放射線安全規制検討会(第12回) 議事録

1.日時

平成16年6月17日(金曜日) 10時~12時

2.場所

経済産業省別館 944会議室(9階)

3.議題

  1. 航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループの開催について
  2. 放射線障害防止法の改正内容と政省令の改正事項について

4.配付資料

  • 資料12‐1 第11回放射線安全規制検討会 議事概要(案)
  • 資料12‐2 「航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討ワーキンググループ」の開催について(案)
  • 資料12‐3 放射線障害防止法の改正内容と政省令の改正事項
  • 参考資料1‐1 平成16年159回国会「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案関係資料」
  • 参考資料1‐2 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律に基づく文部科学省の規制活動に対する原子力安全委員会の対応について(原子力安全委員会決定)

5.出席者

委員

 小佐古座長、河田座長代理、阿部委員、大森委員、長見委員、近藤委員、中村委員、東委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員、米原委員

文部科学省

 小田原子力安全監、青山原子力安全課長、石田放射線規制室長、依田放射線安全企画官、茶山保安管理企画官他

6.議事進行

依田企画官より資料12‐2について説明
茶山企画官より資料12‐3、参考資料1‐1、参考資料1‐2、参考資料2について説明。

7.主な質疑応答

<資料12‐2関係>

【山本(幸)委員】
これから調査し、明らかになるであろう航空機乗務員等の被ばく線量などの結果について、具体的にどのように対応するのか。

【事務局】
科学的な知見をまとめ、国内外の航空機乗務員に対する宇宙線被ばくの対策を整理し、宇宙線被ばくに対する考慮すべき点を検討する。また、関係省庁や関係機関と連携し、具体的対策を検討することを考えている。

【小佐古座長】
1990年のICRP勧告では、ウラン、トリウムなど自然起源の放射性物質、空気中のラドン、宇宙船乗務員の被ばく、国際間を飛ぶジェット飛行機の乗務員の被ばくについては、線量の高いものについては何らかの考慮、あるいは場合によればコントロール下に入れる必要があるとされている。

【事務局】
放射線審議会から宇宙線被ばくについて、十分な調査・検討を行い、国際的動向も考慮して対応するという意見具申をいただいている。しかし、文部科学省が所管している放射線障害防止法は物質規制であり、宇宙線被ばくに対して障害防止法をそのまま適用することはなじまない。また、厚生労働省の労働安全衛生法も人工的な放射性物質を対象としており、宇宙線被ばくについては、対処が困難であるというのが基本的な考え方である。調査の結果、宇宙線被ばくに対する何らかの対応が必要であるとの結論が出た場合、ガイドライン、あるいは自主基準等で管理することが必要でないかと考えている。

【近藤委員】
このワーキンググループの検討対象には宇宙船の乗務員の被ばくは含まれているのか。

【事務局】
宇宙飛行は含まない。

<資料12‐3関係>

【東委員】
届出から許可になる使用事業所について、手続など準備を促すような周知が必要と思われる。

【小佐古座長】
第1に、政省令の詳細を早急に検討していただき、第2に、専門家あるいは関連学会などにおいて周知を図る。第3に幾つかの広報資料をつくり、効率的な広報を図ることが必要と思われる。

【中村委員】
政省令の改正に関して、例えばこの検討会で報告をしてもらい、それについてディスカッションするというような機会を与えてほしい。

【山本(幸)委員】
放射線取扱主任者の再講習の件について、「登録定期講習機関(分野に応じ関連学会、関連機関)が実施する」とあるが、「分野に応じ関連学会、関連機関」というのは、例えばどういうことを考えているか。

【事務局】
一定の登録要件を満たす方に、国の決めたやり方に従って定期講習などを実施していただくこととなる。今、具体的にどの機関にお願いするといったことがあるわけではない。特に定期講習の場合は、ある程度、各機関の方のいろいろな工夫が可能となるような方策を考えていくべき

【阿部委員】
埋設処分に関して、規制行為が行われたときには原子力安全委員会に報告を求めるなど、かなり定期的なものが含まれているが、その他、埋設処分以外で安全委員会が注目している項目があるか。

【事務局】
原子力安全委員会の決定等で、埋設処分に関する項目のように報告を求められている例は他にはない。ただ、原子力安全委員会には、例えば放射線障害防止法対象下の施設の放射線業務従事者の被ばく線量の状況など定期的に報告をしている。

【河田座長代理】
例えば第4条関係、販売・賃貸の許可について、一般の使用の許可と異なる運用面があることなど、規制当局は十分承知していると思われるが、政省令で審議する段階では十分に配慮すべき。

【大森委員】
法令の施行までの間、行政側と使用者側の意見交換の機会を十分に用意すべき。

【長見委員】
かなり広い範囲に障害防止法の対象となる事業者及び研究所が存在する。誤解のないように、できるだけ早く政省令の内容の周知徹底すべき。

【山口委員】
医療分野における二重規制に関して、もしも医療法だけで見ても安全確保ができて、それで規制を改正したことによる影響が大きければ、改正について検討してもいいのではないか。

【山本(英)委員】
附帯決議について、衆参両院ともに、事故などに対して「影響度等を公平・適正に評価し」というキーワードが出ている。この「公平・適切」ということについて具体的な方策が想定されているのか。

【事務局】
IAEAの議論の中に、国際原子力スケールというものがあり、これは、従来は原子力発電所の事故について8段階に分類して、大まかに国民等にわかりやすく事象を説明するというもの。先般、専門家会議が開かれ、おおみねRIについてもまとめられた。今後、我が国も試行的にできることがあると考えている。

【米原委員】
現行、定期数量以下のいろいろ線源が出回っているが、実際に新しい法律が施行されたときに、実際の放射能を確認しなければならないがその方法と、それから、定義数量以下のものであるため、時間がたってから出てくるというものがあると思われる。措置経過ではどのように考えているか。

【事務局】
新しく規制対象となるものの経過措置は、政省令を考えていく中での一番大事なポイントの1つ。まずは事業者の皆さんにしっかり管理区域をお調べいただくことをお願いしたい。特に研究機関など非常に多くのチェッキングソースその他を所持していると思われるので、十分に検討し、またご意見を承りながら詳細な制度の設計をしたいと思っている。

【小佐古座長】
何らかのガイドライン、マニュアルを用意し、どういう基準で、どういうふうな手続を踏むということがだれがやっても同じ手順となるようにしていただきたい。新たな規制対象となる線源に関することも、放射線取扱主任者そのガイドライン、マニュアルに従って認知し、登録していくということが必要。数が多いため、IT化し効率的な規制方法を構築すべき。
いろいろなご意見をいただきましたけれども、いただいたご意見は、今後、省政令の中で、ぜひ検討していただきたい。

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科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)