけれども、5メガワットのレンジから1.25メガワットのレンジに切り替わってしまって、結果、1.25メガワットでの指示範囲を超えてしまったということからスクラムが発生したというような事象でございます。
B系についても同様な調査をした結果、異常な波形が見つかったということでございますが、今回、この比較器の構成部品でありますICを新品と交換をいたしまして、再度、波形の確認をしております。それが各々の下の図になっているわけですけれども、この図のように、出力波形の歪みは発生しないということが確認されまして、結果、出力波形の異常というのは、このICの経年変化に起因するものということで判断をされております。
今後は、このICの経年変化を把握するために、施設定期自主検査の期間毎に、この出力波形を確認して、健全性を確保しようというようなことをしております。
それで、11ページの事象のまとめという所でございますが、繰り返しになりますけれども、この自動停止の原因は、この線形増幅器の自動レンジ切替回路のICが異常に作動したということで、ICの経年変化、それから今後の対策として、ICの経年変化というのを把握する必要があるということで、定期自主検査の中で出力波形というのを確認していくということでございます。
また、モニタリングの結果や作業員の被ばくというのに異常はないということでございました。
12ページからがINESの評価のフローになります。同じように基準1、2、3ということで見てまいります。
13ページは、先ほどと同様の尺度の表を付けております。
14ページから具体的に入りますが、スタートからINESに該当するかということで、今回、法令報告事象ということで、イエスに入ります。事業所外、事業所内、基準1、2という所は、それぞれありませんので、ノーという所に入ります。基準3の所の深層防護という所に入りまして、先ほど前段と同様ですが、層アプローチと最大レベルという所を見るということで、次の15ページのシート4という所に移ってまいります。
次の15ページに入りますと、サブ手順ということで進んでまいります。潜在的な起因事象があるかということで、今回、自動レンジ切替回路のICの経年変化に起因するということで判断されておりますので、これはイエスということで下に下がります。それは定例サーベイランスで発見されたものかということですが、これにつきましても定例サーベイランスで、このIC自体は発見されたものではないということで、これはノーになります。さらに定例サーベイランスで発見された潜在的云々とありますけれども、今回、そもそも安全系の中性子束高というスクラム信号が、誤報ではあったんですけれども発生いたしまして、そのスクラム信号によって原子炉が自動停止したということで、原子炉の安全機能というのは始動している、確保されているということで、この部分については下に下がるという判断をいたしました。イエスということで、そのまま下に下がっていきますと、明らかに安全上の重要性がない事象かどうかという所で、今回、スクラム信号が誤報であったということと、あと通常の原子炉停止のシーケンスということで、スクラム信号で原子炉が自動停止しているということで、イエスという判断をいたしまして、レベル0という所に来まして、一番下、また矢印で、次のページの16ページになります。
16ページでは、深層防護の基本評価ということで、付加的要因の検討ということで、こちらにつきましても、この以下、四角の中の書いてある項目を参考に検討しております。
これは次のページの17ページに、付加的要因の検討という所で記載しております。
共通の原因の故障ということでございますが、これにつきましても、単一の事象や原因の結果として、多数の装置や機器が機能しなくなるということはありませんでした。
それから、手順の不備という観点ですけれども、定期的な検査において、この安全系を構成する機器につきまして、今回、ICということですけれども、これにつきまして、個別に作動確認というのは実施しておらなかったんですけれども、この定期的な検査におきましては、この系統全体ということでは作動確認を実施しておりますので、品質管理上という観点からは、手順に明らかな問題はないという判断をしております。
それから、安全文化に関連する事象ということですが、これにつきましても、運転制限条件の手順に反する事項ではないということと、QAプロセスに問題はない。ヒューマンエラーでもない。放射性物質の適切な管理も維持できている。再発によるものでもないということで、以上のことから、ここでの付加的要因というのはないものと判断いたしました。
16ページの前に戻りまして、またさらに14ページの方に戻ります。で、事業所内外、それから深層防護の関係で、最大レベルを採用するということで、今回、レベル0ということで終了というチャートになります。
