放射線安全規制検討会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成14年12月11日(水曜日)14時~16時

2.場所

経済産業省別館10階 1014号会議室

3.議題

  1. 規制免除レベル取り入れについて
  2. その他

4.配付資料

  • 資料3‐1. 第2回放射線安全規制検討会  議事概要(案)
  • 資料3‐2. 密封線源に係る免除レベルの法令への取り入れについて(案)
  • 参考資料1. IAEA  BSS免除レベルの核種の選択(案)
  • 参考資料2. 放射線業務従事者の推移(第2回資料2‐2‐1の差し替え)

5.出席者

委員

小佐古座長、河田座長代理、石榑委員、長見委員、日下部委員、近藤委員、中村委員、東委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員

文部科学省

文部科学省  山元科学技術・学術政策局長、広瀬原子力安全監、石田放射線規制室長、米原放射線安全企画官他

6.議事進行

石田室長より資料3‐1~3‐2(第2回議事概要、密封線源に係る法令取り入れ等)について説明

米原企画官より参考資料1について説明

7.主な質疑応答

<参考資料1関係>

【山本英明委員】Ar‐42、Au‐196、Tl‐208について、計算に必要な外部被ばく関係のパラメーターが揃っていないので、パラメーターを新たに作った上で計算していきたい。

【近藤委員】報告書の中の核種の表に、障防法の枠外のU 、Th、Puが入っているが、これも含めて考えていくのか。別途、原子力安全委員会等で議論されるのか。

【事務局】障防法上にPuやUは入っていないが、別途、炉規法の方でもBSS取り入れの内部的検討を始めているところ。

【小佐古座長】核燃料・核原料物質の規制は非常に複雑だが、実質的には計量管理で下限がなく、大幅な規制緩和にもなる。RIの輸入は殆どがRI協会を経由しており、既に協会で許可のある、或いは輸入する可能性がある物については、免除レベルを用意しておく必要がある。

<資料3‐2関係>

【中村委員】特に3.7MBq以下は管理区域を設けずに移動使用しているケースが多いと思うが、移動使用でも許可・届出が必要となるのでは非常に大変なので十分考慮が必要ではないか。

【事務局】移動使用についても十分考慮し、次回説明させて頂きたい。機器のレベルにもよるが、線量が低いものであれば、管理区域は必要なくなり、ある程度の線量率があるものについては一時的に縄を張る等して頂く事も考えられる。

【中村委員】現在認められている使用場所の一時変更による管理区域の設定というのは、手続が非常に面倒なので新しい方法を考えて頂きたい。

【近藤委員】研究・医療機関では、校正用の密封線源をいくつかセットにした状態で持っており、BSSが導入されるとCs‐137、Co‐60等全て引っかかるが、そういう個数まで統計に入っているのか。個々ではものすごい数になると思う。安全上必要な機器については個々に検討する必要があるのではないか。

【事務局】そのように検討していきたい。

【河田座長代理】実際のシミュレーションのようなたたき台は作られたか。

【事務局】新しい規制対象について、どういう規制が適当であるかを考えたもので、対象は広がるが基本的には「あるべき」論で検討している。

【東委員】規制対象外の所で許可が必要となり、ユーザー側がこれをどう解釈し、なぜ規制がかかるのかの説明が非常につき難い。また、コスト高により放射線利用が減退してく可能性があり、届出使用が非常に縮小するが、1,000倍という値の考え方をお聞きしたい。

【事務局】現状との整合性という意味では暫定期間を設けることは必要。しかし、混乱を恐れて現状にただ合わせるというのは適当でない。混乱が生じぬよう、一定期間の暫定措置を設け、趣旨を一般の国民の方に広く理解して頂くよう、広報の努力もしていきたい。

【小佐古座長】核種の特性によるバラツキはあるが、3.7MBqの所にかなりの物が固まっており、似たような所であり、厳しくなる物もあるし、緩くなる物もある。

【山本幸佳委員】取り入れた場合のシミュレーション等も考えて頂きたい。

【事務局】まだ素案の別紙7に規制内容の大きな所が項目として書いてある。今後、対象線源に合わせて中身を細かく検討し、各々の線源に最も適した規制内容を考え、次回以降整理して検討頂きたい。

