平成20年7月22日(火曜日) 14時~16時
三番町共用会議所 第4会議室(1階)
小佐古座長、近藤座長代理、木村委員、日下部委員、田中委員、反保委員、蜂谷委員、古川委員、山口委員、山本幸佳委員、米原委員
文部科学省 科学技術・学術政策局 川原田次長・原子力安全監、黒木原子力安全課長、中矢放射線規制室長、桐生放射線安全企画官、粟辻原子力安全課長補佐 他
(説明者) 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 木原氏 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 吉岡氏
【近藤座長代理】
研究RI廃棄物の種類別集荷割合について、集計から除かれている廃止に伴う大量の廃棄物及び特殊RI廃棄物は、どれくらいの量が保管されているのか。
【古川委員】
現在200リットルドラム缶で4,000本程度になる。
【日下部委員】
研究RI廃棄物に含まれる放射性核種の放射能割合に示されているPm(プロメチウム)‐147は、夜光塗料として使われたものか。
【古川委員】
その通り。最近では、夜光塗料として新しいルミネッセンスのものが使用されてきている。このため、Pm(プロメチウム)‐147が夜光塗料として日本で使われなくなりつつあり、Pm(プロメチウム)‐147を使用する夜光塗料メーカーの事業所が廃止の手続をしており、ここ5年ほどPm(プロメチウム)‐147の廃棄物が多くなっている。
【田中委員】
RI廃棄物の可燃性廃棄物の焼却処理設備は何基あるのか。
【古川委員】
資料にあるような大型の焼却処理設備は、RI廃棄物専用としてはRI協会が1基、研究RI廃棄物も原子炉等規制法下の施設から発生する廃棄物も焼却することができる設備としては日本原子力研究開発機構が2基持っている。その他、液体シンチレーション用の焼却炉など小型のものがある。
【田中委員】
一般廃棄物では、処理技術の発展とともにプラスチックが従前の燃えないごみから燃えるごみへと変更しつつあり、放射性廃棄物についても処理技術の発展とともに処理方法を検討したら良いと思う。
【古川委員】
現在は、可燃物、難燃物、動物、焼却型フィルタ及び通常型チャコールフィルタのフィルタ部分について焼却処理を行っている。
【米原委員】
医療RI廃棄物の主要な放射性核種は何か。
【古川委員】
医療RI廃棄物はI(ヨウ素)‐125が主要な放射性核種である。研究RI廃棄物と医療RI廃棄物は分離して回収している。
【小佐古座長】
集荷時の放射性核種による廃棄物の分別はどうなっているのか。
【古川委員】
将来の埋設処分を適切に行うためCl(塩素)‐36、Sr(ストロンチウム)‐90、Tc(テクネチウム)‐99、I(ヨウ素)‐129について、他の核種と分別して廃棄物を回収している。
【田中委員】
医療RI廃棄物の集荷本数が近年減少している理由如何。
【古川委員】
インビトロ検査(血液検査など)で技術革新により放射性核種を使用しない検査になってきているためである。
【反保委員】
現在の廃棄物が55万本であり、埋設処分物量の見込みが平成60年までに廃棄体換算で53万本となっているのは、現在の廃棄物が減容されるということなのか。
【木原氏】
そのとおり。
【反保委員】
研究施設等廃棄物には、浅地中処分より深いところに埋める濃度の廃棄物がないという理解でいいか。また、埋設処分物量の区分に用いた濃度上限値は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「炉規法」という)の値を使用しているのか。
【木原氏】
研究施設等廃棄物では、浅地中処分であるトレンチ型処分、ピット型処分相当の廃棄物が大部分を占める。埋設処分物量の区分のための濃度上限値は、とりあえずの目安として炉規法の値を用いている。
【近藤座長代理】
研究RI廃棄物の埋設処分において濃度上限値の設定対象となるのはトレンチ処分のみとしているがピット処分は設定対象としないのか。
【事務局(岸本)】
人工構築物を設けるかどうかの区分の目安を定めるということでトレンチ処分の濃度上限値のみを設定することを考えている。
【中矢放射線規制室長】
濃度上限値は、安全性の確保に関わるものではなく、トレンチ処分を行うことが可能な廃棄物の範囲の目安を与えることが目的であり、トレンチ処分の範囲を設定すればピット型処分の範囲は把握できるので、ピット処分の濃度上限値を定めることは考えていない。
なお、安全性は、濃度上限値とは別に事業許可申請書に記載された放射性核種の種類と量に基づいた安全審査によって、個別の埋設計画ごとに確保されることになる。
【近藤座長代理】
基準線量相当濃度は、クリアランスレベルを示しているのか。
【中矢放射線規制室長】
この濃度は、クリアランスレベルではない。同じ基準線量値10μSv/y(マイクロシーベルトパーイヤー)を設定しても、埋設処分のみを前提に廃棄物量や環境への移行シナリオ等が異なるため、算出される濃度が異なることになる。
【小佐古座長】
原子炉施設から発生する廃棄物は、核分裂と放射化による生成核種で汚染しているため、組成比等を用いて重要核種を選定することができたが、RI廃棄物は、含まれる核種や汚染形態が多種多様であり、原子炉施設から発生する廃棄物における検認手法の適用が難しい。重要核種の選定にあたっては、検認の運用も考慮に入れた検討が必要である。
【反保委員】
RI使用施設と放射線発生装置使用施設から発生した廃棄物では、重要核種が違ってくると考えられるが、濃度上限値の設定は、それぞれで分別して行うのか、共通で行うのか。
【木原氏】
計算結果を見て最終的には共通としたい。
【近藤座長代理】
放射線発生装置使用施設から発生する廃棄物は、ほとんどが一次粒子との反応によって生じた二次粒子である中性子による放射化物と記載しているが、クリアランス対象物と違い、マグネット部など一次粒子にさらされるところも対象となるため、一次粒子及び二次粒子による放射化物と記載する方が良い。
【近藤座長代理】
評価対象核種の選定において廃棄体中の放射能濃度が1Bq/t(ベクレル毎トン)以上の核種を対象としている理由如何。
【木原氏】
炉規法において濃度上限値を設定する際に、この値よりも低いものについては検討から除外しており、炉規法と整合性をとったものである。
科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室