資料第25-5号:クリアランス判断方法の検討に関する基本方針(案)

 平成21年4月21日
放射線規制室

 資料第25-3号に示したとおり、クリアランスWGにおいて、クリアランス判断方法に係ることとして、次の事項について検討を行い、平成18年度中間報告書をまとめている。
 (1)放射線発生装置の解体等に伴って発生するRI汚染物に対するクリアランスレベル以下であることの測定・判断方法
 (2)短半減期核種のみによって汚染されたRI汚染物に対する減衰保管廃棄の考え方
 今回、放射線障害防止法にクリアランス制度を導入するにあたって、クリアランス判断を実際に行うことが可能と考えられる当面の対象物を整理して、具体化を進める必要があり、判断方法に係る検討の基本方針を次のとおりとしたい。なお、放射線障害防止法におけるクリアランス制度の基本的概念としては対象物を限定的とはしない。

1.放射線発生装置の解体等に伴って発生するRI汚染物

 平成18年度中間報告書に示された課題等に基づき、次のように検討する。

(1)検討内容

 1)合理的なクリアランスの判断を行うため、まず放射化物の生成範囲に着目した放射線発生装置の分類を行う。
 2)放射化の程度が小さい装置(医療用電子直線加速器等)について、装置及び施設構造物が放射化していないことやクリアランス適用可能であることが明らかであると判断できる技術基準の成立性を評価する。なお、技術基準の成立性は、個別の評価(特に実測)を伴わずに装置や施設の仕様に基づき一括して判断可能かどうか等を検討する。
 3)2)の対象とならない比較的放射化の程度が大きい装置については、施設毎に放射化状況が異なるため、クリアランス判断が必要とされる際に個別に評価されるものと考えられるが、必要に応じて汎用性のある事前評価から測定・判断に至るまでの方法の標準化等の検討を行う。

(2)検討の進め方

 1),2):当面の検討対象とし、技術的事項であることからクリアランスWGにおいて検討を進める。本年12月頃までに法改正作業に資するためのとりまとめを行い、さらに平成22年11月頃までに省令・告示等整備に資するためのとりまとめを行う。
 3) :高エネルギー加速器研究機構等の比較的大きな加速器施設における解体計画の具体化等により、事業者からデータ提供を受けられる状況となることを前提として、必要に応じて技術的検討を行う。

2.放射性同位元素の使用等に伴って発生するRI汚染物

2.1 短半減期核種のみによって汚染されたRI汚染物の減衰保管廃棄

 平成18年度中間報告書においてクリアランス制度における減衰保管廃棄の技術的な成立性を確認しており、ニーズ調査の結果を踏まえて実際に制度化するための検討を次のとおり行う。

(1)検討内容

 1)クリアランス制度における減衰保管廃棄
 平成18年度中間報告書に示されたクリアランス制度における減衰保管廃棄の考え方について、次の点に着目してより具体的な検討を進める。
 ・  対象核種の半減期、最大使用数量、必要な減衰期間
 ・  短半減期核種のみによって汚染された廃棄物とする要件
 ・  長半減期核種等との混在可能性に応じた品質保証体制
 ・  「クリアランス制度における減衰保管廃棄」と「陽電子断層撮影に伴い発生する半減期の極めて短いRI汚染物を、RI汚染物でないとする制度」(以下、「PET減衰保管廃棄制度」という。)の整合性や選択の可能性

 2)PET減衰保管廃棄制度
 短半減期核種のみの使用許可等、長半減期核種と混在しないことが明らかなRI汚染物については、1)に示すクリアランス制度における減衰保管廃棄の検討を踏まえながら、平成16年3月に省令等に規定したPET減衰保管廃棄制度の適用も考慮することとし、次のことを検討する。
 ・適用核種の拡大
 ・適用核種を拡大した場合の判断のあり方

(2)検討の進め方

 当面の検討対象とし、技術的事項であることからクリアランスWGにおいて検討する。本年12月頃までに法改正作業に資するためのとりまとめを行い、さらに平成22年11月頃までに省令・告示等整備に資するためのとりまとめを行う。

2.2 減衰保管廃棄以外の方法によるクリアランス判断

 クリアランス制度は適用可能であるが、測定が困難な核種が含まれる場合、現実的な判断方法の現時点での確立は難しいと考えられることから、2.1の検討を優先しながら、適用可能な判断方法について適宜検討を進める。

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科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室

(科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室)