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資料8




平成15年7月31日

社団法人日本レコード協会
                                生   野   秀   年   

「レコード輸入権」に関する協議状況等について


1.   「レコード輸入権」の創設を要望する背景
   近年、アジア諸国で日本音楽への需要が高まってきており、日本のレコード産業は積極的な海外展開を進めたいと考えている。しかし、日本のレコード会社がアジア諸国のレコード会社に原盤ライセンスを行った場合、当該ライセンス商品は現地の購買力に合わせて安価で販売されるため、当該ライセンス商品が日本に還流するという事態が生じている。そのため、日本のレコード会社は、ライセンス時期の調整する等の工夫を凝らしてはいるものの、還流により生じる被害を懸念し、海外ライセンスの積極的展開を躊躇せざるを得ない状況にある。
   このような状況に加えて、今後、日本と地理的に非常に近い韓国・中国が有望な音楽マーケットになることを考慮した場合に、海外ライセンス商品が販売許諾地域を越えて日本に還流し国内レコードの販売に影響を与えないよう、「レコード輸入権」の創設が必要であると考える。

2.    「レコード輸入権」の対象
   輸入権の対象は、「CD等の商業用レコード」に限定する。
   但し、以下の輸入は除く。
    1  コンピュータチップ等へ音が録音された製品
  2  個人持込等小規模なもの

3.    協議の状況
当協会は日本経済団体連合会(経団連)に対し、一昨年6月、「日本のレコードの(海外からの)還流問題」に関する検討を文書にて依頼し、協議開始に着手した。その後、経団連事務局との情報交換等を経て、昨年5月、「経団連 産業技術委員会知的財産問題部会」において、日本音楽著作権協会(JASRAC)とともに、レコードの還流とレコード輸入権の必要性についてのプレゼンテーションの機会を得た。その席上、権利対象となるレコードの範囲等に関する質疑、意見交換が行われ、現在に至るまで事務局間でレコード輸入権創設に係る諸事項について協議を継続中である。
なお、本年7月16日、「自由民主党 政務調査会 知的財産政策小委員会 著作権に関するワーキングチーム」において、当協会と経団連双方のヒアリングが実施され、この場で、経団連から「コンテンツ産業・IT産業の双方の発展を含め、産業界全体の立場から、協議に積極的に取り組みたい」との発言がなされた。

以上

 

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