平成17年8月8日(月曜日) 10時~12時15分
文部科学省 10F2会議室(10階)
小佐古座長、河田座長代理、阿部委員、大越委員、大森委員、長見委員、田中委員、反保委員、中村委員、松田委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員
丸山科学技術・学術政策局長、下村次長・原子力安全監、植木原子力安全課長、小原放射線規制室長、依田放射線安全企画官、岩田放射線検査専門官 他
(日本原子力研究所) 木原放射性廃棄物処分技術課長 (高エネルギー加速器研究機構) 平山放射線科学センター長
【田中委員】
P4の「高放射化」、「低放射化」と、P5の「低レベル放射性廃棄物」、「クリアランス対象物」の関係は。高放射化は、全て低レベル放射性廃棄物に入るのか。
【説明者(木原)】
高放射化したものは、全て低レベル放射性廃棄物の範疇に入る。低放射化したものはレベルに幅があるため、一部は低レベル放射性廃棄物の範疇に入り、一部はクリアランスの対象物となる。
【中村委員】
許可と認可の違いは何か。
【事務局】
学問上と行政法上で違いがある。学問上では、許可は、一般的に禁止されている事項を特定の場合に解除し、適法とする行為であり、認可はある人が行う法律上の行為と公の機関が行う法律上の行為が合致しなければ有効でない場合に公の機関が与える同意である。ただ、実際には、許可も認可も同じような形態で用いられている。
【阿部委員】
規模の大きい事業所を念頭に検討されているように思われるが、障防法全体を見た場合、大小さまざまな事業者に対し、この1つの制度設計で問題ないか、検討が必要では。
【松田委員】
クリアランスを社会に定着させる、一般の人に理解させるという点では、もう少しわかりやすく説明した方が良い。高エネルギー加速器研究機構の加速器は、いつから解体するのか、また、クリアランス対象物はどのように流れるのか。
【説明者(平山)】
本年中にはメインの加速器の運転は停止する予定。解体時期は未定。また、解体したもののうち電磁石等は、東海研究所のJ-PARCで再使用する。
【大森委員】
何を重要核種として選定するのか。
【説明者(平山)】
高エネ研での調査では、加速器の違いによって生成する核種に大きな違いはなく、Co-60とEu-152くらいが重要核種になると思われる。
【反保委員】
P6、P7の図面でいうと、クリアランス対象物はどの範囲になるのか。
【説明者(木原)】
P6の例でいうと、放射線発生装置を設置している室のコンクリート壁の表面から深さ約20センチメートル程度までを対象として試算した。
【小佐古座長】
加速器施設の場合、他の施設では確認されていない核種が存在している可能性もあるので、正確な実測データが必要であると思う。また、P5のクリアランス対象物の物量の試算では、原子力安全委員会の値を用いているが、IAEAのRS-G-1.7の値はそれよりも低い値になっているため、物量も変わると考えられるので、早い時期に試算し直したほうが良い。P4で、放射化物のみとあるが、フィルタやイオン交換樹脂はどのようにするのか決める必要がある。クリアランス制度の検討は、1廃棄物の全体の流れの概念作り、2クリアランスレベル以下であることを測定・判断する方法の検討、3その測定・判断方法に基づく対象物の区分化の検討、4制度設計、5品質保証活動、6トラブルが起きた際のケア、トレーサビリティー等の検討、という流れで行うこと。
【松田委員】
どこに処分されるのか、何に再使用・再生利用されるのか、ドラム缶に入れた時には何本になるか等、廃棄物の全体の流れが見えない。
【山本(幸)委員】
P10で、封印解除時の国による確認において不合格となれば、RI廃棄物になるとあるが、例えば、もう少し減衰待ちすればクリアランスレベル以下になるというような場合、再度、封印するということは考えられないか。
【説明者(河田座長代理)】
ここでの不合格は、他の核種が混入している場合を想定している。
【松田委員】
今まで廃棄物はRI協会が集荷しているというシステムがあるが、今後、クリアランスが実施されると、P10の図ではRI協会はどこで係わるのか。クリアランスされたものが産業廃棄物へ行くことについて、社会や関係業界への説明やデータが必要かと思う。
【説明者(河田座長代理)】
P10の廃棄業者となる。
【小佐古座長】
RI廃棄物には、原研やJNCの廃棄物など、ここに入っていない物量もある。クリアランスは社会で受入れられる制度であることが必要。物量が少ないので本当にリサイクルされるのかも疑問である。
【松田委員】
社会的な安心感を定着させるためには、これまでの保管量等データ的なバックアップが必要で、RI協会はもっと説明する責任がある。
【田中委員】
集荷した後に焼却や溶融した場合には、放射能が濃縮してクリアランスレベルを超える可能性があるので、焼却や溶融した後のレベルがクリアランスレベル以下である方が安心できる。また、産業廃棄物の世界では、排出事業者にはマニフェスト制度があるが、このような考え方も取り入れるような検討が必要。
【小佐古座長】
クリアランスの検討では、すぐにクリアランスレベル以下であることを測定できるかどうかという技術的な検討に入っていくが、全体のクオリティマネジメントがどのくらい信用できるのかが問われている。ランダムサンプリングや品質保証などの考え方が重要であると考える。
【長見委員】
管理体制をどのようにするのか、議論が必要。
【山口委員】
社会がクリアランスというシステムを受け入れられるかどうかは、リスクを上回るメリットが十分にあることを納得しているかどうかで決まると思われるので、社会としてメリットが大きいことを示すのも重要ではないか。
【小佐古座長】
リスクの大きさ別にマネジメントの方法を考えることが必要である。
【山本(英)委員】
放射線発生装置と放射性同位元素の使用では、対象物やクリアランス後の行き先に違いがあるため、同じ障防法でどのようにまとめるのか検討が必要。
【大越委員】
炉規法との整合を考えると、原子炉と放射線発生装置では施設が異なるので、制度も異なるというだけでは理解がされにくいと思われる。
【事務局】
今月中にご意見を頂き、次回以降の議論のベースにしたい。
【河田座長代理】
文部科学省からの依頼を受けて、クリアランス制度の検討をするためにRI協会内にクリアランスの委員会を設けたが、クリアランス技術検討ワーキンググループとの位置づけは。
【事務局】
クリアランス技術検討ワーキンググループでは、検認に係る技術的な事項を検討する場である。RI協会においても、引き続き、クリアランスに係る検討をお願いしたい。
科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室