文部科学省における大学・研究機関等との共同企画広報の実施 ~文部科学省ミュージアム「情報ひろば」企画展示【九州大学・多摩美術大学・東北大学・南山大学】~

平成25年3月29日

 文部科学省では、文部科学行政の取組を広く国民にお知らせすることを目的に、大学・研究機関等との共同企画広報を進めており、省内広報スペースを活用し、様々な研究成果や優れた取組に関する企画展示を実施することとしています。
 このたび、平成25年4月1日(月曜日)より、九州大学、多摩美術大学、東北大学、南山大学の協力を得て、文部科学省ミュージアム「情報ひろば」において、各大学との共同企画展示を実施しますのでお知らせします。(同時発表:九州大学・多摩美術大学・東北大学・南山大学)

1 大学・研究機関等との共同企画広報の趣旨

 我が国において世界的な研究成果を追求するとともに、地域に根ざした様々な取組を進め、国民生活の向上に寄与する大学・研究機関等の優れた研究成果や取組を広く国民に広報することにより、文部科学行政への一層の理解増進を図るもの。

2 企画展名(テーマ)

(1)九州大学

 「風」の力を新エネルギーに ~超高効率な発電性能を示すレンズ風車~

(2)多摩美術大学

 「バナナ・テキスタイル・プロジェクト―未利用資源の活用とサステナブルデザイン―」

(3)東北大学

 東日本大震災への復旧・復興への取組

(4)南山大学

 飛行船ロボットの研究開発を通した実践的教育 〜南山の理系力〜

3 展示期間

 平成25年4月1日(月曜日)~7月末(予定)※開館は午前10時~午後6時 

4 展示場所

 文部科学省 情報ひろば(東京都千代田区霞が関3-2-2 旧文部省庁舎3階)
 「科学技術・学術展示室」(九州大学・多摩美術大学・南山大学)
 「旧秘書官室」(東北大学)

5 展示概要

(1)九州大学

 テーマ:「風」の力を新エネルギーに ~超高効率な発電性能を示すレンズ風車~
 九州大学応用力学研究所新エネルギー力学部門風工学分野では、大屋裕二教授らの研究グループが、自然エネルギーの利用割合をこれまで以上に増やし、クリーンな社会づくりをすることに貢献することを目標に、有効な風力エネルギーの利用方法を研究開発してきました。
 開発された「レンズ風車」は、通常のローター(羽根)に簡単なリング状の構造物で覆うだけで、風エネルギーを集中させ、風力発電の効率を飛躍的に高めた新しいタイプの風力発電システムです。従来の風車と比べ2~3倍の発電出力の増加を達成し、現在まで小型(1-3kW機)、中型(100kW機)のレンズ風車を開発しています。この風車は、高出力に加え、静粛性、安全性、そして周囲の景観に溶け込む美しさがあります。
 このたびの「情報ひろば」における企画展示では、このレンズ風車の小型デモ機を展示して、風力エネルギー活用の実演を行い、また、パネル展示でレンズ風車の原理・メカニズムや関連するプロジェクトを一般向けに分かりやすく紹介します。  
【主な展示物】
 ○実物展示
 ・小型レンズ風車デモ装置
 ○パネル
 ・レンズ風車のメカニズム、関連するプロジェクトの紹介

 九州大学展示風景1

九州大学展示風景2

(2)多摩美術大学

 テーマ:バナナ・テキスタイル・プロジェクト―未利用資源の活用とサステナブルデザイン―
 多摩美術大学では、持続可能な社会づくりへの美術大学からの提案として、バナナ繊維を主とした世界の様々な未利用資源の技術・デザイン・商品の開発に取り組んでいます。この活動は平成12年に多摩美術大学教員の共同研究として発足しました。熱帯地方で大量に廃棄されるバナナの茎から繊維を抽出し、糸づくりから織布を製作するシステムを確立するための技術開発とその織布のデザイン研究を行い、アフリカ・アジア諸国では様々な実績をあげました。
 このたびの「情報ひろば」における企画展示では、プロジェクトの基本的な説明から、その成果や活動の様子などをパネルで紹介するとともに、実際にバナナ繊維を用いて学生たちが制作した作品などを展示します。
【主な展示物】
 ○実物展示
 ・バナナ繊維素材サンプル(繊維・糸・布・紙など)
 ・バナナ繊維を用いた学生作品
 ・ラオス南部で製作されたバナナ繊維織物製品
 ○パネル
 ・スズキ株式会社との産学共同研究成果

