放射線安全規制検討会(第31回) 議事録

1.日時

平成22年4月14日 15時00分~16時10分

2.場所

文部科学省 科学技術・学術政策局会議室1(15階)

3.議題

  1. 放射線障害防止法の改正状況について
  2. クリアランスレベル等今後の検討の進め方について
  3. 放射化物技術検討ワーキンググループの開催について
  4. その他

4.出席者

委員

小佐古座長、近藤座長代理、大森委員、長見委員、木村委員、日下部委員、
反保委員、東委員、古川委員、山口委員、山本(幸)委員

文部科学省

渡辺次長・原子力安全監、明野原子力安全課長、中矢放射線規制室長、
井上放射線安全企画官、上田放射線規制室長補佐、石井専門官、荒川企画係長 他

5.配付資料

資料第31-1号: 第30回放射線安全規制検討会議事録
資料第31-2号: 放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律の改正案の概要
資料第31-3号:「確率論的解析を行う対象核種の選定及び対象経路の抽出について」の検討状況
資料第31-4号: 放射化物技術検討ワーキンググループの開催について

6.議事録

○資料第31-1号に基づき、第30回放射線安全規制検討会の議事録の報告が行なわれた。
○資料第31-2号に基づき、事務局より「放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律の改正案」の説明がなされた。
○資料第31-3号に基づき、事務局より「確率論的解析を行う対象核種の選定及び対象経路の抽出について」の検討状況の概要の説明がなされた。
○資料第31-4号に基づき、事務局より放射化物技術検討ワーキンググループの開催に関する説明がなされた。

 

主な質疑応答

○放射線障害防止法の改正状況について

【近藤委員】放射化物の規制について、以下に3つの問題点を列挙する。(1)「放射線によって汚染された物」という文言は如何なものか、(2)「放射性同位元素によって汚染された物(放射線発生装置の使用に伴い生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物を含む)」として議論してきたが、こちらの方が誤解なく、より性格で実態を表しているのではないか、(3)「汚染」を用いるのはネガティブな印象を与えるため如何なものか。

希望としては、(4)「放射線によって汚染されたもの」の解釈を機会ある都度、説明してほしい、(5)「放射化物の定義」等の重要な問題については、今後は少なくとも関係者を交えた議論する場を設けてほしい。

【中矢放射線規制室長】(上記(1)及び(2)に関係する回答)技術的な検討の下、多くの技術的な表現があった。一方、法律に入れる際、法律としての正確性、運用実現性が議論される。その結果、「放射線によって汚染された物」は、法律的な観点から用いることとなっている。解釈するときは、必ず法律の全体を見てその用語の持つ意味を解釈する必要がある。

 (上記(4)に関係する回答)放射化物の用語の定義については、様々な場面で説明を行っていきたい。

【小佐古座長】(上記(3)に関係する回答)放射化物ができて、それが汚染物として扱われるということをここで定義したいということなので、受け入れざるを得ないということになるのではないか。

【東委員】「廃止措置の強化」という項目で、廃止措置は、クリアランスレベル等を導入される廃止、産業界の場合に見られる密封線源を使用後の工業計器を1つ廃止するような場面は、同等の義務か。それともランクづけされたものか。

【中矢放射線規制室長】全く同じレベルではない。それについては省令の段階で書き分けていくことになる。

【山本(幸)委員】 クリアランスについて、「測定・評価方法の認可(第一段階)と測定・評価結果の確認(第二段階)」というのは、書類審査だけか。立入りによる確認も実施するのか。

【中矢放射線規制室長】この第一段階のところは必要であれば調査に赴く、必要があれば現地調査も考えられる。

【山本(幸)委員】「測定・評価方法の認可と測定・評価結果の確認」は国が実施者か。

【中矢放射線規制室長】第一段階目は国である。第二段階は、国又は登録の確認機関が実施する。確認は、書面以外に、現地に赴き、(抜き取りで)必要とするサンプルをとって、測定データの検証を行う。

 

○放射化物技術検討ワーキンググループの開催について

【荒川企画係長】今後、具体的な規制の内容等、技術的な検討の充実を図る必要があるため、放射線障害防止法における放射化物の安全規制への導入に係る技術的事項を検討する上で、この規制検討会の下に「放射化物技術検討ワーキンググループ」を設置する。

 当ワーキンググループの進め方について、議事は公開で実施する。事務局及び事業者での技術的事項の検討の進捗に合わせてこちらは開催していきたい。WGにおける検討が進捗した段階で、適宜、安全規制検討会に報告したい。

【小佐古座長】現場をご存じの中堅の方々、医療関係の技師に関する学会の放射化物の取りまとめの先生。放射線安全規制検討会とのリエゾン、あるいは廃棄物の収集等に詳しい先生等にも見ていただきたい。議論結果は、適宜報告し、関連の情報は事務局の方に回して頂く。それをWGの議題に、議論の中に含めることをWGの設置・開催の前提としたい。

【反保委員】既設のクリアランス技術検討WGと放射化物技術検討WGとは、同じような形で、同じ名前で継続して並行に活動していくという理解でよいか。

【荒川企画係長】クリアランスWGについて、確率論に関する議題等が残っている。2つのWGが並行して進行する。

 

○その他

【大森委員】核種をただ確率論的に量の多いものから順番に挙げていったような確率論以外に、生物学的半減期等のその他の要因を踏まえて検討してもらいたい。

【日下部委員】クリアランスと並行して医療における短半減期核種の放射性汚染物について減衰待ち保管についての状況は如何に。

【中矢放射線規制室長】クリアランス技術WGの「確率論」に関する議論の後でその方法を検討していく。できれば年内の目標にまとめていきたい。

【渡辺次長・原子力安全監】短半減期核種を含む放射性廃棄物を、区分して、保管することで、測定せずにクリアランスする議論がある。現状では、全て測定する事を原則とする。

 以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)