放射線安全規制検討会(第19回) 議事録

1.日時

平成17年9月12日(月曜日) 15時~17時5分

2.場所

経済産業省 別館 944号会議室(9階)

3.議題

  1. 第18回検討会 議事概要(案)の確認
  2. クリアランス制度の法制化に向けた検討について
  3. 放射線源の安全確保とセキュリティの検討について
  4. 放射性同位元素等に関する点検結果について
  5. その他

4.配付資料

  • 資料19‐1 第18回放射線安全規制検討会 議事概要(案)
  • 資料19‐2 クリアランス制度の法制化に向けた検討にあたっての委員からのご意見とその対応について
  • 資料19‐3 クリアランス制度の法制化に向けた検討の方針(案)
  • 資料19‐4 放射線源の安全確保とセキュリティの検討について
  • 資料19‐5 放射線源の安全とセキュリティに関する検討ワーキンググループの設置について
  • 資料19‐6 放射性同位元素等に関する点検結果報告書 ‐放射性同位元素等の適切な保管管理のために‐ 概要
  • 参考資料1 放射線安全規制検討会 委員名簿
  • 参考資料2 放射性同位元素等に関する点検結果報告書 ‐放射性同位元素等の適切な保管管理のために‐

5.出席者

委員

 小佐古座長、河田座長代理、大越委員、大森委員、日下部委員、近藤委員、田中委員、反保委員、中村委員、東委員、松田委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員

文部科学省

(科学技術・学術政策局)
 植木原子力安全課長、小原放射線規制室長、松室放射線規制室長補佐、塚本放射線規制室長補佐、岩田放射線検査専門官 他

6.議事進行

  • 資料19‐2及び資料19‐3により、事務局から、前回検討会での資料18‐4‐1から18-4‐4に対する委員からのご意見とその対応、今後のクリアランス制度に係る検討の進め方について説明が行われた。
  • 資料19‐4及び資料19‐5により、事務局から、放射線源の安全確保とセキュリティの検討を始めるにあたり、背景、IAEAが出版した「放射線源の安全とセキュリティのための行動規範」の概要、検討の進め方、ワーキンググループの設置等について説明が行われた。
  • 資料19‐6により、事務局から、放射線障害防止法の対象となる全事業所に対して行った放射性同位元素等に関する点検の結果をとりまとめた報告書の概要について説明が行われた。

7.主な質疑応答

<資料19‐2関係>

【田中委員】
 廃掃法では、放射性物質又は放射性物質によって汚染されたものは除くとあるが、汚染のレベルが低いものが、クリアランスされた後に自動的に廃掃法で扱う廃棄物になるのか疑問である。法令上、どのように整理されるのか。

【事務局】
 クリアランスされたものを廃掃法での一般の廃棄物として引き渡せるかどうかについては、法律解釈の話であり、障防法と廃掃法で法令上どのように手当てする必要があるか、先行事例である原子炉等規制法を参考に別途考える必要がある。

【河田座長代理】
 当面の検討対象物から、焼却や溶融処理したものを除くとしているが、法律を放射化物や短半減期核種のみによって汚染されたものに対するクリアランスと焼却や溶融処理したものに対するクリアランスという2段階に分けるということか。

【事務局】
 法律上で区分けすることはしない。この点は法律を作る上でのテクニックになるが、当面は現実的なものを中心に議論を進めた方がわかりやすいのではないかということから、検討対象物を放射化物と短半減期核種のみによって汚染されたものにするということである。

<資料19‐3関係>

【中村委員】
 前回の資料でいうと、案1から案3のどの案で検討をすることになるのか。

【事務局】
 案の2、即ち、放射化物と短半減期核種のみによって汚染されたものについて検討する。ただし、短半減期核種のみによって汚染されたものについては、制度としてPETのような取り扱いの可能性についても検討する。