 多摩美術大学展示風景1

 多摩美術大学展示風景2

(3)東北大学

 テーマ:東日本大震災への復旧・復興への取組
 東北大学では、東日本大震災からの復興・地域再生を先導するため、平成23年4月に「東北大学災害復興新生研究機構」を設立し、研究・教育・社会貢献等に戦略的かつ組織的に取り組み、その成果を発信・実践するための組織と位置付けました。
 このたびの「情報ひろば」における企画展示では、その中の八つの研究プロジェクトと東北大学教職員が自発的に取り組む100のプロジェクトの紹介と併せて、今回の震災がどのような災害だったのか、地震と津波の調査・研究等について紹介します。
【主な展示物】
 ○実物展示
 ・津波発生装置(通称:津波はかせ)
 ○パネル
 ・津波が起こる仕組み(津波と高波の違いや津波の高さと規模の解説)
 ・日本周辺の地震(地震と地殻変動の解説)
 ・東北地方太平洋沖地震(東日本大震災を引き起こした地震と津波の解説)
 ・東北大学 復興アクション(東北大学復興アクションの解説とその活動を紹介する八つのプロジェクト等の紹介)
 ○モニター映像
 ・東北大学復興アクションで紹介する八つのプロジェクトの一つである災害科学国際研究所の研究成果等を動画で紹介

 東北大学展示風景1

 東北大学展示風景2

(4)南山大学

 テーマ:飛行船ロボットの研究開発を通した実践的教育 〜南山の理系力〜

 南山大学のある東海地方には、わが国の国際競争力が高い輸送機械や工作機械を製作する多くの企業がその本拠地を置いています。昨今のこれらの企業の製品開発や生産管理では、「組込みソフトウェア」という機械を制御するコンピュータのソフトウェアの重要性が急速に高まっています。同大学の情報理工学部は、日本で最初のソフトウェア工学科を中心として、それらの「組込みソフトウェア」の作成、管理、保守を行える人材を輩出しています。
 このたびの「情報ひろば」における企画展示では、飛行船を自律飛行させるための「組込みソフトウェア」を開発している複数の分野の研究室に所属する学生たちが、飛行船を制御するための制御工学の理論を考え、その理論をソフトウェア工学の体系的な方法に基づいて「組込みソフトウェア」として実現し飛行船のコンピュータに搭載している研究成果について紹介します。

【主な展示物】
 ○実物展示
 ・飛行船
 ・基盤
 ○パネル
 ・飛行船ロボット開発の概要
 ・飛行船ロボットのハードウェアの研究開発
 ・飛行船を制御するソフトウェアの研究開発
 ・飛行船の制御方法の研究開発

 南山大学展示風景1

 南山大学展示風景2

6 文部科学省広報スペース(「情報ひろば」「ラウンジ」「エントランス」)について

 文部科学省 情報ひろば(※情報ひろばウェブサイトへリンク)では、企画展示や企画イベントをはじめ、様々な情報を随時掲載しています。
https://www.mext.go.jp/joho-hiroba/index.htm

7 取材等について

 展示風景の撮影及び内容等における取材を希望される方は、下記担当まで電話又はメールにて、お知らせください。

お問合せ先

文部科学省大臣官房総務課広報室事業第2係

電話番号:03-5253-4111(内線2170・3045)
ファクシミリ番号:03-3593-7163
メールアドレス:hiroba@mext.go.jp

-- 登録:平成25年03月 --