第3章 科学技術システム改革

第3節■科学技術振興のための基盤の強化

4 標準化への積極的対応

 総務省では、情報通信分野における我が国発の国際標準の実現、国際競争力の強化を促すため、研究成果を国際電気通信連合(ITU(注1))等の標準化機関に対して提案を行うなど、標準化活動への貢献を条件とした公募研究として「国際技術獲得型研究開発」を実施しており、平成18年度は3件を新規に採択した。また、研究開発と標準化の一体的推進が重要との認識の下、将来的な国際標準への貢献を意識して、ユビキタスネットワーク技術等を推進している。ITUにおいては、ユビキタスネット社会の実現に不可欠な基盤技術として、NGN(次世代ネットワーク)の標準化活動が活発化しているほか、ホームネットワーク、電子タグシステム等の標準化が今後本格化するものと期待されており、我が国はこれまでITUにおけるこれら技術の標準化体制の提案等を積極的に実施してきた。さらに、アジア・太平洋電気通信標準化機関(ASTAP(注2))を通じてアジア諸国との標準化活動の連携を強化し、ITUに対する標準案の共同提案を推進している。
 経済産業省では、我が国発の技術に基づく国際標準を戦略的に獲得していくために、国際標準化戦略目標を設定し、ナノテクノロジー、ロボット、光触媒、ICタグ等我が国が優位にある技術分野の国際標準化に積極的に取り組むとともに、研究開発と標準化の一体的推進を図るため、研究開発プロジェクトにおける標準化戦略の明確な位置付けを促進している。また、基準認証研究開発事業として、標準化を目的とした研究開発を行い、平成18年度より、新技術開発を促進する観点から、「MEMS(注3)デバイス機構材料に関する標準化」等に関する研究開発を開始、平成18年度現在、30テーマについて実施している。
 また、標準化に関する人材育成については、広く大学(学部、大学院)及び企業の教育現場においての活用を目的とした「標準化」の教材の開発、標準作成専門家育成に関する研修を実施した。

  • (注1)ITU:International Telecommunication Union
  • (注2)ASTAP:Asia-Pacific Telecommunity Standardization Program
  • (注3)MEMS:Micro Electro Mechanical Systems

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