参考資料2
中間報告書(案)
平成15年4月
放射線安全規制検討会
文部科学省
科学技術・学術政策局
放射線審議会基本部会は、平成14年10月、国際基本安全基準における規制免除レベルの国内法令への取り入れについての検討結果の報告書「規制免除について」を放射線審議会総会に報告し了承された。報告書では、国際原子力機関(IAEA)などが提案した国際免除レベルを国内関係法令に取り入れることは、様々な角度からの調査審議の結果適切であると結論づけられている。
文部科学省科学技術・学術政策局に設けられた放射線安全規制検討会は、上記審議結果を受けて、放射性同位元素等の使用形態の多様化などの社会環境の変化にも対応すべく、国際免除レベルの法令への取り入れの基本的な考え方について検討を進めてきた。
本検討会は、国際免除レベルを我が国の国内法令に取り入れるに当たって、放射性同位元素等の規制に関して安全確保を図りつつ、より科学的、合理的なものにするという観点から、公開の会議において、国民の視点に立った検討を行った。
なお、自然放射性物質に係る国際免除レベルについては、現在、放射線審議会基本部会で検討されていることから、本報告書では取り扱っていない。
本報告書は、現在までの8回にわたる検討内容を取りまとめたものであるが、本報告書の内容を踏まえ、文部科学省において法令への取り入れに向けた具体的な検討が進められることを期待する。
国際原子力機関(IAEA)は、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告を踏まえ、国際労働機関(ILO)、世界保健機構(WHO)など等の国際機関と共同して国際基本安全基準(BasicSafetyStanderds)の一環として、「電離放射線に対する防護と放射線源の安全のための国際基本安全基準」(以下「BSS」という。)を1996年に改訂刊行し、その中で規制免除に関する具体的な基準である国際基本安全基準免除レベル(以下「国際基本安全基準免除レベル」という。)を提示した。
国際基本安全基準免除レベルは、通常時では実効線量を年間10μSv、事故時では実効線量を年間1mSv、かつ、線源の1年間の使用による集団線量が1man・Svを超えないとする線量基規準を定めた上で、核種毎の違いや一定の被ばくシナリオに基づく被ばく計算により核種ごとに設定された規制を免除する具体的数値基準であり、核種ごと毎の放射能(Bq)、放射能濃度(Bq/g)からなの具体的数値基準である。
BSSでは295核種について放射能(Bq)、放射能濃度(Bq/g)が定められているが、英国放射線防護庁(NRPB)が1999年に刊行したBSSに記載のない核種の免除レベルに関する報告書(以下「NRPB‐R306」という。)において、BSSの295核種に加え、1996年にIAEAが刊行した放射性物質安全輸送規制(以下ST‐1という)に定められた113核種及び新たに計算した356核種分の免除レベルを追加し、合計765核種分の免除レベルが示されている。
BSSに示されている国際基本安全基準免除レベルは、国際機関により合意された科学的根拠に基づく線量基規準を用いて、核種の特性を反映し個々核種ごとに計算されている。
国際基本安全基準免除レベルの我が国の関連法令への取り入れについては、放射線審議会基本部会で科学的な検討がなされた結果、免除した放射性同位元素からの被ばくに対する国民の安全性を担保する観点から問題はないく、放射性物質の国際間の移動に伴う国際的整合性などを考慮すれば、IAEAなどが提案した国際免除レベルを国内法令に取り入れることが適切とされている。
このため、国際基本安全基準免除レベルを法令へ取り入れ、我が国の放射性同位元素に対する安全規制の体系をより科学的かつ合理的なものとすることが必要である。
また、国際基本安全基準免除レベルは、国際機関で取とりまとめられたものであり、欧州を中心に取り入れが進んでいる。
放射性同位元素の貿易や国際輸送の円滑化、安全性の向上のためにも、世界共通の基準を取り入れることが必要である。
(放射線障害防止法における現状)
放射性同位元素等による放射線放射線障害の防止に関する法律(以下「放射線障害防止法」という。)では、放射性物質の定義数量が以下の通とおり告示で示されているが、いずれも核種ごと毎に定められているわけではない。
非密封線源:核種を4群に分類3.7kBq~3.7MBq
密封線源:核種に関わらず一律3.7MBq
なお濃度については、密封線源、非密封線源に関わらず、一律74Bq/g(自然に存在する放射性物質で固体状のものについては370Bq/g)とされている。
(国際的に免除レベルが検討された核種)
BSSでは295核種について国際基本安全基準免除レベルが提示されている。更に同じ考え方に基づく免除レベルとして、NRPB‐R306に示されたている765核種があり、両者の数値について2002年10月に放射線審議会基本部会が国内法令への取り入れについて検討し、両者ともに妥当であるとの結論を出している。
(国内法令取り入れの核種の取上げ方)
我が国で利用されている主要な放射性同位元素(密封線源:18核種、非密封線源:41核種)についてみると、BSSのに示されている295核種には、密封線源として利用されている3核種(Ge‐68、Sn‐119m、Yb‐169)、非密封線源として利用されている3核種(Ga‐67、Ge‐68、Tc‐95m)がそれぞれ含まれていない。一方、NRPB‐R306のに示されている765核種には、我が国で利用されている主要核種の全てが含まれている。ここで、別紙1に主要核種に関する国内の利用実績とIAEA,NRPB免除レベルとの関係を示す。
このため、今回の法令取り入れにあ当たっては、NRPB‐R306のに示されている765核種を採用することが適当であると考えられる。
以後、この報告書では、便宜的にNRPB‐R306のに示されている765核種の免除レベルを「国際基本安全基準免除レベル」と呼ぶこととする。
なお、765核種以外の核種については、我が国でもほとんど利用実績のないものであるため、個別核種ごと毎ではなく、放出する放射線やその核種の半減期を考慮するなど何らかのグループ化により取り扱うやり方をとることが適当であると考えられる。
(密封線源の利用例)
密封線源は、放射性同位元素をステンレスなどのカプセルに封入した形状で用いるもので、次のような利用例がある。
我が国で密封線源として利用されている主な核種は、Co‐60、Kr‐85、Cs‐137、Yb‐169、Ir‐192等のなど18核種である。
規制対象事業所数: 3,994事業所(平成14年3月31日現在)
その他、以上のような規制対象事業所とは別に、校正用線源、装置点検用線源、密度計など、定義数量以下の線源を利用した機器などが多数使用されている。
(現行の安全規制の内容)
1.許可と届出
密封線源は、数量について核種に関わらず一律3.7MBqを超え、3.7GBq以下のものの使用については届出、3.7GBqを超えるものの使用については許可を要するものとしている(なお、濃度については、一律74Bq/g(自然に存在する放射性物質で固体状のものについては370Bq/g)としている。)。
2.規制の区分(別紙12参照)
密封線源に対する規制は、大きく分けて以下の4つの仕組みにより行われている。
(1)許可(施設検査又は定期検査有りを伴う)
(2)許可(施設検査と定期検査ともに無しを伴わない)
(3)届出(一般)
(4)届出(表示付放射性同位元素装備機器)
3.主要な規制の内容
(1)許可の基準(法第6条)
(2)施設検査(法第12条の8)、・定期検査(法第12条の9)
