資料27-3 ウラン又はトリウムを含む原材料、製品等の安全確保に関するガイドライン(案)(骨子)

資料27-3
(参考)

平成21年6月16日

1.本ガイドラインの位置づけ及び概要

○ ガイドラインの目的は、次の2点とする。
 ・ 製造事業所における作業者、周辺住民の無用な被ばくの低減化
 ・ 一般消費財による利用者の無用な被ばくの低減化

○ ウラン又はトリウムを含む原材料、製品等の安全管理について、直ちに法令による規制を導入するのではなく、ガイドラインを作成し、これに基づく自主管理を求めることとする。

2.ガイドラインの対象事業者

(1)製造事業に関する対象事業者

 1)又は2)であり、かつ3)である場合、対象事業者となる。なお、放射能の濃度は、被ばく線量が1mSv/年以下となることを担保するための目安である。

  1) 指定原材料を原材料として、中間製品等(一次製品、半製品、副産物等)又は一般消費財に加工する製造事業者
  2) 指定原材料を用いて加工された中間製品等を原材料として、他の中間製品等又は一般消費財に加工する製造事業者
  3) 指定原材料又は中間製品等に含まれる自然のウラン又はトリウムの放射能の濃度が1Bq/gを超えるおそれがある、又は精製したウラン又はトリウムの放射能の濃度が 10Bq/gを超えるおそれがあるもの
  ※ 当然の前提として、原子炉等規制法による届出や許可を要する放射能の濃度、数量のウラン又はトリウムを使用する場合には、原子炉等規制法による規制対象

指定原材料

(1)鉱石及び鉱物砂
 モナザイト(モナズ石)、バストネサイト、ジルコン、タンタライト、リン鉱石、ウラン鉱石、トリウム鉱石、チタン鉱石(ルチル、イルメナイト等)、石炭灰
(2) 精製したウラン、トリウムを添加した金属、ガラス等

 (2)一般消費財に関する対象事業者(製造事業者又は輸入事業者)

 1)であり、かつ2)又は3)である場合、対象事業者となる。なお、放射能の濃度及び数量は、被ばく線量が1mSv/年以下となることを担保するための目安である。

  1) 指定原材料又は指定原材料を用いて加工された中間製品等を原材料として製造、又は輸入された一般消費財であって、人体に密着あるいは近傍(1m以内)で使用されるもの
  2) 自然のウラン又はトリウムを含む場合は、ウラン又はトリウムの放射能の濃度が1Bq/g、かつ数量が8,000Bqを超えるおそれがあるもの
  3) 精製したウラン又はトリウムを含む場合は、ウラン又はトリウムの放射能の濃度が10Bq/g、かつ数量が80,000Bqを超えるおそれがあるもの
  ※ 当然の前提として、原子炉等規制法による届出や許可を要する放射能の濃度、数量のウラン又はトリウムを使用している場合には、原子炉等規制法による規制対象

3.製造事業所における実施内容

(1)放射線量率の測定及び被ばく線量の評価

 各作業場所(廃棄物の貯蔵場所を含む。)、事業所境界における放射線量率等を測定し、作業者、周辺住民の被ばく線量を評価する。

(2)被ばく線量低減のための改善措置

 作業場所における作業者、及び事業所境界での周辺住民の被ばく線量が1mSv/年を超えると推定される場合には、1)取り扱う原材料等の量を少なくする、2)廃棄物を小分けにする、3)遮へいを設ける、等の被ばく線量を低減する措置を講じ、1mSv/年以下となるようにする。

(3)情報提供

 ・ 中間製品等を他の製造事業者等に出荷する場合には、ウラン又はトリウムに関して、原材料等の種類、放射能の濃度及び数量、物理化学的性状、取扱い上及び保管上の注意事項等の情報を提供する。
 ・ 管理下にあった廃棄物を産業廃棄物として埋立処分することを意図して引き渡す場合には、引渡し先における被ばく線量が概ね1mSv/年を超えないことを確認する。

(4)記録の作成及び教育

 ・ 測定年月日、測定者名、測定の方法及び結果等を記録し、保存する。
 ・ 従業員に対する教育を行い、その記録を保存する。

4.一般消費財に関する実施内容

(1)放射線量率の測定及び被ばく線量の評価

 一般消費財を利用する位置で放射線量率等を測定し、利用者の被ばく線量を評価する。一般消費財の放射能分析値から被ばく線量を評価しても良い。

(2)被ばく線量低減のための改善措置

 一般消費財を利用する利用者の被ばく線量が、通常の利用で1mSv/年を超えると推定される場合には、1)使用する原材料等の量を少なくする、2)利用の方法が限定されるよう改良する、等の被ばく線量を低減する措置を講じ、通常の利用で1mSv/年以下となるようにする。

(3)情報提供

 ・ 一般消費財を利用する消費者の被ばく線量評価結果が、適正時間を超えた利用など、利用方法によっては1mSv/年を超えると推定される場合には、1)製品中にウラン、トリウムを含んでいること、2)利用時間当たりの被ばく線量、3)取扱い上の注意事項等を表示あるいは添付すること、等の措置を講じる。
 ・ 表示できない製品に関しては、他の方法により情報を適切に周知する。

(4)記録の作成

 測定年月日、測定者名、測定の方法及び結果等を記録し、保存する。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

横井、益田
電話番号:03-5253-4111(内線3925)

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)