また飛びまして、18ページでございますが、一応、基準3の深層防護への影響のまとめということで、今回のこの事象は安全上の重要性がないという事象として、レベル0として評価をいたしました。先ほどご説明しました通り、付加的要因という所につきましても該当はないという判断をいたしました。
最後、19ページの結論でございますが、基準1、事業所外ということでは、適用はされません。基準2で、事業所内への影響ということで、こちらも適用されません。基準3ということで、深層防護という所では、繰り返しになりますが、安全上の重要性がないという事象ということと、あと付加的要因につきましても該当がないということで、レベル0ということで、トータル、(4)の評価結果の暫定値でございますが、最大値ということで、レベル0ということで、事務局では判断をいたしております。
駆け足になりましたが、以上でございます。
【中込委員長】 ありがとうございます。
それでは、JRR-3の自動停止につきまして、ご審議願いたいと思います。どなたからでも、ご質問を承りたいと思います。
【三澤委員】 安全系はオペレータの人は出力をモニタする必要はなかったのでしょうか。安全系の出力というのは、オペレータの人に指示値がどこかに出ているとか、そういうものではないのでしょうか。
【杉山運転管理・検査管理官】 出てないんじゃないですかね。特に、そういうものはモニタとして出ないと思いますけど。
【横井専門職】 今回、3.2メガワットの所で起こったということに関しては、運転員が記録計とか監視設備等のプロセス制御計算機で確認しています。
【三澤委員】 多分それは線形出力計じゃないかと思うんですけれど。
【横井専門職】 そういうことで、一応、確認はして……。
【三澤委員】 要するに、安全出力計はオペレータの人は運転中は特に見る必要のないものだということでよろしいんですか。
【中込委員長】 今のご質問は、安全系を見る必要があるのですかと。
【吉田原子力規制室長】 見なくていいというのは。
【中込委員長】 何か判断基準にあった。
【三澤委員】 要するに、運転員の手順に問題はなかったかということに関係しているのですが。
【中込委員長】 ああ。そういうことに関連してね。
【三澤委員】 はい。ですから運転員の、もし、例えば運転中に安全出力計のレベルを監視していなさいということがあった時に、それをうまく見ていない。もちろん、自動切り替えですから、そこの所は特に必要なかったような気がします。
【吉田原子力規制室長】 マニュアルは?
【杉山運転管理・検査管理官】 そこまでの義務付けはないと思いますが、ただ、この場合、見ていたとしても事象は起きてしまいますので、避けられないですよね。
【三澤委員】 そうですね。
【中込委員長】 見ていて防げたかどうかという話ですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 それは防げないと思います。
【三澤委員】 それはちょっと無理かもしれないです。
【中込委員長】 8割で切り替わるはずが、1レンジ下がった方に行ったということですね。
【杉山運転管理・検査管理官】 2つ下がっています。
【中込委員長】 2つ?
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。250キロワットのレンジに下がって。
【中込委員長】 2.5メガから……。5メガが、本当は25に切り替わるはずだったのが。
【杉山運転管理・検査管理官】 250キロワットですね。
【中込委員長】 1.25メガワットと、250キロワット。両方に行っちゃったのですか。
では一応、今の答えは見ていないと。見ていたかどうかわからないということなのですか。義務付けもない。
【杉山運転管理・検査管理官】 義務付けはないですね。
【中込委員長】 モニタの指示値に異常はなかったと5ページに書いていますよね。これは指示値に異常はなかった、たまたまそこを見た時というのではなくて、トレンドも一応調べた結果、正常に順番に上がっているというか、ほとんど変わらないのに、ぱたんとなったとか、増えたとかっていう、そういうトレンドを見たということでよろしいですか。
【横井専門職】 はい。基本的には、そういうことです。
【中込委員長】 分かりました。
【須藤委員】 ICの故障で、先ほど本来は80%でレンジが上がるべきものが、下がっちゃったために発報しちゃったということで、安全側の動きだったんですが、例えば、これが逆に出力降下中に、本来、レンジがどんどん下がっていかなきゃならない、15%で下がっていかなきゃならない所に、それが下がり損なって、本来、警報を出すべき所で出し損なったというようなことは起こり得ないんでしょうか。この同じICの中で、たまたま今回は安全側に故障しているというんですけど。