(3)施設基準適合義務(法第13条)、取扱いの基準(法第15条~19条)、場の測定(法第20条)、被ばくの測定(法第20条)、放射線障害予防規定届出(法第21条)、教育訓練(法第22条)、健康診断(法第23条)、危険時の措置(法第33条)、放射線取扱主任者選任(法第34条)
4.上記の規制の中で、特に密封線源であることを考慮したものとして、次のような点が求められている。(別紙23参照)
(密封線源の規制対象範囲)
国際基本安全基準免除レベルの取り入れにより、密封線源に関しては、規制対象となる濃度については119核種(Na‐22、Sc‐46、Mn‐54、Fe‐59、Co‐60、Zn‐65、Cs‐134、Cs‐137、Ir‐192、Ra‐226、Am‐241、Cf‐252など等)の免除レベルが、規制対象となる数量については224核種(Na‐22、P‐32、Sc‐46、Mn‐54、Fe‐55、Fe‐59、Co‐60、Kr‐85、Sr‐90、I‐125、I‐131、Cs‐134、Cs‐137、Tl‐204、Ra‐226、Am‐241、Cf‐252など等)の免除レベルが、現行の定義数量に比べてそれぞれ引き下げられ、総体的に規制対象範囲が広がることになる。
また、機器に装備された放射性同位元素としてみれば、別紙34に示す通とおり、総体的に規制対象範囲が広がることになる。
(許可と届出の枠組み)
放射性同位元素の使用等に係る安全確保のための規制は、以下に示すとおり3つに大別される。
1.施設に係る規制(以下「施設規制」という。)
(主な内容)
2.取扱い行為に係る規制(以下「行為規制」という。)
(主な内容)
3.廃止、譲渡、・譲受に係る規制(以下「廃止等規制」という。)
(主な内容)
国際基本安全基準免除レベルを導入した場合においては、濃度、数量ともに大きく、放射線の影響の可能性も大きい線源については、施設規制、行為規制及び廃止等規制をともに厳格に適用することが必要であり、濃度、や数量がともに小さく、相対的に放射線の影響の可能性も小さい線源ものについては、施設規制又は行為規制を適宜合理化することができると考えられる。
このようなことから、国際基本安全基準免除レベルを導入した密封線源に対する安全規制は、施設規制、行為規制及び廃止等規制を厳格に適用し、事前審査を必要とする許可制と、施設規制又は行為規制を適宜合理化した届出制とに分けて規制をすることが適当であると考えられる。
許可と届出を区別するレベルは、現行では、事業所当たりの総量で3.7GBqの一定レベルとされている。
国際基本安全基準免除レベルは、核種ごと毎にリスクを評価して免除レベルが設定されていることから、核種ごと毎の国際基本安全基準免除レベルの一定倍数を許可と届出の区別のレベルとすることが適当であると考えられる。
許可と届出を区別するレベルについて、現行法令の3.7GBqは、定義数量(免除レベル:3.7MBq)の1,000倍に当たる。国際基本安全基準免除レベルを算出する際の線量基規準10μSv//年の1,000倍である10mSv/年は、ICRP※において、長期被ばくを考慮して規制当局の介入が正当化されるレベルと位置づけられていることや、現在までの安全規制の実績からみて、国際基本安全基準免除レベルを導入するに当たっても、許可と届出を区別するレベルを国際免除レベルの1,000倍とすることが適当であると考えられる。(別紙45参照)
※ICRP Pub1.82「長期放射線被ばく状況における公衆の防護」(1999年9月)
国際基本安全基準免除レベルを導入した場合の許可の規制については、施設規制、行為規制及び廃止等規制を厳格に適用することが必要であるが、その中でも数量の大きいものについては、現行法令と同様に施設建設時及び変更時の施設検査や、定期的に施設など等が健全な状況であることを確認する定期検査が必要であると考えられる。施設検査と定期検査が必要なものについて、国際基本安全基準免除レベルが核種毎にリスクを評価して設定されていることから、各核種の国際基本安全基準免除レベルの一定倍数を施設検査と定期検査の規制を課す区別のレベルとすることが適当であると考えられる。(別紙4参照〉
なお、この一定倍数については、非密封熱源と合わせて、施設検査と定期検査の内容とともに別途検討することとする。(第7回検討会の議論を踏まえて記入〉
新たな規制体系における許可と届出を区別するレベルを核種ごと毎に国際基本安全基準免除レベルの1,000倍としたとき、線源1個当たりの放射能(数量)が、届出の対象となる主なものは別紙56の通とおりである。
これらを線源の性質や安全性の観点から下記1)~3)の3つに分類して、それぞれにふさわしい規制のあり方を検討することとする。
(新届出)
密度計やレベル計などで、相当量の放射能の熱源を用いる1,000倍以下の線源を用い、後述する設計承認や型式承認の適用が適当ではないと考えられるものについては、それらの使用状況によっては、使用者等の放射線防護に所要の対応が必要であるため、施設規制や行為規制の合理化を適宜図りつつ、廃止等規制と合わせて一般の使用の届出(以下「新届出」という。)として規制することが適当であると考えられる。なお、この規制区分に入る機器には、現在は規制対象外で、自由に移動使用されているたものが含まれることになるが、これらについては移動使用を前提とした規制のあり方を検討することが必要である。
<対象の可能性のあるものの例>
液面レベル計、γ線密度計、水分密度計など
(設計承認)
モニタ動作試験用線源、液体シンチレーション検出測定装置用線源などのように、用いる線源の放射能が小さく、また、線源を組み込んだ装備機器としてその外部への放射線の漏えいがほとんどなく、通常の使用状況では、特別の放射線防護の対応が必要でないものについては、現行法令の届出の中の表示付放射性同位元素装備機器の規制(現行法令ではNi‐63を装備しているガスクロマトグラフ用エレクトロン・キャプチャ・ディテクタ(ECD)が対象)のように、その設計上の安全性が十分確認できるものに限り、施設規制と行為規制を新届出よりも適宜合理化した規制(場や被ばくの測定の免除、放射線取扱主任者を選任することの免除など)とすることが適当であると考えられる。
なお、この規制区分に入る機器には、現在は規制対象外で、自由に移動使用されていたものが含まれることになるが、これらについては移動使用を前提とした規制のあり方を検討することが必要である。
<対象の可能性のあるものの例>
ガスクロマトグラフ用ECD、モニタ動作試験用線源、液体シンチレーション検出測定装置用線源、エアロゾル中和器、厚さ計(透過型)、膜厚測定器、校正用線源など
具体的にこれらのものについては、現在までの規制の実績を踏まえて、次のような規制内容とすることが適当であると考えられる。
(型式承認)
イオン化式煙感知器、切替放電管(レーダ受信部)等などに用いられているAm‐241については、その数量が国際基本安全基準免除レベルを超えているものがある。Am‐241は、α線放出核種であるため、国際基本安全基準免除レベルの評価の際も、主として内部被ばくの寄与が大きいとされているが、煙感知器など等の機器に組み込まれたAm‐241が通常の使用状態において人体に取り込まれる危険性はほとんど考えられない。また、これら煙感知器等の機器に組み込まれた密封線源Am‐241から出てくる放射線が、その近くにいる人に与える影響は無視できるほど小さいものである。
更にこれら煙感知器等の機器は、一般の建物や船舶、航空機、工場など等において放射線源を内蔵した機器の形態で使用され、具体的に使用者が線源そのものを取り扱うということはない。
