放射線安全規制検討会(第10回) 議事録

1.日時

平成15年7月23日(水曜日) 10時~12時

2.場所

経済産業省別館11階 1111号会議室

3.議題

  1. 意見募集結果について
  2. 「国際免除レベルの法令への取り入れの基本的考え方について(中間報告書(案))」について
  3. その他

4.配付資料

  • 資料10‐1 第9回放射線安全規制検討会 議事概要(案)
  • 資料10‐2 中村尚司委員からの御意見
  • 資料10‐3 山本幸佳委員からの御意見
  • 資料10‐4 放射線安全規制検討会中間報告書(案)に寄せられた意見
  • 資料10‐5 放射線安全規制検討会中間報告書(案)に寄せられた意見と回答
  • 資料10‐6 国際免除レベルの法令への取り入れの基本的考え方について中間報告書(案)

5.出席者

委員

 小佐古座長、河田座長代理、阿部委員、石榑委員、長見委員、日下部委員、東委員、山口委員、山本幸佳委員、山本英明委員

文部科学省

 広瀬原子力安全監、青山原子力安全課長、石田放射線規制室長、茶山保安管理企画官他

6.議事進行

茶山企画官より資料10‐2、10‐3について説明

7.主な質疑応答

<資料10‐2、3関係>

【山本(幸)委員】
現在、主任者の選任について既得権のない診療放射線技師の方について、既得権を与えるのはどうか。また、3種放射線取扱主任者について、特にこだわるわけではないが、「主任者」という言葉が現場の担当者と混同されているところがあるため、第1種主任者との違いをはっきりさせるためにも、この第3種放射線取扱主任者という言葉はどうかと思われる。

【小佐古座長】
論点は2つあり、第1の論点は、医療限定の放射線取扱主任者に診療放射線技師を加えるかどうか、2番目の論点は、3種の免状について、「取扱主任」という言葉を使うかどうか。

【山口委員】
放射線取扱主任者の医療用限定というのは経過措置と認識している。また、診療放射線技師の方は、学校教育で十分に教育を受けられているため、医療用限定の免状を与えないという理由もないのではないか。

【小佐古座長】
後の議論でまた出てくるため、引き続きご意見をいただきたいが、この場では、診療放射線技師には適用すべきではないということにしたい。

【東委員】
新届出という枠の中で、第3種主任者が必要だと理解しているので、実務担当だけの業務になるのかどうか見えない部分がある。現行の第2種の限定版というようなイメージで考えているがどうか。

【阿部委員】
「取扱者」という名称にしてしまうとこの人しか扱えないという印象を与える。例えば、「密封小線源の管理者」ということでもいいのだが、やはり限定された主任者という位置づけがいいのではないか。

【事務局】
「主任者」の名称を使うことについては、対象として現行第2種が求められている核種が新届出に相当する場合もあり、法令上の区分の整理の点からも「主任者」の名称を提案している。

【山本(幸)委員】
将来的に、第1種放射線取扱主任者の職務が監督であるということが明確になるような名称に変えるような方向で考えてほしい。

<資料10‐4関係>

【山本(幸)委員】
法令施行時に、減衰により免除レベルを下回っていた場合は新法令の適用免除ということか。

【事務局】
法令施行時に、減衰により免除レベルを下回っていれば、適用から除外すべきではないかと考えている。しかし、減衰補正による規制の緩和や手続きの簡素化とは切り離して考えていただきたい。

【山本(幸)委員】
法律の施行時に計算上減衰していることが確認できればよいのか。それとも測定が必要か。

【事務局】
詳細な手続きをどう求めていくかは、今後の検討となる。

【阿部委員】
規制の遡及適用に関して、経過措置終了後の対応についても、回答を作成する必要があるのではないか。また、廃棄業者は、被規制者であり意見募集の回答に持ち出すのは適切ではないのでは。

【事務局】
規制の移行期において円滑な措置が行われるように、廃棄業者に対し協力をお願いしたい旨の意味も含まれている。

【小佐古座長】
オーファンソースについて、現状では発見した人が費用負担するなど不合理な点もある。また、廃棄業者は事故時対応するための事業者として許可されているわけではない。事故時の対応の明確化、保険の問題など継続審議というまとめではどうか。