【杉山運転管理・検査管理官】 下に下がり過ぎたということですか。
【須藤委員】 だから。
【杉山運転管理・検査管理官】 想定されれば出ます。
【須藤委員】 出力下降中にレンジが本来どんどん下がっていかなきゃいけないですね。それが高いままに保持されちゃって、出力が本来低くなるべき所が高い出力になっちゃった時でも、レンジが高い方に保持されているんで、出すべき警報が出ないという状況が起こり得ないか。言っていること分かりますか。
【杉山運転管理・検査管理官】 出すべき警報は多分ないと思います。
【中込委員長】 その前に、安全側なので問題ないですね。全部カバーしていれば、それはどこのリアクターでも、多分そうなっていますので。
【須藤委員】 大丈夫ですか。
【中込委員長】 はい。120%、もう下がっている分には構わない。
【杉山運転管理・検査管理官】 だから、逆にさっき言ったように、2段下に下がった時は警報出ます。
【中込委員長】 本来はここの指示値をこのレンジだと、こう指示をしなければいけないのが、フルレンジが高過ぎたので、ぱたってこうなっているのは全然問題はない。今はここで表示できないので、本当はこう行ったら溢れるので、レンジを切り替えるということは、フルレンジが5メガから25メガになるなら、ぱたんと針が動いてしまうんですよね。フルレンジは5メガ分しか指さないということになるのですね。だけれども、今みたく25メガでやっていて、どんどん5メガになっていって、普通、切り替えれば、またこう行くのでしょうけれども、切り替えなくて、逆の信号が出て、大きな信号でフルレンジになっても、別にこれがさらに下がるだけの話だから、それはどちらかというと安全側ですね。
【須藤委員】 分かりました。要は、こんなことを考えちゃったんです。例えば、それぞれの出力が下がっている途中に、それぞれのレンジ毎に、出力がもう下がっちゃっているから、それ自体はもう大丈夫だということは理解しました。だけど、例えば、5メガワット下がって、4メガワット、3メガワットと下がってきて、1.25メガワットの手前で今度切り替わるんですかね。1.25メガワットのレンジに。その時に出力が若干高くなったと。だけど、それは本来のフルレンジの出力に対しては超えないので、全然問題ないということは分かるんですけど、あるレンジで、本当は出力が下がっていないのに、一時的に何かローカルに、ぷっと上がるような動きをした時には、それは検出できないから大丈夫なのかと思ったんですけど、それ自体は安全上の問題ではない。
【中込委員長】 そうですね。フルレンジで運転したのを下げている途中に、もし何かでぴゅっと上がっても、そのカバーの間の話だと。下がっている途中にフルレンジを仮に切り替えたとしますよね。そこでぽんと増えたらスクラムがかかりますから、今度、これと同じ現象が起こってしまう。必ず止まる。
【須藤委員】 分かりました。
【三澤委員】 やっぱり安全系ですので、最終的には20メガワットを担保するだけの形質だと思います。
【須藤委員】 そういうことですよね。
【三澤委員】 途中の所は、むしろ途中の線形出力計で担保すべき。
【中込委員長】 これはあってはならない数値が出てしまったので、これはというので止めるということです。
【須藤委員】 分かりました。
【中込委員長】 ちょっと分からないのは、9ページの中で、レンジ切り替えの所で、異常信号でマイナスのクロックパルスがピッピッピッと出ますよね。これがいたずらするのですか。これがレンジを上げろ下げろというふうなんですかね。どうなんですかね。この2つ。
【杉山運転管理・検査管理官】 この関係は、上がって下がった、この下がった所で誤作動しているみたいなんです。
【中込委員長】 いやいや、こういうので出て、信号は出てくれないで切り替えなかったというなら分かりますけれどもね。どうなんですか。次の10ページでもいいですが、異常な信号が出て、それをレンジ切替発生回路ではクロックパルスにしますよね。矩形波にしますよね。それがピッピッて2つ。でも、これは、これで一旦回復したら、例えば、4マイクロセカンドか何か知りませんけれども、4マイクロセカンドのクロックパルスが出たら、本当の信号ですよ、切り替えなさいと言っているのに、もっと前に出ちゃうと、それが4マイクロ以下でもいいのかよく分からないんだけど、これは何を。