上記のこのようなことから、Am‐241を組み込んだイオン化式煙感知器など等の機器については製造者の行う設計についての安全性が確認できれば、当該建物の居住者、船舶の所有者など等の使用者に対して施設規制や行為規制を課すことは必要とは考えられず、製造者に対して廃止の際の要件など等の確保を求めておくことによって安全を確保上は対応可能であきると考えられる。
<対象の可能性のあるものの例>
イオン化式煙感知器、切替放電管(レーダ受信部)、熱粒子化センサ、集電式電位測定器など
具体的にこれらのものについては、現在までの規制の実績を踏まえて、また、BSSの条件付き規制免除の規定を参考にして、次のような規制内容とすることが適当であると考えられる。
(加算の考え方)
密封線源の許可・届出の区別に関する貯蔵能力の加算の考え方について、現行の放射線障害防止法では、以下の通とおりとなっている。
国際基本安全基準免除レベル取入れ後は、製造段階で安全確認(国による設計承認など等)が行われていることや現在までの安全規制の経験に照らし、以下の通とおりとすることが適当であると考えられる。(別紙67参照)
(煙感知器など等)に装備されたの線源は、貯蔵能力に加算しない。
何個使用しても新届出又は許
(密封の定義)
新たな規制区分の構築に当たり、「密封された放射性同位元素の定義」や「密封性の担保に係る一般的な基準」について、現行の放射線障害防止法では明確な定義の規定がないため、政省令や告示において、表示付放射性同位元素装備機器における記載やJIS基準を踏まえて、的確な定義がなされるようにすることが必要である。
(まとめ)
国際基本安全基準免除レベルを取り入れたときの密封線源に対する規制内容を取とりまとめると、別紙78の通とおりである。また、別紙78の規制の原則から特例的に考慮すべき事項を取とりまとめると別紙89の通とおりであり、法律規制の項目レベルでごとに取とりまとめると別紙910の通とおりである。
(非密封線源の利用例)
非密封線源は、放射性同位元素を液体、気体など等の物理的状態で用いるもので、次のような利用例がある。
我が国で非密封線源として利用されている重要な核種は、H‐3、C‐14、P‐32、S‐35、I‐125等などの41核種である。
規制対象事業所数: 907事業所(平成14年3月31日現在)
(現行の安全規制の内容)
1.許可
非密封線源は、定義数量を次の4群に分け、それらを超えるものの使用等については許可を要するものとしている。(なお、濃度については、一律74Bq//g(自然に存在する放射性物質で固体状のものについては370Bq//g)としている)
表 密封されていない放射性同位元素の群別規制
群別 | 放射性同位元素の種類 | 数量 |
第1群 | Sr‐90及びα線を放出する同位元素 | 3.7kBq |
第2群 | 物理的半減期が30日を超える放射線を放出する同位元素 (H‐3、Be‐7、C‐14、S‐35、Fe‐55、Fe‐59及びSr‐90並びにα線を放出するものを除く。) |
37kBq |
第3群 | 物理的半減期が30日を超える放射線を放出する同位元素 (H‐3、Be‐7、C‐14、S‐35、Fe‐55、Fe‐59及びSr‐90並びにα線を放出するものを除く。) |
370kBq |
第4群 | H‐3、Be‐7、C‐14、F‐18、Cr‐51、Ge‐71及びTl‐201 | 3.7MBq |
2.主要な規制の内容
(1)許可の基準(法第6条)
(2)施設検査(法第12条の8)、・定期検査(法第12条の9)
(3)施設適合義務(法第13条)、取扱いの基準(法第15条~19条)、場の測定(法第20条)、被ばくの測定(法第20条)、予防規定届出(法第21条)、教育訓練(法第22条)、健康診断(法第23条)
3.上記の規制の中で、特に非密封線源であることを考慮したものとして、次のような点が求められている。(別紙23参照)
(1)使用施設:作業室及び汚染検査室に係る要求
(2)貯蔵施設:貯蔵容器に係る要求
(3)廃棄施設:排気設備、排水設備及び焼却炉に係る要求
(国際基本安全基準免除レベルの取入れ方針)
放射線取扱主任者は、放射性同位元素等の取扱いによる放射線障害の発生を防止するために放射線障害防止法上求められている監督者である。該当する放射性同位元素等を取り扱う事業所では、必ず1名以上の放射線取扱主任者を選任することが義務づけられている。放射線取扱主任者には、担当し得る範囲の広さの順で、第1種放射線取扱主任者と第2種放射線取扱主任者(一般)とがあり、取り扱う放射性同位元素等の形態、数量など放射線影響の可能性の程度を勘案して、選任の区分は下表のように定められている。
放射線取扱主任者免状は、法令に基づく国家試験に合格し、講習を受講した者に交付され、平成13年度末までに第1種放射線取扱主任者免状は20,593名に対して、第2種放射線取扱主任者免状は26,846名に対して、それぞれ交付されている。
国際基本安全基準免除レベル取入れにおいては、放射線取扱主任者の選任を次のようにすることが適当であると考えられる。
1.現行法制度の状況と問題点
現行の放射線障害防止法では、放射線取扱主任者免状を持たない場合でも、医療現場において、診療の目的であれば医師又は歯科医師を放射線取扱主任者として選任することができることになっている(薬事法に規定する医薬品など等の製造所であれば、同様に放射線取扱主任者免状を持たない薬剤師を放射線取扱主任者として選任できる。)。これは制度設立当初、以前より放射性同位元素や放射線発生装置を利用していた医療機関など等に対し混乱を起こさないための移行措置としては有効であったと考えられるが、医師等は放射線の人体への影響などの専門家ではあるが、必ずしも放射線管理そのものに関する専門的知識が十分でない場合があり、このことが次のように結果的に医療分野での事故が多いことにつながっているとの指摘もある。現代の医療機関では医師が放射線管理に専念できず、その意義が失われている。また、次のように医療分野での事故の割合は相対的に高く、医療機関における放射線管理の充実が求められている。
なお、昭和56年以降、医療現場における放射線関係の国家資格である診療放射線技師の第1種放射線取扱主任者試験合格者は1,230人にのぼり、医療機関の許可事業所数のおよそ1.5倍となる。医療技術系大学や専門学校生の受験人数も多い。
2.改正の検討
今回の放射線障害防止法改正の際に、上述の医師等を無条件に放射線取扱主任者に選任できる制度を廃止し、医師等を選任する場合にも放射線取扱主任者免状所有者から選任させるを有していることを求めることを検討する必要である。
今後は、放射線取扱主任者免状を有していない医師、歯科医師及び薬剤師並びに診療放射線技師に対してを放射線取扱主任者として選任する場合には、第1種放射線取扱主任者免状の試験や研修のうち、法令や放射線管理に関する科目を限定して義務づけ、合格後、第1種放射線取扱主任者免状(医療用に限定)を交付することを検討することが必要である。
以上のような、新たな放射線取扱主任者制度をまとめると、下表のようになる。
表新たな放射線取扱主任者制度(案)
新区分 | 放射線取扱主任者に 選任できる者 |
|||
第1種 | 第2種 | 第3種 | 第1種 (医療用) |
|
非密封線源、施設検査・定期検査を必要とするような密封線源又は放射線発生装置を使用する事業所 | ○ | |||
施設検査・定期検査を必要としない密封線源のみを使用する事業所 | ○ | ○ | ||
密封線源のみを販売し、または賃貸する販売所又は賃貸事業所 | ○ | ○ | ||
非密封線源を販売し、又は賃貸する販売所又は賃貸事業所 | ○ | |||
廃棄事業所 | ○ | |||
