第4章 新たな科学技術指標への取組

 第1章から第3章まで詳述してきた研究費、研究者数、論文数、特許出願・登録数、技術貿易額などの指標は、国の科学技術政策の企画立案における基礎的データとして重要である。これらのデータについては、それぞれ個々の調査等によって把握されているが、近年、科学技術活動の複雑化・グローバル化等が進む中で、国の科学技術活動の姿を的確にとらえるため、上記の指標についての調査手法の見直しのほか、新たな指標の開発等が行われている。本章では、OECDや我が国における取組について紹介する。

第1節■OECDにおける取組

 OECDでは、科学技術政策委員会(CSTP)の下部組織として科学技術指標専門家会合(NESTI:Working Party of National Experts on Science and Technology Indicators)が設置され、研究開発をはじめとする科学技術活動に関する国際比較可能なデータの収集のための手法の改善や新たな指標の開発等を行っている。
 2006年(平成18年)6月に開催されたNESTI会合においては、博士号取得者のキャリア(CDH)に関する調査の調査方法、調査票、結果の表章等について、2004年以来我が国も参画して検討が行われてきたガイドラインの案が提示され、採択された。
 このほか、研究開発の国際化やイノベーション調査の政策的活用のための指標開発に向けた取組等が進められている。

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