ICが傷んでいるということは分かっているし、だから、本来は変な信号が出ちゃって、ぽーんと切り替わっちゃいけない方が、こっちじゃなくて反対側に出ちゃっているとか、そんなのはあるかもしれない。要するに、4マイクロ位待っていたら、上に切り替わるはずなのに、早く出ちゃったから下がっちゃったというのかなと、いいように、ちょっと解釈しているんですけどね。それの原因をいま見ているんですよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 その原因の調査というのは、今ちょっと……。
【中込委員長】 この2つ信号出ても、全然プラス側に早く切り替わっちゃったのなら別に間違いはないし、たまたま低い方に切り替わったからスクラム信号が出ちゃったという。
【杉山運転管理・検査管理官】 ここの間隔と、このパルスが出たために、なぜ下のレンジに下がるのかという調査を多分やってなくて、これからだと思うんです。もしやるとしても。
【中込委員長】 これからね。
【杉山運転管理・検査管理官】 本来だったら、これが原因であるということが分かれば、すぐ交換していただければ、特にこれ……。
【中込委員長】 今、どっちが……。早くなるから、けしからんということではなくて、それが分かれば、あくまでもここは機器の経年変化かもしれませんので、それで判断すればINESとしてはいいと思うんですけれども。
【蜂谷委員】 単純な質問。この2系統のうち、A系統だけがスクラムのアラームが鳴ったというのは、この波形を見ると、下も一応異常なんだけど、小っちゃいから出なかったということですか。Aの方が早く起きた。
【杉山運転管理・検査管理官】 これはあくまで試験で確認した時の値ですので、今回の事象の時は、B系の方は、こういうのは出ていないと。
【中込委員長】 出てない。
【杉山運転管理・検査管理官】 A系だけでスクラム信号が出たと。
【蜂谷委員】 だけど、やってみたら、こっちも異常があった。
【中込委員長】 両方出ちゃったと。たまたま出たんじゃないでしょうね。
【杉山運転管理・検査管理官】 多少は出ていたと思うんですけど。
【中込委員長】 ちゃんと変えましょうということにはなるんでしょうけどね。
【杉山運転管理・検査管理官】 はい。
【門倉係員】 A系の方には、常にこのようになっているわけではなくてですね。
【中込委員長】 出たり出なかったりね。
【門倉係員】 回数が例えば、具体的な回数はちょっとあれなんですけど、100回に1回位、このような波形が出ることがあるということでして、ほとんどの場合は下と同じような波形だと聞いております。
【中込委員長】 Bになると、もっと少ないかもしれない。
【門倉係員】 もっと頻度的には下がるというように。
【中込委員長】 たまたま。本当にたまたまAが100回に1回位だと、その日に当たったというふうな解釈ですね。
【門倉係員】 そのように聞いております。
【中込委員長】 いずれにしても部品の欠陥という、そういう解析のINESの方向ですけれども。
【三澤委員】 すいません。参考までにお伺いしたい。これはどの位、年数が経ったものなんでしょうか。
【中込委員長】 それ要るんだ。
【横井専門職】 一応聞いたところ、平成元年位から使っていると。
【三澤委員】 最初に作った、改造した後、すぐですね。
【中込委員長】 改造したとき。
【吉田原子力規制室長】 平成3年です。
【中込委員長】 そうだね。
【吉田原子力規制室長】 通常、こういうのは大体10年位なんですね。
【目黒委員】 保証年数というのはあったんですか。ICに関して。
【吉田原子力規制室長】 だから、メーカーの人は10年と。
【目黒委員】 10年。それ以上使っていた。
【吉田原子力規制室長】 今回、20年使っていたんですね。単純に。だから、今後の対策としては10年で交換というようなことは聞いています。
【目黒委員】 もう一つ、よろしいでしょうか。
【中込委員長】 どうぞ。
【目黒委員】 中性子検出器と線形増幅器の位置関係なんですけれども、線形増幅器って、どの辺にあったんでしょう。というより、中性子の検出器だったならば、中性子がバンバン飛んでくる所の近くにあれば劣化は早いということですけど、十分離れた所にあったと考えてよろしいんですよね。
【中込委員長】 リアクターと離れているよね。プリアンプではなくて。
【目黒委員】 普通は離していると思いますけどね。
【中込委員長】 プリアンプじゃない方でしょう。メインですからね。
【目黒委員】 一応、確認。
【杉山運転管理・検査管理官】 プリアンプです。
【橋本安全調査係長】 図面はないんですけど。
【杉山運転管理・検査管理官】 通常ですと制御装置のそばだと思いますけれどもね。
【中込委員長】 今後の劣化の時期にすごく影響するので、そのポジションは。コメントとしてはできるだけ離すとか、中性子が直線に当たらないとか何か、そういうことを言われたわけですね。
【目黒委員】 そうですね。