新届出対象の密封線源のみを使用する事業所 | ○ | ○ | ○ | |
放射性同位元素等を診療等のためにのみ用いる使用事業所 | ○ | (○) | ○ |
(○)・・・使用する装置、機器によっては可能な場合がある。
社会情勢や時代とともに放射線の利用や管理に関する技術的事項は変化し、それに合わせて関係法令も適宜大幅な改正が行われている。しかし、現行の放射線障害防止法では、放射線取扱主任者の再講習・再教育に関する規定がないため、法令免状取得後の専門的知識の維持・向上や必要な情報収集は放射線取扱主任者自身の自発的な研修参加などに任されている。
今後は、放射線取扱主任者の技術的能力の維持のため、事業所において放射線取扱主任者として選任する際には、以下の条件のいずれかを満たすことを義務づけることが適当であると考えられる。
1.放射線取扱主任者免状取得後、一定期間内であること
2.指定された講習の受講後、一定期間内であること あわせて、放射線取扱主任者として継続して選任されている者についても、一定期間ごと毎の定期的な講習による再教育を義務づけることが適当である。
また、放射線取扱主任者の技術的能力を維持するため、放射線取扱主任者の責任と罰則の明確化についても検討することが必要である。
(立入検査と施設・定期検査)
放射線障害防止法における事業所に対する検査には、国が直接行う立入検査(法第43条の2)、指定機関が行う施設検査(法第12条の8)及び同じく指定機関が行う定期検査(法第12条の9)がある。それぞれの対象事業所、検査の内容など等は、下表の通とおりである。
表 放射線障害防止法における検査
対象事業所 | 時期 | 実施者 | 検査の内容検査の内容 | ||||||||
立入検査 | 全事業所 | 法律の施行に必要な限度で随時 (平成13年度実績356回) |
国 (放射線検査官) |
法律の遵守状況全般 (使用状況、書類検査、施設の検査) |
|||||||
施設検査 |
|
新設又は大規模な施設変更後、施設使用前 (過去5年の平均114回/年) |
指定検査機関 (原子力安全技術センター) |
使用施設等の許可又は変更許可の内容への適合 | |||||||
定期検査 |
|
密封、放射線発生装置5年ごと 非密封3年ごと (過去5年の平均230回/年) |
指定検査機関 (原子力安全技術センター) |
使用施設等の技術上の基準への適合 |
検査の内容的には、施設が許可など等の内容に適合しているかどうかを確認する施設基準に関する検査と、被ばく管理、教育訓練、記帳、測定など等が適切に行われているかどうかを確認する行為基準に関する検査とがある。
現行法令の立入検査は、施設基準及び行為基準の両方にわたって法令の遵守状況全般にわたって検査するものになっているが、施設検査と定期検査は、施設基準に関する検査に限られている。なお、立入検査は、大規模事業所でも10年に1回程度の頻度で行われている。
一方、放射線障害防止法における過去の事故事例をみると、最近5年間(平成10年~14年)に発生した23件の法令報告事故のうち、18件が不適切な安全管理など行為基準に関する不備が原因となっているものである。
(密封線源取扱施設の施設検査・定期検査対象範囲)
現行の密封線源については、核種に関係なく貯蔵能力が一律111TBq以上の施設が定期検査の対象となり、その1/3の37TBq以上の施設が施設検査の対象となっている。定期検査対象事業所数は、約230(非密封線源、発生装置との重複を含む)、施設検査対象事業所数は、約380である。
現行の検査対象範囲の根拠については、以下のとおり。
(非密封線源取扱施設の施設検査・定期検査対象範囲)
現行の非密封線源については、種類及び数量により4群(第1群から第4群)に分けられており、その貯蔵能力が定義数量の20万倍(第1群の定義数量3.7kBqに換算すると740MBq)以上の施設が、施設検査・定期検査の対象となっている。検査対象事業所数は、約240である(密封線源、発生装置との重複を含む)。
(定期検査に行為基準に関する検査を追加)
原子炉等規制法においては、施設や設備中心の検査を実施していたが、過去の事故など等の教訓を踏まえ、事業者が実施する保安規定の内容を検査するなど、行為に関する基準に重点化した規制が順次導入されつつある。
放射線障害防止法においても、国際基本安全基準免除レベル取り入れの放射線障害防止法改正において、前述のような事故の状況など等も勘案して、定期検査に行為基準に関する検査を追加することが適当であると考えられる。
行為基準に関する検査の内容は、放射線障害予防規定の遵守状況も含め、使用等にかか係る放射線障害防止法全般にわたる遵守状況を検査することが必要であると考えられる。
(2)施設検査・定期検査の対象範囲 施設検査・定期検査の対象範囲については、核種毎に国際基本安全基準免除レベルの一定倍数とすることが適当であり、使用等の実績や現在までの安全規制の経験等を踏まえて設定することが必要である。
(立入検査)
国が直接実施する立入検査については、事故発生時や、書類未提出などの問題と考えられる事業所に対して抜打ち検査などの手法も用いて、定常的業務でない内容に重点化し、検査を実施することが適当と考えられる。
以上の内容を別紙11にまとめる。
(密封線源)
密封線源では、使用される機器によって、その使用法や機器の構造、遮へいなどが大きく異なるとともに、同種の機器については生産国やメーカー、機種によらず、構造などが似ており、同様の安全への配慮が必要になる。このことから密封線源では、使用する核種の安全性、放射能などを考慮し、万が一遮へいが失われた場合の人体への影響の観点で機器を特定して検査の対象とすることがより合理的であると考えられる。具体的には以下のような機器が想定される。
国際免除レベル取り入れ後は、これらの装置を設置している、又は新たに設置する事業所に対し、施設検査及び定期検査を実施することとする。このように設定した場合、現行規制から大きな変更はなく、安全上重要な機器を検査対象とすることができる。
なお、このような考え方は、国際原子力機関(IAEA)における線源のカテゴリー分け(Categorizationofradioactivesources(IAEA‐TECDOC‐1344,2003年))においても採用されている。それによると、安全に管理されていない線源が人体に与える影響を基に、線源を5段階にカテゴリー分けしており、最も高いリスクを与える線源として数分から数時間近づくことで死又は永久的な損傷を与える線源がカテゴリー1とされている。カテゴリー1には、放射線熱電発生装置、照射装置、遠隔治療装置、ガンマナイフが該当している。今後、IAEAにおける放射線源の安全管理、セキュリティ確保の取組が、このカテゴリー分けを基準に実施されることから、我が国の検査対象の設定の際もこれを参考にすることとする。
以上の内容を別紙12にまとめる。
(非密封線源)
現在は、定義数量の20万倍が基準となっているが、現在までの規制経験から判断し、国際免除レベルに20万倍と同じオーダーの倍数をかけた値に設定することが適当と考えられる。今回の国際免除レベル取り入れにより非密封線源では多くの核種で規制が緩和されることや、今回検査の内容に行為基準に関する検査を追加することを考慮し、国際免除レベルの10万倍を基準として設定することが適当と考えられる。このような基準の設定により、現行の検査対象事業所と、国際免除レベル導入後の検査対象事業所は、大きくは変動しないと判断される。
なお、複数の核種を使用する事業所では、従来と同様、各核種の国際免除レベルの10万倍の値に対する使用数量の割合の和が1以上の場合に検査の対象となる。
(1)現状