【中村委員】別紙5で、一番厳しい物で1,000倍だと1MBqになり、現行の3.7MBqと差を少なくするという意味では、Xを3,700にした方が合理的規制ではないか。

【事務局】1,000倍を超える値だと届出の範囲が相当広がり、許可の範囲が狭まる。1,000倍というのは現状から見てややきつめだが、適当ではないか。

【中村委員】Xを一律にせず、厳しくなるものに関しては3.7MBqまで上げ、上の方はもう少し下にするという考え方もあるのではないか。

【事務局】そういう可能性もあるかもしれないが、ランク、レベル分けをするのであれば、等しく何倍かで決める方が整合性が取れ、合理的な考え方ではないか。

【山本幸佳委員】今までの3.7MBqが急に厳しくなるが、3,700倍にして3.7MBqを残すというのも一案ではないか。

【事務局】BSS免除レベルの取り入れにより規制対象が広がり、規制が厳しくなる面もある。今まで規制対象にしていた物から外れる物もあるが、科学的合理的な規制をするという事で致し方ない。これについては、説明責任も持たなくてはならない。

【河田座長代理】BSSの免除レベルを取り入れる上で、特例は作らない方がいいのではないか。現在の概念にとらわれた法体系のように思えるが、非常に簡単な届出等も考えるのが重要ではないか。加算の仕方等も含め、届出を2ランク作るとか、簡単な葉書1枚とか、或いはひな型を出してそれに記入すれば済むような規制の仕方もあるのではないか。

【小佐古座長】新しい知見とベースがあるのであれば、それに向かって動くのが第1原則。ただし、ご指摘のように、ICRPでも5年平均で20mSv、1年で50mSvを超えないようにしているわけで、そこに工夫のしようもある。このXの施設検査ありというところの設定を、規制除外の所の3,000万倍となっており、どの辺りにするかというのはCs‐137、Co‐60 、Ir‐192の三大密封線源ということになっている。

【事務局】施設検査では、建設時に許可通りに造られているかを見ており、定期検査は施設の状況が施設検査時の通りに維持されているかを見ている。また、定期検査の内容を、今のハードを見る事から、ソフト、取り扱いの状況を見るという事まで含めて考えていきたい。

【日下部委員】女子医大のような医療法に関する事業所でも、このサーベイメーターを十数個使っており、半分位が引っかかる。それを全部足すと500~600倍位になる。更に細かく見ると、チェッキングソースは相当出てくるのではないか。

【近藤委員】教育研究機関で、いわゆる標準線源と称するものが、相当行き渡っており、とても多いと思う。届出しなければならない時の条件として、設計承認申請とあるが、今我々が持っているものには一切ない。製造する所が型式承認等を出すだろうか。

【事務局】ニーズがあれば型式承認を取り、法律に合致したものとして使用者に届くようにするのではないかと考えている。

【小佐古座長】皆様方のご協力を得て、現場の実態のデータを集めていきたい。

【東委員】3.7MBq以下の許可・届出事業所でどのように使われているかの調査をお願いしたい。また、品質保証体制を確認するということが設計承認の中にあるが、具体的にどう確認されるかも詰める必要がある。

【河田座長代理】規制外であったが、今後、規制対象になる部分について、法体系を作る場合は規制方法に傾斜を持たせて頂きたい。また、加算則についても何か工夫が必要ではないか。

【中村委員】届出線源の総放射能が免除レベルの1,000倍を超える時は許可となるため、大事業所ではすぐ超えてしまい、チェッキングソースまで買えなくなるのではないか。

【事務局】今後、規制の内容の違いをもう少し丁寧に詰め、メリハリをつけていく。実際の使用状況等のデータを使い、移行期間・措置等の検討を取り組んでいきたい。また、許可・届出が相当増える可能性があり、文科省と指定検査機関のあり方も含め、対応を考えたい。

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科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)