【中込委員長】 劣化は防ぎようがない。
【二ノ方委員】 制御室みたいですね。
【三澤委員】 ICは制御室ですよね。中性子はICは関係ないんですよね。線形増幅器は制御室にあるんですよね。
【杉山運転管理・検査管理官】 一応確認しましたら、制御室の中の制御盤にあります。
【中込委員長】 そうでしょうね。
【三澤委員】 だから、中性子検出器からの電流信号だけが純粋に送られている。
【杉山運転管理・検査管理官】 そうです。
【中込委員長】 プリアンプからね。じゃあ、そういう点では問題ない。
【杉山運転管理・検査管理官】 離れていますね、距離的には。
【土屋委員】 QAプロセスに問題はないというふうに17ページに書いてありますけれども、先ほど10年しかメーカーが保証していないのに20年も使っていたとかというのは、QAプロセスには関係ないのでしょうか。
【吉田原子力規制室長】 だから結果論でそうだったんで、今度そこは直していく。要するに、取り替えるというQAの対策はするでしょう。10年だと知ってたら10年で交換していたんでしょうけれども。
【土屋委員】 ご存じなかったということですか。
【吉田原子力規制室長】 そう。知らなかった。
【土屋委員】 使っている機器の保証年数を知らなかったと。
【横井専門職】 繰り返しになりますが、系統全体としては、毎回、定期検査の中できちんと模擬入力して、きちんと出るということは確認をしている。今回、こういうことになったので、今度はICという個別の確認をすることになっています。ということで、一応、毎年、きちんとそういう性能が維持されているということは確認をしております。
【土屋委員】 それでQAプロセスは、大丈夫だと。
【横井専門職】 はい。そういう判断をしました。
【中込委員長】 どこまで深入りするかによるんです。
【須藤委員】 難しいですよね。メーカー保証が10年ということで、10年以上使っちゃだめということではないんですよね。
【中込委員長】 今の新検査制度と、ちょっと逆行する形にもなりますよね。うまく動いているものなのに、時間が来たから分解してやりなさいといったら、調子悪くなるというのがあるんですよ。あと、明らかにゴムとか、そういう劣化が予想されるものは分かるんですけれどもね。その辺が、ちょっと非常に判断しにくいかもしれない。
【須藤委員】 賞味期限じゃないですけど。
【中込委員長】 そのためにトータルで使用前検査でやっているんですけれどもね。
【土屋委員】 「もんじゅ」の時も、傾向として、だんだん絶縁が下がってきていたのに、単にしきい値よりも上か下かという1、0の判断でやっていたので、ずっと気付きませんでしたというようなトラブルが起きているんですけれども、今回の、だから10年で取り替える必要はないんですけれども、問題が起こりそうな前兆を捉えることはできるんでしょうか。私、すいません。技術全く素人なので、どんなふうに改善されるのかが。
【杉山運転管理・検査管理官】 今後の改善ですか。
【土屋委員】 はい。
【杉山運転管理・検査管理官】 多分、前兆を見るのは非常に難しいと思うんです。今回の試験でも200回に1回位しか出ませんので。ですから、先ほど室長が言ったみたいに、10年で新品と交換するとか、そういう手を打っていくしかないと思うんです。
【土屋委員】 なるほど。
【中込委員長】 これについては一言も二言もあるんですけれども、今回ちょっとやめておきますが、基本的には、あまりマニュアル化ばかりが私はいいと思いません。やはり予兆というのはベテランが見ると分かるのがいっぱいあるんですよね。そう幅広く見てくれるということは大切だと思うんですが、今、そのためのエビデンスを出すとかと言われると、それは大変です。その辺、やはり全体の安全というのは何かというのを考えないといけないと思うんですけど、それ言うと長くなりますので。
そのほか、本件につきまして。
【石田委員】 今回、この自動レンジ切替回路のICを交換するということになるわけですけれども、例えば、いろんな回路が全体として、別にこの線形増幅器だけじゃなくて、あると思うんですよね。そうすると、そこにもICを使った、もっといろんなものがあったりするんじゃないかという気がするんです。そういった意味で、特に安全系なんかの部分で、水平展開的に何かチェックしようというようなことは考えているんですか。事業者は。
【杉山運転管理・検査管理官】 事業者がですか。
【中込委員長】 今後の対策とかということに。
【石田委員】 なるんですよね。ですからここで得た教訓をどの程度活かしていくかということが非常に重要な部分だなと。今回のこれには直接関係しないんですけれども、それをどこまでやるかということだと思うんですよね。
【須藤委員】 水平展開。