現行の放射線障害防止法では、法律関係業務の一部を国以外の機関で実施するため、指定法人の規定がある。具体的には、以下の業務が指定法人の業務となっている。
(指定機構確認機関(法律第39条第1項))
国の設計承認を受けたNi‐63を装備したガスクロマトグラフ用エレクトロン・キャプチャ・ディテクタについて、実際の製品が承認を受けた設計と同一であることを形状、材料、遮へい性能など等について、目視、実測など等により確認する。
現在、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(指定検査機関(法律第41条の9第1項))
施設検査は、所定の貯蔵能力以上のRI施設又は加速器施設が設置又は変更されたとき、施設が許可の内容に適合しているか否かを位置、構造、遮へい能力など等について目視、実測など等により検査する。
定期検査は、所定の貯蔵能力以上のRI施設又は加速器施設を持つ事業所について、使用開始後、定期的に施設が技術上の基準に適合しているか否かを位置、構造、遮へい能力など等について目視、実測等などにより検査する。
現在、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(指定運搬物確認機関(法律第41条の10第1項))
現地確認は、承認容器により陸上輸送されるBM型又はBU型輸送物について、放射能が777TBqを超える輸送物、その他必要な輸送物につき、輸送物が技術上の基準及び承認の内容に適合していることを、申請書、点検記録など等の書類及び現地における目視、実測など等により確認する。
書面確認は、上記以外の輸送物について、輸送物が技術上の基準及び承認の内容に適合していることを、申請書、点検記録など等の書類により確認する。
現在、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(指定運搬方法確認機関(法律第41条の11第1項)(国土交通省所管))
現地確認は、承認容器及び承認された積載方法により陸上輸送されるBM型又はBU型輸送物の運搬方法について、BU型で放射能が1.11PBqもしくはA1,A2値の3,000倍を超えるもの、又はBM型輸送物について、運搬の方法が技術上の基準及び承認の内容に適合していることを、申請書及び現地における目視、実測など等により確認する。
書面確認は、上記以外の輸送物について、運搬の方法が技術上の基準及び承認の内容に適合していることを、申請書により確認する。
現在、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(指定試験機関(法律第41条の12第1項))
第1種放射線取扱主任者免状及び第2種放射線取扱主任者免状(一般)に係る国家試験の実施に係る事務(試験委員会の運営、受験申し込み受付、試験の実施、合格候補者名簿の文部科学大臣への提出など)を行う。
現在、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(指定講習機関(法律第41条の19第1項))
第1種放射線取扱主任者免状又は第2種放射線取扱主任者免状(一般)に係る試験合格証を有し、受講申し込みのあった者に対し、講習(講義、演習、実習及び修了試験など)を行う。
現在、第1種放射線取扱主任者免状に係る講習については、(社)日本アイソトープ協会、日本原子力研究所の2機関が、第2種放射線取扱主任者免状(一般)に係る講習については、(財)原子力安全技術センターが指定されている。
(基本方針)
国際基本安全基準免除レベル取り入れによって、規制対象となる機器数が大幅に増加することになる。これに伴い、規制関係業務も大幅に増加することが見込まれるため、以下のとおり国以外の機関の活用を検討する。
(具体案)
許可対象となる密封線源の移動使用については、現行法令では、使用の場所の一時的変更として、370GBq以下の密封線源を非破壊検査など等に用いるときに限って、事前届出により認められている。
国際基本安全基準免除レベル取り入れのための法令改正においては、原則としてはこの制度を踏襲するが、現在までの使用状況や規制の経験を踏まえ、次のように取り組むことが適当である。
届出対象の密封線源の移動使用については、現行法令では、移動使用を前提とした規定になっておらず、移動使用する際には、移動使用先で新たな届出使用を行うのと同等の届出の変更の手続きが必要となっている。
国際基本安全基準免除レベル取り入れのための法令改正においては、届出対象の密封線源の移動使用を次のように法制度の中に明示的に取り入れることが適当であると考えられる。
(新届出対象の密封線源の移動使用)
新届出対象の密封線源のうち当初から移動使用を予定しているものについては、移動先の個々の使用場所についてではなく、安全確保の観点から適当と考えられる使用環境を確認することによって所要の安全性の確認は可能であると考えられる。なお、この場合、事業者に対して届出の際、移動使用の機器の主たる保管場所の明記を義務づけることや、移動使用の実施状況の記録を義務づけることなどが必要であると考えられる。
(設計承認対象の密封線源の移動使用)
設計承認対象の密封線源については、製造者からの申請に基づき、国が当該線源の通常の使用状況において使用者の被ばくが裕度を持って1mSv//年を超えないことを確認して承認するものである。
その設計承認の際に、安全確保の観点から適当と考えられる使用環境が確認されることになるが、使用者が当該線源を当初から移動使用することを予定している場合は、届出に当該線源の主たる保管場所の明記を義務づけることなどが適当であると考えられる。
以上をまとめると下表のようになる。
表 新たな規制体系における移動使用の考え方
規制の区分 | 必要な手続き | 具体的な使用場所の届出 |
許可 | ・ 移動使用の都度、使用場所等を届出 | 要 |
新届出 | ・ 使用環境、主たる保管場所等について事前に届出 ・ 移動使用の実施状況の記録の義務づけ |
不要 |
設計承認 | ・ 製造者に対する設計承認時に使用環境をあわせて確認 ・ 使用者からの届出においては、主たる保管場所等について事前に届出 |
不要 |
医療分野における放射線利用については、放射線障害防止法と医療法(医療法施行規則)・薬事法(放射性医薬品の製造及び取扱規則)により規制されており、一部は二重規制となっている。その状況は、次の通とおりである。
(放射性医薬品)
薬事法に規定する医薬品については、放射線障害防止法の施行令で適用除外とされており、放射性医薬品については医療法及び薬事法により規制、管理されている。
一方、治験薬や臨床研究に用いる薬剤は薬事法で定める医薬品ではないため、放射線障害防止法で規制、管理されている。このため、同じ医療機関で同じ放射性の薬剤を投与した場合であっても、治験・臨床研究である場合には放射線障害防止法に基づく規制が適用となり、廃棄物等についても医療法の廃棄物と分別する必要が生じている同様である。
また、放射性医薬品についても、研究の用途に使用する場合は、放射線障害防止法の規制、管理を受けている。
(陽電子放射断層撮影法(PET:Positron Emission Tomography)の薬剤)
PETに使用される放射性の薬剤については、放射性同位元素の半減期が極めて短いため、現在は病院の施設内で製造されるものだけが用いられている。現状では、PETに使用される薬剤については、放射線障害防止法の規制を受けており、医療法・薬事法の規制を受けていない。
PETに使用される放射性の薬剤については、製薬メーカーによる製造、販売も計画されており、これが薬事法の承認を受けると、製薬メーカーが製造したものは、医療法・薬事法の規制、管理を受けることとなる。