【河田座長代理】
 短半減期核種のみによって汚染されたものは、PETと同じような取り扱いの可能性についても検討するとあるが、PETは極めて半減期が短い核種であるので、減衰すれば放射能が0とみなせるという議論に基づいている。その点は十分に議論する必要がある。

【事務局】
 PETと同様というが、短半減期核種の場合は、減衰すれば0になるという論理ではなく、減衰すればクリアランスレベル以下となるという論理のもと、PETと同じような規制のあり方も可能かどうかを検討する。

【松田委員】
 クリアランス制度の検討とともに、社会的受容について、十分に議論する必要がある。

【小佐古座長】
 数字ばかりの議論ではなく、廃棄物の全体の流れとコンセプトを併せて議論し、一般の人々に理解してもらう必要がある。

【事務局】
 クリアランス制度は数値ありきで進めるものではなく、考え方のベースを大切にする必要があると考えている。

【中村委員】
 放射化物の取り扱いについて、現行の課長通知の内容を法令に取り入れることも検討する必要がある。

【山本幸佳委員】
 放射化物は、管理区域の中で再利用する場合もあるが、この場合はクリアランスレベルよりも上のレベルであっても良いということは検討するのか。

【小佐古座長】
 データが揃った段階で議論したいと考える。

<資料19‐4関係>

【東委員】
 セキュリティ対策を行っていく上で、現状の法律上でそれなりに措置がされた貯蔵施設等に対して、今以上にセキュリティの強化、リスク管理を求めていくのか、または破壊活動、盗難等が発生した場合に迅速に対応する、しかるべき報告をする等を求めていくのか。

【事務局】
 本検討では、破壊活動や盗難を“予防すること”を中心に議論を進めていくことを考えている。

【反保委員】
 IAEAでは、カテゴリ4、5に対しセキュリティ対策を求めるなどの指示があるのか。

【事務局】
 セキュリティ対策を求めているのは、カテゴリ1、2、3までであり、カテゴリ4、5について言及していない。ただし、現在の規制の中でこれらの放射線源のセキュリティについてもある程度、担保できると考えている。

【山本(幸)委員】
 放射線源が盗難等にあった後の対策までを検討の範囲とし、放射線源を捜索するような専門家を組織することを含めたセキュリティ対策を考えていくのか。また、過去の事例においても事業所内の人間が犯罪におよぶことが想定できる。

【小佐古座長】
 今後、海外の状況、線源使用の利便性等を考慮しながら内部脅威を含めて検討範囲を決めていくこととなる。

【中村委員】
 線源登録制度はすでに日本に導入されているのではないか。

【小佐古座長】
 線源登録制度としてイメージするものは、線源1つ1つにIDを付与し、盗難等があった場合でも自動的に照合できるシステムであり、現在のところは申請書を見ながら確認する方法しかなく、世界中で行われているIDとは異なるものであり、日本においてはまだ導入されていない制度である。

<資料19‐5関係>

【山本(幸)委員】
 放射線源が盗難等にあった後の対策はどのようにするのか。

【事務局】
 まずは、放射線源の安全とセキュリティにかかる“予防すること”を中心に議論を進めていくことをとしている。

<資料19‐6関係>

【日下部委員】
 治療用の密封線源とはどのようなものか。

【事務局】
 ラジウムの針や金の針である。

【大森委員】
 放射性同位元素の管理について、事業者の負担を軽減するということも必要ではないか。

【大越委員】
 研究者の異動や退職という節目に管理が不十分になることがあるので、管理を適切に引き継ぐ必要がある。

【山口委員】
 管理下にない放射線源を発見する方策として、線源の登録は有効と考えるが、他の方法として、線源を供給した記録等を利用するということも考えては良いのでは。また、機能している事業所の場合は点検という手法が利用できるが、機能していない事業所が漏れてしまう可能性があるため、そのような事業所もケアが必要と考える。

【中村委員】
 この調査では、密封線源は3.7メガベクレル以下は外しているのか。

【事務局】
 旧法体系下のもとの点検であり、3.7メガベクレル以下は外している。

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科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)