【石田委員】 水平展開を、IC全部の機器にわたって、全部やったら大変なことになっちゃうし、どういうふうな考え方で進めるのかなという、ちょっとそのようなことなんですけど。
【二ノ方委員】 ここで言えば経年劣化とか、定期点検の時の検査基準とか、取り替え基準とか、そういうものが、ここでどれ位整備されて、今後、今回のこれが、この事象がそういうマニュアル等の改善に、できればどんどん役立ててほしいという気持ちだと思うんですけど、我々としてはね。
【中込委員長】 ですね。
【江頭安全審査調整官】 事業者の方は、念のためですけれども、同様の安全系に影響を与えるような回路のICは、今回全部取り替えたと、そういうふうに聞いています。
【二ノ方委員】 そうですか。
【中込委員長】 その点、非常に日本人はありがたいなというのは、ゼロなのに、もっとゼロにしようみたいな議論するので、大変いいことだと思っているんです。他は、いざとなれば、INESで0なのに、何をやらなくちゃいかんのかと言われたら元も子もないんですが、やはりその辺は、我が国の原子力事業者は立派だなというような感じがしているところです。
ただ、やはり我々もこうした方がいいのではないかというコメントは、要求は出していくべきだと思っております。過度にならないように。
【石田委員】 そうですね。同じようなことが、また起こっちゃうと、安全面からの事象の中で、事象の再発という所に引っかかってきたりするかもしれないというのもありますよね。次回、何か同じようなことが起こったりなんかしてね。それに対する、予めの対策。今のようなことを聞くと、何か安心できるなと。
【三澤委員】 うちの原子炉も、この関係で調査するように依頼が。
【石田委員】 そうですか。
【三澤委員】 そっちにも実は自動切替器があるものですから、レンジ切り替えがあるものですから、その辺りのチェックというのは、すぐ、これを付けた後にチェックをしたということは。
【中込委員長】 意識を高めるというのはね。
【三澤委員】 水平展開の調査ということでやっております。
【石田委員】 研究炉の場合、スクラムしたからって、別に。
【中込委員長】 実験者が困るだけだからね。
【石田委員】 社会的問題が起こるわけじゃないんで、安全の方向に動く部分についてはいいと思うんですけどね。安全側に作動するといいますかね。
【中込委員長】 ありがとうございました。ここで締めにしたいと思います。
結論としまして、今回、事務局の方でINESの暫定レベルを0ということで評価しておりますが、これが妥当だというふうに、この委員会の検討結果として結論を出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
ありがとうございます。
それでは、本委員会では、本事象につきまして、INESのレベルの暫定レベルは0というふうに、妥当であると結論したいと思います。ありがとうございました。
本日、その他は特にありませんか。
【横井専門職】 はい。
【中込委員長】 本日の議題は以上2件ということでございますので、他に何かなければ、最後、事務局の方から連絡事項ありますか。
【吉田原子力規制室長】 どうもありがとうございました。
今日、議論いただきました「常陽」とJRR-3について、INESについては、本日の会合の結果を踏まえまして、参考にいたしまして、私どもの方で正式に決定させていただきたいと思っております。
後日ありましたら、事務局からご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【中込委員長】 今、INESの評価は2001年版に基づいてやっているんですが、2008年版では、所外と所内という立場でなくなってきますけれども、これについては見通しは特に、法的な改正がないとやりにくいでしょうけれどもね。
【横井専門職】 はい。まだ運用開始時期につきましては関係省庁との話もありますので、まだ協議中ということでございます。
【中込委員長】 またINESの2008年バージョンを使用することになったら、我々も勉強しなければいけませんので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、どうも活発な意見をいただきましてありがとうございました。また、傍聴者の方、ご協力ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、第9回のINESの評価ワーキンググループを閉会させていただきます。ありがとうございました。
【吉田原子力規制室長】 ありがとうございました。
―― 了 ――
横井、門倉
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