なお、政府が推進する構造改革特区において、PETで発生する廃棄物を、放射線障害防止法の廃棄物の適用から除外して扱うことにより、PETの利用を促進し、より高度な検診、研究を促進するという提案がなされた。
文部科学省では、PETで用いられる核種はその半減期が極めて短いため、用いられる具体的な核種やその半減期、量などを調査した上で、一定期間以上保管した廃棄物については放射性廃棄物としての適用を除外する方向で検討を行っている。放射性廃棄物の合理的な管理に向けた取組として、着実に検討を進めるべきである。
(医療用具)
薬事法に規定する医療用具については、放射線障害防止法の施行令で、「文部科学大臣が厚生労働大臣又は農林水産大臣と協議して指定するものに装備されているもの」は放射線障害防止法の適用除外となるとされているが、現在のところ、この指定はなされていない。
放射線発生装置など等放射線障害防止法の規制対象となる医療用具については、放射線障害防止法の許可の他、医療法に定める届出も必要となるなど等の二重規制が行われており、立入検査についても、放射線障害防止法に基づく放射線検査官による検査と医療法に基づく立入検査とが別個に行われている。
(永久刺入線源)
がんなど等の治療のため人体に永久刺入される密封小線源については、放射性同位元素として放射線障害防止法で規制されているが、他の医療用具と同様に放射線障害防止法と医療法との二重規制となっている。
なお、永久刺入の患者に係る退室基準のあり方については、厚生労働省医薬局安全対策課長より、診療用放射線照射器具を永久的に挿入された患者の退出についてが平成15年3月13日に示されている。も含めた今後の対応が必要である。
医療分野における放射線利用に対する規制について、当省としては、文部科学省及び厚生労働省とは相互に連携を取りつつ以下の方針で取り組んでいくこととすべきである。
放射線発生装置は、電源を切った状態では、基本的に放射線が発生しないが、現行法令では、定期検査時など等に電源を切り、運転を行っていない状況でも管理区域を解除することが認められていない。そのため、放射線発生装置の電源が切られている状況の中で、点検、工事など等の作業者が管理区域に入る際にも、教育訓練、健康診断、線量管理など等が義務づけられている状況である。
現在までの放射線発生装置の使用状況や安全規制の経験からみて、放射線発生装置の電源を切った状態については、
などが信頼性を持って確認できる場合は、管理区域の一時的な解除を可能とすることが適当であると考えられる。
具体的には、事前に許可申請の段階で、一時的な管理区域の解除、再設定を行うことに関して、上記(1)1.と(2)2.の保証を含め、具体的な解除、再設定の手順、責任者の明確化など等の記載を求め、国はこれらについて審査して、安全性の確保を確認するやり方が適当であると考えられる。また、放射線障害予防規定にも必要な記載を求めることが必要である。
平成13年12月に発生した国立大蔵病院(当時)における作業者の被ばく事故は、施設使用前に行われる施設検査の準備のための調整運転中に発生した事故であった。
現行の放射線障害防止法では、放射線発生装置使用施設における放射線障害予防規定の届出と放射線取扱主任者の選任の時期は、使用開始前となっている。使用開始は、施設検査に合格した後に可能になるので、施設検査のための調整運転時には、国立大蔵病院の事故時の例のように、放射線障害予防規定がなく、また放射線取扱主任者がいない状況もあり得ることになる。この事故を受けて、調整運転前に放射線障害予防規定、放射線取扱主任者の手続きを行うよう指導を行っている状況である。
今後は、放射性同位元素の取扱い又は放射線発生装置による放射線の発生を開始する前に、放射線障害予防規定の届出と放射線取扱主任者の選任がなされるよう明確に法令に記述することとする。
(現状)
現行の放射線障害防止法では、当初から使用等を予定する放射性同位元素と放射線発生装置、また放射性同位元素によって汚染されたものが規制対象になっており、放射線発生装置の使用により副次的に発生する放射化物については、明示的な規定がなされていない。
国内の放射線発生装置の使用許可台数は、放射線利用統計によると平成14年3月末で約1200台である。そのうちの約7割は医療分野で使用されており、出力は比較的小さい。一方、研究分野では出力の大きいものが多い。
近年、放射線発生装置の性能の向上により、高エネルギーの放射線発生装置が使用されるようになり、その使用に伴い、機器など等が放射化されるという問題が顕在化している。具体的には、発生装置の構造体である鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、並びに遮へい体であるコンクリート、鉄、鉛などが、放射化物として発生していされる。生成される代表的な核種は、アルミニウム材中のBe‐7、Na‐22、鉄材中のMn‐54、Fe‐55、Co‐56、コンクリート材中のH‐3、Na‐22などである(別紙1213参照)。放射化物には、放射線障害防止法に基づく告示において定められているアルファ線を放出しない放射性同位元素の管理区域からのみだりな持ち出しを規制する表面密度4Bq/cm2、表面での線量率が3mSv/hを超えるものもある。
通常発生する放射化物については、一部事業所において放射化した磁石、加速管など等を点検し、再利用されている例もあるが、大部分は、放射線発生装置使用室内に保管されている。古い発生装置の解体によって発生した大量の放射化物についても、一部再利用されているものの、大部分は専用の使用施設を設置し保管されている状況である。
(放射化物の取扱いに係る課長通知について)
法令上、放射化物が規定されていないことから、平成10年10月30日、当時の科学技術庁が、放射化物の取扱いについて、「放射線発生装置使用施設における放射化物の取扱いについて」(科学技術庁原子力安全局放射線安全課長通知)を取りまとめ、関係事業者に対して安全管理上の留意事項を周知、徹底している。この課長通知の概要は以下の通とおり。
1.適用範囲
放射線発生装置使用施設において放射化した放射線発生装置等について適用する。核子当たりの最大加速エネルギーが2.5メガ電子ボルト未満のイオン加速器、最大加速エネルギーが6メガ電子ボルト未満の電子加速器等は放射化物がほとんど発生しないので対象外とする。
2.放射化物の定義
放射線発生装置の使用に伴って、放射化させることを目的とせずに有意の放射能が認められるに至った放射線発生装置及び実験機器。(放射性同位元素の製造や材料検査を目的とした照射による放射化は、非密封線源としての規制を受けるので対象外)
3.放射化物の取扱い
放射化物を以下の3つの区分に分け、管理する。
区分 | 表面の放射性同位元素の密度 | 表面から10cm離れた位置における1cm線量当量率 | 取扱い要領 |
A | 表面密度限度の 10分の1以下 |
600nSv/時以下 | 運搬、廃棄、譲渡等については、B,Cに準じた取扱い |
B | 表面密度限度の 10分の1以下 |
600nSv/時を超える | 穿孔、溶断等の加工を行う場合は非密封線源、それ以外は密封線源に準じた取扱い |
C | 表面密度限度の 10分の1を超える |
‐ | 非密封線源に準じた取扱い |
4.放射化物の使用
放射化物の使用に当たって考慮すべき事項は以下の通とおり。
5.放射化物の保管
再使用するために一時的な保管をするに当たって考慮すべき事項は以下の通とおり。
6.放射化物の運搬
事業所内運搬、他事業所への運搬とも、放射線障害防止法の運搬の基準に従う。