【事務局】
身元不明線源が見つかった場合の責任の所在は非常に難しい問題である。線源の製造者、輸入者、使用者が最後まで責任を持つようなシステムを作らなければならない。非常に大きな問題を抱えており別途検討とさせていただきたい。

【事務局】
例えば、廃棄業者のところは削除させていただき、文部科学省において十分な対応がとられることを求めるということでどうか。

【山本(幸)委員】
定期検査に民間団体を活用すべきという質問に対しどのようにお考えか。

【事務局】
一連の公益法人改革などの議論の中で、原子力の安全規制にかかわることについては、指定機関の制度ということで決着している。

【山本(幸)委員】
「使用者」を「使用事業者」にすべきということに対して、「呼称を改める必要があるとは考えない」とあるが、もうすこし考えてもいいような気がするが。

【事務局】
特段の問題が発生しているなど、法律を改正する必要に迫られている場合でないと言葉の変更も難しいと思われるが、今後検討していきたい。

【長見委員】
二重規制というのはどこでも悩みになっている。関係省庁との議論やコミュニケーションにより、法制化していく段階で具体的に調整していただきたい。

【小佐古座長】
資料10‐6「中間報告書(案)」について、放射線取扱主任者のところが相当程度変わっている。当該部分の説明を先にお願いしたい。

【事務局】
一定期間ごとの講習については、医療機関専門の講習機関を用意するなど、今後関係省庁と協力し進めていきたい。また、事故の割合が多いという問題と資格の問題との関係について、第1種の資格を持っている者を主任者に選任している場合と、医師を医師の資格で主任者にしているところとの間で、事故の件数について有意な差が出なかったこともあり、その効果について疑問とする意見をいただいている。

【山本(英)委員】
事故がどうこうだからというより、ここの論旨の展開は、放射線取扱主任者の技術的能力の維持・向上ということが柱としてあるべき。もともと講習を受ける前に、なにも知らない人が資格を持っているべきではないということは、もとの案のようにはっきり述べておくべき。

【阿部委員】
放射線取扱主任者の件は、非常に難しい件を含んでおり、事務局提案の長期に検討して今後の対応を図るのがいいのではないか。

【長見委員】
あまり長期の検討としてもどうかと思われる。せいぜい3年くらいで結論が出るようにしてほしい。

【日下部委員】
放射線発生装置でも密封線源でも、重要な治療機器としてさらに発展し、利用されていくもの。現行のままでいいとは思わないが、資格を持った主任者の才能をもっと伸ばすようなシステムをつくらないと解決の道には向かないと思われる。

【東委員】
事故の内容を把握し、それが第1種医療用の放射線取扱主任者という制度にかかわってくることかどうかを議論すべき。

【小佐古座長】
事故の件数は、あまり議論の中心ではなく、規制を免除するという考え方自身が、昭和30年代の防護の考え方ではなく、新しい合理性を持って説明性があるものは従前の既得権益を、場合によれば取り上げる。取り上げるけれども、新しい対応措置でもってより合理的なシステムに移行したいというのが今回の法令改正に向けての検討の趣旨だと思われる。

【事務局】
中間報告書には、今後の検討の提案として、第1種放射線取扱主任者免状(医療用)の可能性について、今後の放射線取扱主任者の技術的能力の維持・向上の効果も見ながら、継続的、長期的に検討させていただきたい。

【小佐古座長】
引き続き検討することが必要であるということで、セキュリティーの問題や事故後の扱いなど、この検討会、場合によれば別の委員会などで可及的速やかに関係者の意見聴取等行う方がいいのではないか。また、いただいた趣旨を意見の回答として反映していただき、事務局で修文されたあとの扱いですが、座長預かりということでよろしいか。その後、検討会委員の方々にはお送りさせていただきたい。

<資料10‐6>

【小佐古座長】
若干の修正が行われるようであるが、大体まとまっている。座長預かりにさせていただき、確認の上、委員の方々には送付させていただく。短い期間に中身の濃い議論をやっていただき感謝します。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)