放射線安全規制検討会(第13回) 議事録

1.日時

平成16年10月4日(月曜日) 13時~15時

2.場所

経済産業省別館 944会議室(9階)

3.議題

  1. 第12回検討会 議事概要(案)の確認
  2. 放射線障害防止法政省令改正のポイント
  3. RI廃棄物のクリアランスについて
  4. その他

4.配付資料

  • 資料13‐1 第12回放射線安全規制検討会 議事概要(案)
  • 資料13‐2 放射線障害防止法政省令改正のポイント
  • 資料13‐3 RI廃棄物のクリアランスについて

5.出席者

委員

 小佐古座長、大越委員、大森委員、日下部委員、近藤委員、反保委員、中村委員、東委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員、米原委員

文部科学省

 青山次長・原子力安全監、加藤原子力安全課長、小原放射線規制室長、茶山保安管理企画官他

6.議事進行

 小佐古座長より新たに委員となられた方々の紹介が行われた。
 茶山企画官より資料13‐2、資料13‐3について説明された。

7.主な質疑応答

<資料13‐2関係>

【中村委員】
 2.使用の許可と届出の区分の考え方について、改正案の内容に賛成である。また、3つ質問がある。まず、放射線発生装置の移動使用について使用の目的が非破壊検査と地質検層に限定されるのか。設計認証の基準について、校正用線源にも適用されるのか。定期講習の期間について、「~(なになに)年以内」を「~(なになに)年毎」にしてはどうか。

【事務局】
 発生装置の移動使用は、まず使用の目的を2つに限定して運用し、実績を積んだ後、他の目的も追加できるものは追加していく。校正用線源も設計認証の基準の対象とし、使用時間やJISの密封性の等級試験について、過度に安全側に評価するのではなく現実的な値を採用することを考えている。定期講習の期間については、「以内」とすることにより、前倒しで受講することができるなど弾力的な運用が可能と思われる。

【山本(幸)委員】
 定期講習について、受講済みでなければ主任者に選任できないようにすることにより、主任者でない免状所有者の積極的な受講につながるのでは。

【事務局】
 使用者である企業の状況などを聞いてみると、予め定期講習の受講を義務化するのは困難と思われる。定期講習制度は、主任者以外の者の受講を阻むものではなく、幅広い受講者層を考えている。

【米原委員】
 6.下限数量以下の非密封線源の使用について、許可使用者以外の者が密封されていない放射性物質を複数種類使用する場合、事業所の範囲をどのように考えるのか。下限数量以下の放射性物質により汚染された廃棄物についても慎重な検討が必要と思われる。また、このような線源を販売する者に対して、購入者への注意喚起を法制化できないか。

【事務局】
 事業所の範囲については、大学等一部例外があるが、一般的な常識の範囲で考えるべき。保管廃棄されている廃棄物の放射性同位元素の数量について、許可を持っていない事業所の場合は所持数量に含め、許可使用者等については現行のとおり含めないことを考えている。許可を持っていない事業所の行う保管廃棄は、法令の基準を充たした保管廃棄とは認めがたいためである。また、下限数量以下の線源の販売者へ販売時の注意喚起を法制化することは困難であるが、ガイドラインの作成など自主的な管理をお願いしたい。

【小佐古座長】
 事業所の範囲の議論は、含まれる問題点も多いためこの場で行わないこととしたい。必要があれば、まず現状を整理し、今後慎重に検討するべき。

【近藤委員】
 規制下限値以下の放射性物質について、取り扱う者に対し、放射線障害防止法上の健康診断や放射線管理規制は必要なくなるのか。また、大規模放射光施設などの管理区域に関する規制の合理化について改正案に賛成である。

【事務局】
 規制下限値以下の放射性物質の管理については、各々の事業所の自主的な管理にゆだねられることとなる。

【小佐古座長】
 放射線障害防止法の対象事業所は、大小様々である。そのため、事業所の規模に応じた議論が必要と思われる。

【東委員】
 経過措置に関する改正案について賛成である。ぜひ、改正案のとおりの法制化をお願いしたい。また、密封線源の使用事業所の選任できる放射線取扱主任者の区分と許可使用者の届出対象線源の取扱いについて確認したい。