7.放射化物の廃棄
放射化物を廃棄する場合は、放射性同位元素によって汚染されたものとして放射線障害防止法の廃棄の基準に従う。
8.放射線障害予防規定
放射化物の取扱い及びそれに付随する安全管理業務について、必要な事項を放射線障害予防規定に記載し、放射線業務従事者等に徹底を図ることが望まれる。
(今後の対応)
1.基本方針
放射線発生装置使用施設における放射化物の取扱いについては、前述の通とおり、現在は、科学技術庁原子力安全局放射線安全課長通知に基づき、実態的に安全性は確保されていると考えられる。
しかしながら、課長通知は、基本的に放射化物の安全な保管管理を求めるもので、放射化物の取扱いや使用についてまで安全確保のあり方を示しているものではなく、今回の放射線障害防止法改正の際に放射化物に係る安全確保について所要の法令整備を行うことが適当であると考えられる。
2.具体的な法令整備の内容案
課長通知の内容を適宜見直し、次のような方向で具体的な法令整備の内容を検討することが適当であると考えられる。
(1)放射化物の定義 (イ)放射化物として、「放射線発生装置の運転に伴い、加速粒子あるいは中性子などの二次放射線により、放射性に転換した元素及びこれを含む物質で、発生装置や遮へいなど等構造物から取り外され、発生装置使用室から持ち出されるもので、一定の基準値を超えるもの」と定義する。
発生装置使用室は、元来、運転やそれに伴う放射化によって空間の線量率が高くなることを想定した場所であり、人が常時立ち入ることのない管理区域内の場所である。同室内にある放射化されたもの物のうち、発生装置本体から取り外された物だけに着目して管理を求めるのは合理的でなく、放射線発生装置と一体のものとして同室の的確な管理(施錠管理や入退室管理)を求めることが適当であると考えられる。放射化された物は、大きさや重量が様々でその表面線量は通常、発生装置本体による場の線量に比べて小さいものである。 発生装置使用室から同室以外の管理区域へ持ち出された放射化されたもの物のうち、表面汚染密度と表面線量があるレベルを超えるものを放射化物として個別管理を求めることとする。具体的には、発生装置から取り外された部品、消耗品、周辺構造物・遮へい材から取り外された他の装置、機器、並びに壁、天井などの建物構造体で発生装置使用室から持ち出されたもののうち、表面の放射性同位元素の密度が管理区域の表面密度限度を超え、又は表面から一定の位置において一定の線量を超えたものを放射化物として、発生装置使用室以外の管理区域内で個別管理を行うことを求める。
(ハ)放射化物を管理する上で、核種と放射能による定量的で厳密な管理は困難であるが、放射化物からの放射線の測定結果と、発生装置の種類、エネルギー、放射化物となるものの材料などに応じて、放射線障害防止の観点から重要な放射性核種、放射能を推定し、核種ごとの免除レベルを基準とした密封線源に準じた管理をする必要があると考えられる。このことから、各放射化物について、表面密度に加え、表面線量の測定結果に基づく主要核種及び放射能を把握し、その上でそれらの放射化物の個数を把握することにより管理することとする。
(別紙1314)
(ニ)なお、放射性同位元素の製造や材料検査を目的として放射化されたものについては、放射線源としての規制がかかるため、放射化物としての規制を課す必要はない。
(2)放射化物の取扱い、再使用
定義された放射化物のうちは、原則として、穿孔、溶断、研磨など等によって放射性物質を遊離するの汚染のおそれがある作業を行う場合にものは、原則として非密封線源に準じた規制(放射化物作業室の設置など等)、また、表面密度限度を超える放射化物は非密封線源に準じた規制とする。それ以外は密封線源に準じた規制とすることが適当である。また、表面密度限度を超える放射化物は非密封線源に準じた規制とする(ただし、表面汚染を除去すれば、密封線源に準じて扱うことは可能)。
(3)放射化物の保管
放射化物は、管理区域の設定など等の観点から、発生装置の付近で使用や保管されているのが実態である。そのため、長期間保管する場合は、発生装置の管理区域内に放射化物貯蔵場所を設定するか、あるいは専用の放射化物貯蔵施設を設けて保管するのが適当である。また、汚染のおそれのある場合は、養生するなど汚染の広がらない措置を求める。
(廃棄の基準)
放射線障害防止法では、第19条(廃棄の基準)において、「使用者、販売業者、賃貸業者及び廃棄業者は、放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を工場又は事業所において廃棄する場合においては、文部科学省令で定める技術上の基準に従って放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない。」とされている。これに基づく放射線障害防止法施行規則第19条では、固体状の放射性同位元素等については、焼却炉において焼却するか、又は保管廃棄設備において、保管廃棄することとされている。
(廃棄の業)
放射線障害防止法第14条の2(廃棄の業の許可)では、「放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を業として廃棄しようとする者は、政令で定めるところにより、文部科学大臣の許可を受けなければならない。」として、廃棄業者を許可により認めている。
廃棄の業の許可の基準(放射線障害防止法第7条の2)は、廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設及び廃棄施設の位置、構造及び設備が文部科学省令で定める技術上の基準に適合することを求めている。ここでいう廃棄施設とは、他の使用、販売及び賃貸の業の許可の基準にも同様にあるものであり、当該業を行うに当たって発生する各種の放射性廃棄物を事業所内で適切に廃棄するための排気、排水、焼却、固形化、保管廃棄など等のための施設をいうものである。
このため、廃棄業者は、他の事業者から収集した放射性固体廃棄物を含めて、廃棄物貯蔵施設で貯蔵することまで認められているが、それらを最終的に埋設処分するところまでは現行の放射線障害防止法上は認められていない。
(発生の状況)
現在、放射線障害防止法及び医療関連法令の規制下の事業所において、研究、医療、教育、検査等の分野での放射性同位元素の利用に伴い、放射性同位元素で汚染した試験管など等のプラスチック又はガラス器具、ペーパータオル、排気フィルタなど等や使用済みの放射性同位元素が放射性廃棄物(以下「RI廃棄物」という。)として発生している。
我が国において発生するRI廃棄物のほとんどは、放射線障害防止法に基づく廃棄の業の許可を持つ(社)日本アイソトープ協会(以下、「RI協会」という。)によって集荷されている。RI協会では、放射線障害防止法の規制下の事業所から発生するRI廃棄物(研究RI廃棄物)と、医療法、薬事法、臨床検査技師法など等医療関連法令の規制下の事業所から発生するRI廃棄物(医療RI廃棄物)に区分し、集荷を行っている。
RI廃棄物の集荷量は、最近の10年間の平均で年間約1万7千本(200ドラム缶換算、以下、同じ。)となっており、その内訳は、研究RI廃棄物は約9千本、医療RI廃棄物は約8千本である。また、RI廃棄物について、日本 原子力研究所(以下、「原研」という。)など等から発生し、各事業所内に保管されているものもある。原研は、放射線障害防止法に基づく廃棄の業の許可を取り、自らの廃棄物に加えて、RI協会など等からの委託を受けて廃棄物の処理を行っている。
