平成19年5月28日(月曜日) 13時30分~15時
三番町共用会議所 第4会議室(1階)
小佐古座長、河田座長代理、阿部委員、大越委員、日下部委員、近藤委員、蜂谷委員、東委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員、米原委員
(科学技術・学術政策局) 袴着次長・原子力安全監、野家原子力安全課長、梶田放射線規制室長、桐生放射線安全企画官、渡邊放射線規制室長補佐 他
【米原委員】
適用範囲についてであるが、オーファンソース(身元不明線源)は、放射線障害防止法の対象外のものであるがこれについては、(当該INESワーキンググループの)対象外となるのか。
【梶田放射線規制室長】
(当該INESワーキンググループは、)基本的に法令に基づく報告対象のみに限定しているので、今のところオーファンソースに関しては、対象外と考える。
【小佐古座長】
(当該INESワーキンググループの)スタート時点では、法令の報告範囲で考えるということで良いのではないか。
【蜂谷委員】
(当該)INESワーキンググループの検討事象になるかどうかについて、明確な判断基準があると良いのではないか。
【小佐古座長】
この種の判断は、基本的に行政庁の判断するところであるが、(当該)INESワーキングでは、行政庁の判断が妥当であるかどうかについてアドバイスをすることを期待されている。(判断が微妙な)グレーゾーンのものに対しては、今後、事例ごとにいろいろ積み上げ、経験を積んで方向性を決めていくのが良いと思う。
【梶田放射線規制室長】
原子力発電所等では、(INES評価の検討を)既に先行して10年ほどやっている。これらの経験を生かしつつ行っていくつもりであるが、判断が難しい場合には、(委員の方に)ご指導をお願いしたい。
【日下部委員】
(当該)INESワーキンググループの開催については、何か事象が生じた時は、通年的に行われるのか。
【小佐古座長】
半期に一度開催、または、必要な都度となっているようである。また、(行政庁の判断に対する)妥当性の評価やグレーゾーンの評価などについては、時々レヴューを入れたり、アドバイスを頂いたりするという感じで良いのではないか。
【山本幸佳委員】
カテゴリ1、2の線源とそれ以外では管理の違いが生じるのか。
【梶田放射線規制室長】
放射線源登録では、登録対象かそうでないかという違いはある。並行して検討しているセキュリティガイドラインにおける対策としては、カテゴリごとに(守るべき)重要度に応じて、管理の仕方や強化のあり方は異なるものと考えている。
【山本幸佳委員】
カテゴリ1の場合は、実際のセキュリティ対策で費用が嵩むようなことになるのではないか。
【梶田放射線規制室長】
大幅な負担増を強いるようなことはあまり考えていない。現在行っている安全管理の対策と整合を取りながらセキュリティ対策を考えていくのが良いと考える。
【日下部委員】
ガンマナイフ、血液照射装置、アフターローディング照射装置などが、病院で利用されているが、アフターローディング照射装置の場合は、3ヶ月ごとに装備されている放射線源を交換しなければならない。現在アイソトープ協会との間で、引取り依頼書や受取書などのやり取りで線源交換のシステムができているので、それらを利用し、登録の手間等、作業の繁雑化を避ける検討をしていただけないか。また、なんらかのミスによる報告の遅れにより処罰対象にならないような簡便な報告になるようお願いしたい。
【梶田放射線規制室長】
その点については、システム開発で対応する予定である。
【日下部委員】
現場は非常に忙しく混乱しているため、立入り検査などの際に、丁寧な教育指導等をしていただけるようお願いしたい。
【梶田放射線規制室長】
実際の法令の施行までには、周知期間を設けた上で、説明会等を開催することを考えている。
また罰則の適用については、悪意があるかどうかが重要であって、単なる過誤について一々罰則を適用するということは、今後ともないと考える。
【小佐古座長】
放射線源登録システムについては、なんらかのIT化や民間側の知恵や力を借りることを積極的に行うことにより、全体的にスムーズに行えると考える。
【東委員】
座長の言われるとおり、IT化を進めることをお願いしたい。
産業界で放射線源を受け入れる際は、非常に忙しくなるが、10日という報告期限が非常に短く感じられる。
また、カテゴリ1,2については、登録者の責任者はだれになるか。
それは、具体的に限定されるものなのか。
【梶田放射線規制室長】
登録に関する責任者といえば、(放射線取扱)主任者ではなく、基本的には、組織の代表者になると考えている。
【近藤委員】
原子炉やサイクロトロンなどで(放射性同位元素を)製造し、密封線源を製造する際、どの時点でだれが密封線源であると宣言するのか。
【梶田放射線規制室長】
(放射線源登録の検討の際)原子炉等で放射性同位元素を製造する時から登録しなくて良いのかなどの議論はあったが、その時点から行うことは、不良品の扱いなど様々な問題が生じるため、ホルダー(カプセル)の中に充てんされ、密封線源になったところから登録システムに登録してもらうことを考えている。
【河田委員】
電子化で便利になるほど、情報のセキュリティという点が非常に重要になるため、そのあたりをよく考える必要があるのではないか。
また、今後のカテゴリ3以下の放射線源や非密封線源の取り入れについては、現在日本では、放射線障害防止法が非常にうまく機能しており、実質的な放射線源登録制度のようなものが機能している。(放射線源登録制度を)杓子定規的に取り入れ、アイソトープの利用の阻害につながるようなことが無いよう望む。
【山口委員】
(経営上の理由などで)医療機関が休診した場合の脆弱性を鑑み、医療法に関する業務を行っている地方自治体と直接または間接的にデータベース情報を共有するという仕組みがあっても良いと思われる。
【大越委員】
システムの運用後に、過去に購入し、現在所有している放射線源について登録が始まると思うが、既に減衰をしているものについてもやはり購入時の公称放射能で登録する必要があるのか。また、減衰した値で登録するには、変更許可申請を行わなければならないのか。
今のところ、一旦登録されたデータの削除については、払出しや廃棄したときのみであるが、放射能が減衰した時点で、データベースから削除するなどの今後の運用についての意見があれば伺いたい。
【梶田放射線規制室長】
基本的には、許可数量との比較を行うため、購入時の公称放射能で登録していただく。変更許可で減衰補正を行う場合は、その値と対比することができるようにしていただく。
また、テロとか身元不明線源の発見時、盗難にあった放射線源の放射能についてすぐに計算できるようシステムを設計することは、可能と考える。
【山本幸佳委員】
セキュリティ対策と絡むところで、例えば、カテゴリ1からカテゴリ2の放射能に減衰して、そのような申請を行った場合、セキュリティ対策は、カテゴリ2のものを行うということで良いという話になるか。また、減衰した場合、カテゴリ1のままにしておくより、カテゴリ2に申請したほうがテロリストなどから狙われにくいということも考えられるため、減衰は考慮しても良いと考えるが、その点はどう考えているか。
【小佐古座長】
このような議論は、放射線源登録を運用し実績を作り定着すれば、現実の話題として挙がってくると思われる。その段階で、法律的な整合や全体としての運用などを踏まえて議論ができるようになっていくのではないか。第一ステップとしては、IT化し、確実に放射線源登録を行うことである。
【阿部委員】
本システムを、悪意を持った人たちから守っていくことが重要である。
事務局から放射線源のセキュリティガイドライン及びクリアランスに関する進捗についての報告があった。
科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室