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資料  3−2

文化審議会著作権分科会「契約・流通小委員会」
の検討状況について


1. 検討事項(平成14年7月29日に契約・流通小委員会で決定)

「契約システム」の構築への支援の在り方

「ビジネスモデル」の開発に対する国の支援の在り方
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新しいビジネスを企画する「ベンチャー事業者」とコンテンツの権利を管理する「集中管理事業者」等が共同して「ビジネスモデル」等の開発を行う「場」の設定
「契約システム」と「プロテクション技術」「自動課金システム」等を組合せた「ビジネスモデル」の開発への支援
「バーチャル著作物マーケット」の開発など、商業利用されていないコンテンツの流通促進を含め、国による実験的プロジェクトの実施とノウハウの提供  など
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スタンダードとなり得る「契約書例」等の開発
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法令を踏まえた「契約書例」の開発や、その内容についての一般の者の理解を助ける「図示システム」等を含んだ「契約インターフェイス」の開発  など
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集中管理事業者の活性化の在り方

権利者による「意思表示」のためのシステムの開発・普及の在り方
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一定範囲での「自由利用」を了解する旨の統一的な「マーク」等の開発・普及
「マーク」以外の表記・表示方法の標準化  など
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「契約」に関わる法制の改正

契約のシステム・慣行が十分に普及・定着した段階で廃止する方向とすべき規定の検討

新たな契約形態等に対応して新設すべき規定の検討
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ライセンス契約におけるライセンシーの第三者対抗要件
いわゆる「シュリンクラップ契約」が有効となる条件  など
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2.「契約・流通小委員会」委員名簿

  秋 田  完 (社)全日本テレビ番組製作社連盟専務理事

  石 井 亮 平 日本放送協会マルチメディア局著作権センター副部長

  入 江  観 (社)日本美術家連盟理事

  上 原 伸 一 (社)日本民間放送連盟著作権委員会著作権専門部会法制部会主査

  大 森 一 男 (社)電子情報技術産業協会法務・知的財産権総合委員会委員

  加 藤  衛 (社)日本音楽著作権協会常務理事

  金 原  優 (社)日本書籍出版協会副理事長

  久保田   裕 (社)コンピュータ・ソフトウェア著作権協会専務理事・事務局長

  児 玉 昭 義 (社)日本映像ソフト協会専務理事・事務局長

  佐々木隆一 (株)ミュージック・シーオー・ジェーピー取締役会長

  渋 谷 達 紀 東京都立大学教授

  寺島アキ子 (協)日本脚本家連盟常務理事

  土 肥 一 史 一橋大学教授

  生 野 秀 年   (社)日本レコード協会常務理事・事務局長

  橋 元  淳 (社)日本芸能実演家団体協議会実演家著作隣接権センター
事務局長代行

  橋 本 太 郎 ソフトバンク・ブロードバンドメディア(株)代表取締役

主査代理   半 田 正 夫 青山学院大学学長

  松 田 政 行 弁護士・弁理士

  村 上 重 美 (社)日本新聞協会専務理事・事務局長

主査 紋 谷 暢 男 成蹊大学教授

(計20名)

3. 小委員会の開催状況

○第2 回  平成14年  7月29日(月)
知的財産戦略大綱等の報告
検討事項の整理と審議スケジュール
「契約システム」の構築への支援の在り方について

○第3 回 平成14年  9月  9日(月)
「バーチャル著作物マーケット」について
「自由利用マーク」について

○第4 回 平成14年10月  4日(金)
ライセンス契約におけるライセンシーの第三者対抗要件について
検討状況の報告案の審議
   
4. 主な意見の概要
(1) 「契約システム」の構築への支援の在り方
  欧米諸国と異なり、慣行や習慣に依存して書面による契約を避ける傾向がある我が国は、現在過渡期にあり、著作物の円滑な流通のためには、適切な「ビジネスモデル」及びそれに不可欠な「契約システム」の構築を促進すべき。
  今後は、様々な著作権契約が必要となるが、必ずしも法令や契約実務に精通していない人々にもわかるように、「図」などを活用した標準的な「契約書」による「契約システム」(法令や正規の契約書と一般人の感覚を結ぶ「契約インターフェイス」とも言うべきもの)の構築を支援すべき。
  当事者が希望するものについては、適切な「ビジネスモデル」及び「契約システム」を当事者間で協同して構築するための「場」を創設し、行政がアドバイザーとして参加するなどの支援を行うべき(使用料の決定などの利害調整は除く)。
  新しく広がりつつある「N対N」の著作物の流通を容易にするため、モデルシステム等の開発や情報提供等を行うべき。

(2) 権利者による「意思表示」のためのシステムの開発・普及の在り方
  ネット上のホームページ等の中には、著作権者が一定の場合には無料・無許諾で著作物が利用されてもよいと考えているものがあるので、著作権者の意思を利用者に的確に伝えることのできる「意思表示システム」を開発すべき。
  「意思表示システム」の開発・普及に当たっては、表示の法的有効性など様々な法的な問題についても整理すべき。
  無料・無許諾で利用できることを示すシンプルなマーク(「自由利用マーク」的なもの)から始め、その後著作権者の多様なニーズに対応できるようなシステムを検討していくべき。

(3) 「契約」に関わる法制の改正
  著作物のライセンス契約(利用許諾契約)のライセンシー(利用者)は、著作権が第三者に譲渡された場合や著作権者が破産した場合、引き続き利用することについてその譲受人や破産管財人に対して対抗できなく、ライセンシーの立場が不安定になるため、著作物の円滑な利用の促進のためには、ライセンシーを保護する規定を設けるべき。
  その規定の在り方については、書面による契約をもって対抗できることとする案・登録を要件とする案等を始め、様々な案があり得るが、物権と債権の関係、破産法との関係、ライセンシー間の優先順位等を整理しつつ、実効性の高い最善の方策を慎重に検討すべき。
   
5. 今後の検討予定について(10月から1月にかけて4回程度開催予定)

「契約システム」関係

「意思表示システム」関係

「契約」法制関係
契約のシステム・慣行が十分に普及・定着した段階で廃止する方向とすべき規定の検討
いわゆる「シュリンクラップ契約」が有効となる条件

小委員会の審議のまとめ


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