原研では、RI廃棄物の他に、核燃料物質等と放射性同位元素の双方を使用する施設における発生時点での混入や、放射線障害防止法の許可に基づく廃棄物処理工程における混入により、RI廃棄物と核燃料物質等により汚染した廃棄物(研究所等廃棄物)とが混合した廃棄物(以下、「二重規制廃棄物」という。)が発生する。これらは、放射線障害防止法と原子炉等規制法の双方の規制を受けている。
(保管の状況)
各機関が保管する放射性同位元素を含む放射性廃棄物の本数を、関係法令ごとにまとめると以下の通とおり。(別紙1415)
RI協会が集荷した廃棄物は、焼却処理、圧縮処理など等により減容された状態又は未処理のまま保管されている他、一部原研で処理・保管されている。その保管量は、平成13年度末現在で約11万5千本(原研において保管している量も含む)となっている。
原研におけるRI廃棄物及び二重規制廃棄物の保管量は、RI協会を除く他事業所の廃棄物を含めて平成13年度末現在で約10万8千本(うちRI廃棄物は約3千本)となっている。
原研においては、これら廃棄物のうち、多数を占める比較的放射能濃度の低いβ・γ廃棄物を対象として、コンクリートピット型埋設処分及び素掘りトレンチ型埋設処分に適した廃棄体を作製すべく、高減容処理施設を新たに整備しており、また、RI協会においても同様の処理施設の整備を検討している。
平成6年6月に原子力委員会が取りまとめた「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」において、RI廃棄物の処分に関し、「国は、海洋投棄に替えて地中埋設を実施に移すための基本方針を策定し、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」等関係法令の改正など、制度面での整備を行うなど、処分が適切かつ確実に実施されるよう措置する」との方針が示されている。
これを受け原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会は、平成10年5月に「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」を取りまとめた。この報告書においては、RI廃棄物の処分に関する基本的考え方として以下の点が示されている。
また、原研、核燃料サイクル開発機構及びRI協会(以下、「3者」という。)は、RI・研究所等廃棄物の処分事業の具体化に向けた取り組みとして、平成9年度に「RI・研究所等廃棄物事業推進準備会」を設置し、処分事業主体の設立など等について検討を行った。この準備会における検討を踏まえ、3者は、平成12年末に(財)原子力研究バックエンド推進センター(RANDEC)が発足したことに伴い、RANDECと協力協定を締結し、人的、財政的支援を行うとともに、RANDECとの協力体制の下で、廃棄物の処分事業の具体化に向けた活動を行っている。
(原子炉等規制法関係)
原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会の報告書「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基本的考え方について」(昭和60年10月、以下、「LLW基本報告書」という。)を受けて、核燃料物質又は核燃料物質によって汚染されたもの物の埋設による最終的な処分が行えるよう、原子炉等規制法には廃棄の事業の一形態として廃棄物埋設事業の規定が設けられており、これを適用して、平成4年12月から、原子力発電所から発生する低レベル固体廃棄物の埋設処分が行われている。また、これら以外の低レベル放射性廃棄物についても、順次、関連する政省令など等の整備が行われている。
(放射線障害防止法関係)
平成10年5月に取りまとめられた原子力委員会バックエンド対策専門部会報告書「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」を受けて、原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会においてRI・研究所等廃棄物の処分に係る安全規制の考え方について調査・審議が行われた。「RI・研究所廃棄物の処分に係る安全規制の基本的考え方の検討状況について」(平成11年3月)において、安全規制の基本的考え方が示されており、同資料では、「廃棄体の放射性核種の濃度はβ・γ核種及びα核種ともに低く、かつ半減期が極めて長い放射性核種をほとんど含まないと推定できるので、これら廃棄体の放射性核種としての特徴も原子力発電所からの廃棄物と同様であると考えられる。」、「これら廃棄体については、LLW基本報告書における処分に係る安全規制の考え方は、基本的にそのまま適用できると考えられる。」と評価されている。しかし、現行法令にRI廃棄物の埋設処分に係る規定がないことから、今後、RI廃棄物及び二重規制廃棄物の埋設処分を行うに当たり、放射線障害防止法の整備が強く望まれている。
(基本方針)
上記のような状況に鑑み、RI廃棄物及び二重規制廃棄物の浅地中埋設処分を安全かつ合理的に実施するため、適切な法整備を検討することが必要である。
(今後検討すべき事項)
適切な法整備を検討するに当たり、現行の原子炉等規制法の廃棄物埋設事業に係る法体系との整合性を確保する観点など等から、以下の事項について検討することが必要と考えられる。
1.他法令との関係 放射性同位元素を含む放射性廃棄物に関して、放射線障害防止法に係るもの、放射線障害防止法と原子炉等規制法が二重にかかるもの、医療法、薬事法に係るものなど、安全規制上いくつかの種類が存在する。これらの安全かつ合理的な規制のためには、二重規制など等による手続きの煩雑化を避けることが重要である。このため、必要な法整備のあり方(各法律間の規制内容の整合化、適用除外、新たな法令など等)を検討する必要があることとする。
2.技術的検討
適切な法整備を検討するに当たっては、今後、政令濃度上限値、埋設施設及び廃棄体の技術基準など等に係る法令の整備が必要となり、る。これらの技術的項目について検討をは、原子力安全委員会等での調査・審議の結果を踏まえて、進めていく必要がある。
3.クリアランスレベルの検討
放射性同位元素等使用施設から発生する廃棄物で検認が容易であるものについては、クリアランスレベルの導入が望まれており、原子力安全委員会において速やかな検討が期待される。
国際基本安全基準免除レベルの取り入れにより、規制対象が大幅に変更になるが、放射線障害防止のための安全規制であるので、国際基本安全基準免除レベル取り入れに伴うの新たな規制の通とおりに遡及適用する必要がある。
(移行期間)
規制対象の範囲が大幅に変わることから、当初は相当の混乱も予想されるため、移行期間を十分にとり、その間に届出や許可申請など等を促すこととすことが必要である。
(広報活動)
法律改正の趣旨や内容を周知徹底するため、関連ホームページの拡充、関係団体への説明会など等を積極的に行う。
(設計承認、型式承認の手続き)
設計承認の対象となるものは、まず製造者による設計承認の取得があって、使用者の届出がなされることになるので、設計承認の手続きが前広にできる限り早期になされるよう関係の製造者を促すこととすが必要である。また、型式承認についても同様に、前広のできる限り早期に手続きを促すこととすが必要である。
(不要な線源の保管、回収)
新たに規制対象となることにより、使用されなくなる線源が増えることも予想される。これらについて適切な保管、回収がなされるよう、必要な対応をとることとすが必要である。
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