【事務局】
 1台で10テラベクレル以上の機器を使用する特定許可使用者は第1種放射線取扱主任者を選任しなければならない。他の密封線源のみを使用する許可届出使用者は第2種放射線取扱主任者を選任できる。許可使用者が届出対象線源を追加した場合の取扱いについては、検討中であるが、届出対象線源は設計認証機器への移行が見込まれるため、そのようなケースは、少ないのではないかと考えている。

【反保委員】
 許可使用者が下限数量以下の放射性物質を管理区域外の使用の場所を定めて使う場合の手続きはどの程度となるか。

【事務局】
 被ばく評価、遮へい計算は必要ないと思われるが、使用する場所が特定され、使用する数量が下限数量以下であることを申請していただくことを考えている。

【大越委員】
 廃棄物埋設地に、採掘可能な地下資源のないような場所を選定すべき旨の規定を加ることは考えているのか。廃棄確認の制度は取り入れられるのか。また、放射性廃棄物中の有害物質についてどのように考えているか。

【事務局】
 埋設地の立地基準については今後検討を進めたい。埋設確認の制度は法律上取り入れられている。有害物質については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律と整合性がとられるように考慮する。

【小佐古座長】
 廃棄物埋設に関する規制は、炉規法が先行している。廃棄物埋設の規制を検討する上で参考にしながら、障害防止法に特有な部分については追加的な基準を検討していただきたい。
資料13‐2に関するご意見は、随時事務局へお願いしたい。事務局は、取り入れるべき意見は取り入れ、この検討会で報告してほしい。

<資料13‐3関係>

【中村委員】
 今後のクリアランスに関する検討スケジュールはどのようになるのか。

【事務局】
 早期法制化を考えているが、クリアランスレベルの値は原子力安全委員会での検討となる。この検討会ではクリアランスの制度についてご議論いただきたい。

【小佐古座長】
 まず、情報の整理が必要。原子力安全委員会においても、クリアランスに関する統一的な検討が行われており、近いうちに報告される。

【近藤委員】
 クリアランスについて事業者側での検討は進んでいない。制度が先行することもあり得るか。

【事務局】
 今後の検討において、事業者の協力も得ながら、物量や効果など調査を行うべきと考えている。

【山本(英)委員】
 炉規法のクリアランスは、施設の解体により発生する放射化された金属やコンクリートを中心に議論が進められた。この検討会では、何をクリアランスの対象とするのかをまず議論してはどうか。

【事務局】
 加速器施設の放射化されたコンクリートや金属片は、炉規法が参考になると思われる。非密封RIの使用事業所から発生する廃棄物のクリアランスは慎重な検討が必要。短半減期の核種によって汚染された物については、使用数量により対象事業者を限定し、減衰するまで保管する、半減期の長いものについては、使用数量のすべてが廃棄物に付着しているとの前提で評価するなど思い切ったことも必要と思われる。

【小佐古座長】
 クリアランスの議論は3つの段階に分けて行われるべきと考える。まず、事業者側の意見の聴取が必要。物量や経済的な面など。2番目にクリアランスレベルの検討である。クリアランス対象物とそれにあわせたシナリオを検討することが必要。場合によっては、IAEAの報告書が参考となると思われる。3番目に検認の方法の検討である。物量や経済性を踏まえ議論することが必要である。

【中村委員】
 RI廃棄物の回収に、核種別の収集を取り入れることなどを検討してはどうか。法令の施行までの間、行政側と使用者側の意見交換の機会を十分に用意すべき。

【小佐古座長】
 クリアランスについて事業者側での検討は進んでいない。制度が先行することもあり得るか。

【近藤委員】
 本日の議論を参考に、まず情報の整理を行い今後検討を進めることが必要と思われる。

【事務局】
 10月21日までに、ご意見をいただきたい。免除レベルと直接関係のない部分については、今回の政省令改正に間に合わなくとも引き続き検討することが可能と考えている。

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科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)